更新日:2017/12/28
介護専門のタクシー?介護保険を使って、上手に移動をサポート
介護タクシーには、介護保険適用と適用外の介護タクシーがあります。介護保険を上手く使い分けることによって、病院への移送や、映画鑑賞、買い物など幅広く活用することが可能です。介護が必要な方には必須の介護タクシー、種類について詳しく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険タクシー・介護タクシーについて解説します
在宅で介護をしている人にとって、介護が必要な人を外出させることはとても重要です。
ただ、公共交通機関が整備されていない地域もあり、車いすでの移動が困難です。そこで利用されているのが、介護保険タクシーや介護タクシーです。
介護が必要な高齢者や障害者の移動をお手伝いしてくれるタクシーです。
介護保険タクシーとは、介護保険指定業者番号を取得している交通会社によって運営されます。
ケアプランに介護タクシーでの移動等が含まれていれば、通院時の乗り降りの介助という訪問介護サービスとして介護保険が適用されます。
また、全額自己負担で同様のサービスを受けることも可能です。
ここでは介護保険を使用したタクシーを介護保険タクシー、それ以外のタクシーを介護タクシーとして説明したいと思います。
介護保険タクシーについて
介護保険を利用できる介護タクシーは、介護保険指定業者番号を取得している業者のみが運営できます。
また、乗務員は介護職員初任者研修以上の資格を持っていなければなりません。このサービスを利用できるのは、自宅で生活する人で介護度が要介護1以上などの条件をクリアし、担当のケアマネージャーがケアプランに盛り込んだ場合のみとなります。
介護保険タクシーの利用対象者と利用条件
しかし、利用するには下記の条件に合うことが必要になってきます。
- 介護度が要介護1以上の方
- 公共の乗り物に一人で乗車できない方
- 担当のケアマネージャーが介護保険タクシーを必要と判断し、ケアプランに盛り込まれている方
ここで注意したいのが、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設などに入所している人は、介護保険タクシーの利用対象外となることです。
介護保険タクシーへの乗り降りの介助は、施設の職員にお願いしましょう。
介護保険タクシーの利用・申請の流れ
そうすると、ケアマネジャーが介護保険タクシーが必要かを考え、ケアプランに入れてくれます。
その上で、ケアマネジャーが介護保険タクシー会社へ依頼を行います。
介護保険タクシー会社と利用者とで契約を結び、利用が開始されます。
普通は、介護保険タクシーはケアマネジャーの作成したケアプランに基づいて利用しますが、介護保険外の利用も可能です。
その場合も、同じようにサービス事業所へ連絡するこが必要となります。
介護保険タクシーのサービス内容
- 通院(リハビリや透析、整骨院も含む、鍼灸は含まれない)
- 市町村役場等の各種手続き
- 金融機関への各種手続き(引き落としなど)
- 選挙投票
- 今後、利用予定の通所介護や介護保険施設への見学
寝たきりの方などの場合は、必要に応じてベッド上での着替えや、おむつの定期交換などをお願いすることも可能です。
介護保険タクシー業者のサービス提供時間内(営業時間内)に利用することができます。
契約の際には、事業所のサービス時間を確認しておきましょう。
また、車いすのままでも利用が可能な福祉車両もあります。
リクライニング式の車いすやストレッチャーに対応している車両もありますので、事業所に問い合わせてみるのも良いかもしれません。
介護保険タクシーの費用
しかし、運賃は介護保険の対象にはなりません。そのため、移動料金は利用者が支払います。
介護保険タクシー料金 = 移動運賃 + 介護保険サービス(1割、2割、あるいは3割負担)
になります。
また、上記に加えて迎車や待機時に発生する料金も実費負担となります。
透析等といった理由で、長期的な利用の場合は、ケースによって運賃の割引が適用されます。
詳しくはケアマネジャーもしくは介護保険タクシー業者に確認しましょう。
▼介護保険サービス料金97円/回
※厚生労働省「介護報酬の算定構造」(平成27年4月現在)に基づいて計算
※上記はあくまでも目安の金額です。費用は利用する時間帯や地域の区分によって異なります。
※上記の費用は、自己負担割合が1割の場合です。一定の所得・収入がある方は、自己負担割合が2割になります。
介護保険適用外の介護タクシーについて
しかし、介護保険が適応される介護保険タクシー対して介護保険を使わない介護タクシー(福祉タクシー)の場合、介護保険タクシーを利用する際のような諸条件や手続きなどの必要がありません。
介護保険が適応されないため、料金が全額自己負担となります。
介護タクシーの利用対象と利用条件
しかしその場合でも、全額自費での介護タクシーの利用も可能です。
- 特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設などに入所している人
- 入院、退院、入院中の一時帰宅、転院、病院から病院への移送など
- 買い物
- 親戚や友人宅への訪問
- 映画館、コンサート会場などへの送迎
- 冠婚葬祭
- お墓参り
介護保険適用以外の介護タクシーは、一般的にはケアタクシーやサポートタクシー、福祉タクシーと呼ばれています。
要介護認定を受けている人のほか、障害がある方なども利用可能です。
介護タクシーにかかる費用
介護タクシーの費用は、
料金=運賃+介助料金 もしくは、1時間ごとの料金
など、業者によって金額が異なります。
上記に迎車時や待機時の料金も追加で加算され実費負担となります。
タクシー会社によっては割引対応を行っている所もあるので、料金については介護タクシー会社を選ぶ際に確認してください。
介護タクシーの探し方
現在は、スマートフォンなどのインターネットを使って介護タクシーを検索することもできます。
また、地域の情報誌にも記載されていることがありますので、目を通してみるのも良いでしょう。
介護タクシーと福祉タクシーの違い
介護保険タクシーでは、乗務員の介護職員初任者研修以上の有資格が義務付けられています。また、保険の適用の有無も用途によっては様々です。
福祉タクシーは、身体に障害者のある方の外出をサポートするため、福祉車両が使用されます。
車椅子のまま乗車できるリフト付車両などがあります。 乗務員に介護職員初任者研修や介護福祉士の資格がない場合は、タクシーへの乗降介助などのサービスは行われません。
一般なタクシーと同じように乗務員は乗客の身体に触れることができないため、タクシーの乗降時には家族などの付き添いが必要です。
福祉タクシーは高齢者の利用はできません。
生活保護者の介護タクシー利用は書類を提出すれば可能
生活保護だから、タクシーの費用なんて出ないでしょ?と思われる方もいるかもしれませんが、医師の許可があれば、生活保護者でも、タクシーの通院運賃を支給することは可能なのです。
ただし、それには役所で下記の書類を揃え、手続きが必要です。
- 申請書
- 給付要否意見書(移送)(主治医よりタクシーでなければ通院できない理由を書いてもらいます)
- 通院証明書
- タクシー代の領収書
申請は、急病を除いて事前申請となります。
不安な場合は、担当のケースワーカーに相談すると良いでしょう。
まとめ
介護保険タクシーは、通院等で使用し、気分転換を兼ねた外出のサポートは介護タクシーを利用するなど、用途に応じて様々な使い分けをすることが可能です。
使い分けをすることで、介護をする人も介護をされる人も共に行動できる範囲や広がり、心にもゆとりを持つことができます。
まずは悩んでいないで、ケアマネジャーやケースワーカーに相談することが、あなたの人生に余裕を持てることへの第一歩となります。
タクシーを利用して、もっとあなたの可能性を広げてみてはいかがでしょうか?