更新日:2017/10/21
介護保険制度における末期がん患者への訪問看護とその制度及び利用
介護保険制度では通常はそのサービスは全て介護保険制度で賄われます。ただし、例外として末期がん患者などの一部疾病の人は、訪問看護は医療から対応する仕組みです。末期がんかどうかの判断は医師が行い、その医師の指示の元で訪問看護が行われていきます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
訪問看護サービスと末期がん患者への対応及び介護保険制度と医療
要介護認定などを受けている人は通常、介護保険制度で対応をします。そのため、訪問看護サービスでも通常は介護保険の枠内での対応になりますが、末期がん患者等の場合には例外として、介護保険ではなく医療保険での対応に切り替わるため、注意が必要です。特に患者への周知が欠かせません。
医療での対応と介護の関係
末期がん患者などの一部の疾病の人は、通常介護保険制度で対応される訪問看護は、医療に切り替わるようになっています。したがって、介護保険の要介護度に応じた限度額からも外される仕組みです。
そのため、ケアマネジャーとの連携が欠かせないだけではなく、主治医や訪問看護師とも密接に関わる必要が生じます。
医療保険での対応になるとき
最初はがんとしてのみ診断されていてもその後病状が悪化し、末期がんと診断される場合があります。介護保険制度の利用を行っている場合には、速やかにケアマネジャーとも連携をとって医療での対応になる旨をしっかりと話しをする必要があります。
無論、末期がん患者が医療での対応になることは、ケアマネジャーなら知っていて当然の知識です。
在宅医療における介護保険制度の訪問看護の利用と末期がん患者への対応
在宅医療では、介護保険制度の利用も積極的に行われるのが一般的です。末期がん患者への対応でも同じことが言えます。
このとき、末期がん患者などは介護保険制度から外れますが、他のサービスとの連携の関係で、ケアプランに訪問看護の利用時間や利用する曜日などを記載するのが常です。重複するとどちらのサービスの利用になるのかと言う問題が生じてしまいます。
ケアプランの作成と重複の問題
ケアプラン上でも訪問看護のサービス利用を記載するケースもあれば記載しないケアマネジャーもいます。介護以外は明記しないという人も少なからずいる状態です。
しかしながら、介護保険制度の他のサービス利用がある場合には、同じ日時に重複してサービス提供となる恐れもあり、通常はケアプランに明記したり介護保険各事業所に対して周知徹底を図るべきこととなります。
末期がん患者の診断と訪問看護
末期がんかどうかの診断は主治医が行います。このとき、まだ末期がんとは言えない場合には訪問看護は介護保険制度で利用しなければならないものです。
要介護認定を受けている以上、介護保険が優先するという仕組みになっています。末期がんという診断があればそのときから、訪問看護は医療での対応に切り替わり、介護保険制度から変わっていくものです。
末期がん患者の訪問看護やその他の介護保険制度の利用と注意点
末期がんであることを患者に伏せておきたいというケースも存在します。このとき、ケアカンファレンスいわゆるサービス担当者会議などでは、介護保険制度から医療に切り替わることの説明をどうするのかが問われます。
患者本人ではなくその家族にケアカンファレンスに同席してもらうなどして、対応を考える場合もあります。
その他の介護保険制度サービスの利用
訪問看護以外の介護保険制度のサービス利用では、患者本人に対して末期がんということを伝えられないケースの場合、その発言や対応に細心の注意が必要になります。
そのため、訪問介護サービスなどのように在宅での介護保険サービスの対応時には、細心の注意が必要になるものです。
通所系サービスの介護保険の利用と末期がん
通所系サービスでの末期がん患者の介護保険サービスの利用は、主治医の意見をよく確認して対応をすることが必要不可欠です。その主治医の指示と本人及び家族からの希望に基づいて対応に当たります。
主治医が存在する医療機関と併設の通所系サービスなどの場合には、回数を減らすなどして通所系サービスの利用を行う場合もあり、一概に通所系サービスの利用をやめるとは限らないのが現状です。
介護保険制度と医療保険との兼ね合い
要介護認定を受けているときには原則として介護保険制度が優先です。しかしながら、末期がん患者などのように医療へとサービスが切り替わる訪問看護などでは、その限りではありません。
この介護保険と医療の関係は、ケアマネジャーが対応をしっかりと行えるかどうかが鍵となります。
訪問看護サービスを事業所だけに任せない
訪問看護は医療の補助行為を行うサービスです。主治医の指示の元で対応に当たります。したがって、ケアマネジャーの中には主治医との連携が難しい場合などにおいて、訪問看護師に任せっきりになってしまうケースが散見されていると言われます。
しかしながら要介護認定を受けて介護保険サービスの利用を行っている以上、ケアマネジャーが先ずはしっかりと対応すべきことです。
訪問看護サービスと他の介護保険サービス
在宅医療のうち訪問看護サービスでは、要介護認定を受けている場合でも医療が優先されていきます。ただし、受けるサービスそのものは医療の補助行為であり、金の出所が違うだけで受ける内容は同じです。
このとき、他の介護保険サービスとの連携の問題もあるため、ケアマネジャーの関わりが必須であり、制度をよく熟知しているケアマネジャーが対応に当たることが多いです。
まとめ
末期がん患者への訪問看護サービスは、要介護認定を受けていても介護保険制度ではなく医療での対応に切り替わります。また、介護保険制度の適応外になるとはいっても他のサービスとの連携をしなくてもいいわけではありません。
本人への周知の問題など難しい場合がある末期がん患者の訪問看護サービス利用ですが、ケアカンファレンスや患者の家族とも連携をしっかりととることが、ケアマネジャーには求められてきます。