個人型確定拠出年金(iDeCo)が抱えるリスクとその種類とは

個人型確定拠出年金(iDeCo)は2017年4月から専業主婦や公務員の方も加入可能となり、現在ほとんどの方が加入可能となりました。しかし、個人型確定拠出年金(iDeCo)はリスクの大きい商品です。この記事ではリスクの種類とおすすめでない人の特徴を解説します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)が抱えるリスクについて

個人型確定拠出年金(iDeCo)は節税しながら老後の資金をためられる方法として最近色々なところでおすすめされており、検討されている方も多いのではないでしょうか?

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは掛金を自分で運用しながら積み立てて原則60歳以降に受け取る仕組みのことで、掛金、運用益、給付を受け取る時には税制上の優遇措置がされています。


たくさんのメリットがある個人型確定拠出年金(iDeCo)ですが、リスクについては語られることが少ないのが現状です。


リスクをよく理解せずに加入すると損をしてしまうこともあり大変危険です。


そこで、この記事では「個人型確定拠出年金(iDeCo)が抱えるリスク」について


  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)の主なリスクと種類
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しない方がいい人

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ個人型確定拠出年金(iDeCo)のリスクを知り、自分が加入した方が良いのかしない方が良いのかという正しい判断をできるようになります。


是非最後までご覧ください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の主なリスク

日本には公的年金制度がありますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)はそれに上乗せする形で自営業者やサラリーマン、公務員、主婦などが任意で加入することができる年金です。

もともと自営業者や企業年金制度がない方向けにあった制度ですが、公的制度だけでは足りないと考える方の増加などもあり、2017年1月からは20歳以上のすべての人に開放されています。


ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)の主なリスクとして

  1.  60歳までは基本的に解約できず、資産を引き出すことができない
  2. 利用には毎月定額の手数料がかかる
  3. 年金を受け取るときには所得税扱いとなる
  4. 得られる収益の幅がブレること

について説明していきます。


一つずつ確認していきましょう。


リスク1:60歳までは基本的に解約できず、資産を引き出すことができない

個人型確定拠出年金(iDeCo)最大のリスクは途中解約ができないことです。


個人型確定拠出年金(iDeCo)では自分で掛金額を設定し、自分で選んだ運用商品(定期預金、保険商品、投資信託)で運用し、60歳以降に年金を受け取ります。


あくまでも老後のための資産運用なので、掛け金を減らすことはできますが、原則として今まで拠出してきた年金を60歳以前に受け取ったり解約することはできません。


そのため、病気や教育資金などの急な出費の際に使える貯蓄が充分でない方は加入には慎重になった方が良いでしょう。

リスク2:利用には毎月定額の手数料がかかる

個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛け金の拠出はやめることができますが、1度加入すると今まで拠出してきた掛金の運用を途中でやめることはできません。


個人型確定拠出年金(iDeCo)の利用には、加入するときの手数料の他に、月々一定の口座管理手数料を払う必要があり、月々ずっと払っていかなければなりません。 


口座管理手数料として以下の3種類があります。

  • 国民年金基金連合会手数料
  • 事務委託手数料
  • 運営管理機関手数料

このうち国民年金基金連合会手数料(103円)と事務委託手数料(64円)はどこの金融機関でも共通で、運営管理機関手数料については0円〜450円と金融機関によって違います。


また他にも投資信託などの商品を運用するときの運用管理費用(信託報酬)という手数料も発生します。


これらの手数料をカバーできるだけの利益が出る保障はどこにもなく、元本割れする可能性もあります。

リスク3:年金を受け取るときには所得税扱いとなる

60歳をすぎて個人型確定拠出年金(iDeCo)を受け取るときには、「所得」として扱われるので状況によっては課税される場合があります。


個人型確定拠出年金(iDeCo)受け取り方には、

  • 分割(年金)受け取り
  • 一括(一時金)受け取り
  • 分割と一括の併用

の3通りがあります。


分割受け取りの場合は公的年金と合算され、受け取り時に65歳未満は70万円まで、65歳以上は120万円までは「公的年金等控除」によって非課税ですが、超えた分は課税されます。


一括受け取りの場合は退職金と合算され、「退職金控除」を超えた分は課税されます。


受け取り方次第で支払う税額が大きくかわることになりますので注意してください。

4: 得られる収益の幅がブレること

個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分で選んだ運用商品(定期預金、保険商品、投資信託)で運用するので、運用状況によっては収益の幅がぶれるのがリスクとなります。


投資信託はプロが運用するとはいえもちろんリスクはあります。


安定している定期預金も利率が低いのに毎月の手数料はかかりますし、保険商品も途中で解約すれば元本割れする場合があります。


どんな金融商品であっても高騰することもあれば下落することもあり、運用状況によっては給付される金額が下がることもあるのです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のリスクの種類

個人型確定拠出年金(iDeCo)のリスクといってもさまざまな種類のリスクがあります。


資産運用における「リスク」とは「期待通りの収益が得られることに対する不確実性」のことで、「リターン」とは「運用によって得られる収益」のことです。


一般的にリスクとリターンの大きさは比例し、高いリターンを期待できるものはおのずとリスクも高く、逆にリスクが低いものでは低いリターンしか望めません。


ここではリスクの種類として

  • 価格変動型のリスク
  • 為替変動リスク
  • 物価上昇による元本割れ
  • 株式や債権の発行元の信用問題

について説明していきます。

価格変動型のリスク

「価格変動型リスク」とは、経済情勢や会社の業績等により市場の取引価格が変動することによって、投資した金融商品の価格が変動するリスクのことです。


株式や債券をはじめとする金融市場は日々変動しており、それらに投資する投資信託などの運用実績に影響が及びます。

想定外の動きだった場合には、期待通りのリターンが得られない可能性もあり、売却や解約の時期によって元本割れとなる場合もあります。

為替変動リスク

「為替変動リスク」とは、外貨建ての商品において為替レートが変動することで外貨と円とを換算する際に損益が発生するリスクのことです。


為替レートとは通貨を交換するときの比率のことで、世界中の政治や経済に影響されて常に変動しています。


他国の通貨に対する円の価値が高くなれば「円高」、安くなれば「円安」と言います。


海外の株式や証券で運用する金融商品は、いったん外貨に替えて投資するので、円高が進むと円に戻した場合の価値が低下し、逆に円安になると価値が上昇します。

物価上昇による元本割れ

長期の運用では、物価上昇率が金融商品の運用利回りを上回り、実質的にお金の価値が下がってしまうリスクもあります。


物価が上昇すると、貨幣価値は下がります。


定期預金や元本保証型の商品であればノーリスクというわけではなく、受け取るときに物価が上昇していれば実質元本割れしているのと同じことなのです。

株式や債権の発行元の信用問題

株式や債券を発行している企業や国、地方自治体、政府関係機関などの財政に関するリスクもあります。 


発行元の財政が悪化すれば元本や利息、配当を支払うことができなくなる可能性があります。


そういう事態が起こった場合またはそれが予想される場合は、その株式や債券の価格が下落します。


信用力の低い発行体ほど信用リスクは高くなるということです。  

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しない方がいい人

さて、ここまで個人型確定拠出年金(iDeCo)のリスクについて説明してきました。


自分にはどういうリスクがあるのかをよく考えて個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するかどうかを決めなくてはいけません。


メリットよりもリスクの方が大きくなる可能性があり「個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しない方がいい人」は、


  • 収入が低く所得税をあまり払っていない人
  • 数十年間、金融商品を管理する時間や自信がない人
  • 控除されるものが多い人(扶養控除、住宅ローン控除など)
  • 年金や退職金が多い人

のような方です。


一つずつ解説していきます。

収入が低く所得税をあまり払っていない人

個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大のメリットは、掛金分全額が所得控除の対象となり、節税できることです。


収入が低く所得税をあまり払っていない人は、メリットが小さくなります。

また、低い収入の中から掛け金や手数料を払っていくのは負担が大きく、途中解約できないリスクも大きくなってきます。

数十年間、金融商品を管理する時間や自信がない人

個人型確定拠出年金(iDeCo)では、数十年間にわたって自分でお金の運用をしていかなければなりません。


投資信託はプロが運用を行いますが、どの商品にどれだけ投資するのかは投資のリスクや運用状況などをよく理解した上で購入しなければいけません。


購入後も経済の動きや運用結果をチェックしてずっと管理していく必要があります。


投資の知識がある方は良いですが、そういったことをする時間や自信がない方は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入には不向きかもしれません。

控除されるものが多い人(扶養控除、住宅ローン控除など)

扶養控除や住宅ローン控除などでもともと所得控除されるものが多い方も個人型確定拠出年金(iDeCo)による節税効果が低いです。 


また、住宅ローンを払っている人に関しては、個人型確定拠出年金(iDeCo)に拠出するお金をローン返済に上乗せした方が利息軽減効果が大きくなるパターンもあるのでよく考えて加入するべきです。

年金や退職金が多い人

個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛け金が全額所得控除となるため高所得者ほど節税効果が高いです。


しかし、年金や退職金が多い方は60歳をすぎて給付金を受け取るときに課税される可能性があるので要注意です。


退職金が多い方は、一括(一時金)受け取りにした場合、退職金控除を超えて課税される可能性があります。


年金が多い方は、分割(年金)受け取りにした場合、公的年金等控除を超えて課税される可能性があります。


自分がもらえる公的年金や退職金の額を調べて、税金がかからない受け取り方を工夫しましょう。

まとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)が抱えるリスクについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

今回のこの記事のポイントは、

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)は60歳になるまで受け取ることができず手数料がかかり続けるので、収入が低い方や長期間管理できない方は要注意
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)も価格や為替変動・物価上昇・信用リスクによって元本割れすることがある
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)は給付金に課税されることがあるので、公的年金・退職金が多い人は要注意

です。


個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するかどうかを検討するときには、メリットとリスクについてよく理解し、長期的な視点でよく考える必要がありますね。


「老後の資金が不安だから」と安易に加入せず、「自分は個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入すべきなのかどうか」と1度立ち止まって将来設計をしっかり考えてから決めましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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