更新日:2017/10/05
公的介護保険制度で利用可能な電動ベッドとその要件及び注意点
公的な介護保険制度で利用出来る電動ベッドは、購入の場合はともかくレンタルで使用を考えるときには、条件があります。要介護2以上で無ければいけませんし、介護保険制度で利用しなければいけない理由をケアマネジャーが把握した上で電動ベッドの利用を行う流れとなります。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険制度の福祉用具貸与で利用する電動ベッドなどの条件
介護保険制度のうち福祉用具貸与サービスを利用した電動ベッドすなわち特殊寝台及びその付属品は、ケアマネジャーが作成をするケアプランによってその必要な理由が求められます。
また、かつては条件はありませんでしたが、現在は要介護2以上で無ければ認められないように制度が変更されて今日に至っている状況です。
制度変更がなされた結果です
福祉用具貸与は、そもそも制度発足当時から厚生労働省によって介護保険制度の中で軽度者へのレンタルがあまり適当でないものとして特殊寝台がありました。
特殊寝台すなわち電動ベッドなどの一部の品目は、経過措置期間を含む平成18年10月以降、介護保険制度における福祉用具貸与で要介護1以下の軽度者へのレンタルは原則出来なくなった流れがあります。
軽度者へのレンタルでも例外はあります
要介護1までのいわゆる軽度者へのレンタルには、電動ベッドなどのレンタル利用は出来なくなりました。ただし、例外はあり、その条件をクリアした場合などは認められる場合はあります。
しかしながら、その場合でも原則は要介護度の変更を行うのが原則で、例外を頻繁に認めているわけではありません。介護保険制度の電動ベッドのレンタルは、要介護2以上であることが条件という点は認識していおく必要があります。
電動ベッドが介護保険の利用で必要だという理由が大事
利用しようという電動ベッド及びその電動ベッドの付属品が、公的介護保険制度の福祉用具貸与での利用が必要か否か、担当するケアマネジャーがしっかりと認識することが求められます。
また、その必要な理由をケアプランに明記することが求められており、ケアプランの第2表などでしっかりと記載することが大事です。
購入での対応も出来ます
電動ベッドを介護保険制度の利用で対応をしようとすると、軽度者へのレンタルが難しいという壁に当たってしまいます。
そのため、中には購入してしまう人もいますが、そもそも軽度者への電動ベッドのその利用が非常に便利であるため、利用しすぎることで要介護度が悪化してしまうことを懸念してのルールであることも知っておく必要があります。
ただ、場合によっては購入して対応をする方法も採れないことはありません。
ケアプランへの明記とケアマネジャー
通常、在宅介護時において介護保険制度の福祉用具貸与の利用において電動ベッドの利用が問題になるわけです。
したがって、ケアプランを作成するケアマネジャーの認識と利用者やその家族との連携がしっかりと出来なければ、相互不信になってしまう恐れがあります。
なぜ介護保険制度の利用で電動ベッドが必要なのか、ケアマネジャー側でもしっかりと理解することが求められます。
電動ベッドの利用と介護保険制度の財政及び今後の問題
電動ベッド等の軽度者への介護保険制度におけるレンタルは特別な状況を除いて原則不可となって久しいわけですが、今後はより一層状況が悪くなる可能性があります。
介護保険、医療、年金といった社会保障費の膨張が続くために、公的介護保険制度から福祉用具貸与を除くべきという意見も出始めています。
膨張し続ける社会保障費と介護保険
介護保険制度や医療及び年金は、いわゆる社会保障費と呼ばれています。この社会保障費は年々膨張を続けており、その抑制策を国は考えて対応に当たってきているところです。
そのうち、福祉用具のレンタルでも公的介護保険制度から外すべきという意見も出始めるなど、電動ベッドの利用も含めて全て自己負担となる時代が来る可能性は否定出来ません。
いずれは介護保険制度から外れる可能性
福祉用具貸与は、介護保険制度から外して民間にて運営を行えば良いという意見も出始めています。国などの審議会ではやはり財政面での保険負担を懸念する声も出始めました。
今後において、定期的に行われていく国の介護保険制度の審議会などの動向を注視することも大事です。いずれは自己負担を大きく求められる可能性が出てくる可能性は否定出来ません。
本当に必要ならば電動ベッドなどの利用を行うこと
ただ単に便利だからという理由で介護保険制度の福祉用具貸与を利用しての電動ベッドの利用は認められていません。なぜ必要なのかをしっかりと認識することが大事です。
ケアマネジャーや利用者及びその家族が伝導ベッドがないと生活に困るという視点で、ケアプランが作成されることが極めて重要となっています。ケアマネジャーが必要と考えられない電動ベッドの利用は、難しいです。
本当に必要かどうかアセスメントで把握
本当にその利用者にとって電動ベッドが必要かどうか、また公的介護保険制度下にあって必要かどうか、専門的な見地からアセスメント等によって把握されなければいけません。
このとき、利用者やその家族が必要としている状況をしっかりと把握出来る能力が、ケアマネジャーには必須となっているわけです。
定期的なモニタリングと事業者から意見聴取
介護保険法等関係諸法令によって、居宅介護支援事業者のケアマネジャーが行わなければならない業務は多岐にわたります。
このとき、少なくとも月に一回は利用者の自宅を訪問し利用者及びその家族と面談してモニタリングを行わなければいけません。また、必要に応じたケアカンファレンスにより福祉用具貸与事業者からも意見を聞くことが求められます。
まとめ
公的介護保険制度を取り巻く環境は特にその財政状況の悪化から徐々に厳しさを増しています。また、電動ベッドなどの利用では福祉用具貸与事業で対応するケースが多いですが、電動ベッド等は軽度者へのレンタルが認められないようになって久しい状況です。
公的介護保険制度を正しく理解して、ケアマネジャーとよく連携した上での利用が求められています。