介護保険料が払えないかも・・そんな時の軽減制度の情報あれこれ

介護保険料の軽減措置についてまとめております。主に低所得者向けの福祉施策が中心ですが、生計が困難な方への介護保険料の軽減制度や、サービス利用料の軽減など、市町村によって異なる部分もありますが制度の内容や対象者について解説します。

介護保険料の軽減に関する情報まとめ

介護保険料払えないかも・・どうしよう?


すべての40歳以上の方が加入している介護保険ですが、もちろん原則すべての方が介護保険料を負担しています。そもそも介護保険は、相互扶助の考え方に基づいて、能力に応じて保険料を負担することを前提として成り立っており、そのためには、所得に応じた保険料の負担が必要です。第1号被保険者の保険料については、所得によって原則6段階、市町村によっては15段階まで分けるなどの制度を整えております。


ただ災害や急な病気や失業などが原因で介護保険料が支払えないという場面があります。また収入や資産が乏しく、生計が困難な方もいらっしゃるのが現実です。


さて、こんな時、どうしたらよいのでしょうか。

ここでは介護保険料の軽減制度を中心に解説してゆきます。

生計が困難な方の介護保険料軽減制度

生計が困難な方向けの介護保険料軽減制度にはどんなものがあるのでしょうか。

介護保険料は原則、前年の収入に基づいて判断されます。そのため、年度中に収入が減少した場合には、介護保険料に反映されないため、こうした介護保険料軽減制度により経済的負担を軽減します。


介護保険料軽減制度を考える際は、収入が減少した原因として、①災害等の特別な事情による場合②生計が困難な方の保険料軽減制度がありますが、ここでは、生計が困難な方の介護保険料軽減制度について説明してゆきます。

介護保険料の軽減対象となる人

第1号被保険者の属する世帯の生計が困難な方及び生活保護受給者に対しては保険料の減額制度があります。

参考まである市町村の例を例をみると


(対象となる方)

次の条件のすべてを満たす第1号被保険者


  1. 世帯全員が住民税非課税の方
  2. 介護保険料の所得段階が第2段階又は第3段階であること(本人の前年中の合計所得金額+課税対象年金収入額が80万円を超え120万円以下の方または本人が住民税未申告の方を含み125万円未満の方)
  3. 世帯の年間収入額及び預貯金額が下表の基準以下であること
世帯人数世帯人員収入額(持家)収入金額(賃貸)預貯金額等
一人130万円以下155万円以下350万円以下
二人190万円以下215万円以下450万円以下
三人以上1人増すごとに
60万円加算
1人増すごとに
60万円加算
1人増すごとに
100万円加算

介護保険料の軽減に必要な届出

介護保険料の軽減を受けるためには届出が必要です。

  • 申請書
  • 預貯金通帳の届出印
  • 収入と預貯金の状況が確認できるもの(家族全員)・・・・①通帳全て②年金等支給決定通知書③給与支払証明書
  • 賃貸住宅に住んでいる人は、家賃を負担していることが確認できる書類(家賃通帳等)
  • 区外に扶養者がいる場合は、扶養者の課税地における非課税証明書

申請書・届出書類や必要書類及び手続き期間については各市町村によって異なりますのでご確認ください。

介護保険料軽減の対象期間

対象期間は原則1年間です。

翌年度も同制度を利用する場合は再度申請が必要になります。

介護保険料の算定方法

保険料を判定する段階を、低い段階の保険料まで減額します。

例)

第2段階保険料(45100円)

→第1段階保険料(29000円・▲16100円)

第3段階保険料(48400円)

→第1段階保険料(29000円・▲19400円)


なお年度途中で手続きを行った場合などは減額する金額が異なる場合があります。

生計が困難な方に対する介護サービス利用料の軽減制度とは

低所得者で特に生計が困難な方及び生活保護受給者に対し、軽減事業実施の申出を行った社会福祉法人やサービス提供事業者と市町村が、介護保険サービスの利用者負担額の一部を軽減する制度です。

サービス利用料軽減の対象となる方

参考まである市町村の例をみると

対象となる方


次の条件を全て満たす方

  1. 世帯全員が住民税非課税
  2. 世帯の年間収入が1人世帯の場合は150万円以下、世帯員が1人増すごとに50万円を加算
  3. 世帯の預貯金等の額が、1人世帯の場合は350万円以下、世帯員が1人増すごとに100万円を加算
  4. 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
  5. 負担能力のある親族等に扶養されていないこと
  6. 介護保険料の滞納がないこと

利用料軽減の対象となるサービス

対象となるサービスは以下の通りです。

  • 訪問介護(予防・夜間対応型含む)
  • 訪問看護(予防含む)
  • 通所介護(予防含む)
  • 通所リハビリ(予防含む)
  • 訪問入浴介護(予防含む)
  • 訪問リハビリ(予防含む)
  • 短期入所生活介護(予防含む)
  • 短期入所療養介護(予防含む)
  • 認知症対応型通所介護(予防含む)
  • 小規模多機能型居宅介護(予防含む)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 介護福祉施設サービス



対象となる費用

対象となる費用

  • 利用者負担額(1割または2割)
  • 食費(通所介護も含む)
  • 居住費(滞在費)
  • 宿泊費

サービス利用料の軽減割合

軽減割合
  • 利用者負担分25パーセント(老齢福祉年金受給者は50パーセント)
  • 食費(通所介護も含む)、居住費(滞在費)、宿泊費25パーセント(老齢福祉年金受給者は50パーセント)

厚生労働省の公費負担による介護保険料軽減の動き

厚生労働省の公費負担による介護保険料計減の動きについて説明します。消費税増税分を社会保障費増加対応分として充当してゆくための施策が検討されていたが、増税の再延期によりいくつかの施策が先送りまたは一部実施となりました。

一つ目は、年金生活者支援給付金の支給についてで、低所得者の年金受給者に対する福祉的給付として、保険料納付済月数に応じて最大月額5000円・年額60000円の給付金が支給されることとされたが、消費税引上げ延期の時期まで支給は先送りとなりました。


二つ目は、年金受給資格期間の短縮で、年金受給資格期間を現行の25年間から10年間に短縮し、将来の無年金者の発生を抑制しようとするものですが、こちらも消費税引上げの時期まで実施が先送りとなりました。


三つめが、低所得者の介護保険料の軽減です。こちらは当初、低所得者である所得段階でいうところの第1段階から第3段階の者について保険料の軽減を行うとされていましたが、消費税引き上げの延期により一部のみの実施となりました。


消費税増税分の一部が低所得者の介護保険料軽減措置に当てられる

低所得者の介護保険料の軽減について、もう少し詳しく説明します。

当初、低所得者である所得区分第1段階から第3段階までの者について、消費税増成分の一部を介護保険料の軽減に充当する予定であったが、引上げ時期の延期により、対象を第一段階のみとし、また軽減幅を縮小し実施することとなった。

第2段階及び第3段階の者については、その財源が別途確保されねばならず、現状では第1段階のみの軽減措置となっています。

(参考)

第1段階生活保護被保護者、世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入等80蔓延以下
第2段階世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入80万円超120万円以下
第3段階世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入120万円超

まとめ

いかがでしたでしょうか。

低所得者層向けの介護保険料の軽減や、サービス利用料の軽減についてはさまざまなものがあります。

市町村によって対象者や内容が異なる場合がありますので、詳しくはお住まいの市町村にご確認ください。

また消費税の実施延期により先送りとなっている介護保険料の軽減措置についてはまだ追加措置について詳しい議論が進んでいませんが気になるところですね。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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