医療保険に加入する時の契約者と被保険者の違いをご存知でしょうか?

医療保険に加入する際、必ず必要となるのが契約者と被保険者、そして受取人です。その中でも聞き慣れないのが被保険者という言葉です。医療保険にとって非常に大切な存在となる被保険者ですが、契約者や受取人との違いをきちんと理解しておく必要があります。

医療保険の契約に必要な人

ある程度の年齢になると、毎日のように流れている医療保険のテレビCM等が気になりだします。


なぜなら、自分の健康状態が気になったり、公的医療制度の変更から、今入っている医療保険から新しいものに切り替えたほうが良いのではないかという、医療保険への関心が出てくるためです。


しかし、いざ保険に入るとなると「契約者とか被保険者とか、よくわからなくてめんどくさそう」「自分がサインして保険料を払えば、妻や子どもの分も手続きできるのかなぁ?」などといった疑問がわいてくる方もいらっしゃるのではないでしょうか?


そこで、この記事では


  • 保険加入における契約者・被保険者・受取人ってそれぞれどんな意味?
  • 契約者・被保険者・受取人の関係で知っておくべきことは?
  • 医療保険を契約するときの被保険者に条件はあるの?

について解説していきます。

この記事を最後まで読んでいただくと、医療保険に加入際の「契約者・被保険者・受取人」という言葉の意味や、それぞれの関係等について理解いただけると思います。

ぜひ、最後までお付き合いください。

契約者とは

医療保険に新しく加入しようとするときには、その契約を保険会社と結ぶ人物として「契約者」という人が必要になります。

契約者を簡単に説明すると、加入する(している)保険に関して、さまざまな義務を負うこととなる人ということになります。

義務の代表例としては、保険料の支払い義務です(場合によっては保険料を負担する人が別であることもあります)。

また、保険会社に対して、転居などの場合は住所変更をしたり、名義変更や受取人変更などをするといった義務もおうことになります。


しかし、義務を負う代わりに、権利を得ることも可能となります。


例えば、契約内容の変更や解約、支払い方法の変更など、保険契約の主となるに関する手続きが可能となります(内容によっては、被保険者の同意が必要な場合もあります)。

保険金受取人とは

保険契約に当たっては、万が一の場合に支払われる保険金や給付金の「受取人」の指定も必要となります。

受取人とは、保険の対象者である被保険者に何かあった場合、保険会社から支払われる保険金を受け取ることができる人のことを指します。

生命保険の場合、保険金を受け取る人が誰になるのかによって、保険金にかかわる税金の種類がかわるので、注意が必要です。

医療保険の場合、入院や手術における給付金の受取人は、基本的に日被保険者本人となっており、その場合は支払われた給付金に対して税金はかかりません。

しかし、医療保険の場合、被保険者と受取人が相違する場合には、税金がかかってきます。

個人でかける保険では、このような契約の仕方はほとんどないのですが、法人(会社)が契約者になり、従業員のために保険をかけるような場合、受取人が法人になることがあります。

その場合、医療保険の給付金であっても、被保険者ではなく、法人に支払われるため、収入として経費処理が必要となり、課税の対象となります。

被保険者とは

保険契約において、実際に保険がかかる人のことを「被保険者」といいます。

被保険者とは、医療保険に加入した場合に、保険金給付の対象となる人と言い換えることもでき、この被保険者が入院したり、手術を受けたときに給付金が支払われることになります。

被保険者に関しては、契約者と混同しやすいので注意が必要です。

例えば、契約者自身が入院や手術をした為、医療保険の保険金の対象となると思い請求したら、保険金が支払われる為の対象者が違っていたなど、思いがけない事態に陥ってしまうこともあるようです。

被保険者の条件

医療保険は、保険料さえ払えば誰でも簡単に入れるかといえば、そういうわけでもありません。

医療保険には、健康上の告知義務があり、何かしらの病気や健康診断における検査値の異常・身体の障害等があった場合、保険に入れなかったり、入れても特別な条件がつくということもありえます。

保険会社や保険の種類により、加入が可能となる健康状態は相違しますが、健康上についての告知については、虚偽の告知をした場合には、いざという時に保険給付金を受け取ることができなくなる事も十分考えられますので、注意が必要です。

また、被保険者となるには、必ず本人の署名が必要となり、代筆は認められていません。


ただし、15歳未満の場合に限り、親権者が代わって署名を行うことができます。


また、契約者からみて、血縁関係上の全くの他人を被保険者とすることはできません(法人契約を除く)。


理由は至ってシンプルで、犯罪を防ぐ為です。


契約者や受取人から見て、第2親等までなら問題なく被保険者となることができます。なお保険会社によっては、第3親等まで認められるケースもあります。

被保険者から除外される人

医療保険の契約にあたっては、契約者・被保険者・受取人が同一となるのが基本となります。


それに順ずる形として、第3親等までは3者間が相違する場合でも認められています。


これは犯罪を防ぐためでもあり、契約者や受取人からみて血縁関係上他人となる場合には、被保険者となることができません。


ここで気になるのが、内縁関係となる妻や夫は、被保険者となることが可能なのかどうかです。


内縁関係とはいえ、残念ながら夫婦とは認められず、契約者が内縁の妻を被保険者として医療保険に加入させることはできません。


つまり、内縁の妻(夫)は被保険者からは除外されてしまうのです。

医療保険の契約者、受取人、被保険者の関係

医療保険に加入する場合、契約者、受取人、被保険者が同一であることが一般的なことは先にご紹介しました。

つまり、自分自身で医療保険に対する保険料を支払い、もし自分自身が病気や怪我で治療が必要となった場合に、自分自身が保険給付金を受け取るというケースが一般的ということです。


しかし、契約者になる為には、その条件として、支払い能力があるかどうかが問われます。


例えば、主婦や無職、学生の場合には、配偶者や親権者が契約者になることもあります。


そのような場合でも、保険給付金の受取人は被保険者と同一であるケースが一般的となります。


それは、病気や怪我をした場合、病気や怪我などで治療を受ける人が、医療保険からの給付金を受け取り治療費を賄うということになるという考えに基づいているためです


おなじような観点から、医療保険においては契約者と受取人が相違していても、入院や手術に対する給付金は非課税となるわけです。

被保険者は変更する事ができない

医療保険について、一旦契約が成立してしまえば、いかなる場合であっても、被保険者を変更することはできません。


被保険者となる際には、年齢(生年月日)や職業・病歴・現在の健康状態等の告知をうけた上で、保険会社が加入の可否を判断し、契約が成立します。


その為、医療保険に加入したのち、被保険者を変更することはできません。


もし、別の人を同じ医療保険の被保険者としたい場合には、新たに告知を含めた契約手続きを行い、新たな保険契約を結ぶ必要があります。

被保険者と受取人が異なる場合は注意が必要

医療保険において、被保険者が入院や手術を受けた場合に支払われる給付金に対しては、「身体の障害に起因して給付をうけるもの」として、基本的には非課税となります。

しかし、給付金が非課税となるためには次のような条件が設定されており、受取人が本人や家族以外となっている場合には、注意が必要となります。


【医療保険からの給付金が非課税となるための条件】
  • 受取人が被保険者本人であること
  • 受取人が被保険者の配偶者であること
  • 受取人が第3親等以内もしくは生計を一にする親族であること

もし、医療保険において、給付金の受取人がいずれかに該当しなければ、非課税にはなりません。


医療保険の受取人が他人になるケースは少ないと思いますが、入籍前で同棲している彼や彼女は他人(第三者)であるとみなされ、受け取った給付金には税金が課せられることになりますので、受取人の設定には注意が必要です。

その他、医療保険の契約に必要な人

医療保険については、契約者・被保険者・受取人の三者がそろえば基本的には保険契約をすることが出来ます。

実は、この三者のほかにも、医療保険契約において必要な人ということで出てくる名称があります。

それが、「指定代理請求人」「保険料負担者」という名称です。

契約の段階では登場しない名称ですが、保険契約の継続や給付金の請求に当たっては、重要な場合もあります。

ここからは、「指定代理請求人」と「保険料負担者」について解説していきます。

指定代理請求人とは

医療保険において、その入院や手術を受けた際の給付金に関しては、それを受けた被保険者本人が手続きをしなくてはならないことになっています。

しかし、何らかの特別な事情により、被保険者自身が医療保険の給付金請求を行えない場合、被保険者の代わりに保険給付金を請求することができる制度があり、これを「指定代理人請求」といいます。

保険会社により、『特別な事情』の解釈は若干異なりますが、基本的には被保険者が以下の状態である場合に適用されます。
  • 傷害や疾病などにより、給付金請求の意思表示ができない場合
  • 治療上の都合により、傷病名の告知を受けていない場合

指定代理請求人に関しては、被保険者の同意を得ることにより、契約途中で変更することも可能です。


また、この制度を利用する為には、代理人となる人へあらかじめ支払い事由や代理請求が可能であることを伝えておくことが重要です。

保険料負担者とは

医療保険を契約し、継続していくためには、毎月(毎年)保険料を納めていく必要があります。

この保険料を払っていく人のことを「保険料負担者」と呼び、一般的には、保険料を負担し支払う義務を負うのは契約者です。

契約者は、保険料を支払うことにより、年末調整や確定申告などで、生命保険料控除の1つである医療保険料控除を受けることができます。

控除を受けることにより、所得税や住民税の軽減にもつながりますので、忘れずに控除を受けるようにしましょう。

まとめ:医療保険の被保険者について

ここまで、医療保険契約における被保険者等の情報を中心に解説してきましたが、いかがでしたか?


この記事のポイントは、


  • 医療保険加入にあたっては、契約者・被保険者・受取人がそれぞれ必要となる
  • 契約者・被保険者・受取人の関係は、保険の申込時に重要なだけでなく、給付金に対する税金等の面からも重要なポイントとなる
  • 医療保険を契約するときに、他人(血縁上の第三者)を被保険者にすることは出来ない(法人契約は除く)

でした。

ある一定の年齢を超えてくると、自分の入っている医療保険や、新しく発売された医療保険などが気になってくるものです。

自分だけでなく、配偶者に対しても、医療保険を持ってもらおうと考えることもあるでしょう。

そのような場合に、医療保険の契約における、契約者・被保険者・受取人の関係を知っておくことは、実は重要な意味を持ってくるのです。

このような基本的な知識を理解しておくことで、安心できる保険加入につなげたいものですね。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

ランキング