介護保険の認定はどんな状態の時にランク分けされるのかを解説!

要介護認定とは、介護保険サービスを利用したい方に対し、“どんな介護が、どのくらい必要なのか”を判定するために行われます。介護保険サービスの内容は、要介護認定を受け介護の必要なランクに応じ決定されます。また、ランクによって介護給付の支給限度額も異なります。

知っておくべき介護保険の要介護認定ランクに関する知識

要介護認定とは、介護保険のサービスを利用したい方に対し、“どんな介護が、どのくらい必要なのか”を判定するために行われるものです。


介護保険を受けるためには一定の年齢になり、この要介護認定を受け、「要支援」・「要介護」の判定が行われる必要があります。


介護保険サービスの内容は、この要介護認定を受け介護の必要な度合いに応じて決定されます。

要支援1・2と認定された方は「介護予防サービス」を、要介護1~5と認定された方は「介護サービス」の現物給付が受けられます。


今回は、介護保険の要介護認定について説明します。

介護保険の要介護認定のランク(レベル)と目安

介護保険が適用される方は、「第1号被保険者」と「第2号被保険者」です。


第1号被保険者は、65歳以上の方が対象になります。要介護状態になった原因がどのような場合でも、公的介護保険のサービスを受けることができます。


一方、第2号被保険者は、40歳から64歳の方が対象になります。第2号被保険者の場合、がん(末期)、脳梗塞・脳出血等の脳血管疾患および関節リウマチ、アルツハイマー病、早老症等の老化に起因する病気を加えた16種類の「特定疾患」により要介護状態になれば、公的介護保険のサービスを受けることができます。


要介護認定のランクは以下の通りです。




要支援1の身体状態

要介護認定等基準時間が25分~32分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。なお、要介護認定等基準時間とは、利用者が介護サービスを受けるのにふさわしい時間のことです。


要介護状態とは認められないものの、社会的支援を必要とする状態の方が対象です。


このランクの方は、適切な介護予防サービスを受けることにより、要介護状態への進行を防止できるとされています。

要支援2の身体状態

要介護認定等基準時間が32分~50分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


生活の一部について部分的に介護を必要とする状態です。このランクは、適切な介護予防サービスの利用により、状態の維持、状態の改善が見込まれる方が対象です。

要介護1の身体状態

要介護認定等基準時間が32分~50分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


このランクは、生活の一部について部分的に介護を必要とする状態です。認定の対象となる方は次の通りです。
  • 食事や排泄はほとんど単独でできるものの、時折介助が必要な場合ある
  • 立ち上がり・歩行等に不安定さが見られる
  • 問題行動や理解の低下が見られる

要介護2の身体状態

要介護認定等基準時間が50分~70分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


このランクは、軽度の介護を必要とする状態です。認定の対象となる方は次の通りです。
  • 食事や排泄に何かしらの介助が必要
  • 立ち上がりや片足での体勢の保持、歩行などに何らかの支えが必要
  • 衣服の着脱がやや不自由
  • 物忘れ・直前の行動の理解の一部に低下がみられる

要介護3の身体状態

要介護認定等基準時間が70分~90分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


このランクは、中等度の介護を必要とする状態です。認定の対象となる方は次の通りです。
  • 食事や排泄の一部に介助が必要
  • 立ち上がりや片足での体勢の保持、歩行等が一人では不可能
  • 入浴・衣服の着脱に介助が必要
  • 問題行動・理解力の低下がみられる

要介護4の身体状態

要介護認定等基準時間が90分~110分未満、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


このランクは、重度の介護を必要とする状態です。認定の対象となる方は次の通りです。
  • 食事に介助が必要
  • 排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要
  • 立ち上がり・両足での体勢の保持がほぼ不可能
  • 問題行動が目立ち・理解力のかなりの低下がみられる

要介護5の身体状態

要介護認定等基準時間が110分以上、またはこれに相当すると認められる状態を指します。


このランクは、最重度の介護を必要とする状態です。認定の対象となる方は次の通りです。
  • 食事・排泄が単独では不可能
  • 立ち上がり・両足での体勢の保持が不可能
  • 意思伝達がほぼ不可能

介護保険で介護認定を受けると利用できるサービス

介護保険で受けられるサービスとは言っても、要支援・要介護のランクによって該当するサービスが異なります。

介護保険で受けられるサービスには、「居宅サービス」、「支援サービス」、「施設サービス」があります。


こちらでは、ランク別の介護保険で受けられるサービスを紹介します。

介護保険の居宅サービス

要支援1・2および要介護1~5が受けられる主な居宅サービスは次の通りです。

①要支援1・2


要介護にならないための介護予防サービスが受けられます。


介護予防サービス内容
介護予防訪問介護要介護にならないための、身体介護・生活援助等を行います。
介護予防訪問入浴介護要介護にならないために、浴槽を積んだ入浴車で利用者宅を訪問し、入浴サービスをします。
介護予防訪問看護要介護にならないために、看護師等が訪問し看護します。
介護予防訪問リハビリテーション要介護にならないために、介護スタッフが自宅に訪問し、必要なリハビリを行います。
介護予防通所介護要介護にならないために、利用者が施設に通い機能訓練・レクリエーションを行います。
介護予防通所リハビリテーション要介護にならないために、利用者が施設に通い筋力トレーニング・栄養指導・口腔ケア等を行います。


②要介護1~5


これ以上、要介護ランクが上がらないための介護サービスが受けられます。


介護サービス内容
介護訪問介護身体介護(入浴、食事、排せつ等)・生活援助(掃除、洗濯、調理)等を行います。
介護訪問入浴介護浴槽を積んだ入浴車で利用者宅を訪問し、入浴サービスをします。
介護訪問看護看護師等が訪問し療養上の世話・診療補助をします。
介護訪問リハビリテーション介護スタッフが自宅に訪問し、必要なリハビリを行います。
介護通所介護利用者が施設に通い(または送迎により)、機能訓練・レクリエーションを行います。
介護通所リハビリテーション利用者が施設に通い(または送迎により)、筋力トレーニング・栄養指導・口腔ケア等を行います。

その他、福祉用具の貸与・住宅改修等のサービスもあります。

介護保険の支援サービス

介護保険サービス利用者が、認定された要支援・要介護に合ったサービスを利用できるように、利用者の依頼を受け、ケアマネジャー・保健師などがケアプランを立てることや、連絡調整を行います。

介護保険の施設サービス

要介護の利用者がこのサービスを受けることができます。主な施設サービスは次の通りです。

施設名内容
特別養護老人ホーム原則、65歳以上・要介護3以上の方が対象となります。認知症・寝たきり等の利用者が日常生活上の介護を受ける施設です。
介護老人保健施設原則、65歳以上・要介護1以上の方が対象となります。病状の安定している利用者が、ご自宅への復帰を目的をしたリハビリテーション、介護・看護を受ける施設です。
指定介護療養型医療施設原則、65歳以上・要介護1以上の方が対象となります。医療面が充実し、長期間療養を必要とする利用者が治療・療養を目的としたサービスを受ける施設です。

その他に、「地域密着型サービス」という市区町村が提供するサービスもあります。例えば認知症高齢者を対象としたグループホーム等が該当します。

介護保険のそれぞれの要介護認定のランク(レベル)によって限度額が変わる

介護保険でサービスを利用する場合は、原則としてかかった費用の1割または2割分を負担します。利用者負担割合は次の表の通りです。

〇利用者負担割合


利用者本人の合計所得金額利用者負担割合
160万円未満
1割負担
160万円以上
ただし、同一世帯の第1号被保険者の方の年金収入+その他の合計所得が金額が
①65歳以上の方が1人→280万円未満
②65歳以上の方が2人以上→346万円未満
1割負担
160万円以上2割負担

ただし、要介護認定のランクによって、介護保険サービスの給付される限度額が定められています。この限度額を超えて利用した場合、超過分は利用者が負担しなければなりません。


要介護認定のランク別の限度額は次の表のとおりです。


〇1ヶ月あたりの支給限度額


要介護認定ランク単位(平成29年1月現在)円(1単位=原則10円)
要支援15,003単位50,030円
要支援210,473単位104,730円
要介護116,692単位166,920円
要介護219,616単位196,160円
要介護326,931単位269,310円
要介護430,806単位308,060円
要介護536,065単位360,650円

要支援・要介護ランク認定手順

要支援・要介護ランクに認定され、介護保険サービスを受けるには次の認定手順があります。

〇必要書類の取得・作成

原則として、介護を必要としている利用希望者本人、またはその家族が申請します。申請するのは市区町村の窓口です。なお、地域包括支援センター・居宅介護支援事業者・介護保険施設の職員が申請を代行することもできます。


必要な書類は次の通りです。

  • 要介護・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 健康保険被保険者証(第2号被保険者のみ)

利用希望者側が取得・作成するのは上記の書類のみですが、書類提出後に市区町村が、利用希望者の主治医に意見書の作成を依頼することになります。


〇要介護・要支援認定の流れ


利用希望者が認定されるまでの流れは次の通りです。


①書類提出

  ⇩

②訪問調査の日程調整

  ⇩

③市区町村担当者またはケアマネジャーの訪問調査

  ⇩

④介護認定審査会が、要介護認定のランクを判定

  ⇩

⑤認定結果および介護保険被保険者証を利用者宅へ郵送(申請から30日以内)


※なお、認定結果は要支援・要介護の7つのランクの内いずれか、利用希望者の状態がいずれにも当てはまらなかった場合は、非該当となります。


まとめ

介護保険サービスは、要支援・要介護ランクに認定されたら、どんなにサービスが高額になっても1割または2割負担のみで利用できるわけではありません。

介護サービスには、ランク別に1ヶ月あたりの支給限度額が定められているため、利用者本人・家族がケアマネジャー等と十分に話し合い、確実かつ効率的なケアプランの作成に協力していきましょう。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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