更新日:2017/10/20
介護保険のサービス事業者が必要とする介護保険証とそのコピー
介護保険のサービスは、それぞれ別の事業者が行い、依頼するたびに事業者に介護保険証を確認してもらう必要があります。しかし実務では、利用者の了解の下、介護保険証のコピーが利用されているのが実情です。コピーは個人情報保護法の対象となり、慎重な取り扱いが求められます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険証のコピーを利用する前に知っておきたい運営基準
介護保険証のコピーを必要とするのは、介護保険のサービス事業者です。サービス事業者は運営基準を遵守しなければならず、その中に利用者の介護保険証を確認することが含まれています。
本来は事業者がそれぞれ利用者に確認すべきものですが、実際は事業者と利用者の負担軽減のために、介護保険証のコピーが利用されます。
介護保険の運営基準と基礎知識
介護保険のサービス事業者が遵守しなければならない運営基準とは、介護事業を行うにあたって留意する点や注意事項が定められたものです。
利用者の介護保険証を確認することも含まれており、事業者はサービスを行う前に、利用者に確認しなければなりません。しかし、介護保険証のコピーにより確認が行われているのが実際のところです。
介護保険証のコピーに関する問題点
介護保険証のコピーで利用者を確認する方法は、事業者と利用者の双方の負担が大きくなるため、介護保険証のコピー等で確認する方法がとられることがあります。
この時問題となるのが、介護保険証のコピーによる利用者の確認が本来の手法ではないことです。事業者は当然のごとく介護保険証のコピーを利用者に要求してはならず、許可を得なければなりません。
介護保険証のコピーが必要となるサービスの種類と利用法
介護保険証のコピーが必要となるのは、介護保険のサービスを利用する時です。サービスの種類は多く、サービスの種類により別々の事業者がサービスを提供しています。
介護保険証のコピーを必要とするのは事業者です。一つの事業者が一人の利用者に対して複数のサービスを提供する場合は、コピーは一組でかまいません。
コピーが必要なサービスの種類
介護保険証のコピーが必要なサービスは、正規に介護保険の適用を受けるサービスです。デイケアやショートステイ、在宅介護や在宅入浴など、全てのサービスが対象となります。
レンタルベットの利用や特定福祉用具の購入時にも、介護保険証のコピーは必要となりますが、本来は介護保険証の提示で済むものです。
事業者と利用者の双方に便利なコピー
介護サービスにおいては、事業者ごとに利用者に介護保険証の提示を求めたのでは双方にとって負担となります。実務上は、介護保険証のコピーが代用されます。
それが可能なのはケアマネージャーが統括するサービスで、市区町村に申請が必要な特定福祉用具の購入等では、介護保険証の原本の提示が必要です。
個人情報保護法における介護保険証のコピーと注意事項
介護保険証のコピーを事業者が受け取った場合、その取り扱いに注意が必要です。介護保険証のコピーは個人情報保護法の対象となるので、取り扱いは慎重に行う必要があります。
個人情報保護法では、他人の個人情報を管理する者は、本来の目的以外にその情報を使用してはならないとされています。
個人情報保護法と介護保険証のコピー
介護保険証のコピーには、大切な個人情報が記載されています。本来、介護保険証を確認する義務があるのは、介護保険のサービスを提供する事業者です。
介護保険の運営基準では、事業所が介護保険情報を確認することになっています。従って、サービスを受ける利用者が、介護保険証の原本を提示し、コピーの提出を拒否しても、問題はありません。
個人情報保護法に抵触しないのコピーの利用
介護保険証のコピーは、サービスを受ける利用者の同意があって、初めて受領できるものです。
介護保険のサービスを提供する事業者は、サービスを始める前や、更新があった時は、利用者に介護保険証の提示を受けて確認するのが筋ですが、利用者の了解を得て介護保険証のコピーを受領しても問題はありません。
ケアマネーシャーが介護保険証のコピーを利用する場合
介護保険のサービスを受ける利用者やサービスを提出する事業者は、膨大な必要書類と関わりを持たなくてはなりません。介護保険証の確認も、事業者ごとに行っていたのでは双方の負担が増えます。
ケアマネージャーに介護保険証の確認を委ね、事業者にはコピーを配布することで、介護保険証の確認業務は大幅に削減できます。
介護保険でのケアマネージャーの立場
介護保険のサービスを実際に統括しているのがケアマネージャーです。ケアマネージャーは利用者と事業者をつなぐ役割も果たしているので、介護保険証の確認に関しても主導する立場にいます。
実務で行われているのが、ケアマネージャーによる介護保険証の運用です。利用者はケアマネージャーに介護保険証を委ねるだけで、事業者ごとに介護保険証を提示する手間が省けます。
介護保険証のコピーに代わるデータ
最近の介護保険業務では、介護保険証のコピーの代わりに、電子データが使われることが多くなりました。電子データとしては、写真撮影によるものやスキャナーによるものがあります。
インターネットを利用した送受信が可能なので、介護保険証の確認業務に関する手間を、簡素化するのに役立っています。
まとめ
介護保険の利用者やサービスを提供する事業者は、介護保険証のコピーの役割を認識する必要があります。多くの規則により運用されている介護保険は、手続き業務が膨大な量となります。
利用者と事業者の双方の負担となるので、現場での業務の簡略化が行われています。介護保険証の確認においても、利用者の了解の下で、ケアマネージャー等が介護保険証のコピーを適切に役立てることが求められています。