どうなる?介護保険料に関する市町村別ランキングと今後の見通し

全ての財源のうちの50%を税金などの公費から、残りの50%を被保険者(40歳以上の住民)が支払っている介護保険料。実は介護保険料は市町村別で違います。そうなると気になるのは市町村別ランキング。今回は市町村別ランキングを通して今後の見通しにも焦点を当てます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

市町村別介護保険料が安いランキングトップ10はどこ?

現在、全国の介護保険の平均月額は5514円とされていますが、実際は住んでいる市町村別です。今は支払い義務のない若い世代でも、40歳になればいずれ支払うことになります。


毎月の支払となると安いに越したことないとも思える介護保険料。市町村別介護保険料が安いのは一体どこでしょうか?市町村別ランキングで見てみましょう。

最も安い市町村ランキングは3700円!

市町村別介護保険料が安いランキングは、1位が北海道登別市の3700円と、同じく3700円の千葉県四街道市。


3位は神奈川県綾瀬市で3892円、4位は山梨県北杜市で4000円と続き、5位は愛知県みよし市で4040円。6位は埼玉県北本市で4048円、7位は北海道伊達市で4059円、8位は北海道根室市で4100円、9位は愛知県小牧市で4163円、10位は埼玉県和光市で4228円という結果です。

介護保険料が安いのには理由がある?

市町村別ランキングを見てみると、山などの自然が多い地域であることに気が付きます。


自然が多いとなると介護が必要な高齢者が多そうなイメージですが実際はその反対で、そのような地域には介護サービスを行う事業所や施設などが少ないのが現状です。そういった意味で使用する介護保険料も減るということになります。

市町村別介護保険料が高いランキングトップ10はどこ?

介護保険料が高いということは、一人当たりの負担が重いということです。そうなる背景は、単純に若い世代が少ないあるいは介護サービスを必要とする高齢者が多いということだけなのでしょうか?


住む地域によっては安い地域の2倍近くもの支払額になることもあります。市町村別介護保険料が高いのは一体どこでしょうか?こちらも市町村別ランキングを見てみましょう。

最も高い市町村別ランキングは7369円!

市町村別介護保険料が高いランキングは、1位が福岡県田川市で7369円、2位が沖縄県南城市で6998円、3位が愛媛県東温市で6957円、4位が沖縄県宮古島市で6940円、5位が愛媛県四国中央市で6840円と続き、6位は大阪府大阪市で6758円、7位は大阪府東佐野市で6675円、8位は和歌山県海南市で6667円、9位は沖縄県石垣市で6651円、10位は京都府南丹市で6645円となっています。



高齢者の人数や介護施設の数にもよる!

市町村別で高いランキングを見てみると、10位までの中に沖縄県の市町村が3つもランクインしていることが分かります。


沖縄と言えば、長寿のランキングでも、福祉・介護事業所数ランキングでも毎回上位であるように、高齢者の人数が多いと介護を必要とする人数が増えるのも必然で、介護保険料も上がります。それだけでなく、介護サービスを行う施設などが多いほど支える保険料も多くなります。

市町村別介護保険料から給付される金額が高いランキングトップ3はどこ?

市町村別介護保険料ランキングがそれぞれ分かったところで、今度は支払われた保険料が高齢者に給付される際の金額市町村別ランキングにも地域差があるのかが気になるところです。


今現在介護保険料を支払っている人も支払っていない人も、将来介護保険を利用する立場になるときが来るかもしれません。同じように市町村別ランキングで見てみましょう。

市町村別ランキングではこんなに違う!

介護を必要とする高齢者1人当たりの給付額市町村別ランキングは、1位は東京都利島村で35451円、2位は沖縄県与那国町で34934円、3位は高知県池川町で31830円です。


反対に給付額が1万円を下回る市町村も多数あり、その差は2万円以上になることになります。地域が違えば、同じ介護度であっても利用できるサービスが限られたり、自費でサービスを受けるということになります。

実際はどんなことに使われている?

給付された介護保険を利用して受けられるサービスは様々です。自宅に訪問してもらって介護(家事・身体)や医療を受けたり、入浴車で入浴サービスをうけることもできます。


利用者が施設などに通い介護やリハビリを受けたり、短期で入所したり、老人ホームなどに入居することもできます。また、福祉用具を貸してもらいたいときや住宅改装にも利用できます。

介護保険料の今後はどうなるの?

2007年に超高齢社会となった日本ですが、平均寿命は男性で80.98歳、女性で87.14歳となりました。これからの医療や科学の発展でさらに伸びると推測され、また戦後のベビーブーム世代が一気に高齢者になるとますます高齢化が進むと予測されます。

少子化が懸念される中、政府はどのような取り組みをしているのでしょうか。

増えていく保険料と地域差

各市町村別ランキングで見たように、介護保険料にも給付額にも地域差があり、それも少額とは言えないほどのものです。このままだといつ不平不満が飛び交ってもおかしくない状況です。


かといって、介護保険料の見直しが行われる3年ごとに介護保険料が安いところへ引越したりできるわけではありません。

介護予防で介護保険料を減らそう!

こうした地域差や保険料の増額を解消しようと政府が実施した対策は介護予防です。簡単に言えば、介護を必要としない、あるいは現状を悪化させない高齢者を増やすことで、介護保険料を減らそうという取り組みです。


訪問、通所、入所などあらゆるサービスを利用しながら健康で自立した老後を送ることができる高齢者が増えれば介護保険料を減らすことにつながります。

まとめ

市町村別ランキングから、介護保険料には地域差があり、現在では平均化されていないことが分かりました。また、将来的にも高齢化が進む一方で同時に少子化も進み、高齢者を支えるシステムが崩壊する恐れもあります。


この両方を解消しようと政府がとった取り組みが介護予防です。介護を必要としない高齢者を増やすことが介護保険料を減らすことにつながるからです。そのために地域医療や介護が連携することも重要です。

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