iDeCoにはデメリットしかない?おすすめしない人を解説

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iDeCoを始める前に知っておくべき点について徹底解説!よく「iDeCoはやらないほうがいい」「デメリットしかない」と言われていますが、果たしてそれは本当なのでしょうか。この記事ではイデコの基礎から8つのデメリット・6つのメリットまでをわかりやすく説明します。



▼この記事を読んで欲しい人
  • iDeCoのデメリットをしっかりと理解して損をしたくない方
  • iDeCoはデメリットしかないと感じている方
  • iDeCoがおすすめな人とおすすめしない人を知りたい方

内容をまとめると

  • iDeCoは主に「掛金の全額所得控除」「運用益は非課税」「受取時は控除」の3つのメリットがある
  • 一方、「60歳までお金を引き出せない」「手数料負けする可能性がある」「元本割れする恐れがある」といったデメリットがある
  • デメリットしかない状況を作らないように制度をきちんと理解することが大切
  • iDeCoを含む資産運用のお悩みなら何度でも無料でFPに相談できる相談満足度93%のマネーキャリアがおすすめ!
  • マネーキャリアはスマホでオンライン相談ができるから、仕事や育児が忙しい方でも安心して利用できる!

iDeCoでデメリットしかない可能性があるおすすめしない5つのパターン


iDeCo(イデコ)には、投資したお金が全額所得控除になる、運用益が非課税になるといった様々なメリットがあります。

制度の仕組みをきちんと理解した上でお金を積み立てることによって、高い節税効果を享受しながら、将来の費用に備えることが可能です。

しかし、そんなiDeCoにもデメリットが存在し、これを知らないばかりに損をしてしまうことも少なくはありません。


そこでこの項目では、デメリットしかない可能性がある4つのパターンについて解説します。


解説内容は、以下の通りです。

  1. 掛金で家計を圧迫している場合
  2. 収入がない場合
  3. 元本割れしてしまう場合
  4. 定期預金だけで運用している場合

これからiDeCoで資産形成をしようと考えている方は、どんな時に損をするのか把握しておきましょう。

①掛金で家計を圧迫している場合

iDeCoは老後資金の形成に役立ちますが、掛金の拠出が今の生活を苦しめることになるのならおすすめできません。


※ 掛金とは積み立てるお金のこと


なぜなら「iDeCoの掛金は原則60歳まで引き出せないから」です。


銀行預金やタンス預金だと自分の好きなタイミングで引き出せますが、iDeCoではそれができません。


そのため、予期せぬ費用が発生したときに困ることになるのです。


貯金が十分にある状態で不自由なく暮らせるのであればiDeCoを始めても問題ないと言えます。


ですが、常にお金の悩みで頭がいっぱいになるほど生活が困窮しているのなら、今はiDeCoに手を出すべきではないでしょう。


金銭面での苦労は精神的なストレスとなり、仕事や日常生活に悪影響を及ぼします。


心の病を発症しかねないので、将来の生活よりも今の生活を大切にすべきです。

②収入がない場合

iDeCoにはたくさんのメリットがあると冒頭でお伝えしましたが、その中の一つに「全額所得控除」があります。


日本は累進課税が適用されていることから、課税所得が一定のラインを超えるごとに税率が上昇し、支払う税金が高くなるのです。


例えば、課税所得が1,000円〜194万9,000円であれば税率は5%となり、195万円〜329万9,000円であれば税率は10%になります。


稼げば稼ぐほど納税額が多くなるため、税金を少なくするために課税所得を減らそうと考えるのが一般的です。


そこで役に立つのが「控除」という税負担を軽減する仕組みになります。


基礎控除や配偶者控除、扶養控除などを耳にしたことがあると思いますが、これらと同様にiDeCoを活用することによって掛金すべてを所得控除(小規模企業共済等掛金控除にすることができるのです。


例えば、会社員の場合は毎月の給与から源泉徴収されますが、「年末調整」または「確定申告」で掛金を申告することによって余分に納めたお金を取り戻せます。


しかし、専業主婦(夫)で収入がない場合はそもそも税金が発生しないため、iDeCoのメリットである全額所得控除の恩恵を受けられません。


デメリットしかないわけではありませんが、専業主婦はメリットの一つを失うことになるので、損をしていると捉えられるでしょう。

③元本割れしてしまう場合

iDeCoには、掛金の所得控除に加えて、受け取り時の控除も用意されています。


一時金として一括で受け取る際は「退職所得控除」、年金として分割で受け取る際は「公的年金等控除」、一時金と年金を組み合わせる場合は両方の控除が適用されます。


この控除を上手く利用することで、納税額を安く抑えたり、納税額を0にしたりすることが可能です。


しかし、iDeCoで運用益を出せずに元本割れしてしまった場合、結果的に「iDeCo口座で運用しなくてもよかった」ことになります。


なぜなら、通常の課税口座で運用していたとしても元本割れを起こすと税金がかからないからです。


運用益が非課税になるメリットも活かせませんし、運用益に税金がかかる「課税口座」限定の損益通算も利用できません。


損益通算とは、定められた期間内の利益と損失を相殺することで、簡単に言えば「投資で得た利益から損した分を引いて税金を減らしていいよ」という税制優遇です。


本来なら最長3年間は損失分を繰り越して節税できますが、iDeCo口座は使えないのでデメリットしかありません。

④定期預金だけで運用している場合

iDeCoで資産運用を行う際は、どの商品に投資をするのかを選ばなくてはなりません。


商品には「保険・定期預金」「投資信託」の3種類があり、前者が元本確保型商品、後者が元本変動型商品として分類されています。


※ 元本確保型商品は基本的に掛金が保証される商品のこと。元本変動型商品は掛金が減るリスクがある商品のこと


仮に元本確保型商品の定期預金だけで運用する場合は、金利が年0.001%〜0.01%程度しかつかないので、手数料負けをします。


iDeCoの主な手数料は、以下の5つです。

  • 加入時手数料:2,829円
  • 運用手数料(毎月):171円 ※掛金を拠出しない月は66円
  • 運営管理手数料(毎月):0円〜400円 
  • 給付手数料:440円
  • 移管時手数料:4,400円
※ 運営管理手数料は金融機関によって手数料が異なります

iDeCoに加入する際に「2,829円」、年間の運用手数料で「2,052円」かかるので、大した運用益が見込めない定期預金ではマイナスにしかなりません。


収入のある会社員や公務員、個人事業主であれば所得控除の恩恵を受けられるためましですが、収入のない専業主婦の場合は損でしかないです。

⑤貯蓄が極端に少ない人

iDeCoは原則として60歳になるまで資金を引き出せないので、貯蓄が少ない人にはデメリットしかない可能性があります。


貯蓄が極端に少ない状態でさらにiDeCoで積み立てまで行えば、急な出費に対応できません。


iDeCoはお金に余裕がある状態の人が将来の資産形成のために行うものであり、貯蓄が少なく資金に余裕がない人が手を出すのは得策ではないでしょう。


貯蓄が極端に少ない人は、iDeCoで積み立てを行う前に急な出費にも対応できるような資金を貯めることを第一とするべきです。


iDeCoは貯蓄が少ない人にとってはデメリットばかりなので、自分の貯蓄に余裕がある人は検討の余地がありますが、貯蓄に余裕がない人は避けた方が良いでしょう。

iDeCoがデメリットしかないとは言わないがおすすめしないケース

仕事が不安定な個人事業主・フリーランスの方

個人事業主やフリーランスで仕事が不安定な人、一定の給料が入ってこない人にはiDeCoはおすすめできません。


iDeCoは引き出したいときに資金を引き出せないので、仕事が不安定な個人事業主やフリーランスと相性が悪いからです。


個人事業主やフリーランスは仕事を取れなければお金が入ってこないので、その場合は基本的に貯蓄を切り崩すことになります。


仕事を探している最中でも当然お金は入ってこないので、不労所得が得られない場合は、お金が減っていくばかりです。


ただし、個人事業主やフリーランスでもスキルが高ければある程度安定して仕事が得られるので、そういった人にはおすすめできます。

これから大きな支出が見込まれる人

マイホーム購入で住宅ローンの返済が必要な人や、子供の学費がかかる人など、大きな支出がこれから見込まれる人には、iDeCoはデメリットが多いと考えられます。


iDeCoは継続的に一定の掛金を拠出するので、他に大きな支出があると、貯蓄があっても負担になることが多いです。


また、大きな支出があるタイミングは、他にも必要となるものが多いです。


例として子供の学費は大きな支出ですが、学費と同時に勉強道具や習い事などでお金が必要になってくるでしょう。


貯蓄が大きく減ったタイミングで、さらに毎月iDeCoで決まった金額が貯蓄から出ていくのは、心理的負担にもなります。


iDeCoを始める際は、大きな支出が近いうちに無く、貯蓄に余裕があるタイミングで行う方が良いでしょう。

iDeCoとは?【iDeCoの基礎知識】


そもそもiDeCoとは、個人型確定拠出年金とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の方が加入できる私的年金のことです。


本来、金融商品の運用益には「20.315%」の税金が発生しますが、iDeCoはその税金を非課税にし、さらに所得控除で課税所得を抑えられる優秀な節税制度になります。


国民年金と厚生年金、そしてiDeCoで将来の備えをしておくことで、よりお金に困らない老後生活を実現できる可能性が高まるでしょう。


前項にて、デメリットしかないパターンを紹介したものの、本来は老後資金の形成をサポートしてくれるお得な制度なのです。


正しい知識を身につけ、入念に計画を立てれば、デメリットしかない状況にはなりません。


1. iDeCoの加入方法


iDeCoを取り扱っている金融機関(運営管理機関)約160社の中から1社を選びます。


希望の金融機関が見つかったら、サイトや窓口で「加入申出書」を受取・記入して提出すればOKです。


金融機関によって、取扱い商品や手数料、サービス内容が異なるので注意しておきましょう。


2. iDeCoの掛金上限と下限


掛金の上限は、職業や状況によって異なります。

職業上限
自営業者等月額6.8万円
会社員(勤務先に企業年金なし)、専業主婦(夫)月額2.3万円
会社員(企業型DCのみ加入済み)月額2万円
会社員(DBと企業型DCに加入済み)、会社員(DBに加入済み)、公務員等月額1.2万円

※ DBとは確定給付企業年金のことで、企業型DCとは企業型確定拠出年金のこと


掛金の下限額は「月額5,000円」となり、1,000円単位で上限まで金額を設定できます。

掛金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

iDeCoの8つのデメリットとリスク


iDeCoの運用には大なり小なりデメリットが存在します。


この点を押さえておかないと「こんなはずじゃなかった…」「始めなければよかった…」という風になりかねないので、気をつけておきましょう。


この項目では、8つのデメリットとリスクについて解説します。


解説内容は、以下の通りです。

  1. 途中解約できない&60歳まで引き出し不可
  2. 手数料負けする可能性がある
  3. 元本割れする可能性がある
  4. 税金控除額の減少の恐れがある
  5. 利用する金融機関を自身で選定する必要がある
  6. 住宅ローン控除を活かせない
  7. 得られる収益の幅がぶれて資金計画がずれる可能性がある
  8. 掛金の金額変更は年に1回

iDeCoには多くの落とし穴も潜んでいるため、デメリットしかない状態にならないように知識を蓄えることが大切になります。


正しく始めれば心配する必要はないので、少しでも不安な方はお金のプロである「マネーキャリア」に無料相談をしてみてはいかがでしょうか。

デメリット①原則途中解約ができない!60歳まで引き出し不可!

iDeCoで貯めた資金は、原則60歳からしか引き出せません。


課税対象の一般口座とは違い、個人が老後資金を手厚くできるように設けられた私的年金の制度なので、途中で積立金を受け取れないのです。


ただし、例外もあります。


受給できる確率は非常に低く現実的ではありませんが、60歳未満でも受け取れるケースは以下の3つです。

  • 脱退一時金の給付要件5つを満たした場合
  • 加入者が高度障がい状態になった場合
  • 加入者が死亡した場合

経済的に困窮している場合や日常生活をまともに送れない場合のみ条件に該当します。


普通に生きていればまず当てはまらないので、突発的な費用には対応できないことを覚えておきましょう。


また、引き出せるのは「原則60歳から」とお伝えしましたが、加入年数が10年未満だと60歳になった時点で受け取ることができません。


加入年数が短いと、遅れて受給することになります。

加入年数受給開始年齢
10年以上60歳~70歳の間
8年以上10年未満61歳~70歳の間
6年以上8年未満62歳~70歳の間
4年以上6年未満63歳~70歳の間
2年以上4年未満64歳~70歳の間
1ヶ月以上2年未満65歳~70歳の間

老後の資金計画に支障をきたさないよう、なるべく50歳未満で加入しましょう。50歳以上で加入される方は、こちらの記事、60歳以上で加入される方はこちらの記事をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

デメリット②手数料負けする可能性がある

定期預金は金利が低いので、所得控除のメリットを受けられない人は「加入時手数料:2,829円」や「運用手数料(毎月):171円」、「運営管理手数料(毎月):0円〜400円」などの費用で手数料負けをする可能性があります。


例えば、iDeCoに加入して20年間運用し続けた場合の手数料は以下の通りです。

加入時手数料運用手数料+運営管理手数料(20年間)合計
手数料が最も低い場合2,829円171円×12ヶ月×20年=4万1,040円4万3,869円
手数料が最も高い場合2,829円(171円+440円)×12ヶ月×20年=14万6,640円14万9,469円

そして、年収400万円の会社員が1万2,000円を毎月積み立てると、所得控除で節税できる額は以下になります。

所得税軽減額住民税軽減額合計
1年間7,200円1万4,400円2万1,600円
20年間14万4,000円28万8,000円43万2,000円

※1 社会保険料控除は年収の14.39%、住民税は10%で計算

※2 課税所得は「年収-給与所得控除-社会保険料控除-基礎控除」で算出


所得控除を利用できれば約43万円の節税が期待できるので、最も高い手数料を支払ったとしても余裕でカバーできます。


しかし、専業主婦で所得控除を利用できず、大した運用益が上がらない場合は手数料負けをする恐れがあるので注意しておきましょう。


iDeCoの手数料についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。

デメリット③元本割れする可能性がある

元本変動型商品である「投資信託」の場合、元本割れする可能性があります。


想定されるリスクは、主に以下の4つです。

  1. 元本変動型のリスク
  2. 為替変動リスク
  3. 物価上昇(インフレ)リスク
  4. 株式や債権の発行元の信用(デフォルト)リスク

それぞれ解説していきます。


1.元本変動型のリスク


そもそも投資信託とは、投資家から集めた資金を元手に、ファンドマネージャー(運用の専門家)が株式や債券といった金融商品に投資する商品のことです。


素人ではなくプロが運用する以上は高い成果が見込めますが、運用した結果、投資した金額よりも下回ることは十分に考えられます。


2.為替変動リスク


投資信託では、国内株式・国内債券の他にも、外国株式・外国債券(新興国もしくは先進国)といった外資系企業に投資をすることがあります。


外貨建てで円安の場合は基準価額がプラスに、円高の場合はマイナスになるので、注意しておきましょう。


※ 基準価額とは投資信託の値段のこと


3.インフレリスク


インフレが起こると、物価の価値が上がる一方で、お金の価値が減少します。


そのため、インフレ率が金融商品の利率を上回ると、実質的に金銭的な損を被ることになります。


一般的に投資信託はインフレに強いと言われており、現金・預金・保険などは比較的に弱いです。


4.デフォルトリスク


債券の発行元が経営難に陥り、当初に定めた条件での利息・償還金の支払いが実行できなくなる恐れがあります。


元本割れについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

デメリット④税金控除額の減少の恐れがある


これまで新型コロナウイルスの影響で政府による財政政策が行われきましたが、そのしわ寄せの波がコロナ収束後に押し寄せるかもしれません。

すでに2020年には税制改正が行われており、年収1,000万円ある方の給与所得控除が「220万円から195万円」に引き下げられ、基礎控除は「38万円から48万円」に引き上げられました。

高所得者はトータルで15万円の減額です。

さらに岸田内閣では、金融所得(譲渡益や配当金など)課税の増税が検討されており、現行の約20%から25%程度の引き上げが適当であるとの考えを示しています。

このように増税の可能性は否定できない状況にあるので、確率としては低いですが、iDeCoにおいても控除額が減少される恐れがあると言えるでしょう。

デメリット⑤利用する金融機関を自身で選定する必要がある

iDeCoでの運用を決意したら、まずは金融機関を選ぶところから始まります。


金融機関によって手数料サービスが異なるので、よく比較して選ばないと損をする可能性があるでしょう。


最低限、以下4つの項目は確認しておくべきです。

  • 運用期間中にかかる手数料
  • 取扱商品数
  • Webサイトの使いやすさ
  • サポート体制(コールセンターが土日に対応しているかなど)

iDeCo口座は、1人につき1口座しか作れないので慎重になる必要があります。


口座開設後に、デメリットしかない状況にならないためにも事前にチェックしておきましょう。


金融機関やおすすめの銘柄については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

デメリット⑥住宅ローン控除を活かせない

住宅ローン控除で所得税や住民税を軽減している方は、iDeCoを始めることによって控除の恩恵を十分に受けられなくなる可能性があります。


iDeCoは「所得控除(小規模企業共済等掛金控除)」で、課税所得を求める際に適用される控除です。


一方、住宅ローン控除は「税額控除」に該当し、納税額が算出された後に引く控除なので、所得控除よりも後に引かれます。


言葉だけではわかりづらいと思いますので、会社員が所得税を求める計算式を見てみましょう。

  1. 年収 ー 控除(給与所得控除、所得控除) = 課税所得
  2. 課税所得 × 税率 ー 税額控除 = 所得税額
※ 所得控除には、小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)や社会保険料控除を含む15種類の控除があり、税額控除には、住宅ローン控除や配当控除を含む22種類の控除がある


もし年収が低い状態でiDeCoの掛金を多くしてしまうと課税所得が軽減されて、住宅ローン控除として減らせる枠を全く使いきれなくなります。


したがって、iDeCoを始める前に住宅ローン控除とのバランスを考えることが大切です。

デメリット⑦得られる収益の幅がぶれて資金計画がずれる可能性がある

iDeCoの投資信託はあくまで資産運用なので、損をすることや思ったよりも運用益が得られないこともあります。


働いた対価として得る労働収入であれば、基本的に下がることはなく、一定の金額を毎月もらえます。


しかし、投資信託は一定の利益が毎月でるとは限らないので、老後の資金計画がずれる恐れがあるのです。また、元本が確保されていないものもあるので要注意です。


経済情勢や企業の業績などに影響を受けて価格が変動するため、一定期間の運用成績が良かったからといって、その収益が老後まで必ず続くと思い込まないようにしましょう。


収益の幅がぶれるというデメリットを念頭に、余裕のある資金計画を立てるべきです。

デメリット⑧掛金の金額変更は年に1回

iDeCoの掛金は年に何回も変更することができません。


1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金(実際の引き落としは1月〜12月)に1回だけ変更できます。


つまり、1度変更してしまえば、その後生活が苦しくなっても所定の金額を毎月26日に納付しなければならないのです。


※ 毎月の掛金は翌月の26日に預金口座から振替


仮に引き落としができなければ当該月の掛金分を追納することができず、節税効果が薄まったり老後資金に影響したりします。


したがって、なるべく掛金を拠出できるように、ある程度のお金を貯めておくことが大切です。


なお、掛金の引落日は「1ヶ月単位」「1年単位」のどちらかを選ぶことができます。


1年単位の場合は、年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出することが可能なので、ボーナスの支給時期に合わせて設定すると余裕が持てるでしょう。


ここまででたくさんのデメリットを紹介してきましたが、大切なのはデメリットしかない状況を作らないことです。


デメリットを把握し、適切な対策を講じれば基本的には障害になり得ないので、余計な不安を感じる必要はないでしょう。

iDeCoの6つのメリット


続いて、iDeCoのメリットについて解説します。


解説内容は、以下の6つです。

  1. 3つの節税効果
  2. 安くて得な商品が多い・スイッチングも可能
  3. 万が一自己破産しても資産が残る
  4. 本人が死亡・高度障害になっても損にならない
  5. 破綻リスクが低い
  6. 無駄遣いによる出費を強制的に減らせる

それぞれ見ていきましょう。

メリット①3つの節税効果

iDeCoには、以下3つの節税メリットがあります。

  1. 掛金は全額所得控除
  2. 運用益は非課税で再投資
  3. 受け取り時は「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」の対象(併用も可能)

各メリットについて順番に説明していきます。


1.掛金は全額所得控除 


1年間で拠出した掛金全額を所得控除として年収から引くことができます。


年収400万円で毎月1万円を積み立てた場合は、年間18,100円分の節税が可能です。


2.運用益は非課税で再投資


本来は運用益に「20.315%(所得税15.315%、住民税5%)」の税率をかけて、納税しなければなりません。


一方、iDeCoを通して得た利益は非課税となり、収益を運用に回すことができます。


3.受け取り時は「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」の対象


60歳〜70歳の間に希望の受け取り方法を選択して控除を受けられます。

  • 一時金としてまとめて受け取る場合:退職所得控除
  • 年金として分割で受け取る場合:公的年金等控除
  • 併用の場合:退職所得控除と公的年金等控除

年金として分割で受け取る場合は、65歳未満であれば70万円、65歳以上であれば120万円が控除となり課税所得を減らせます。


ただし年金の場合、受け取るたびに「440円」の手数料が発生するため注意しておきましょう。

メリット②安くて得な商品が多い・スイッチングも可能

iDeCoは、投資可能な商品が厳選されており、安くてお得な商品が多いです。


株式や投資信託などの金融商品で資産運用をしたことのない方に向けて、少しでも運用商品を選びやすくなるようにと、商品数の上限が35個に定められています。


これにより優秀な投資信託が提示されることとなり、投資初心者は商品選定に深く悩まずに済みます。


なお、スイッチングができる点も非常に魅力的です。


スイッチングとは、投資信託を乗り換えることを指します。


例えば、10万円分のA商品を保有している場合に、5万円分を売却してB商品を購入し、「A商品:5万円、B商品:5万円」に変更するといったイメージです。


仮に55歳で老後資金の目標額に到達したとき、残りの5年間を比較的リスクなく過ごしたいと考えたとします。


そんなときに「元本変動型商品の一部を売却し、元本確保型商品を購入すること」で、今ある資産が減少するという望ましくない展開を避けることが可能です。

メリット③万が一自己破産しても資産が残る


債務者が自己破産をした場合、給料・預金・私的年金・不動産といった価値のあるものが差し押さえられて債権者に分配されます。


仕事に必要な道具や必要最低限の生活を送るために必要なもの、公的年金などは差し押さえ対象外となりますが、私的年金であるiDeCoはどうなるのでしょうか。


確定拠出年金法32条1項によれば、iDeCoは「差押禁止財産」であると解釈することができます。


つまり、私的年金ではあるものの、自己破産しても資産が残るのです。


iDeCoは、本来的自由財産(誰にも侵害できない自由に管理・処分できる財産)として認められているので、破産者が保有し続けることができます。


ただし、1つだけ例外があります。


それは「税金を滞納したとき」です。


32条1項の但し書きでは、国税滞納処分により差し押さえる場合はこの限りではない、と記述されているため、守られている財産iDeCoであっても差し押さえられます。

メリット④本人が死亡・高度障害になっても損にならない

「iDeCoは原則60歳になるまで受け取れないから、もしものことが起きた場合は積み立てたお金が無駄になるのかな…」と考える人もいるでしょう。


しかし、死亡・高度障がいの場合は例外的に資産を受け取ることができます。


加入者が死亡した際に受け取れる「死亡一時金」、重度な障がいを患った際に受け取れる「障がい給付金」として遺族に支払われます。こちらの記事もせひ参考にしてみてはいかがでしょうか。


死亡一時金


死亡一時金は、みなし相続財産であるため相続税の課税対象です。


ですが、“500万円×法定相続人(配偶者や子供など)の数”が非課税枠として設けられているので、税負担を軽減できます。


注意点として、加入者が死亡時から5年以内に受取手続きを行わないと税制優遇が受けられないことを覚えておきましょう。


障がい給付金


高度障がいの判断基準は、以下の4つです。

  1. 障害基礎年金の受給者であること(1級および2級)
  2. 身体障害者手帳(1級~3級)の交付を受けている
  3. 療育手帳(最重度、重度)の交付を受けている
  4. 精神保健福祉手帳(1級および2級)の交付を受けている

iDeCoは通常、加入期間が10年以上でないとお金を受け取れませんが、上記の判断基準に該当すれば10年未満であっても受け取れます。


したがって、加入者がどんな状態になっても、受取人がいる場合は損をしません。

メリット⑤破綻リスクが低い

iDeCoについて知っていく中で、多くの人が疑問に思うことがあります。


それは「iDeCoという制度は安全なのか」です。


投資信託でいくら利益を得ようと、資金の預け先が破綻してお金を引き出せなければ何の意味もありません。


企業の株式を購入したら、業績が悪化したのちに倒産。株価が急落して大幅に資産を減らすことに、ということも確率としては低いですが起こり得ます。


特にiDeCoは長期投資を前提としており、原則60歳まで自分の財布に加えることができないので、「もし破綻したら…」と不安に思う方も少なくないはずです。


しかしiDeCoは、加入者が不利益を被らないような仕組みが構築されているため、安全性の高い制度と言えます。


投資信託の運用資産は、信託銀行が持つ財産と分別管理が行われており、万が一の状況でも全額が保護されます。


また、定期預金はペイオフ制度によって、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息が保護されるのです。


ただし、「iDeCoの定期預金&それ以外の預金」合わせて1,000万円までしか保護対象にならないので注意しておきましょう。

メリット⑥無駄遣いによる出費を強制的に減らせる

iDeCoで拠出する掛金は、毎月26日に銀行預金から引き落としされます。


つまり給料日が25日の方は翌日に納付することになるため、老後資金を形成するための大事な資金を無駄遣いで失うことはありません。


浪費グセがある方にとっては大きなメリットになるでしょう。


ただ、年1回の納付であれば年間の運用手数料を「963円」に抑えられますが、毎月納付すると年間で「2,052円」の手数料を負担する必要があります。


手元にお金が残っているとつい買い物をしてしまうような方は、少し割高にはなりますが毎月納付を選んだ方が結果的に得をする確率が高いです。


iDeCo口座にお金を入れてしまえば、原則60歳からしか積み立てたお金は引き出せないので、強制的にお金を貯めることができます。


自分の性格を考慮したうえで引落日を決定しましょう。

iDeCoの税制上の注意点


iDeCoは資金形成を支える優良な制度ですが、活用する際に気をつけておきたい点もあります。

そこでこの項目では、税制上の注意点について解説します。
  1. 退職金が多い場合
  2. 専業主婦など収入がない場合
  3. 受取時に二重課税になる場合
この点を念頭に置けば損をするケースを未然に防げるので、しっかり確認しておきましょう。

①退職金が多い場合

会社の退職金が多い方は、iDeCoの受け取り方法を誤ると100万円レベルで損をする恐れがあります。


損しないためにお得な受け取り方を見ていきましょう。


iDeCoと退職金を同時期に受け取る場合


iDeCoで構築した資産を一括で受け取る場合は、「退職所得」扱いとなり、退職所得控除が適用されます。


そして勤務先から給付される退職金も「退職所得」です。


退職所得控除は、以下の例外を除き、原則1度しか控除の枠を利用できないため、同時期に退職所得を受け取ると納税額が大きくなります。

  • 勤務先から退職金を受け取ってから20年以上後にiDeCoで一時金を受け取る
  • iDeCoで一時金を受け取ってから5年以上後に勤務先から退職金を受け取る
例えば、60歳で一時金を、65歳で退職金を受け取れば合計2回も控除を利用できます。


退職所得の計算方法 


計算方法は、以下の通りです。 

(収入金額 ー 退職所得控除) × 1/2 = 課税退職所得

退職所得控除額を決める計算式は、以下になります。 

  • 加入年数20年以下:40万円×加入年数
  • 加入年数20年超え:800万円+70万円×(加入年数ー20年) 

※iDeCoの場合は加入年数、勤務先の退職金の場合は勤続年数


例えば、30年加入していたとすると、1500万円が退職所得控除となります。 


お得な受け取り方


基本的に、退職所得控除の枠を2回利用して、残額は公的年金等控除の範囲内で分割して年金として受け取る方法がお得です。


例えば、iDeCoの加入年数が20年・60歳時点で受け取り、会社の勤続年数が40年・65歳で受け取りのパターンであれば、

  • iDeCo:40万円×20年=800万円
  • 会社:800万円+70万円×(40年ー20年)=2200万円

合計3000万円分の退職所得控除が適用され、節税できます。


もし収入金額が控除額を上回るのであれば、公的年金等控除を活用してさらに納税額を減らしましょう。

②専業主婦など収入がない場合

専業主婦(夫)は、月2万3,000円(年27万6,000円)まで掛金を拠出できます。


iDeCoの特性上、教育資金や住宅購入資金などの備えとしては活用できませんが、老後資金の形成のために活用することが可能です。


運用益は課税されないため、資産運用がうまくいけば普通預金よりも効率的にお金を蓄えることができるでしょう。


しかし、収入がないことにより「所得控除」のメリットだけは享受できません。


もし復職するのであれば発生した所得から控除を差し引けますし、「専業主婦は絶対に加入しないべき」と言えるほどデメリットしかないわけではないので注意しておきましょう。

③受取時に二重課税になる場合

iDeCoにおける税制優遇措置は、自動的に所得控除されるわけではありません。

確定申告や年末調整時に申請することが必要です。もしこの申請を忘れてしまうと、所得控除の範囲分も課税対象になってしまいます。


 もともと、所得控除とは毎回支払う所得税や住民税を受取の際に後回しにする制度です。所得控除によって非課税になった分、受け取る際に課税されるため、金額が大きければ大きいほど税金は高くなります。


 そのため、申請を忘れて所得控除を受けることができなければ、その分の税金を払いながら、最終的な受取時にも税金を払うことになるという二重課税になってしまいます。


 iDeCoのメリットである税制優遇の恩恵を受ける以前に、税金を多く支払うことになります。このような場合にならないよう、確定申告か年末調整の際に申請を忘れないようにしましょう。

iDeCoに関するよくある4つの質問


iDeCoについて興味を持つと、様々な点に疑問を抱くようになります。


そこでこの項目では、iDeCoに関するよくある質問について解説します。


解説内容は、以下の4つです。

  1. おすすめなのはiDeCoとNISAどっち?
  2. iDeCoと国民年金の違いは?
  3. iDeCoがおすすめな人とおすすめしない人はどんな人?
  4. iDeCo運用中に加入者が死亡した場合は?

今後の資産形成に役立つ内容ですので、それぞれチェックしておきましょう。

Q&A①.おすすめなのはiDeCoとNISAどっち?

おすすめは「つみたてNISA」になります。


ただ、生活に影響しない余剰資金があるのならiDeCoとつみたてNISAの併用がおすすめです。


そもそもNISA(少額投資非課税制度)とは、譲渡益や配当金、分配金にかかる税金を非課税にする税制優遇制度のことを指します。


「一般NISA」「つみたてNISA」の2種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。


iDeCoとの違いは、主に以下の通りです。

iDeCo一般NISAつみたてNISA
目的老後資金の形成教育資金、住宅購入資金などの形成
教育資金、住宅購入資金などの形成
運用商品定期預金、保険、投資信託 株式、投資信託、ETF(上場投資信託)など投資信託
年間運用額の上限14万4,000円~81万6,000円120万円(累計600万円まで)40万円(累計800万円まで)
運用可能期間最大40年(60歳まで)最大5年最大20年
税金優遇全額所得控除、運用益の非課税、受取時の控除譲渡益・配当金・分配金の非課税譲渡益・配当金・分配金の非課税
引き出しタイミング60歳から自由自由

掛金で納税額を減らしながら将来に備えるなら「iDeCo」、様々な商品でポートフォリオを組んで積極的に利益を狙うなら「NISA」、堅実的かつ長期的にお金を増やすなら「つみたてNISA」がおすすめになります。


つみたてNISAやNISA、iDeCoとの併用についてお考えの方はこちらの記事がおすすめです。

Q&A②.iDeCoと国民年金の違いは?

私的年金か公的年金か、任意か強制かの違いです。


iDeCoが私的年金で任意加入、国民年金が公的年金で強制加入になります。


年金の話題になると、よく「3階建て」と表現されることがありますが、以下の年金で構成されています。

3階(私的年金)個人型確定拠出年金(iDeCo)、企業型確定拠出年金、厚生年金基金など
2階(公的年金)会社員:厚生年金、自営業者:国民年金基金(任意)
1階(公的年金)国民年金

いずれの年金も老後生活を支える保障です。

Q&A③.iDeCoがおすすめな人とおすすめしない人はどんな人?

iDeCoがおすすめな人は、以下の通りです。

  • 自営業者、フリーランス、会社員、公務員
  • 金銭的に余裕がありお金の使い道がない方
老後生活では、入院・手術費用、介護費用、バリアフリーリフォーム費用、予期せぬ費用など、出費がかさむケースがあります。

将来何が起こるかはわからないので、老後生活をできるだけ豊かにしたい方はiDeCoで積み立てておきましょう。

一方、おすすめしない人は、以下になります。
  • 専業主婦
  • 年収が低く貯金がない方
  • 自由にお金を使いたい方

iDeCoで形成した資産は原則60歳からしか引き出せないので、突発的な出費に対応できません。


生活に余裕ができてから取り組んだほうが賢明と言えます。

Q&A④.iDeCo運用中に加入者が死亡した場合は?

積み立てた資産は、「遺族」または「事前に指定した受取人」に死亡一時金として給付されます。


加入者生存時は、一時金もしくは年金として受け取れますが、死亡時には一時金でしか受け取れません。


また、投資信託などの場合、受け取れる金額は死亡時の価格ではなく、所定の日に売却された価格になるため、基準価格は若干変動する可能性があります。


なお、死亡一時金はみなし相続財産として課税対象になるのでご注意ください。


iDeCoと加入者の死亡問題について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

Q&A⑤.iDeCoは投資初心者向け?

投資でリスクを最小限にするための方法として、長期に積み立てる、分散して投資することは投資の基本ですが、iDeCoはこの要素を踏まえています。そのため、短期的な経済の変動で影響を受けることが少なく、安心して資産運用を開始することができます。

まとめ:iDeCoを始めるならまずはマネーキャリアで無料相談!


この記事では、iDeCoでデメリットしかない可能性がある4つのパターンやのメリット・デメリット、税制上の注意点についてお伝えしてきました。
  • 収入がなく掛金で家計を圧迫しているならほぼデメリットしかない
  • iDeCoの大きなメリットは「全額所得控除の対象」「運用益は非課税」「受取時は退職所得控除もしくは公的年金等控除の対象」の3つ
  • iDeCoの大きなデメリットは「原則と途中解約ができず60歳まで引き出し不可」「投資信託は元本割れをする恐れがある」「定期預金は手数料負けする恐れがある」の3つ
  • 加入者が高度障がい・死亡・自己破産したり、預け先が破綻したりしても資産は保護され基本的に損することはない
iDeCoを最大限に活用するためには、自分の状況に照らし合わせて最適な方法を見つけることが大切です。

とはいえ、知識も経験もない状態で自分に合った資産運用方法・受け取り方を選ぶことは難しいので、マネーキャリアで無料相談することをおすすめします。

定年退職間近で焦らないように、早めに行動するよう心掛けておきましょう。

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