医療保険は元が取れる?元が取れない?元を取るのに必要な保障内容とは

医療保険は基本的に元が取れることはないと言われていますが、医療保険の選び方によっては元が取るのが可能な場合もあります。今回、医療保険は元が取れるのか、元をるために必要な保障内容は何か解説します。また、元が取れないならなら医療保険は不要なのかも解説します。

医療保険は元が取れる?元が取れないなら医療保険はいらないのか?


あなたは、医療保険について気になって調べていると思います。


特に「医療保険は元が取れるか」については興味があるところですよね。


一般的に、医療保険の支払い保険料の総額を実際の保険料に換算すると、とうてい元が取れるとはいえない保険の仕組みです。


それにも関わらず、私たちは自らに万が一のことがあった際の保障を医療保険によって持つのです。


たしかに元は取れませんが、保障のためにはお金を掛けておいた方が安心ですよね。


この記事では、「元が取れる医療保険の加入方法」について

  • 医療保険は「元が取れない」ことがほとんど
  • 医療保険が「元が取れない」理由
  • 元が取れない医療保険は不要か検証
  • 医療保険が必要な人・不要な人
  • 保険金が貰いにくい医療保険
  • 支払い対象を絞ること
  • 高齢になるほど長期入院のリスクがある
  • 入っておくべき最低限の保険
  • 必要性に迷ったら保険のプロに相談
これらのことを解説させていただきます。


記事を読んでいただければ、医療保険で元を取る方法がわかると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

【結論】医療保険はほとんどの場合で「元が取れない」

医療保険とは、病気や怪我などをして通院または入院をした場合に補償してくれる保険です。


家計の中でも、大きな割合を占めることの多い保険ですが、その中でも医療保険は入院や通院など身近な病気でも保障対象となるために、加入している人も多いことと思います。


いざというときの安心のための保険ではありますが、残念ながら元を取ることはできないようです。


つまり、医療保険から貰える給付金よりも、支払う保険料の方が多いということなのです。

一般的な医療保険の保障内容でシミュレーション

まず、医療保険が「元が取れない」わけを、次の一般的な加入例から考えてみましょう。

  • 30歳男性
  • 保険期間 終身
  • 払込期間 終身
  • 入院(病気・ケガ) 1日1万円
  • 手術 外来5万(入院中20万円)

ある保険会社で試算すると、毎月支払う保険料は2,741円になります。


80歳まで生きるとすると、支払う保険料は

2,741円×12ヶ月×80年=2,631,360円

約263万円になることがわかります。


現在の平均入院日数は29.3日なので、1回に29日入院、1回手術すると49万円給付されます。このことから、手術と入院を何回すると支払った保険料の元が取れるのか計算してみました。

2,631,360円÷490,000円=約5,37

となり、6回以上の手術と入院が必要なことがわかります。


回数だけ見ても元を取ることは難しいですね。

なぜ医療保険は元が取れないのか、その理由を解説

いざというときのための保険とはいえ、支払った保険料の金額くらいは返ってきて欲しいと思ってしまいますよね。


しかし、医療保険は元を取るのは難しいと言われます。では医療保険で元が取れるのが難しい理由は、どこにあるのでしょうか。


その大きな理由は

  • 短くなっている入院日数
  • 保険金の厳しい支給条件

この2つにあるようです。


最近では、医学の進歩により日帰り手術も増えてきています


保険の中には給付条件に最低入院日数が含まれている場合もあるので、その条件をクリアしないと支払われません。


自分の加入している医療保険の最低入院日数を、確認する必要もありますね。

入院日数の短期化が目立っている

医学の進歩により手術や入院にかかる日数は減少傾向にあります。


病気のなかには、日帰り手術で終わるようなものもあります。


例えば、胃のポリープや胆石、鼠径ヘルニアなどが症状によってではありますが、日帰り手術が可能な場合があるようです。


たった1日の入院費のために高額な保険料を支払う医療保険に入る必要は果たしてあるでしょうか。


前項で用いたシミュレーションを使用して考えてみましょう。

  • 30歳男性
  • 保険期間 終身
  • 払込期間 終身
  • 入院(病気・ケガ) 1日1万円
  • 手術 外来5万(入院中20万円)

上記の条件で、毎月支払う保険料は2,741円、80歳まで支払う保険料は合計2,631,360円でした。


では、入院日数が短期化しているということで一泊二日の入院、手術を何回すれば支払った保険料以上に返ってくるのか計算してみましょう。


一泊二日の入院と手術では21万円を受け取ることができるので、


2,631,360円÷21万円=12.53



一泊二日の入院と手術を13回以上行うと、元が取れることがわかりました。


しかし、13回という数字は現実的ではありません。


医療保険は目先の保険金のために加入しても元が取れることはおそらくないでしょう。

医療保険によっては保険金の支給条件が厳しい

医療保険のなかには、保険金の支払われる条件の厳しいものがあります。


例えば、検査入院には保険金は支払われません


そのため、最近多い検査の為のカテーテル造影手術を受けても、病気が見つからないと保険金を受け取ることができません。


病気が見つかれば、さかのぼって支払われる可能性はありますが、古い医療保険に入っていると、カテーテル造影手術は支払い対象になっていない場合があります。


日々進化している医療に、加入している医療保険が対応していないこともあるので、特に注意が必要です。


また、医療保険の加入以前からの持病が悪化して手術、入院をしても保険金は支払われません。


その他、一泊の入院では保険金が給付されないものがあります。


このように、保険金が支払われる際の条件は数々あり、すべての入院、手術に支払われるわけではないために、元を取ることはとても難しいことがわかります。

元が取れないなら医療保険は不要なのか?医療保険不要論を検証

医療保険で元が取るのは難しいことがわかりました。


では、医療保険は不要なのか、また今加入している保険はムダなのか、考えてみたいと思います。

そこで、

  • 高額療養費制度や医療費控除で医療費は低額化が可能
  • 貯蓄が十分であれば医療保険は不必要

について、解説していきます。


医療費の仕組み、利用できる制度を理解することで、医療保険に加入した方が良いのか、加入しなくても良いのか、また、どのくらいの医療保険に加入することが適正なのか判断できるかと思います。

そもそも医療費の自己負担割合は3割

日本は国民皆保険制度により、公的な医療保険にすべての人が加入しています。

公的な医療保険には、主に市町村が運営する国民健康保険、主に会社員が加入する社会保険船員保険などがあり、いずれかの保険に誰もが加入しています。

それらの保険により、病院にかかった際に窓口で支払うのは実際にかかった医療費の3割なのです。

つまり、例えば初診料、検査費、診察などで医療費が5,000円かかったときでも、窓口で支払う自己負担は1,500円です。

残りの3,500円は国民健康保険や社会保険などの医療保険から病院に支払われています。

また現在は、70歳以上の人および小学生未満の子は2割負担となっています。

この制度のおかげで、医療費の支払いが高額にならずにすんでいるのです

高額療養費制度や医療費控除を利用できる

医療費が高額にならないように、高額療養費制度医療費控除という制度も利用することができます。


高額療養費制度とは、その月の1日から月末までの一ヶ月間にかかった医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた金額があとから返ってくる制度です。


自己負担限度額は年齢と収入により定められいるため、人によって違いがありますが、この制度により、100万円の医療費がかかっても、すべてを負担しなければならないということはありません。


一般の会社員の人で8万円程でしょう。


また、医療費控除とは、その年の1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、課税対象となる所得額から控除されることをいいます。


確定申告で申告すると還付金として返還されます。

貯蓄が十分にあるなら医療保険は不要

公的な医療保険制度による3割負担や、1ヶ月の医療費は高額療養費制度によって一定額以上高額にならないこと、医療費控除によって医療費が10万円を超えたら税金の還付があることなどから、医療費がとてつもなく高額になることは今の日本ではまず考えられません


このことから、公的な保険の適用外である入院する際の個室料金や食事代、また自己負担額や入院する間の家族の生活費がある程度支払えるくらいの貯蓄がある世帯では、元の取れない医療保険に入るよりも貯蓄から医療費を捻出することをおすすめします


また、入院1日目から補償してくれる保険も必要ないといえます。


なぜなら、入院1日目から補償してくれる保険は支払う保険料が割高です。


しかし、1日の入院では仕事を何日も休む必要もないでしょう、それゆえ収入が激減することも考えづらく、毎月高い保険料を払い続ける方が無駄と考えられます。

元が取れる・取れないに関わらず医療保険が必要な人と不要な人

元が取れないといわれる医療保険ですが、毎月保険料を支払うことが無駄ではないむしろ加入した方がよい人もいます。


ここでは、医療保険への加入が必要な人とはどんな人か、加入の必要がない人の条件など考えてみます。


そこで、

  • 医療保険に入るべき人
  • 医療保険が不要な人

について解説いたします。


元が取れない医療保険ですがどんな人が入るべきか、また必要かを知ることで、医療保険に加入した方がよいのか迷っている人の判断のひとつになれば幸いです。

医療保険に入るべき人

医療保険に入った方がよい人はどんな人でしょうか。

  1. 貯金が少ない人
  2. 先進医療や個室を希望する人
  3. 病気が不安な人

これらに該当する人は、医療保険に入ることをおすすめします。


貯金が少ない人

高額療養費制度や税金の還付があるとはいえ、一時的に支払う必要があります。


この一時的にであっても支払うことが難しい貯金が少ない人は、医療保険に入った方が安心です。


先進医療や個室を希望する人

先進医療や個室料金には公的な医療保険が適用されません。


しかし、先進医療など保険の対象外の治療を望む人もいるでしょう。


先進医療は保険が効かないために治療費は高額になってしまうので、医療保険で医療費をカバーすることをおすすめします。


病気が不安な人

病気になってしまったときの事がとても不安になる人、このような人はおまもり代わりに医療保険に加入することで安心を得られるので必要と言えるでしょう。

医療保険はいらない人

逆に医療保険に入らなくても心配はない人とは、どのような人でしょうか。

  1. 貯蓄が多い人
  2. 高収入な人

このようなお金に余裕がある、金銭的に豊かな人は必要ないと言えるでしょう。


貯蓄が多い人

貯蓄が多くある人は、突然の入院や手術などであっても医療費の自己負担額を支払うことができるでしょう。


そのため、使い道が決まっていない貯蓄が多くある人は、医療保険に頼らなくても心配はないと言えます。


高収入な人

毎月の収入が多い人も、医療費の自己負担額は毎月の収入から支払うことが可能と思われます。


そのため、収入が多くある人も医療保険は必要ないと言えるでしょう。


ただ、高収入な人であってもその分出費が多く、毎月貯金ができないような経済状態の人は医療保険に加入した方が安心でしょう。

保険金が貰いにくい医療保険の方が結果的に元が取れる

入院初日から対象になっている医療保険ですと、保険金が下りやすい傾向があります。


しかし、1日5,000円から10,000円程度で到底支払保険料の総額には程遠いです。


総額の保険料分の元が取れる確率が高いのは、なかなか罹患しないような難病にかかった際にのみ支払われるといった貰いにくい条件の医療保険です。

そもそも保険とは万が一の時のもの

貯蓄性のある医療保険も販売されていますが、貯蓄目的で加入することはおすすめしません。


なぜなら、保険とは万が一の際に備えて加入するものだからです。


医療保険に加入する目的には、

  • 入院・通院治療費
  • 入院・通院に伴う収入減を補う
などがあると思います。


元を取ることを最優先に考えるのではなく、万が一の保障に備えることを前提において保険を選びましょう。

何をもって元が取れるといえるか

いくら保険金が貰えるからといって、何度も病気にかかったり怪我をすることは元が取れるとは言えませんよね。


かえってお金がかかってしまうので、健康であることが一番理想的であることには変わりありません。


また、医療保険にかけるお金も医療費もなるべく少ないことに越したことはないですよね。


医療保険は使う機会が無い方が元が取れるといえるでしょう。

医療保険には支払い対象を絞って加入した方が元が取れる

医療保険にも一般的な生命保険と同じようにさまざまな種類があります。


確かに入院1日目から保険金が出る医療保険は魅力的かもしれませんがその分保険料も割高になり、元が取れる確率が下がります。


医療保険で元が取れる確率が高いのは、一生に一度あるかないかの、かかる確率の低い病気や怪我をしてしまった場合です。

かかる確率が低いほど保険料が安い

万が一にしか起きない病気や怪我はかかる確率が低いため、支払保険料も安くなります


例えば、入院1日目からは保険金は支払われるのではなく、60日以上入院したら対象になるといった医療保険があります。


現在は短期入院が主流になっているため、60日以上も入院することはあまり見られません。


その分保険料も安上がりです。

万が一が起きた際に対応できるか

医療保険に加入するポイントは、万が一が起きた際に対応ができることです。


特約を多くつけていても、症状が当てはまらなければ支払いの対象にはなりません。


そのため、損得で加入することは避けましょう。


あなたに起こり得る「万が一」の優先順位を考えながら、自分に合った保険に加入する必要があります。


高齢になるほど長期入院化しやすいので、元が取りやすいことも

入院1日目から保険金が出る医療保険は、一度の入院日数に60日くらいの限度があることがほとんどです。


しかし、高齢になるほど1回の入院は長引く傾向にあります。


限度日数を越えてからの医療費は自力でまかなわなければなりません。


1日目から貰える医療保険は、場合によっては元が取れるどころか使えない保険になる可能性もあります。

長期入院特約は保険料が高くなる

一般的な医療保険にも長期入院対策として特約が設けられていることがほとんどです。


しかし特約を付ける分だけ支払う保険料も上がっていきます。


元が取れる医療保険にするならなるべく支払う保険料の総額は抑えたいものです。


長期入院対策と短期用と分けて医療保険に加入するのも元が取れるための策かもしれません。

元が取れるではなくいかに損をしないか

保険の契約内容はオールマイティ型よりも一点特化型の方が保険料が安く済みます。


元が取れる医療保険を求めるならまずは最終的に損をしないような加入をすることをおすすめします。 


そもそも、保険金をたくさんもらうということはそれだけ体がぼろぼろということです。


お金は手に入っても元が取れるとはいえないと考えます。

参考:元が取れる最低限入っておくべき保険は何か

医療保険は貯蓄や収入がしっかりとある人は、無理してでも入らないといけないというものではありません。


しかし、病気をすると入院が長引いて働くことができなくなるという可能性も考えられます。そんなときのためにも、最低限の保険に入ることをおすすめします。


しかし、無駄に保険料を払いたくはないですよね。そこで、元が取れる保険の入り方をご紹介します。


まずは、入院日数を日数のしばりがあるものを選択しましょう。入院初日から保険金が貰える保険は割高になるため元が取れることは難しくなります。


また、掛け捨ての保険を選びましょう。貯蓄性のある保険よりも掛け捨ての方が保険料は割安です。また、節目で見直しをしやすいというメリットもあります。


その他、より安心を求めて補償を手厚くしてしまいがちですが、何が自分にとって必要かを考えて必要最低限の医療保険に入ると無駄がありません。

医療保険の必要性に迷ったら保険のプロに無料相談

医療保険の加入を考えるとき、自分にはどんな保険が必要か、経済的にもどのくらいの保険に入っていた方がよいのかわからず、悩んでしまいますよね。


しかも必要な保険は人によって違いがあるものです。


保険の種類も多く、自分でどの保険が自分に適しているのか判断することは難しいかと思います。


そんなときは、保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします


豊富な情報と知識を持ち合わせているので、知りたい情報や悩みにもしっかりと答えてくれるでしょう。


マネーキャリア相談では保険のプロ(FP)への無料相談を行っております。


無料で納得できるまで相談することが可能なので、保険に迷ったとき相談することをおすすめします。

まとめ:医療保険は元が取れるのか、そもそも必要なのか

この記事では、「元が取れる医療保険の加入方法」をご紹介させていただきましたが、いかがでしたか。


記事の要点は、

  • 医療保険は、入院期間の短期化や支給条件の厳しさから元を取ることは難しい。
  • 短期の治療であれば、自分の貯蓄から賄うほうが良い。また、高額療養費制度で上限額が決まっているため、高額な料金を払わなくて済む方法がある。
  • 貯蓄がある程度ある人は医療保険に加入する必要はない。
  • 保険金が貰いにくい医療保険は、一回の支払額が高額になることが多いので結果的に元を取ることができるが、その分医療費はかかるリスクはある。
  • 医療保険は支払い対象を絞って加入したほうが元は取れるが、万が一のときに対応できるオーソドックスな保障を持っておく必要がある。
  • 高齢になるほど長期入院化しやすいので医療保険の元は取れるが、特約を付けると保険料は高くなるリスクがある。
  • 医療保険への加入は必要最低限で十分である。
以上7つです。


医療保険に入る際には、掛けた保険料の元を取りたいと考えがちだと思います。


しかし、元が取れるか否かではなく、万が一の際に対応ができることを前提において選びましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

医療保険の選び方が知りたい方はこちらの記事もご覧ください

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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