田舎での二人暮らしの生活費は大体いくら？

田舎と都市部の二人暮らしの生活費を調べると、それほど差がないことがわかります。田舎暮らしに憧れを持ち、「生活費もあまりかからない田舎暮らしをしよう」と考えている人は、思った生活と違う田舎での二人暮らしの現実を受け入れなくてはいけないかもしれません。

▼田舎と都市部での二人暮らしの生活費の比較

• 大都市で320,993円
  
• 地方（田舎）の平均は299,398円
  

参考：家計収支編1-1の調査結果「総務省統計局ホームページ

田舎での二人暮らし、都市部での二人暮らし、差額は21,595円しかありません。

データを比較しても、そこまで差がないことがわかります。田舎暮らしに憧れる人の中には、田舎だと二人暮らしの生活費が安くなるだろうと考えている人がいます。しかし、田舎暮らしをしたからといって、都市部の生活より極端に安いことはないのです。

そして、地方の賃金は都心よりも少ないことがほとんど。もし、UターンやIターンで転職をして、都市で働いていた時よりも賃金が少なくなった二人暮らし家庭だと、賃金は少ない中でやりくりしなくてはいけない事態に陥ります。

田舎での二人暮らしの内訳を紹介します。

先ほどお伝えした通り、田舎と都市部では生活費の差はあまりありません。

そのため、全国平均の数値を参考にして田舎での二人暮らしの生活費を考えても問題はないと考えられるので、統計をもとに説明していきます。

総務省の家計調査報告では、二人以上の世帯での消費支出の平均は、一世帯あたり277,000円でした。

総務省の家計調査報告

これは、二人暮らしだけでなく「2人以上の世帯」の数値です。

家計調査では3人家族や4人家族の支出も含むため、この金額の20％～30％は金額が低くなると予想できます。

もし、277,000円の25%が低くなると考えると、家賃を抜いて207,750円が実質、田舎暮らしでの二人暮らしの生活費に必要だと考えられるでしょう。

家賃が8万円の時は2人で287,750円、1人あたり143,875円かかるというシュミレーション結果になります。

また、田舎暮らしは車社会であることが多いです。

田舎では自動車が必需品。

スーパーマーケットに行くにも、家族で出かける時にも、電車に乗るために駅に行くにも、自動車が必要です。

自動車を購入する時には、100万円以上のお金が必要です。

• 軽自動車：100万円～200万円程度
• コンパクトカー：150万円～300万円程度
• SUV：200万円～500万円程度
• ミニバン：200万円～700万円程度

今は、自動車ローンを利用して月々支払う人もいます。しかし、それでも毎月の積立で、合計金額100万円以上が必要。もし、雪深い地域で田舎暮らしをするなら、自動車だけでなくスタッドレスタイヤを一緒に購入する人もいることでしょう。

もし、二人暮らしで家族の趣味がキャンプだったりしてキャンピングカーを購入するなら、高額出費も覚悟しなくてはいけません。

自動車の購入費用も、もし一括で支払う気持ちでいるなら、ある程度まとまったお金も用意しなくてはいけなく、田舎暮らしで節約できるかもしれないという安易な考えは打ち砕かれてしまうこともありえます。

田舎での二人暮らしの生活費は、都市部とそんなに変わらなく、1人あたり143,875円かかるというシュミレーション結果になりました。

UターンやIターンで夫婦で田舎暮らしをはじめる、定年退職後に年金をもらいながら夫婦で田舎での二人暮らしをする、夢を持って田舎暮らしをはじめる人が多いと思います。しかし、どちらの場合も「田舎での生活は節約できるから田舎暮らしをはじめる」理由だと、現実を知ることになりえます。

また、田舎暮らしでは自動車が必要で、本体価格はもちろん、ガソリン価格、自動車税などの維持費もかかります。あらかじめ、田舎暮らしも生活費は都会と同じくらいの費用がかかると覚悟している方が失敗しにくいです。