都民共済とはどんな共済保険なの?その特徴と注意点を解説します!

都民共済とは東京都の生活協同組合が取り扱っている共済保険のことです。保障内容はオーソドックスで、申し込む際の健康告知の条件はゆるやかで加入しやすいのが特徴です。ただし、高齢者になると共済保険の保障内容や保障金額が縮減される等のデメリットもあります。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

都民共済はどんな保障内容なのか、掛金(保険料)はどのくらいなのか?

皆さんは都民共済をご存知でしょうか?

よく自宅のポストにパンフレットが投函されているのは目にするけど、保障内容や掛金までは確認したことがないという方がほとんどだと思います。

実は、都民共済は上手く加入すればコストパフォーマンスが高い共済保険になります。

今回はそんな都民共済について
  • 都民共済の掛金はお得なのか?
  • 都民共済の保障内容はどうなっているのか?
  • メリットだけではなくデメリットはないのか?
以上の3点を中心に説明していきます。

この記事を読んでいただければ、ポストに投函されている都民共済や共済保険のパンフレットへの見方が変わるかもしれません。

ぜひ最後までご覧ください。

都民共済はくらしを保障し掛金(保険料)が安い

都民共済は「誰もが真に必要とする掛金負担の小さい共済を目指す」だけあって、掛金が非常に安く設定されています。

掛金が安くできる一番の理由は、共済の販売体制によるものです。

都民共済では基本的には生命保険会社の営業担当のようなものを設けておらず、折り込み広告などで、お客様から自ら申込みをしてもらう方法をメインにしています。

その結果、募集コストを大幅に抑えて、抑えた分掛金を安く販売できているのです。

また非営利目的のため、掛金に対して加入者に支払う共済金の額が少なければ、割戻金として掛金の一部が戻ってくるので、実質の掛金はさらに安くなります。
(平成29年度、総合保障2型で年間24,000円掛金を支払った場合は8,083円の割戻金がありました)

都民共済を扱う生活協同組合の制度趣旨、組織概要について

都民共済を扱っているのは東京都民共済生活協同組合という組織で、東京都知事の認可により共済事業を中心に行っている生活協同組合の1つです。

また、共済事業以外にもブライダル事業もおこなっており、お手軽なウエディングプランやドレスのレンタルサービスなどを扱っています。

設立は1983年3月で35年以上にわたって営業しており、平成30年3月末日現在では、都民共済の加入件数は204万件を超えています。

東京都の人口が約1380万人であることを考慮すると非常に多くの方が都民共済に加入しているのがわかります。

ちなみに、全国39都道府県の共済保険の総加入数は平成30年3月末日現在で、2,110万件となっています。

保障は病気やケガ等の治療をトータルでサポート

都民共済の生命共済は総合保障型、入院保障型と2つを組み合わせた総合保障型+入院保障型の3種類が用意されています。

保障の内容としては、総合保障型が入院・通院・後遺障害・死亡・重度障害とトータルでサポートしてくれる内容になっています。

さらに入院保障型を組み合わせると手術・先進医療の保障もカバーすることができます。

また、0歳~17歳の方が加入できるこども型はさらに手厚く、入院・通院・後遺障害・死亡・重度障害・手術・先進医療に加えて、がん診断・犯罪被害死亡(ひき逃げ事故など)・契約者の死亡・第3者への損害賠償など、十分すぎる共済保険となっています。

都民共済の毎月の掛金(保険料)の相場は2,000円前後

総合保障型であれば、掛金から3つのコースに別れており、総合保障1型1,000円、総合保障2型2,000円、総合保障4型4,000円となっています。

保障の対象範囲はどのコースも同じですが、掛金が高くなればなるほど共済金の額も高くなります。

また、総合保障型とは別に、入院保障型というタイプも用意されています。

亡くなった時の保障は少ないですが、入院日額は1万円なので掛金2,000円でも十分入院や手術に備えることができ、自分にあった共済保険を選択することができます。

都民共済は健康告知もゆるやかで加入しやすい

都民共済の健康告知内容は告知項目に該当しなければ、詳細を告知する必要はないので、どんな診断名があったとしても申込みをすることができます。

例えば、過去に悪性新生物(がん)に罹患していたとしても、完治してから5年経過していれば告知項目に該当しないので、申込みが可能です。

民間の保険会社の医療保険だと、がんになったことがあると一生涯加入することができないケースが多いので、
がんを経験した方には非常に嬉しい告知項目になっています。 

また、仮に告知項目に該当したからといってすべての場合で加入できないわけではなく、該当しても内容によって一部加入できる可能性あります。

告知項目に該当した場合は、申し込み後に都民共済から確認が入り、審査の結果で加入の可否が決まるので、まずは試しに申込みしてみるのも良いかもしれません。

都民共済のメリット

都民共済のメリットは掛金の安さや加入する際のハードルが低い点などがありますが、保障内容でもメリットがあります。

保障内容のメリットは主に以下の2点になります。

  • 生命共済は入院から死亡までトータルで保障してくれる
  • 帝王切開などが保障される入院保障2型や医療
    1型特約の用意もある

生命共済は加入者の死亡から入院治療までを保障

生命共済で取り扱っている総合保障型と入院保障型のどちらも保障の範囲は広く、死亡から入院までトータルで保障してくれる内容になっています。

そのため、保険にあまり詳しくなく、何に加入すれば良いかわからない・初めて検討するという方には都民共済はおすすめです。

ただし、入院保障型では死亡時の金額が非常に低くなっているので、入院保障型だけで検討するよりは総合保障型にプラスして入院保障型や医療1型特約を検討すると安心だと思います。

帝王切開の手術保障は入院保障2型か医療特約に加入してカバーする

自然分娩の場合は病気やけがではないので、手術の保障は適用されませんが、帝王切開などの異常分娩については手術共済金が支払われます。

ただし、総合保障型には手術の保障はついていないので、帝王切開の時に備えたい方は、医療1型特約や入院保障型に加入してカバーする必要があります。

帝王切開の手術を受けた場合は医療1型特約で20万円、入院保障2型で10万円となりますが、加入してから1年間は帝王切開で出産しても保障の対象外となります。

そのため、現在妊娠している方は、今回の出産については保障の対象外となります。

都民共済のデメリット

掛金も安く保障内容も充実している都民共済ですが、メリットばかりでなく、当然デメリットもあります。

  • 保障内容がカスタマイズしづらい
  • 年齢が上がるにつれて共済金の額が少なくなる
  • 東京都から引っ越す場合は手続きが必要

それでは、それぞれのデメリットを詳しく見てみましょう。

民間保険会社の保険と比較すると保障内容をカスタマイズし難い面がある

都民共済は、加入希望者が自ら申込をする募集形態のため、決められたプランの中から選択する方式になっています。

そのため、民間保険会社の保険のように保障額を細かく設定したり、オプションをつけ外ししたり、オーダーメイドの保障を設計することはできません。

また、全体的に保障額は少額となっており、会社を経営している方など、大きな保障を望む方には不向きな商品といえます。

高齢者になると他の世代と比較して、保障内容が縮減されてしまう

都民共済の特徴として年齢が上がっても掛金が上がらないという点がありますが、当然、年齢が上がるにつれて病気になるリスクは高くなるので、バランスをとるために保険金額が調整されます。

そのため、60歳以降になると年齢が上がるにつれて、段階的に保障内容・保障額が少なくなっていきます。

総合保障4型から熟年4型に継続された場合の保障額

  • 18歳~60歳≪総合保障4型≫
入院(事故):10,000円、入院(病気):9,000円、通院:3,000円、

後遺障害(交通事故):1,320~52.8万円、後遺障害(不慮の事故):800~32万円、
死亡(交通事故):2,000万円、死亡(不慮の事故):1,600万円、死亡(病気):800万円

  • 65歳~70歳≪熟年4型≫

入院(事故):5,000円、入院(病気):5,000円、通院:0円、
後遺障害(交通事故):200~8万円、後遺障害(不慮の事故):200~8万円、
死亡(交通事故):400万円、死亡(不慮の事故):400万円、死亡(病気):200万円

  • 80歳~85歳≪熟年4型≫ 

入院(事故):2,000円、入院(病気):0円、通院:0円、
後遺障害(交通事故):40~1.6万円、後遺障害(不慮の事故):40~1.6万円、
死亡(交通事故):100万円、死亡(不慮の事故):100万円、死亡(病気):60万円

県民共済の保険請求についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

東京都から他の道府県へ引っ越す場合、移管手続き請求をしなければならないことも。まずは窓口へ問い合わせよう。

東京都民共済は、東京都にお住まいか、お勤めの方でないと加入できないので、他の道・府・県に引っ越した場合は、基本的には移管手続きをおこなうように依頼が来ます。

しかし、移管手続きは必須ではなく、住宅変更の手続きのみをして、加入済みの都民共済を続けることができます。

都道府県民共済は39都道府県のネットワーク事業なので、山梨県・福井県・鳥取県・高知県・徳島県・愛媛県・佐賀県・沖縄県については共済事業をおこなっていませんが、引越ししても共済を継続できるので安心です。

また、都道府県によって割戻金の額が異なりますので、必ず割戻金の実績でどちらがお得か確認してから移管手続きか住所変更かを決めましょう(都民共済の総合保障型・入院保障型の平成29年度割戻率実績は39.08%)。

いずれにせよ手続きが必要になりますので、引越しが決まった段階で窓口に問い合わせて確認しておきましょう。

まとめ

都民共済について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のポイントは、
  • 都民共済は掛金が安く2,000円程度で十分な保障が得られる。
  • 健康告知も生命保険会社と比べると緩やかで持病があっても加入できる場合がある。
  • 保険とは違い高齢になっても掛金は変わらないが保障の額が段階的に少なくなる。
以上の3点です。

都民共済は小さな掛金で大きな保障を掛ける助け合いの精神から生まれた共済保険です。

家計には負担はかけたくないが、万が一の時に何も保障がないのは不安ですよね?

都民共済は割戻金もあり、掛金負担はかなり軽いと思いますので、まだ何の保障も用意していない方は、まず都民共済や別の共済保険の加入から検討してみると良いかもしれません。

この記事を読んだことで、保険選びの選択肢の1つとして共済保険も検討していただければ幸いです。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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