在宅介護の頼もしい味方!介護保険のショートステイについて!

介護生活の中で数日間介護者を預かってくれるショートステイ。介護保険のサービスで1割または2割の自己負担で利用できます。一方で人気が高く、予約をして1ヶ月待ちという話もよく耳にします。ここでは介護保険のショートステイについて制度やサービス内容を解説します。

介護保険のショートステイを利用する際に知っておくべきことまとめ

介護保険のサービスでショートステイという言葉を耳にしたことのあるかたも多いと思います。でも一体ショートステイとはどんなサービスで、どんな使い方ができるか詳しくはご存じない方も多いかもしれません。

ショートステイ(短期入所生活介護)は、短期的に施設へ入所し、日常生活の介護や機能訓練などの介護を受けながら施設での生活を送ることのできる介護保険サービスです。数日から1週間程度ですが、「数日家を空けなければならない用事ができた」「介護者が体調を崩してしまった」など、自宅での介護が一時的に困難とされる場合でも、安心して介護者を施設に預けることができるサービスです。

こんなときにショートステイを利用しましょう

自宅での介護を続けるなかではこんな場面もあると思います。

  • 親戚が急に亡くなるなど冠婚葬祭で一時的に自宅を空けなければならない
  • 介護する側が体調を崩してしまい、自宅で介護できなくなった
  • 長期間の介護生活で介護者の負担が大きくなり、短期間でも負担を軽減したい

こんなとき、一時的に介護者を施設で預かってくれるのがショートステイです。

介護保険のショートステイとは

介護保険のショートステイ(短期入所生活介護)とはどんな制度なのでしょうか?

制度の中身について見てみましょう。

ショートステイの二つのタイプ「併設型」「単独型」

ショートステイには「併設型」「単独型」の二つのタイプがあります。

「併設型」は社会福祉施設・介護保険施設・特定施設または医療機関に併設されている事業者のことを言います。

「単独型」は併設型以外の事業者のことをいいます。



ショートステイの対象者

ショートステイ(短期入所生活介護)は、介護保険認定で要介護1~5と認定された方が対象となります。

40歳~64歳までの方については要介護状態となった原因が、16種類の特定疾病による方が認定の対象になります。

要支援1~2と認定された方は、介護予防短期入所生活介護の対象となります。

利用できる期間については、2つのルールがあります。

・要介護認定期間の半数まで(有効期間が180日の場合は90日まで)

・連続して利用できるのは30日まで(31日目以降は全額自己負担)


ただし「介護者の入院が長引いている」「家に帰ると暴力を受ける危険性がある」など、やむを得ない事情で自宅での介護が困難な場合は、例外が認められることがあります。


ショートステイの「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」の違い

ショートステイには大きく分けて「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」の二つの種類のものがあります。

「短期入所生活介護」

短期入所生活介護は、食事や入浴、排泄といった生活介護と機能訓練が受けられる福祉的サービスです。宿泊できるデイサービスのようなもので、介護職員のほかにも、機能訓練指導員が配置されているため、機能訓練やレクリエーションなどを受けられるのも特徴です。短期入所生活介護を受けられる主な施設は、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設です。


「短期入所療養介護」

短期入所療養介護は、利用者が日常生活の介護だけでなく、リハビリテーションや医療ケアなどの医療サービスを受けられるショートステイです。医療的なケアや定期的な検査が必要となる場合に利用するサービスです。介護職員はもちろん、施設において医師や看護師、リハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士などの配置が手厚くなっており、医療的ショートステイとも呼ばれます。サービスを受けられる主な施設は、介護老人保健施設や介護療養型医療施設です。

ショートステイの1日の過ごし方例

ショートステイでの一日の過ごし方

(朝)

起床・モーニングケア  着替えや排泄、整容を行います。

朝食


(午前)

入浴・レクリエーションなどをして過ごします。


(昼)

昼食


(午後)

レクリエーションや体操、機能訓練などをして過ごします。

おやつ


(夜)

夕食

就寝


事業所によって過ごし方はさまざまです。



介護保険のショートステイ利用する流れ

担当のケアマネージャーにサービスの利用を相談します

まずは担当のケアマネージャーに現状困っていることを伝え、ショートステイの利用を検討してもらいます


ケアマネージャーがサービス提供事業者に連絡し、サービス提供の可否を確認します

連絡を受けたサービス提供事業者は、施設の空きや利用者の状態などからサービス提供の可否を確認します。


ケアマネージャーと事業者の担当者と一緒にケアプランを作成します

利用者の状態や介護保険給付の限度額を考慮しながら、利用頻度やサービス内容など、最適なケアプランを作成します。


サービス提供事業者と契約し、サービス利用を開始します

サービス提供事業者と契約を行い、サービスの利用を開始します。


なお、4日以上連続で宿泊を利用する場合は上記のようなケアプランの作成が必要ですが、4日未満の場合はケアプランの作成の必要はありません。

ショートステイには日帰りのものもある

ショートステイは数日間からの短期滞在を想定していますが、泊りをせずに日帰りでのサービスの利用を行うこともできます。短期間のデイサービス利用のようですが、詳しくはケアマネージャーとご相談ください。

介護保険を利用したショートステイのメリット・デメリット

介護保険を利用したショートステイのメリット・デメリットについて、見てみましょう。

メリット1.介護者の負担が軽減される

自宅での介護は被介護者だけでなく、介護者に負担がかかります。24時間の介護が長期間続くような場合、体力的にも精神的にも負担がかかります。数日間だけでも介護から解放され、自分の時間をもつことができます。食事や健康チェック、レクリエーションなどの介護サービスもあり、介護者の負担を軽減することができます。

また介護保険を利用することで自己負担額が1割から2割で利用でき経済的負担を軽減することができます。

その他仕事をしながら介護をしている人もショートステイを利用すれば、平日は仕事に出かけ、休みの日には、自宅で介護ができるようになります。

メリット2.専門施設で介護を体験できる

当面は自宅で介護を行うにせよ、介護度が上がったり、また介護者の年齢を考えると、将来的には老人ホームなどの施設への入所も検討している場合があります。集団生活に対しては最初は抵抗が大きい方も多いのが現実ですが、ショートステイを利用することで、集団生活への抵抗を取り除くための練習の場とすることができます。

デメリット1.予約がとりづらい

ショートステイは人気が高く、1~2ヵ月前に予約をしないと利用できない施設がほとんどです。急な用事等の場合は、空きを見つけるのが難しいことがあります。普段は自宅で介護をしていても、急な用事でショートステイが必要になったときに備えて、あらかじめいくつかの施設に目星をつけておいたり、ケアマネジャーと相談しておくようにしましょう。

デメリット2.被保険者には負担がかかってしまうことも

被保険者(被介護者)にとっては、短期間とはいえ慣れない環境での生活となります。生活のリズムも変わる場合があり、また長期滞在の施設とは違って、特定の友人が造りにくい傾向があります。こうしたことで負担がかかってしまい、被介護者がストレスや不安を感じ、認知症の人の場合は症状が進行してしまうこともあります。

介護保険のショートステイの利用料金は条件によって異なる

気になる介護保険のショートステイの利用料金ですが、条件によって異なります。

基本的な利用料の計算式は


1日あたり=サービス提供費用+宿泊費+その他(日用品、各種加算) となっています。


サービス提供費用は下記の条件によって異なります。


要介護度×施設の種類×施設のタイプ


要介護度が高くなれば、1日当たりのサービス提供費用は高くなります。利用する施設の種類が単独型か、併設型かによっても料金は異なり、単独型の方が料金は高くなります。その他、部屋のタイプや滞在した日数によっても料金が変わってきます。


入所日や退所日も利用日数に含まれるため、費用が発生しますので注意しましょう。




(参考)

施設のタイプ


従来型個室  定員1名の完全個室タイプ

多床室    1部屋に2名以上の大部屋タイプ

ユニット型個室 

       個室+共同スペース(天井まで仕切りがあるタイプの個室)

ユニット型準個室

       個室+共同スペース(天井まで仕切りのないタイプの個室)

要介護1~5の方のショートステイ費用

参考として、特別養護老人ホーム(併設型)・多床室(相部屋)を利用した場合の費用を見てみましょう。介護保険の負担割合は1割として1日当たりの金額を計算します。市町村によって異なります。

  • 要介護1 7170円(利用者負担 717円)
  • 要介護2 7914円(利用者負担 792円)
  • 要介護3 8669円(利用者負担 867円)
  • 要介護4 9412円(利用者負担 942円)
  • 要介護5 10134円(利用者負担 1014円)

要支援1~2の方のショートステイ費用

  • 要支援1 5250円(利用者負担 525円)
  • 要支援2 6449円(利用者負担 645円)

その他、宿泊費(3000円程度)、食費(1500円程度)、日用品費などについての負担がありますが、事業者によって異なります。

介護保険のショートステイには減免制度がある

ショートステイを利用されている方で、収入区分により、食費、居住費の自己負担額が軽減される場合があります。市町村に介護保険負担減額認定申請書と、収入や資産の明細(通帳・有価証券・不動産の明細)などを提出し、負担の軽減措置を受けます。

介護保険のショートステイ施設に関する情報

介護保険のショートステイ施設はどんな施設を選んだらよいのでしょうか?

まずは、被介護者の状態にあった施設を選ぶというのは最も重要な点です。


状態が安定していて日常生活の介護のみで大丈夫なら短期入所生活介護ですが、医療ケアやリハビリテーションが必要な場合は短期入所療養介護を選びましょう。


施設選びのポイントをまとめました。

  • 立地、施設の雰囲気
  • 職員や利用者の雰囲気
  • サービスについて
  • 契約について

ショートステイ施設の選び方のポイント

立地、施設の雰囲気

・立地条件は希望に合っているか(家からの距離・環境・商業施設)

・清潔感はあるか

・快適性はあるか(明るさ、室温、におい)

・パリアフリーの対応

・売店や共有ラウンジはあるか

職員や利用者の雰囲気

・職員の話し方や対応などに、好感をもてるか

・職員の保有資格や経験年数はどのくらいあるか

・職員と利用者とのコミュニケーションの様子はどうか

サービスについて

・食事(内容・味・個人対応)

・食事介助

・レクリエーション(内容・料金・頻度)

・体調不良時の対応

・終末期の対応

契約について

・サービス内容や料金について説明があるか

・苦情の受付窓口について説明があるか

・キャンセルの対応や料金の説明があるか

・契約書や重要事項などの説明があるか


ホームページやパンフレットだけでは実際の様子はわかりませんので、可能な限り事前に施設を見学しておくのもよいでしょう。また昼食時間帯やレクリエーションの時間帯など、関心なる項目については時間帯を工夫して見学してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。介護保険のショートステイについて見てまいりました。


介護保険のショートステイサービスは介護者にとっては頼もしい味方です。

在宅で介護を行うにあたっては、介護者の負担をいかに軽減しながら介護を続けるかが重要です。また平日の仕事を続けながら自宅で介護を行うのであれば、ショートステイをうまく活用すれば介護と仕事を両立しやすくなります。


自宅で介護を行う人にとっては、短期間といえども、施設に預けるということについて、少なからず罪悪感を覚えるという人もいますが、負担の重さに耐えられず体調を崩したり、介護離職をせざる得ない状況に追い込まれる人もいらっしゃいます。ショートステイは強い味方ではないでしょうか。


一方で人気が高いために、すぐに利用できるというサービスでないという点は注意しなければなりません。1ヶ月以上前から予約をしないと入所できない事業所が多いです。あらかじめケアマネジャーともよく相談し、いくつかの事業所については見学したり情報収集を行うといいでしょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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