更新日:2024/03/08
不妊治療は医療保険が適用外!?不妊治療中でも加入できる保険紹介!
医療保険への加入条件に、『不妊治療を行っていないこと』が含まれている医療保険は多く、保険加入できずに悩んでおられる方もいます。しかし、不妊治療を行っていても加入できる医療保険が存在します。この記事ではそのような保険について説明します。
- 不妊治療にかかる費用は40万円から数百万円までとても高額
- 不妊治療は保険適用になるものと保険適用外になるものがある
- 国が設定した特定不妊治療だと助成金がもらえる
- 妊活中に入れる保険は「子宝エール」「シュシュ」など
- 医療費控除や銀行で借りられる妊活ローンなども
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 不妊治療中でも医療保険に加入できるってホント?
- 不妊治療の平均費用は40万円前後
- 高度不妊治療では費用総額平均は190万円に
- 6年で不妊治療に2,000万円かかった夫婦も
- 不妊の検査・原因の治療などは保険適用内
- 保険適用内:タイミング法にかかる費用
- 不妊検査の費用
- 人工授精・体外受精・顕微授精などの高度不妊治療は保険適応外
- 保険適用外:人工授精にかかる費用
- 保険適用外:体外受精にかかる費用
- 保険適用外:顕微受精にかかる費用
- 不妊治療・不妊検査費用のまとめ
- 不妊治療は保険が適用外になる理由
- 不妊治療を保障する医療保険の特徴
- 不妊治療中でも加入できる医療保険2選
- アイアル少額短期保険「子宝エール」
- 不妊治療の医療保険「子宝エール」の対象者の詳細
- 不妊治療の医療保険「子宝エール」の保障内容・プラン
- 不妊治療の医療保険の場合は告知義務に要注意
- 不妊治療中の医療保険は告知義務違反になったらどうなるの?
- 部位不担保や保険料増額などの引受条件には注意
- 不妊治療を保障する医療保険の注意点
- 全ての治療に対応しているわけではない
- 保障は加入してすぐ始まるわけではない
- 加入時の年齢によって保険料が異なる場合も
- 不妊治療の具体的な支援策を厚生労働省が発表
- 医療費控除の利用について
- 不妊治療の費用は銀行からお金を借りることもできます。
- まとめ:不妊治療中の費用の助成金と加入できる医療保険
目次
不妊治療中でも医療保険に加入できるってホント?
そこで今回、この記事では
- 不妊治療にかかる費用
- 保険適用内の不妊治療
- 保険適用外の不妊治療
- 不妊治療を保障する保険
- 不妊治療中でも入れる医療保険
- 不妊治療保険の告知義務
- 不妊治療保険の注意点
- 妊活ローンとは
- 国の助成制度・医療費控除
この記事を読んでいただければ、不妊治療でも健康保険や民間の保険が適用されるものがわかり、少しでも負担を減らしていただけます。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を読む前に、まず不妊治療中でも加入できる医療保険の詳細を確認したい方は、下記の「不妊治療中の医療保険の公式HP」にて確認してみてください。
それでは、解説していきます。
不妊治療の平均費用は40万円前後
不妊治療には「タイミング法」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などいくつかのステップがあり、そのステップが上がるごとにかかる費用も上がっていきます。
多くの方は、不妊治療にどのくらい費用がかかるのか知らないまま不妊治療を開始し、気が付いたらかなりの額を払っているということも普通にあります。
後述しますが、不妊治療でも健康保険が適用される治療もありますが、
「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などは保険適用外となるため、全額自己負担となります。
特に、高度不妊治療となる体外受精や顕微授精になると、その平均費用は体外受精で約38万円、顕微授精では約43万円と、40万円前後が平均です。
しかしこれは1回あたりの金額です。
残念ながら、通常1回の治療で妊娠が進むことはまれで、何度も治療する人が多いのが現実です。
「じゃあ、不妊治療には総額でいくらかかるの?」ときっと思いますよね?
以下に費用総額の平均や、実際に不妊治療をした方のお話を紹介します。
高度不妊治療では費用総額平均は190万円に
高度不妊治療とは、自然妊娠を誘発する治療法ではなく、体外で受精させた受精卵を培養し、受精卵の細胞分裂が一定の段階まで進んでから、女性の体に戻す方法です。
代表的なものとしては、不妊治療の中でも高度な治療となる「体外受精」「顕微授精」がこれにあたります。
10年以内に妊活経験のある20歳~49歳の女性へのアンケートによると、体外受精や顕微授精といった高度不妊治療の費用の総額は、平均で190万円になります。
また、高度不妊治療を経験した人の約6人に1人は、総額で300万円以上かかっており、不妊治療のステップが進み、期間が長くなるほど、費用がかさむことがうかがい知れます。
また不妊治療にかかる費用の捻出先は、半数以上が「夫婦の収入・貯金」となっています。
海外と異なり日本では国からの助成金が少なく、また助成を受けるための制限も厳しくなっています。
不妊治療を継続していくには、個々の家庭での経済状況が大きく影響するため、ある程度のお金を準備しておく必要があるのです。
6年で不妊治療に2,000万円かかった夫婦も
先ほど高度不妊治療の費用総額は平均で190万円かかるとお伝えしましたが、実際にかかる費用はかなり個人差があります。
その理由としては、不妊治療が高額であることで開始が遅れてしまうこと、それにより妊娠しにくい時点からのスタートとなり、費用がかさんでしまうことが考えられます。
実際、2020年10月に発表された朝日新聞のデジタルアンケートに寄せられた声には、20代で不妊治療を開始するには費用が高額で躊躇してしまうという意見もあります。
また治療費の支援として、借金をして不妊治療を継続させたという方もいます。
中には6年間で2000万円を不妊治療に費やしたものの、最終的には不妊治療を諦めたというご夫婦もいらっしゃいます。
このように不妊治療はいつ終わるか先が見えず、費用が高額になることは十分あるのです。
不妊の検査・原因の治療などは保険適用内
不妊治療の中で保険適用内となっているのは、まず不妊の検査、そして不妊の原因への治療があります。
ただし検査の中にも保険適用内と保険適用外のものがあり、ホルモン測定や子宮造影法、超音波が保険適用内となっています。
その後、検査によって「男性不妊」「女性不妊」と原因を特定された場合、それぞれ該当する症状について、手術や薬物投下による治療が開始します。
またそれ以外に、不妊治療の最初のステップとなる「タイミング法」、そして「排卵誘発法」については、保険適用内となっています。
基本的にこの段階では、検査や治療は保険適用内のものがほとんどになるため、自己負担は3割となるので費用は抑えられます。
ただし、血液検査や超音波は保険適用外ですので、回数が増えるほどにその費用はかさんできます。
また検査によっては、保険適用内での治療に回数制限が設けられている場合もあるので、医師に確認することをお勧めします。
保険適用内:タイミング法にかかる費用
費用
- 保険適用の場合 1回2,000円~7,000円
- 保険適用外の治療を受けた場合 1回1万円~2万円
ただし、すべての検査を自費診療で行う病院もあるので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
タイミング法とは
基礎体温や経膣超音波検査と尿中LH検査を併用して排卵日を正確に予測し、それに合わせて性交します。
月に1回の受診が目安となりますが、場合によっては通院が複数回必要となることもあります。
具体的には
- 排卵日以前に経膣超音波検査で卵胞(卵子が入っている袋)のサイズを計測
- 1のサイズから排卵日を推測
- 排卵日2日前〜排卵日までに性交渉を行う
超音波検査や頸管粘液検査などは、基本的には健康保険が適用されますが、超音波検査やホルモン検査を月に複数回受けたり排卵を促すための排卵誘発剤の処方があったりすると健康保険の適用外となってしまいます。
不妊検査の費用
「治療でお金なくなった」という声も多い不妊治療では、治療の種類により健康保険適用になるものとならないものがあります。
ここでは不妊検査について費用を紹介していきます。
<健康保険適用>
- 血液検査(ホルモン、血糖、甲状腺値など) 7,000円
- 子宮頸がん検査 1,000~2,000円
- 超音波検査(卵胞発育、子宮内膜の状態確認) 1,500~2,000円
<健康保険適用外>
- 卵管造影 7,000~8,000円
- 感染症に関する血液検査 15,000~18,000円
上記は女性がおこなう基本的な検査内容です。
医師の判断により追加で検査項目が増えることもあるでしょう。
また女性側で不妊の原因が判明しない場合、男性も検査を行います。
男性がおこなう検査は以下のとおりです。
<健康保険適用>
- 精液検査 300~600円
<健康保険適用外>
- 血液検査(ホルモン値、感染症など) 14,000~15,000円
男女ともに血液検査では肝炎やHIV、風疹抗体など妊娠するために確認必須の項目があります。
特に赤ちゃんへの感染で心配な風疹では、抗体がなければ追加で予防接種をする必要があるでしょう。
検査とはいえ確認項目が多く費用もかさみますが、赤ちゃんや母体のためですので前向きに考えたいですね。
人工授精・体外受精・顕微授精などの高度不妊治療は保険適応外
不妊の検査の段階で「原因がわからない機能性不妊」と認められたもの、または「タイミング法」や「排卵誘発法」で効果が見られない場合、高度不妊治療に進みます。
高度不妊治療には、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などありますが、これらはすべて現時点では保険適用外となっています。
その経済的負担を少しでも解消するために国からの助成金制度もあります。
しかしそれは、「体外受精」「顕微授精」などの特定不妊治療と呼ばれるものに限定されており、「人工授精(精子提供含む)」や「代理出産」などでへの助成金はありません。
また、国からの助成金が受けられる場合でも、所得制限や回数制限などが厳しく、患者にとって、経済的負担が大きいことは前述した通りです。
このように見ると、高度不妊治療は非常にハードルが高く、デメリットへ意識が向きがちですが保険適用外であるからこそのメリットもあります。
それは、保険適用外だからこそ、国内では未承認であっても海外の最先端の治療技術や薬を導入することができる、ということです。
不妊治療は経済的な負担だけではなく、時間という制限がある中で治療を行わなければなりません。
そのときに、海外の最先端の治療技術や薬を利用できるというのは、不妊で悩むカップルそれぞれに合わせた治療ができ、大きなメリットになるのです。
保険適用外:人工授精にかかる費用
保険適用外:体外受精にかかる費用
費用
- 保険適用外 1回30万円~100万円台
費用は病院によって異なり、かなり高額になります。
体外受精とは
排卵直前まで育った卵子と精子を体外に取り出し受精させ、受精卵が育ったのを確認してから女性の子宮内に戻す方法です。
- 体外受精のリスク
卵巣過剰刺激症候群
採卵時の麻酔による副作用
採卵時の損傷・感染
子宮外妊娠
多胎妊娠
- 排卵誘発剤を1週間前後使用する
- 採卵手術を行う
- 黄体サポート(着床に適した子宮内膜を作る)というホルモン治療を行う
- 3で適した子宮内膜が見込めなかった場合は、全胚凍結となる
精子と受精させ、細胞分裂を起こした受精卵を子宮内に戻す
不妊治療中でも思わぬ病気にかかるというのは起こりうることです。
高額な不妊治療費+新たな病気の入院費・手術費で、1,000万円以上かかってしまうケースも実際にあるのです。
保険適用外:顕微受精にかかる費用
不妊治療・不妊検査費用のまとめ
方法 | 妊娠率 | 費用 | 保険適用 | 特定不妊治療 | |
---|---|---|---|---|---|
タイミング法 | 基礎体温や経膣超音波検査と尿中LH検査を併用して排卵日を正確に予測し、それに合わせて性交する方法 | 平均してだいたい5%ほど | 1回2,000円~7,000円 | ◎ | × |
人工授精 | 排卵のタイミングに合わせて、子宮に元気な精子を人工的に注入する方法 | - | 1回1万5,000円~2万円 | × | × |
体外受精 | 排卵直前まで育った卵子と精子を体外に取り出し受精させ、受精卵が育ったのを確認してから女性の子宮内に戻す方法 | 〜35歳 約30% 〜39歳 約18% 44歳〜 約10%以下 | 1回30万円~100万円台 | × | ◎ |
顕微授精 | 体外受精のうち、人工的に(卵子に注射針等で精子を注入するなど)受精させる方法 | 50〜70%ほど | 1回30万円~100万円台 | × | ◎ |
特定不妊治療とは不妊に悩む方への国の特定治療支援事業のことです。詳しくは記事の後半で解説しています。
不妊検査に関してはこのようになります。
保険適用内 | 保険適用外 | |
---|---|---|
女性 | 血液検査(ホルモン、血糖、甲状腺値など) 7,000円 子宮頸がん検査 1,000~2,000円 超音波検査(卵胞発育、子宮内膜の状態確認) 1,500~2,000円 | 卵管造影 7,000~8,000円 感染症に関する血液検査 15,000~18,000円 |
男性 | 精液検査 300~600円 | 血液検査(ホルモン値、感染症など) 14,000~15,000円 |
不妊治療は保険が適用外になる理由
不妊治療を行っている場合、医療保険に加入できないと心配になりますよね。でも「なぜ、適用外になるの?」と考えたと方は多いと思います。
そもそも健康保険とは、疾病やケガなどで治療が必要となったとき医療給付や手当金を支給し、生活を安定させるための国のしくみです。
厚生労働省では、「不妊症で日常生活が送れないことはない」という考えから、不妊症は疾病ではないと判断し、高度な不妊治療には健康保険が適用されないのです。
さらに厚生労働省は「不妊治療の技術は一定の水準に達しておらず、妊娠確率も高くない」とし、仮に疾病と認められても保険は適用できないとの立場をとっています。
これに対し日本産婦人科学会の調査で、2016年に誕生した新生児の18人に1人が体外受精で生まれたことが明らかになっています。
この実績を踏まえ、保険適用の検討を期待する声が高まっている現状です。
不妊治療を保障する医療保険の特徴
初めに、不妊治療を保障する医療保険もさまざまな状況によって保障内容が違いますので、医療保険を検討する方は、各保険会社もしくは現在ご加入中の保険会社に相談をするのがよいでしょう。
では、不妊治療を保障する医療保険にはどんな特徴があるのでしょうか。
- 不妊治療中でも医療保険に加入できる
- 特定不妊治療を行ったとき給付金を受け取ることができる
- 3大疾病保障
出産祝い金
満期一時金
などの保障がついている
そして気になる加入条件は、
- 加入対象:女性
加入年齢:16歳~40歳までの健康な方 - 保険期間:10~20年
などの場合が多いです。
不妊治療を保証する保険には、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)の医療保険に、不妊治療と出産のサポートもついているという場合もあります。。
不妊治療中でも加入できる医療保険2選
不妊治療中でも加入でき、保障が充実している保険としておすすめなアイアル少額短期保険「子宝エール」について紹介します。
アイアル少額短期保険「子宝エール」
- 高額な不妊治療費用を補償して欲しい
- 不妊治療を始めると医療保険にも加入できない。
この保険の特徴としては、まず保障の対象外となる疾患名がはっきりしている、という点です。
保険によっては、どのような疾患の場合に保険が降りないのか、という点が不明瞭なまま加入してしまう場合も少なくありませんが、この保険はその点で安心できます。
また、この保険の加入条件として『過去一年以内の不妊治療』を行っているかどうか、という点が含まれているのも特徴です。
このようにしてあらかじめ条件がはっきりしているため、これから保険への加入を考えている方にも、非常に分かりやすいのが特徴です。
詳細や口コミ・評判を知りたい方は下記リンクの「子宝エール(アイアル少額短期保険)/不妊治療中の医療保険の口コミ・評判」でご覧ください!
不妊治療の医療保険「子宝エール」の対象者の詳細
『過去1年以内の不妊治療』を行っている女性が対象です。
また、受けている不妊治療にも条件があり
- 排卵誘発剤の投与
- 人工授精
- 体外受精
不妊治療の医療保険「子宝エール」の保障内容・プラン
子宝エールは高額な費用の保障と不妊治療中は保険に加入できないと言う2つの女性の悩みを解決する目的で作られています。
よって、女性に対する保障とは厚く、と費用はリーズナブルです。
保障内容としては
- 女性疾病の治療を目的として5日以上の入院:日額10,000円
- 病院やケガで5日以上の入院:日額5,000円
- 病気やケガの治療を目的とした手術:1回につき10万円
- 保険期間中に死亡したとき:プラン選択300万,100万
不妊治療の医療保険の場合は告知義務に要注意
これは、不妊治療で投薬等を行っている方には特に重要な点です。
医療保険への加入時には、いつでも『告知義務』が求められます。
『告知義務』というのは、医療保険に加入する際に、自分の健康状態について嘘偽りなく告知することで、ここで重要なのは、「嘘偽りなく」という部分です。
保険は、加入しようとしている保険の種類にもよりますが、当人の健康状態によっては、加入できない場合もあります。
何かの持病を抱えていたり、過去に大きな病気や怪我を負っている、というような場合です。
書面や診断等により告知を行わなければならない項目としては、現在何らかの病気の治療を行っているか、3か月以内に、投薬を行っているか、過去2年以内、精密検査等に引っ掛かったことがあるか、というような内容です。
そういった場合に、もしも虚偽の告知を行ったうえで医療保険に加入できたとしても、のちに『告知義務違反』に問われる場合があります。
ですから、どのような場合であっても、自身の健康状態を正直に告知する必要があり、医療保険に加入するうえでは大前提と言えます。
不妊治療中の医療保険は告知義務違反になったらどうなるの?
最大のペナルティとして挙げられる代表的なものは以下の二点です。
- 保険金・満期金等が支払われなくなる
- 保険が解約される
これは、どちらもそのままの意味です。
ただし、全ての場合において、このようなペナルティを受けるわけではありません。
本質的な部分は、その告知義務違反が「悪意を持って(わざと)行われたかどうか」という点です。
一つの基準となる年数は、「2年」とされていますが、それは『2年過ぎて違反が判明しても時効なので、お金は受け取れる』ということではない、という点も覚えておく必要があります。
ある程度年数が経過していても、保険金を受け取る保障内容に関連する、過去における病気や怪我の虚偽報告に問われることによって、医療保険が解約される場合もあります。
上記で紹介した子宝エールは、加入条件(告知)として、不妊治療を1年以上行っていることですので、現在不妊治療を行っている方でも加入できる保険と言えます。
詳しくはHPでご確認ください。
部位不担保や保険料増額などの引受条件には注意
これは、一定の年数、体の特定の部位に関して、特定の疾患を患った場合において、保障の対象外となる、というものです。
簡単に言えば、その期間内は、特定の部位に疾患を患っても、保険金がおりません。
保険紹介の部分でも触れましたが、不妊治療を保障してくれる保険であっても『加入後2年間』は保障されないというものがありました。
まさにこれが部位不担保の一つです。
もちろん、2年経過すれば保障が開始されます。
この部位不担保は、多くの保険に存在しているものであり、珍しいことではありません。
しかし加入者は、事前によくこのことについて熟知している必要があります。それには、以下の理由があります。
【部位不担保の対象となった場合、いずれかに当てはまる】
- 特定の部位について、保障対象外になる
- 保険には加入できるが、毎月支払う『保険料が増額』される場合がある
- 保障が適用されたとしても、受け取る『保険金が減額』される場合がある
こういったことは『不妊治療が保障の対象』となる保険でも起こりうるので、あとでトラブルを招かないためにも、その点は事前によく確認しておくべきです。
不妊治療を保障する医療保険の注意点
不妊治療費の保障は、保険会社にとっては「リスクが高い人が集まる」ことになります。
不妊治療の多くは、何回受けるのか、どのような治療を受けるのか?など加入者の意思に基づき治療が行われます。
このことから、保険会社は給付金の支払いが多くなることが予測され、とてもリスクの高い商品になると分かっていたため、積極的に商品開発に取り組んではきませんでした。
しかし、新しく登場した不妊治療を保障する医療保険は、まさに現代の情勢にマッチした保険である一方、注意点も多く、喜んで両手を挙げられない部分もあるのです。
では、不妊治療保障のある医療保険の注意点はどこにあるのでしょうか?
詳しくご紹介していきます!
全ての治療に対応しているわけではない
保険に加入しているから「安心」ではないことは、保険を認識する上で非常に大切なことです。
保険に加入していても、保険の対象となる治療や手術でなければ給付金が受け取れないと言うデメリットが必ず存在します。
それは、特定治療保険特約も同じです。
保障内容や給付金額は、販売している保険会社によって大きく異なります。
保険会社の販売員が全部説明することは、まずありません。
1番詳しく記載されているのは、加入時に渡される約款ですが、専門用語が並べられていて理解するのはとっても大変です。
ある保険会社では、「体外受精と顕微受精で給付金が受けられるが、採卵はNGや胚移植はNGまたは半分」などさまざまです。
どこまでの治療を保障してくれるのか、しっかりと確認してから検討しましょう!
保障は加入してすぐ始まるわけではない
さらに注意すべき点は、「保障は加入してすぐに適用されるわけではない」ことです。
まず、免責期間というものがあります。
この免責期間というのは、指定した治療・入院に対して保障しない期間という意味です。
今回の不妊治療保障も、この免責期間というものがあります。
保険に加入した日を1日目として、特定不妊治療は2年を経過してから保障を開始するという、2年間の免責期間があります。
また、出産に関する保証は、保険に加入した日を1日目として、1年経過してから保証を開始するという、1年間の免責期間があります。
よって、「これから不妊治療を始めるので早速この保険を適用したい!」と思ってもこの2年間の免責があるので、いくら不妊治療保険に入ったといってもすぐに保障を受けられるわけではありません。
生活状況や不妊治療の計画に合わせて特定不妊治療保障の医療保険に加入するのが1番よいでしょう。
加入時の年齢によって保険料が異なる場合も
生命保険や医療保険は、年齢と共に保険料が上がっていくことは、ほとんどの方に周知されていると思いますが、不妊治療保障特約も年齢に応じて保険料の差に開きがあります。
また、加入できる年齢制限が設けられている保険会社もありますので、加入年齢はしっかりと確認しておきたいところです。
【保険料の目安】
保険期間\契約年齢 | 30歳 | 35歳 | 40歳 |
---|---|---|---|
10年 | 約10,128円 | 約10,557円 | 約10,869円 |
15年 | 約10,227円 | 約10,518円 | × |
20年 | 約10,233円 | × | × |
※保険料の目安は月払い保険料が記載されています。
不妊治療の具体的な支援策を厚生労働省が発表
このように晩婚化が進み、不妊治療をする人が増えている実情を受け、政府は2020年12月に不妊治療に対する助成金の総額を約370億円に拡充しました。
そして保険適用も検討しつつ、現在の助成措置を大幅に拡充する支援策を厚生労働省が発表しています。
具体的には、「体外受精」「顕微授精」といった特定不妊治療に対する助成を下記のように拡充します。
拡充前 | 拡充後 | |
---|---|---|
所得制限 | 730万円未満 (夫婦合算の所得) | 所得制限なし |
助成額 | 1回15万円 (初回のみ30万円) | 1回30万円 |
助成回数 | 生涯で通算6回まで (40歳以上43歳未満は3回まで) | 1子ごとに6回まで (40歳以上43歳未満は3回まで) |
年齢制限 | 妻の年齢が43歳未満 | 変更せず |
これは2021年1月からの治療に適用されます。
所得制限がなくなり、1回あたりの助成額も倍となり、また助成回数も増加したことで、不妊治療への経済的負担も減少します。
またさらに、2022年4月からの不妊治療への保険適用を実現するために、2021年度中に詳細を決定しようと進めています。
少子化対策の一環として、不妊治療への経済的負担軽減は非常に喜ばれる一方で、次のような課題もあります。
- 安全性の確保と医療の標準化、公平性の確保
- 保険適用対象とならない不妊治療と混合診療になる可能性 など
これら課題は、保険適用の具体的な範囲について実態を調査し、医学的データを踏まえて、有効性・安全性を審議する中で検討されていくことになります。
課題はあるものの、不妊治療への負担が今よりも軽減され、治療へのサポートが手厚くなるのは間違いありません。
医療費控除の利用について
医療費控除とは1年間で支払った世帯の医療費の合計が10万円以上であった場合、超えた分が所得から控除され税金が戻ってくる制度です。
対象となる医療費
- 病院に支払った治療費
- 入院の際の部屋代や食事代
- 通院のための交通費
- 薬局で購入した薬代
医療費控除額の計算式
1年間に支払った医療費の総額-保険金などで補てんされる金額-10万円
(200万円が限度)
ただしこの計算式で求めた医療費控除の金額がそのままが戻ってくるわけではありません。
次のステップとして、課税所得の計算をします。
課税所得=総所得(年間の収入ー給与所得控除)-各種所得控除
これで求めた課税所得から所得税率を確認します。
実際に医療費控除で手元に戻ってくる金額は以下の通りとなります。
医療費控除で戻ってくる金額=医療費控除額×所得税
不妊治療の医療費控除についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
不妊治療の費用は銀行からお金を借りることもできます。
不妊治療にかかる費用について解説しましたが、あらためて金額で確認すると高額で驚いたという方もいるかもしれません。
先述したように不妊治療はお金が高額ですので、両親など親族からお金を借りるケースもあります。
ただ両親にも老後の生活がありますので、お金をたくさん借りるのは心苦しいですね。
また不妊治療で「お金がないために治療が継続できない」となったらあきらめきれないと感じるでしょう。
実は銀行では不妊治療費としてお金を借りることができる「妊活ローン」があります。
妊活ローンが利用できる銀行は以下です。
- 大垣共立銀行
- アスマイル
- 東京スター銀行
- 池田泉州銀行
住宅ローンなどと比べると金利がやや高く、対象者の年齢以外にも諸条件の審査がとおらなければなりません。
しかし治療費の領収書提出など面倒なやりとりは必要なく、一時的にすぐにでもお金が必要という人には朗報でしょう。
ローンを組める金額は銀行により100~500万円までと異なります。
妊活ローンについてはこちらの記事で詳しく解説していますので是非ご覧ください。
まとめ:不妊治療中の費用の助成金と加入できる医療保険
今回は不妊治療の治療費が保険の適用範囲なのかどうか、また、不妊治療中でも加入することができる保険はあるのか、について解説してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事のポイントは
- 不妊治療の医療保険適用外になる理由は「不妊治療中」と言う原因が多い
- 不妊治療中でも「子宝エール」なら保険加入が可能
- 加入時の告知義務違反には注意しよう