65歳以上の介護保険料は、所得に応じて9段階に分かれています。

介護保険料は、所得に応じて9段階に区分されます。介護サービス費用を保険者数で割ることで基準額が分かります。その基準額に決まった率を掛けることで、9段階の各段階に該当する被保険者が負担する介護保険料が決定されます。市町村によっては9段階より細かいこともあります。

介護保険料が9段階に分かれる際の基準額が決まる仕組み。

介護保険は、社会保険の一つです。そのため、介護保険料は介護サービスにしか使われません。介護保険導入時に「税」か「保険」かで激しい議論となりましたが、この使用目的が限定されている点が、社会保険形式が採用された大きな理由の一つです。


逆に言えば、被保険者が負担する保険料は、必要となる介護サービスの費用から逆算して決定されることになります。そして介護保険料は最終的に所得に応じて9段階に分かれます。

介護保険の費用と介護保険料の決まり方

介護保険の運営者は市町村です。市町村は3年に1度介護保険事業計画を作成します。これにより必要な介護サービスの見込み量が分かります。これに介護報酬を乗じれば、サービスに必要な費用が算定できます。


この金額を、国庫が半分負担し、半分を被保険者が負担します。介護保険者の被保険者には、65歳以上の第1号被保険者と、45歳以上65歳未満の第2号被保険者とがあり、人口比で負担を按分します。

介護保険料基準額と9段階の関係

介護保険は、国庫で50%、第1号被保険者の介護保険料で22%、第2号被保険者の介護保険料で28%を負担します。第1号と第2号の人口比は3年ごとに見直されます。第1号被保険者の介護保険料は、介護サービスの費用の22%を第1号被保険者の数で割ることで、基準額が決定します。


この基準額を中心に、所得の低い被保険者は低めに、所得の高い被保険者は高めに負担額が決まります。厚生労働省の基準では9段階です。

介護保険料の負担は厚生労働省の設定例では9段階に分かれます。

介護保険料は、介護サービスを保険者数で単純に割ることで基準額が決まります。この基準に対し、低所得者等に配慮し負担能力に応じた負担を求める観点から、9段階を標準として段階別に介護保険料が設定されています。


保険料基準額を1として、それに決まった倍率を掛けることで9段階が分かれています。9段階というのは厚生労働省の示す標準であり、市町村によっては9段階より細かく段階が設定されていることもあります。

介護保険料の基準額があてはまる世帯

介護保険料を9段階に分ける土台となる基準額は、全国平均で5500円前後です。厚生労働省の示す9段階の標準では、ちょうど真ん中の第5段階が保険料基準額を負担します。


この9段階は、市町村民税の課税状況などに応じて決まります。基準額を負担する第5段階は、「本人が市町村民税非課税」「世帯に課税者がいる」「本人年金収入等80万円超」の3つを満たす被保険者があてはまります。

低所得者に対する負担能力への配慮

厚生労働省が9段階に分けている理由に、低所得者に対しての配慮があります。9段階のうち第5段階よりも所得が低い第1段階から第4段階は、保険料基準額よりも低い係数を掛けます。


更に、第1段階では2015年から公費で保険料の低減がなされています。消費税が10%になったら、第2段階、第3段階でも保険料が引き下げられるものとされています。

厚生労働省の設定例での介護保険料9段階の区分の実際。

厚生労働省の基準では、介護保険料は9段階に分かれます。介護保険料を9段階に区分する際に考慮されるのは、市町村民税非課税の課税状況です。


「世帯全員が市町村民税非課税」か「本人は非課税だが、世帯に課税者がいる」か「本人が課税者」かで大きく3つに分かれ、その中で本人の所得に応じて分かれて9段階となります。

基準となる世帯よりも低所得の場合

第1段階は「生活保護被保護者」や「世帯全員が市町村民税非課税かつ本人の年金収入等が80万円以下」等の場合で、基準額に乗じる倍率は0.45です。


第2段階は「世帯全員が非課税かつ本人収入等80万円超120万円以下」で、第3段階は「世帯全員が非課税かつ本人年金収入120万円超」でともに倍率は0.75です。第4段階は「本人は非課税だが世帯に課税者がおり、本人年金収入等80万円以下」で倍率は0.9です。

基準となる世帯よりも高所得の場合

9段階のうち6段階以上は本人が課税者の場合です。そして、「本人の合計所得が120万円未満」が第6段階となり、保険料基準額に乗じる倍率は1.2です。


第7段階は「合計所得金額が120万円以上190万円未満」であり、倍率は1.3です。第8段階は、「合計所得金額が190万円超290万円未満」で倍率は1.5です。第9段階は「合計所得金額が290万円以上」で倍率は1.7です。

市町村によって保険料が9段階以上のこともあります。

介護保険料は市町村によって異なります。介護保険の運営者は市町村だからです。基準額を決める介護サービスの必要額も市町村単位で算出します。そのため基準額が市町村によって異なります。


また、厚生労働省では9段階を標準としていますが、市町村によってはよりきめ細やかに多くの段階を設定しているところもあります。

介護保険の運営は市町村。

介護保険では、地域の介護サービスのニーズの実情に合わせやすいよう運営主体は市町村とされました。介護保険料の基準額は、「市町村での介護費用を、その市町村の第1号被保険者数で割ったもの」を介護保険料基準額とします。


所得に応じた負担割合の設定も、必ずしも9段階とは限りません。9段階のうち低所得者で段階を分ける市町村もありますし、9段階の中でも高所得者で段階を分ける市町村もあります。

市町村での介護保険料負担段階の実際

例えば、東京23区で最も人口の多い世田谷区では、厚生労働省の9段階では第1段階にあたる被保険者を2段階に区分しています。


同時に厚生労働省の9段階の第9段階よりも所得が多い被保険者を、所得金額400万円、500万円、1000万円などで区切って最終的に16段階に分けています。第16段階(合計所得金額2500万円以上)では基準額に乗じる倍率も3.3となっています。

まとめ

介護保険では、65歳以上の介護保険料は、所得に応じて9段階に分かれています。市町村民税の課税状況などで区分されます。まず、必要となる介護サービスの費用の第1号被保険者負担分を、第1号被保険者数で割ります。


こうして求められた基準額に、決まった倍率を掛けることで、各段階の介護保険料額が決まります。厚生労働省の9段階の標準よりも、細かく段階を設定している市町村もあります。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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