更新日:2017/10/09
介護保険料が安い地方自治体の特徴と今後の見通し及び国内の動き
介護保険料は介護が必要でない元気な高齢者が多い地域では安い傾向にあります。また、介護が必要にならないようにするための努力をしている地方自治体で、こうした傾向が見られるところです。介護保険料が安い自治体の取り組みに注目が集まっています。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険料が安い地方自治体の特徴と今後の見通し及び利用者の動向
介護保険料が安い地方自治体は、特別養護老人ホームなどの施設での介護ではなく、そもそもその介護が必要にならないようにと予防に重点を置いている地域が多くなっています。
介護サービスの利用特に施設の利用者が少なければ、その分だけ介護保険料の負担も安いように設定が可能だからです。
在宅サービスの充実も課題です
介護保険料は介護の利用者が少なければ、安い傾向があります。また施設の利用者が少なく在宅サービスの利用で対応をしている場合にも同様に介護保険料が抑えられる傾向です。
ただし、日常生活の中でそもそも介護認定を受けなかったりあるいはその必要が無い人が多い自治体は、より安い傾向が見られます。在宅サービスで賄えるところは、そちらに重点を置くところもあります。
自治体間での競争状態
介護保険料は40歳以上だけでは無く、税金も多く使われている状態です。そのため、国においては介護保険料を安い自治体について、モデル事業として対応するなどの工夫も年々行われてきました。
ただ、高齢者の数自体が急増しているため、小手先だけの対応では間に合わなくなっています。自治体間で、取り組みの強化を競わせる傾向も出て来ました。
健康な高齢者が多い自治体では介護保険料が安い傾向にあります
年をとっても健康な高齢者が多い自治体では、介護を必要としない人が多いですから介護保険料も安くなる傾向にあります。
日ごろの食生活なども含めて、健康で暮らせるように努力している自治体では、介護を必要としない以上、介護保険料も税金投入も少なくて済むわけです。介護が必要にならないような予防に重点を置く施策とその取り組みが加速しています。
介護が必要にならないようにするための努力
介護保険料を安い金額に抑えるためには、利用者が増えないことが一番です。介護ではなく自立した生活が出来、そうした人ばかりになれば介護保険料は安い状態のままで済みます。
こうした対応を国は考えてきましたが、全国レベルではなかなか難しい状況になっており、いわゆる団塊の世代の現役リタイアによる要介護者の急増が難しい問題になってきているわけです。いつまでも元気な高齢者であれば、介護の問題は解決可能です。
元気な高齢者と予防に関する施策
介護が本格的に必要にならないように、介護予防に重点を置く施策も重要です。ただ、今までの生活習慣もありなかなか難しいのが現実となっています。
特に地域差が激しく、元気な高齢者が多い地域は若い頃から健康に留意した生活を送っている人が少なくありません。こうした地域をよく知ってもらって、介護が必要にならないような予防で対応することが求められています。
介護保険料の高低は税金投入の高低につながり安い自治体では対応力も上がる
介護を利用する人が少なければ、介護保険料や税金の投入も少なくて済みます。安い介護保険料で済めば、利用者は別のことに出費が可能です。
すなわち手取りが多くなるためより活溌な活動も期待出来、地域での消費にも繋がります。介護保険料を安い状況にいかに持っていくのか、地域自治体の力が問われます。
介護保険料の安い自治体での施策
介護保険料が安い自治体では、本来なら高齢者の介護のために使用する税金が別の施策に使えます。
したがって、介護保険料を安い状態にすることで、地方自治体の財政力の強化と住民に対する施策がよりし易くなるわけです。介護保険料が高い自治体では、他の施策に金を回す余裕がなく、結局自治体の独自施策がとりづらくなってしまいます。
介護保険料と税金投入は連動します
介護保険料はその地域における介護の利用状況によって、介護保険料の高低が生まれます。さらには、介護保険料と同様に国税や地方税も投入されて運営されていますので、税金の高低も決まってしまいます。
税金が介護にばかり回るようでは、他の施策にまでお金が行き届きません。介護保険料が安い地域では、より柔軟な施策に対して税金投入がし易い環境が生まれるわけです。
介護が必要な高齢者の急増に対応できるかどうかが問題
今後、いわゆる団塊の世代が現役を完全にリタイアする状況が生まれています。したがって、介護が必要な人も急増する恐れがあるとみられています。
介護保険料を安い状態にするためには、一人でも健康な高齢者であることが求められます。介護保険を必要としない健康な高齢者と介護が本格的に必要ない状態のままで維持するための予防に関する施策が重要性を増しているわけです。
現役を長く続けてもらう考え方
かつては定年を迎えたらそのまま現役をリタイアする人ばかりでした。しかしながら時代は変わり、年金の支給開始年月も65歳以上をベースにするなどのように少しずつ変わってきています。
高齢者の定義そのものも見直そうという動きが出て来ました。現役を続けられたらその分だけ健康で、介護が必要にならないのではないかという考え方もあります。
介護予防と現役世代の確保
介護が本格的に必要ではない状態でそのまま現役を続けてもらえたら、介護保険料を安い状態のままで行けると考える傾向も出て来ました。
地方自治体の中には、こうした介護が必要にならないあるいは病院等の医療機関に通院しない人を表彰するなどの動きもあります。いかにして介護保険料を安い自治体にするか、自治体だけではなく国においてもしっかりとした施策が求められています。
まとめ
介護保険料が安い自治体は、健康な高齢者が多い地方自治体でもあります。介護が必要にならないように健康にいてもらうための施策作りも重要です。医療や介護が必要ではなければ、安い保険料で済むため結果的に住民にもメリットがあるわけです。
今後、介護保険料の地域差はより広がるとみられますが、歯止めをかけられるかどうか自治体の努力と施策が問われています。