更新日:2017/10/14
公的介護保険制度におけるグループホーム及び訪問看護の役割
公的介護保険制度ではグループホームや訪問看護などのサービスが存在します。グループホームでは認知症患者対象の共同生活介護を、訪問看護では主治医の指示の元で医療の補助行為をメインに行っていく介護保険制度でのサービスとなっています。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険制度におけるグループホームと訪問看護の役割
介護保険制度では、グループホームは認知症患者を対象にして共同生活を送りながら、症状の進行を抑えるように努めていきます。
また、家族の介護が出来ない場合などでも対応している介護保険事業所です。訪問看護は、主治医の指示の元で医療の補助行為を行っていくサービスとなっています。
グループホームは原則少人数です
グループホームは正式には認知症対応型共同生活介護と言います。このグループホーム入居の要件は、認知症患者であることと要介護1以上の人が対象となっている他、ある程度は自分の身の回りのことが出来ることも求められます。
無論、人それぞれ置かれている状況が異なることから、ケースバイケースでの対応になることも多いです。原則5人以上9人以下でグループホーム内を中心にした生活を共にしながら送ります。
訪問看護は介護と医療の両方があります
訪問看護は介護保険と医療の両方があります。行うことは同じですが、お金の計算や出所が異なっています。主に要介護認定などを受けている場合は介護保険で、それ以外を医療保険で対応しますが、例外もあります。
末期がん患者や厚生労働省が定める疾病患者の場合には、要介護認定を受けていても介護保険制度から医療保険に切り替わる点に注意が必要です。
グループホームと訪問看護は介護保険制度で利用可能です
グループホームは、認知症患者が少人数で共同で生活を送っていきます。無論、グループホーム内にいるスタッフのフォローを受けながらになりますが、原則健康な人が利用可能です。
入院等治療が必要な人の場合には、この介護保険制度サービスは利用出来ません。まずは医療をしっかりと受けて治療を行ってから、またこのグループホームに入居する流れとなっていきます。
訪問看護は介護保険と医療の両方を考えます
訪問看護は、介護保険制度での適用の場合と医療保険制度での適用の場合とがあり、要介護認定を受けているときは介護保険制度で対応をするのが原則です。
要介護認定を受けていても末期がん患者などの場合のように例外もあり、こうした点が非常に複雑になっているため、ケアマネジャーなどに相談をする必要があるケースも出てくるわけです。
施設から在宅へとシフトしつつあります
国における財政事情が主となる原因で、今後施設から在宅へとシフトしていく流れが加速していきます。その中でもグループホームや訪問看護には大きな期待が寄せられているところです。
在宅での対応が出来れば、施設にかかる費用を抑えることが出来るわけですが、介護を要する本人や家族の負担がどう変わっていくのか、注意深くみていく必要はあります。
介護保険外での訪問看護やグループホームの考え方と対応
介護保険外でも訪問看護サービスの提供は行われています。医療の一環で行われており、健康保険証により原則3割の自己負担で医療行為を受けていきます。
このとき、在宅医療に熱心な医療機関であれば、その医療機関から直接看護師などが尋ねて対応に当たるケースもしばしばです。訪問看護ステーションに改めて指示を出すケースもあります。
介護保険制度ではないグループホーム
実はグループホームと呼ばれるものには、介護保険制度外のものが存在します。身体障害者などの障害者手帳を有する人向けにあるグループホームです。
この場合、障害者総合支援法関係で事業所認可を受けているため、そちらの法制度の下で対応していく流れとなっています。要介護認定の認知症患者を対象にしたものではない場合があることに注意を要します。
在宅医療での訪問看護
在宅医療は今後そのニーズを急速に増やすと見込まれているところです。医療機関までの通院が困難な人を対象に、主治医も在宅医療で訪問診療や往診を行うケースが増加しつつある情勢になってきています。
なお、訪問診療は定期的に患者の元に治療に行く行為であり、往診は患者に急きょ呼び出されて対応に当たるものです。いずれにしてもその後の医療の補助行為で、訪問看護を提供する場合があります。
介護保険制度におけるグループホームや訪問看護の役割
グループホームは現在は新規指定を市町村が担っていますが、原則として市町村が認めない限りは事業所開設の許可は出ません。毎年施設整備の計画に基づいて対応をしているためです。
地域によってはこのグループホームが非常に多く存在する地域もあります。すでに数多くのグループホームがあるのにさらに新規事業所は要らないといった判断を市町村が行うわけです。
訪問看護ステーションと医療機関
訪問看護サービスは訪問看護ステーションまたは医療機関が行えます。ただ、行う内容は同じであり利用者側は特に気にする必要はありません。
ただし、介護保険から医療に切り替わるケースの場合、負担額などの計算方法が変わるなど制度そのものが非常に複雑であるため、ケアプラン作成者であるケアマネジャーや担当の訪問看護師に確認をしっかりとする姿勢も大事です。
訪問看護などの役割の重要性
施設や入院での治療から在宅医療へと切り替えつつある状況です。そのため、認知症患者は健康な場合は入院ではなく在宅での介護保険の利用を考慮していきますが、認知症患者で健康すぎる人の場合には徘徊などの問題が生じます。
この場合はグループホームの利用も検討していくことが求められます。在宅医療の補助としての訪問看護も今後ますます利用者の増加が見込まれているところです。
まとめ
施設や入院での対応は国の財政事情から徐々に厳しさを増しています。その結果、訪問看護やグループホームなどの介護保険制度における在宅サービスへと切り替えていく状況です。
本人や家族は細かい制度そのものは知らなくても、ある程度の概要と特に費用負担そのものはよく知っておくことが求められています。訪問看護は特に介護保険と医療と両方があり分かりにくいため、しっかりと説明を聞いて特に懸念される費用負担を確認することが大事です。