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介護保険料はみんな同じじゃない?地域差はどれくらいあるの?

年々上昇している介護保険料は、自治体によって地域差がありその差も大きく広がりを見せています。ですが、ただ介護保険料が上昇していくのを見ているのではなく、保険料を下げるための試みもなされています。また、ここでは地域差がどのように起きるのかも説明します。

介護保険料には全国で地域差がある

国民の40歳以上の人が納めることになっている介護保険料は、住んでいる市町村ごと、地域区分ごとに違います。この介護保険料、全国での地域差が広がりつつあります

その理由は、使っている介護サービスの額が自治体によって違うからです。言いかえれば、介護サービスを受けている人の一人あたりの保険給付額が高い地域と低い地域があり、これにより保険料に地域差が出るのです。

なぜ介護保険料に地域差が生まれるのか

自治体ごとに高齢者の人口、要介護者数、サービスに要する費用や内容が異なるため、介護保険料の地域差が生まれるのです。簡単に言えば、要介護者が多い地域では介護保険料が上がりますし、要介護者が少ない地域では保険料は下がります

また、「デイサービス」と呼ばれる通所の介護施設利用者が一気に増えたことにより、財政の圧迫や施設側の過剰なサービスから安全基準を守るため、1カ月当たりの平均利用者数が300人以下の小規模型施設に関して、市町村が管理を行うこととなりました。こうなると、各自治体の財政状態によって今以上に保険料の地域差が生まれるのではと懸念されています。
介護保険の財政は「公費(国+都道府県+市町村)」+「40歳以上の国民が負担」で1/2ずつ負担する構成となっており、居住地域の自治体で必要な介護費用などにより納付する保険料率が決まるからです。

このような要因から保険料の高い自治体と低い地自治体の地域差が埋まらないのです。

介護保険料の地域差を比べてみる

介護保険料は3年に一度見直されており、現在全国平均は5514円ですが、一番高い所は8686円、そして一番低い所は2800円となっています。最も高い地域と低い地域を比較すると、月々の差額は約6000円、地域格差(地域間格差)は3.1倍にもなります。保険料の地域差はこんなにもあるのです。

今、介護保険料の「地域差」が注目され、厚生労働省も介護保険料を全国比較できるオンラインシステムを導入し、この地域差を埋めるため、地域差是正へ転換のために、保険料の高い自治体に改善を促すようにしています。

介護保険料が最も安い自治体

介護保険料が全国平均5514円の中、最も安い地域は2800円、およそ半分ほどの金額です。そこは鹿児島港からフェリーで3時間以上かかる人口わずか400人の小さな村で、竹島、硫黄島、黒島などから成り立つ鹿児島県三島村と言います。
この村の自治体の職員は日本で最も介護保険料が安い理由について、「多くの村民がいつまでも元気で島の暮らしを続けたい」として健康維持に努めており、介護が必要な高齢者が少ないことが要因だと話します。

介護保険料が最も高い自治体

先述したように、要介護認定者数が多かったり、介護施設で暮らす高齢者が多い自治体ほど介護保険料が高くなりますが、日本で最も介護保険料が高い奈良県天川村の場合、人口1600人のうち65歳以上が4割以上と高齢者の割合が多いことが分かります。この奈良県天川村の介護保険料は8686円で、最も保険料が安い地域の3.1倍となります。
この天川村では介護施設に入所している高齢者も多く、また財政安定化基金から1800万円を借り入れたことにより、今回はその返済も重なり、介護保険料が高くなってしまいました。

これにより、最も保険料の安い自治体との保険料の地域差がこんなにも開いてしまったのです。

自分の住んでいる町の介護保険料が知りたい場合

このように地域差がある介護保険料ですが、自分がいくら保険料を払うのか知りたいところです。

第1号被保険者(65歳以上)の保険料は、低所得者の負担が重くなりすぎないように配慮されており、本人や家族の所得などに応じて自治体の基準額を目安に金額が段階別に分けられています。この自治体の基準額が自分の住んでいる町の介護保険料となりますが、全国の保険者別第1号保険料基準額は第1号被保険者への一人当たりの給付額とともに、一括して厚生労働省の公式サイトにて確認することが出来ます。
第2号被保険者の介護保険料に関しては、加入している各医療保険者に確認が必要です。

介護保険料が高くなる原因の解説

介護保険制度が開始された2000年の保険料基準額の2911円から見ると、2017年現在の介護保険料はおよそ2倍となっています。年々介護保険料は上昇し続けており、この流れは少なくともあと10年は続くと予想されています。
その要因の一つとして、増え続ける高齢者の数に対し、介護保険を支える現役世代の数が少なくなるためです。

介護保険は、40歳以上の国民が高齢者を支えていくという仕組みですので、介護が必要な高齢者が増えれば介護保険料が高くなっていくのです。

高齢者が増え、介護施設の利用者が増える程高くなる

介護保険料は、その自治体が算出するサービス料が多ければその分高くなります。サービスを提供する介護施設が多い場所ほど利用者数も多く、保険料は高くなってしまいます。
しかし、高齢者が多くても、この介護施設の利用が少ないなどの理由で保険料の地域差は変わってきます。
ただ高齢者が多い地域の保険料が高いという訳ではないのです。

今後日本では介護保険料が値上がりを続ける

急速に高齢化社会となった現在の日本では、介護保険の総費用の増大に伴い、保険料が膨れ上がっていますが、これからも高齢化が進むことは避けられません。
介護が必要な高齢者が増え続けると言うことは、保険料の値上がりも止められないということです。
このまま何も対策を取らなければ、保険料は上がり続け、保険料の地域差も広がる一方です。自治体や私たちが介護予防につとめ、介護費用を抑える努力が必要となってきます。

しかし、介護保険料を値下げする事に成功した場所もある

年々上昇する介護保険料に頭を悩ませている人たちも多いですが、だからと言って必要な介護サービスを削って介護保険料を安くさせていては高齢者の方たちが安心して老後を過ごすことが出来ません。
そこで、介護が必要な人がきちんと介護サービスを受けながらも、介護保険料を抑えるという方法があります。

それは「健康な老後生活を送る」というものです。介護が必要な人が減ることにより、費用も抑えられ、介護保険を支える側の負担は少なくなります。
これを実現するために、自治体や地域包括支援センターでは高齢者の健康維持と自立を目指した活動が行われています。

この保険料の値下げに取り組んでいる一例として、福井県の自治体があります。ある介護施設に入所中の男性(77)は寝たきりの状態から職員の介助を受けつつ、昼間はおむつを外しトイレで排泄出来るようになり、歯科医の指導を受け口から食事が出来るようになるなどし、要介護度が4から3まで回復したのです。福井県は介護費用を抑えるため、このように高齢者の自立に取り組んだ事業所に表彰状と奨励金を贈るようになりました。2016年にはこの表彰制度に参加したうちの12%にあたる192名の要介護度が改善したとのことです。
他にも岡山市で優良事業所への奨励金支給制度を導入し、事業所の質を上げ、介護度の改善を狙っています。

このように、介護保険料をただ引き上げ続けるのではなく、抑える努力もされているのです。
それぞれの自治体が高齢者の介護予防に注目し、活動を続けることで、今問題となっている保険料の地域差も徐々に解消されていくのです。

東京荒川区のころばん体操

東京都荒川区と首都大学東京が共同で開発した転倒防止のための「荒川ころばん体操」というものがあります。

バランス能力を向上させ、転倒やそれに伴う寝たきりを予防します。機械を使わず、体操に合わせたオリジナルの音楽をかけ、楽しくトレーニングを続けられるように工夫されています。

筋力の維持や健康促進のためだけでなく、体操への参加への声かけを通しての地域づくりも兼ねています。


現在、この荒川ころばん体操は全国的にも有名なご当地体操として広まっていますが、これほどまでに注目を集めたのには体操の効果だけではなく、自治体が高齢者の介護予防の一環としてオリジナルの体操を開発したことにも理由がありました。この努力もあってか、荒川区は東京都の中で最も介護保険料が安い自治体となっています。高齢者の転倒率も全国平均と比べ半分になるなど、効果が実感されています。


高齢者人口が増え続ける中、このように自治体によって高齢者が介護を受けなくてもいい健康な体づくりのための取り組みがなされています。



まとめ

高齢化が進む日本では、介護保険料の財政確保にも頭を悩ませている状態です。年々介護保険料が上昇しており、このままでは保険料1万円時代もやってきそうな勢いです。
また、保険料の地域差も広がりを見せており、全国的に自治体を中心として保険料を抑えるための活動が増えています。
私たちも将来の老後の介護予防のためにも、健康な体づくりにつとめていきたいものです。

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