更新日:2021/11/18
60代の平均年収は?年収大幅ダウンでも安定した生活を送るコツ
60代になると定年退職などにより、今までよりも平均年収が大幅に下がってしまいます。業種や雇用形態によっても変わりますが、60代になったら自分はどうなるのか不安に思う方もいらっしゃると思います。ここでは、60代の平均年収や、年収が下がっても安定した生活を送るコツをお教えします。
内容をまとめると
- 60代は定年退職によって平均年収が大幅に下がる
- 60代の年収中央値は300万円前後
- 60代で安定した生活を送るなら節約をこころがける
- お金のことで迷ったらマネーキャリアの無料相談を利用しよう!
- 今ならスマホひとつで無料相談が可能!ぜひご利用ください!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 60代の男女別平均年収:定年退職によって平均年収は50代より大幅に下がる
- 60代の業種別平均年収:電気・ガス・熱供給・水道業は最も平均年収が高い
- 60代男性の業種別平均年収
- 60代女性の業種別平均年収
- 60代の企業規模別平均年収:60代の年収は大企業の方が大幅に下がる
- 60代男性の企業規模別平均年収
- 60代女性の企業規模別平均年収
- 60代の雇用形態別平均年収:60代では正規と非正規の差がさらに広がる
- 60代の年収中央値は300万円前後
- 60代は年収が大幅ダウン 年収が減っても安定した生活を送る3つのコツ
- コツ①:保険料や通信費を見直して固定費を節約する
- コツ②:食費や水道光熱費の節約をこころがける
- コツ③:資産運用をはじめる
- 60代で転職を考えている人におすすめ シニア世代を積極採用している業種5選
- 業種①:警備・交通誘導(セキュリティ・設備工事など)
- 業種②:介護
- 業種③:清掃(ビル管理・メンテナンス)
- 業種④:事務・データ入力・受付・コールセンター
- 業種⑤:販売・接客(コンビニ・スーパー)
- 参考:60代の平均年収ダウンは労働時間の減少が関係しているかも
- 60代の平均年収や中央値に関するまとめ
目次
60代の男女別平均年収:定年退職によって平均年収は50代より大幅に下がる
60代の平均年収はどうなるのでしょう。実は60代前半と60代後半で少し平均年収が変化があります。さらに男性、女性、60代、50代、60代前半、後半、業種、職業、学歴でも平均年収は変わります。なぜ変わるのでしょうか。
では、まず60代前半と後半の男女別平均年収をみてみましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
60歳 | 680万 | 484万 |
61歳 | 584万 | 395万 |
62歳 | 589万 | 345万 |
63歳 | 562万 | 401万 |
64歳 | 538万 | 444万 |
65歳 | 536万 | 369万 |
まず、60代前半の平均年収です。年齢が上がるにつれて少しづつ年収が減ってきているのがわかります。減ってきているのですが、男性と女性ともに一時期だけ上がっているところがあります。
次に60代後半です。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
60代後半 | 286万 | 247万 |
まず、60代の平均年収と50代の平均年収の違いですが、60歳になった時に定年退職を迎え、希望する60代に再雇用契約を結んでいるからです。再雇用契約では、依然と同じ仕事を任せられて、慣れた仕事でやりやすいのですが、以前の定年退職前の年収はもらえません。
さらに部下だった人に指示、命令、報告することもあるでしょう。それが嫌で会社を退職し、他の会社に行く60代もいますが、定年退職前の給料はもらえないことが多いです。
60代の業種別平均年収:電気・ガス・熱供給・水道業は最も平均年収が高い
60代男性の業種別平均年収
では、60代男性の業種別の年収を見ていきましょう。
業種 | 年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 674万円 |
建設業 | 485万円 |
情報通信業 | 459.7万円 |
製造業 | 438.6万円 |
金融・保険業 | 483.0万円 |
宿泊・飲食サービス業 | 264.1万円 |
年間の給与所得者の1人当たりの平均給与を業種別に見てみると、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の674万円で、逆に最も低いのが、「宿泊・飲食サービス業」の264.1万円となっています。
この2つを比べてみると、実に400万円ほどの年収のさがあります。
「宿泊・飲食サービス業」は、新型コロナウィルスの影響で、利益が下がってしまっている事が大きく関係しているのではないかと思われます。
一方、「電気・ガス・熱供給・水道業」は、普段の生活にはなくてはならないものであり、あまり社会情勢や景気に左右されることなく安定していると言えます。
また、「電気・ガス・熱供給・水道業」や、「建設業」など、いわゆる手に職をもった方々は、60代になっても稼ぐことができるため、50代から60代になった時の平均年収は下がるものの、65歳以降また年収が上げられる職種となっています。
60代女性の業種別平均年収
業種 | 年収 |
---|---|
教育・学習支援業 | 655.5万円 |
医療・福祉 | 524万円 |
金融・保険業 | 489万円 |
情報通信・サービス業 | 328万円 |
宿泊・飲食サービス業 | 209.2万円 |
60代の企業規模別平均年収:60代の年収は大企業の方が大幅に下がる
60代の年収ですが、大企業と中小企業を比べるとどのような違いがでてくるのでしょう。実は、大企業と中小企業ともに60代男性、女性の平均年収は下がっています。しかし、大企業と中小企業の60代の平均年収の下がり幅が大きく違うのです。
60代の男性、女性ともに仕事内容は以前と変わらないのに年収が、大企業で約50%減、中小企業で30%減となっています。だから、60代では大企業と中小企業の年収の逆転がおこることもありえるのです。
60代男性の企業規模別平均年収
60代男性の企業規模別平均年収はどのくらい違うのでしょうか?
現役世代と比べて下がり幅がどのくらいなのか見てみましょう。
企業規模 | 50代 | 60代 |
---|---|---|
大企業 | 502.5万円 | 306.8万円 |
中企業 | 398.9万円 | 278.2万円 |
小企業 | 333.9万円 | 265.2万円 |
この表を見ると、大企業の年収が一番多いのが分かります。
しかし、大企業と中小企業を見てみると、50代の現役世代の平均年収と比べて、60代の平均年収の下がり幅は大きく違います。
企業規模別で考えると、規模が大きい企業になると、定年後の平均年収が、定年前の平均年収より約200万ほど下がります。
逆に、規模が小さい企業では、定年後の年収は、定年前と比べて下がり幅は70万円ほどです。
つまり、規模が大きい企業ほど、年収の減少幅が大きく、規模が小さい企業は減少幅が小さいという事になります。
現役世代の50代では大企業と中小企業では、平均年収に100万円ほどの差がありますが、
定年後の60代では、差は30万~40万円ほどです。
場合によっては、大企業と中小企業で、60代の平均年収の逆転もおおいにありえます。
この平均年収の下がり幅の差は、女性よりも男性のほうが大きくなります。
60代女性の企業規模別平均年収
では次に、女性の企業規模別平均年収を見ていきましょう。
男性と同じく、企業規模別で見ると、平均年収の下がり幅は変わるのでしょうか?
企業規模 | 50代 | 60代 |
---|---|---|
大企業 | 304.2万円 | 240.1万円 |
中企業 | 263.9万円 | 215.2万円 |
小企業 | 238.7万円 | 203.1万円 |
役職や、各企業の賃金単価の違いもありますが、表を見てわかる通り、大企業と中小企業を比べると、平均年収にそこまで差はありません。
企業規模別の平均年収の下がり幅も、大企業で60万円ほどで、中小企業では30万~50万円となっています。
大企業と中小企業を比べてみると、平均年収が、現役世代でも40万~50万円ほどの差しかなく、60代になっても30万~40万円ほどの差しかないので、女性の場合は、企業規模の大きい小さいはあまり関係なく、平均年収の下がり幅もそこまでの差はないと言えます。
男性と比べると、現役世代から女性のほうがもともとの平均年収が低いため、下がり幅もゆるやかなものになります。
男性と違い、平均年収の下がり幅が大きくない女性のほうが、定年を迎えた後も生活をおおきく見直す必要が少ないため、その点においては、安定した老後を迎えることができ、有利になります。
60代の雇用形態別平均年収:60代では正規と非正規の差がさらに広がる
雇用形態 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
正規雇用 | 629万円 | 419万円 |
非正規雇用 | 345万円 | 257万円 |
60代の年収中央値は300万円前後
平均年収 | 年収中央値 | |
---|---|---|
60代全体 | 370.8万円 | 307.4万円 |
60代男性 | 473.5万円 | 392.0万円 |
60代女性 | 226.8万円 | 188.2万円 |
60代の年収中央値は表のとおり、300万円前後となります。
女性の場合は、もう少し下がって、200万年前後となります。
同じ年収データを使用しているにも関わらず、平均値と中央値は100万円前後差があることが分かります。
ですので、この年収中央値は平均年収よりも庶民の感覚に近いものになるので、ご自身の年収を考えたときに、より分かりやすい数値となっており、ご自身の年収が適正かどうか判断するときには最適な数値です。
60代は年収が大幅ダウン 年収が減っても安定した生活を送る3つのコツ
60代は、定年退職などにより、年収が今までよりも大幅に下がってしまいます。
ですから、今までと同じような生活水準では、生活が苦しくなってしまうかもしれません。
そこでここからは、年収が減っても安定した生活を送るための3つのコツを解説していきたいと思います。
安定した生活を送る3つのコツ
- 保険料や通信費を見直して固定費を節約する
- 食費や水道光熱費の節約をこころがける
- 資産運用を始める
コツ①:保険料や通信費を見直して固定費を節約する
固定費の見直しは大幅な節約につながります。
まずは通信費ですが、スマートフォンやパソコンなどのインターネット通信は、毎月の支出を圧迫していることがあります。
今の自分に合ったプランへの見直しをしたり、運営コストや人件費を抑えて料金を安くしている「格安スマホ」に変えるというのも大きな節約になります。
また、60代は子どもの独立や定年退職など、ライフスタイルが大きく変化する年代であり、ライフスタイルが変化するときは保険について考える良いタイミングです。
今までのプランをそのままにしていると無駄な出費になり、今必要な保障も見落としがちです。
自分ではよくわからないという方は、保険に詳しい専門家に相談するのも一つの手です。
保険の見直しなら、マネーキャリアに相談してみましょう。
コツ②:食費や水道光熱費の節約をこころがける
次に食費や水道光熱費です。
50代 | 60代 | |
---|---|---|
食費 | 81,051円 | 78,489円 |
水道光熱費 | 23,242円 | 22,794円 |
こちらは、50代の現役世代と60代の定年後世代の夫婦二人家庭の毎月の平均支出です。
50代と60代であまり大差はありません。
しかし、収入の下がる60代では、節約をこころがけないと、家計を圧迫してしまうかもしれません。
- 外食は控える
- スーパーでセールだからと必要のないものまで買わない
- 省エネ家電への買い替え
- 節水グッズを使用する
- 料金プランの見直し
コツ③:資産運用をはじめる
3つ目は資産運用です。
収入が下がり、年金だけでは老後の生活は心配です。
人生100年時代の今、長生きに備え、退職金などでの資産運用も視野に入れてみるのもいいと思います。
しかし、リスクの高い投資商品で、老後資金を減らしてしまっては意味がありません。
60代から始めるなら
- 投資信託
- NISA(少額投資非課税制度)
などがあります。
資産運用と聞くと、難しいと考えてしまいますが、投資信託は自分で運用するのではなく専門家に任せて運用します。
少額から運用でき、様々な商品にリスク分散ができるので、投資経験の少ない方には無難な投資方法です。
投資信託の配当益には、約20%の税金がかかるため、せっかくの利益から税金を引かれないために、NISAもおすすめです。
NISAを利用すると、そのお金の税金は非課税になりとても有利な制度です。
60代で転職を考えている人におすすめ シニア世代を積極採用している業種5選
今まで勤めてきた会社で再雇用となっても、現役の時より年収は下がってしまい、今まで部下だった人が上司となり、指示されるのが嫌で転職を考えている人もいるでしょう。
しかし、60代で転職となると雇用してくれるのか心配になりますよね?
そこでここからは、シニア世代を積極的に採用している業種を5つご紹介します。
- 警備・交通誘導(セキュリティ・設備工事)
- 介護
- 清掃(ビル管理・メンテナンス)
- 事務・データ入力・受付・コールセンター
- 販売・接客(コンビニ・スーパー)
ひとつずつ詳しく解説します。
業種①:警備・交通誘導(セキュリティ・設備工事など)
街中で、警備員として働いている人たちの姿を見かけますが、高齢の方が多いのが印象です。
警備員の求人を見ても、シニア世代を歓迎する内容で、採用されやすい傾向があります。
その理由として
- 仕事内容が高齢でも十分こなせる
- 若年層が敬遠しがち
- 助成金支給対象のため企業側にもメリットがある
業種②:介護
介護業界は若い世代が働いているイメージがありますが、60代以上のシニア世代でも働いている人はたくさんいます。
その理由として
- 慢性的な人員不足
- 年齢にこだわらない求人
- さまざまな雇用形態がある
業種③:清掃(ビル管理・メンテナンス)
ビルなどの清掃をする清掃業も、シニア世代を積極的に採用している業種です。
シニア世代でも活躍できるため、人気のある仕事です。
理由は
- これまでで身についた経験が武器になる
- 肉体的な重労働はない
- 自分に合ったシフトが可能
業種④:事務・データ入力・受付・コールセンター
シニア女性に人気の高い業種が、事務やデータ入力、受付やコールセンターの仕事です。事務やコールセンターの経験者や資格保有者には特に人気です。
理由は
- 今までの経験が生かせる
- 体に負担なく働ける
- 若い人にはない社会経験や知識を重宝される
業種⑤:販売・接客(コンビニ・スーパー)
最後に販売・接客業です。
経験者はもちろん、未経験者でもシニア世代を歓迎している求人はあります。
理由は
- コミュニケーション能力がある
- 勤務時間を柔軟に組める
- 仕事に対して真面目で勤務態度が良好
参考:60代の平均年収ダウンは労働時間の減少が関係しているかも
定年退職によって大幅に年収が下がってしまいますが、60代の平均年収のダウンの理由は、労働時間の減少も関係しているのかもしれません。
現役時代は正社員雇用で、常勤で働いていた人でも、定年退職により、派遣や臨時職員、パート、アルバイトなどの短時間の雇用形態に変わり、その分労働時間や時給が減ってしまうので、必然的に収入が減ってしまいます。
また、60代を過ぎると、健康上の問題などから短期労働を希望する人が増えるため、平均年収も下がっている可能性があります。
働き続けるうえでの障害・課題の調査では、男女、各年齢層とも最も多かったのが「肉体的な衰えや気力等の身体的事情」で、年齢が高いほどその割合は高く、50代後半の方が35.0%なのに対し、60代前半の方では45.3%と、10.3%も高くなっています。
年齢が上がるにつれて、健康上の問題に不安を感じる人が多いため、短期労働を希望する人が増えるのです。
また、自分自身だけでなく、特に女性は「家族の健康・介護」の問題でも、短期労働を希望する人も増えるため、その分平均年収もダウンしてしまいます。
このように、60代の平均年収ダウンは、労働時間の減少も関係していると言えます。
60代の平均年収や中央値に関するまとめ
今回は60代の平均年収や、中央値についてお伝えしてきました。
60代は、定年退職により、50代よりも年収が下がってしまいます。
再就職をして、働いている60代の方はたくさんいますが、その多くは、非正規雇用なので、より現実に近い中央値の年収は、300万円前後です。
今現役世代である50代の方や、定年までまだまだな若年層の方も、必ず来る定年後の生活について今から考えることが大事です。
老後に不安のある方は、60代から年収が下がってしまう事を頭において、今から貯蓄を増やしたり、日々の生活の中で無理なく節約を心掛けたり、定年後の自分の働き方について考えましょう。
近年は、まだまだ元気なシニア層が活躍できる職種がたくさんあります。
職種によって平均年収が違うので、自分なら何ができるのか、老後に向けて今からどうしていけばいいのか、自分ではなかなかわからないし、だれに相談すればいいかわからないという方もいるかもしれません。
お金の事で気になることがあったら、一度、詳しい専門家に相談するというのも一つの方法です。
具体的な金額が分かれば、今から自分がどうしていけばいいのかが明確になります。
お金のことで悩んだら、マネーキャリアで相談してみましょう。
▼この記事を読んでほしい人
▼この記事を読んでわかること