2018年介護保険制度改正!?その常識は、来年にはもう通用しない!!

2018年度に介護保険が制度改正します。制度改正がされる前に、新しく施行される介護保険の知識を身に付け、2018年度から使える新たなサービスやポイントをおさえ、不利益にならないよう公平で安定したサービスを利用できるように備えましょう。

2018年度、介護保険制度改正のポイント

2018年度の介護保険法が、平成29年(2017年)5月に成立しました。今回の制度改正で、
  • 高所得者への自己負担額の見直し
  • 福祉用具貸与価格の見直し
  • 新たに創設される介護保険施設「介護医療院」
  • 新たな「共用型サービス」の位置付け

がポイントになってきます。


この改正では様々なサービスが盛り込まれ、今まで以上に介護保険が使いやすくなったのが目玉です。

介護保険法は3年毎に改正される

介護保険法は平成12年(2000年)にスタートし、今まで3年毎に改正されてきました。

制度改正は、介護保険のサービス内容の見直しや利用者にもより使いやすくするために、3年に1度見直しがされてきました。


この見直しで、介護保険がより使いやすくなった人もいれば、より使いにくくなった人もいるのが現状です。

しかし、高齢化が進み介護が必要な人を国・社会全体で公平に支え、財源を確保していくためには、制度改正は必要なことなのです。

2018年度、介護保険制度改正のポイント1「自己負担学の見直し」

世代間・世代内での公平を保ちつつ、介護保険制度を維持していくために、一部のサービス利用者の自己負担額を2割から3割に引き上げることになりました。

これは高額介護サービス費の使用により、自己負担が4万4400円を超えないためと、負担限度額を超えた場合は返還される制度があり、3割負担になっても、同様のサービスを適用することによって負担限度額を超えた金額は返還されるため、負担はさほど増えないだろうと言う国の考えが背景にあります。

また3割負担導入に併せて、所得階級が「一般」の人たちの高額介護サービスの自己負担額の上限も引き上げられました。

一部の人の自己負担額が2割から3割に

今回の2018年度の介護保険制度改正で、2割負担者のうち「特に所得の高い層」の人たちが3割負担になります。しかし、「特に所得の高い層」の具体的な基準は決まっておりません。その為、基準が決定し施行されるのは2018年8月が予定されています。

自己負担額引き上げの狙いには、増え続ける高齢者に伴って膨らみ続ける費用を抑制する効果も期待されています。

特に高い所得層の高齢者は、医療保険の自己負担割合も3割となっており現役世代と同じです。介護負担割合も同じ水準にすることで、公平を保つ狙いです。

自己負担額が上がる対象者

上記のとおり、「特に所得の高い層」には基準が存在しません。予想されるのは、単身世帯で雑費や控除分を引いた年間所得の合計が年間220万円以上(年金収入等合わせて340万円以上に相当)の人です。この金額は、現役世代並みの所得です。夫婦世帯の場合ですと、雑費や控除分を引いた年間の所得が463万円以上で該当になります。この2018年度制度改正で、介護保険利用者全体の約3パーセント、約12万人が3割負担の対象となると言われています。

しかし、上記年収はあくまでも世帯単位でみた場合です。実際には公平を守るために個人単位での年収が基準となります。夫が3割負担だから妻も3割負担になるということはありません。妻が1割負担から3割負担に引き上がるのは、経済的にも様々な負担が増えてしまうためです。

自己負担が上がる対象者は、個人単位での収入が現役並みの所得相当か否かで判断されます。

2018年度、介護保険制度改正のポイント2「福祉用具貸与価格の見直し」


現在、多機能で性能の良い福祉用具がたくさんあり、障害や好みに応じて選ぶことができます。しかし同じ福祉用具商品でも、貸与(レンタル)する会社によって金額が異なります。価格差が生じる理由には、仕入れ価格の違いや整備・点検費用など様々なサービス等が付加されているからです。その価格差を公平にするために、2018年度の介護保険制度改正では商品の貸与価格が見直され、利用する人がどの貸与業者でも適正な価格でサービスを受けられるようになりました。

国が商品毎に全国平均の貸与価格を公表する

また、2018年内には国が商品ごとに全国の平均価格を具体的に公表する予定です。これは、利用者に見えるようにする事で、貸与価格のばらつきを抑え、適正価格での貸与を維持・確保するためです。このことにより、貸与業者には、利用者が福祉用具をレンタルする際には商品ごとの全国平均貸与価格と貸与業者の設定価格の両方を説明し、また、機能や価格の異なる複数の商品を提示する義務が課せられます。

さらに制度改正にて、利用者が不利益にならないよ商品ごとに貸与価格の上限が設定され、高額な金額を請求されないよう考慮されています。

2018年度、介護保険制度改正のポイント3「介護医療院」

今や要介護者が増え続け、日々新しいニーズが必要とされています。

現在ある「介護療養病床」はいずれ廃止されることになっています。(2018年度の制度改正により、廃止期限が6年延期されました)

2018年度の制度改正には、現在の「介護療養型病床」に代わり、2018年4月より「介護医療院」が新たに介護保険施設として創設されます。

これは、今後増加する長期間に渡る要介護者の医療・介護サービスに対応するためです。

新設される介護医療院とは

新設される「介護医療院」は、日常的な医療サービスが必要な重度の介護者の対応や受け入れ、看取り・ターミナル対応など長期療養のための医療と日常生活の介護サービスを兼ね備えた一体型の施設です。

「介護医療院」を開設できるのは、医療法人の他、地方公共団体や社会福祉法人などの非営利法人です。

また、病院や診療所から転換する場合は、引き続き名称を使用することができるようになりました。

2018年度、介護保険制度改正のポイント4「共生型サービス」

2018年の介護保険制度改正では、新たに「共生型サービス」が位置付けられました。高齢者と障害者が同じ事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害福祉の両制度に新たに「共生型サービス」を盛り込みました。

しかし、まだ具体的な指定基準等は無く、平成30年(2018年)度介護報酬改定および障害福祉サービス等報酬改定にあわせて検討される予定です。

高齢者と障害児者が同一の事業所でサービスを受けやすくなる

介護保険事業所で障害福祉サービスを提供する場合、それぞれ指定された基準を満たす必要がありました。制度改正によって、障害福祉サービス事業所であれば、介護保険事業所の指定も特例で受けやすくなります(逆も同じ)。これによって、今まで障害福祉サービスを利用していた人が高齢者になって介護保険サービスに移行する際に、事業所を変えなければいけなかった不便さが解消されます。

介護保険サービスの全てが対象になるのではなく、「訪問介護(ホームヘルプサービス)」、「通所介護(デイサービス)」、「短期入所生活介護(ショートステイ)」が対象になるのではないかと想定されます。

まとめ


2018年度に施行される介護保険制度は、制度改正により以前よりもサービスが公平に使いやすくなったと言えるでしょう。その一方で、「特に所得の高い層」の人たちは今まで以上に負担が増えてしまいます。

これも2025年に迎える団塊世代の介護を担う若者や国・社会全体の負担を軽減するためのものでもあります。

高齢化が進むなか、ニーズも進化しなければなりません。

介護保険制度が改正し続けるのは、ニーズに合わせたサービスの提供の見直しはもちろんですが、介護保険制度を維持・確保していくために必要不可欠なのではないでしょうか。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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