更新日:2021/04/11
帝王切開はどんな場合に必要?帝王切開のリスクや費用についても解説
出産予定の方は、自然分娩か帝王切開、どちらで出産することになるのか気になる方は多いと思います。帝王切開が必要な場合を考え不安に思うでしょう。ここでは、帝王切開がどのような場合に必要なのか、帝王切開のリスクや費用とともに解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 帝王切開は必要?必要になるのはどのような場合?
- 帝王切開は出産前や分娩中にリスクがあると分かった場合に必要!
- ①予定帝王切開が必要な場合
- ②緊急帝王切開が必要な場合
- 帝王切開の流れやかかる時間
- 帝王切開の流れ
- 帝王切開にかかる時間
- 帝王切開のメリット・デメリット
- 帝王切開のメリット
- 帝王切開のデメリット
- 帝王切開にかかる費用は60万円程度
- 【帝王切開に不安を抱える方へ】先輩ママの体験談&アドバイス
- 帝王切開の入院で必要なもの10選!
- 帝王切開に関するQ&A集
- ①産後のお腹の状態はどんな感じ?
- ②帝王切開では悪露が長引く?
- ③帝王切開では赤ちゃんにすぐ会える?
- まとめ:帝王切開はリスク軽減のために必要となることも!
目次
帝王切開は必要?必要になるのはどのような場合?
帝王切開は出産前や分娩中にリスクがあると分かった場合に必要!
帝王切開には2種類あります。
- 予定帝王切開
そして陣痛がくる前に帝王切開を行う必要があるため、通常妊娠38週を目安に帝王切開が行われます。
近年は超音波検査の精度が上がったことで赤ちゃんの様子がより正確にわかるようになったため、予定帝王切開は一般的な出産方法となりつつあります。
あらかじめ出産予定日を決めることができるので予定を立てやすくなるのが予定帝王切開のメリットです。
- 緊急帝王切開
お母さんにとっては心の準備ができていない状態での帝王切開となりますが、予定帝王切開よりも件数は多く、帝王切開の約60%が緊急帝王切開です。
緊急帝王切開は予定帝王切開とは異なり急遽決まるので気持ちを整理するのが大変な場合もあります。
帝王切開をするという決断の時期は違いますが、どちらの帝王切開も赤ちゃんとお母さんの安全を最優先に考えて行われます。
それぞれの帝王切開がどのような場合に必要になるのか、見ていきましょう。
①予定帝王切開が必要な場合
予定帝王切開になる場合、以下のような理由が挙げられます。
逆子
通常赤ちゃんは、妊娠中期ごろまでお母さんの子宮の中でくるくると動いていますが、体が成長し大きくなると、頭を下にした状態を保つようになります。
しかし、妊娠後期でも赤ちゃんが子宮の中で、頭を上、足やお尻を下にしている状態のことを逆子といいます。
赤ちゃんが逆子になったら、ほとんどの場合で帝王切開が必要になります。
前置胎盤
全治胎盤とは、胎盤が子宮の下部に形成され、子宮口またはその付近を覆っている状態のことをいいます。
自然分娩で出産すると、胎盤が赤ちゃんよりも先に出てきてしまい出血量が多くなってしまうため、ほとんどのケースで帝王切開になります。
多胎妊娠
双子や三つ子など同時に複数の赤ちゃんを妊娠することを多胎妊娠といいます。
この場合も、大量出血が起きたり、へその緒が絡まったりするなどのリスクを回避するため多くの場合で帝王切開が必要になります。
子宮筋腫
子宮の中にコブのような筋腫がある場合、筋腫の数や場所、大きさによっては帝王切開が必要になります。
また、妊娠前に筋腫の摘出手術を受けた経験がある方も、帝王切開が必要になることが多いです。
児頭骨盤不適合
児頭骨盤不適合とは、赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤よりも大きい状態のことです。赤ちゃんが産道を通過できない恐れがあるため、帝王切開が行われます。
②緊急帝王切開が必要な場合
緊急帝王切開になる場合、以下のような理由が挙げられます。
胎児機能不全
胎児機能不全とは、赤ちゃんに十分な酸素が送られず赤ちゃんの元気がなくなってしまうことです。
酸素不足になる原因は、胎盤がうまく機能していない、へその緒に圧がかかっている、などです。
分娩時の赤ちゃんの心拍数に問題がある場合に、胎児機能不全と判断され、緊急で帝王切開が行われます。
分娩停止や遷延分娩
陣痛が来てから長時間経っても分娩が進まないと、お母さんの疲労がたまったり赤ちゃんに送られる酸素が不足したりするため、お母さんや赤ちゃんのリスクを考え帝王切開に切り替えられます。
臍帯脱出
赤ちゃんより先に臍帯(へその緒)が下がってくることを臍帯脱出といいます。
赤ちゃんが胎盤から栄養をもらえなくなってしまうため緊急で帝王切開が行われます。
回旋異常
常位胎盤早期剥離
常位胎盤早期剥離とは、出産前に、胎盤がはがれてしまうことをいいます。
子宮内で出血が起こってしまい、赤ちゃん・お母さんともに危ない状態になってしまうため、緊急帝王切開手術が必要です。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中や出産時にお母さんの血圧が基準値を超え、頭痛などの症状があらわれる状態のことです。
妊娠高血圧症候群はお母さんがもともと高血圧、糖尿病などの病気をもっている際になりやすいですが、多くの妊婦さんがかかる病気です。
重度の高血圧だと、お母さんの血流が滞り赤ちゃんの元気がなくなってしまう可能性があるため、緊急で帝王切開が行われます。
緊急帝王切開になる可能性はどのくらいあるのか、など不明な点や心配な点は、事前に医師に相談しましょう。
自然分娩の予定でも心づもりをしておくと、緊急帝王切開になったとき気持ちの切り替えがしやすくなりますよ。
帝王切開の流れやかかる時間
実際に帝王切開で手術すると決まった際、手術はどのような流れで進行し、時間はどのくらいかかるのでしょうか。
特に緊急帝王切開になった場合は、手術について詳しく分からないと不安ですよね。
「麻酔の注射は痛くない?」「お腹の傷はどのように処置される?」など手術について心配事が尽きないと思います。
事前に手術について一通り理解しておくと安心です。
ここでは、帝王切開手術の流れやかかる時間について紹介します。
帝王切開の流れ
①麻酔
お母さんの意識を保ったまま、下半身だけを麻酔する局所麻酔と、意識がなくなる全身麻酔があります。
一般的には、背中から注射する局所麻酔を使用しますが、緊急の場合は全身麻酔を使うこともあります。
麻酔の前に痛み止めの注射を打つので、麻酔に痛みを感じることはありません。
②切開
麻酔が効いているかチェックした後、切開します。
横切開と縦切開の2種類あり、傷跡が目立ちにくい横切開を希望する方が多いですが、最終的には医師の判断によって決まります。
縦切開と横切開にはどちらも長所と短所があるため、どちらの切開になるのか医師にしっかり確認しましょう。
③赤ちゃん誕生
執刀から5~10分程度で赤ちゃんが誕生します。
局所麻酔を使用した場合には、赤ちゃんを見たり産声を聞いたりできます。
④縫合
お腹と子宮の傷を縫います。
お腹は糸や医療用のステープラーで縫合しますが、最近は溶ける糸を使用し抜糸がいらない場合が多いです。
帝王切開にかかる時間
先ほども説明したように、執刀開始から赤ちゃんが産まれるまでは約5~10分です。
帝王切開の手術全体としては、一般的に約1時間かかりますが、赤ちゃんやお母さんの状態によってかかる時間は異なります。
自然分娩では、陣痛が始まってから初産婦の場合約12時間、経産婦の場合約6時間かかるため、短い時間で出産でき、早く赤ちゃんに会えるのは帝王切開の利点です。
ここまでみたきたように帝王切開には費用だけでなく、時間や身体的な体力だけでなく、心理的な体力も伴います。
少なくとも費用面での心配だけでも軽減したいですよね。
帝王切開は異常分娩に該当するため、女性向けの医療保険の対象となることがほとんどです。
しかし、いきなり保険で出産に備えるといっても何から始めれば良いかわからないと思います。そのような方はマネーキャリアの無料保険相談の利用がおすすめです。
マネーキャリアの保険相談は無料で何度でも保険やお金のプロに相談することができます。
また、スマホで予約から面談まででき、オンライン相談にも対応しています。ぜひ、この機会に検討してみてください。
帝王切開のメリット・デメリット
帝王切開には怖いといったマイナスのイメージをもたれる方もいますが、メリット・デメリットの両方が存在します。
ここではメリット・デメリットをそれぞれ見ていきます。
ぜひ帝王切開を選択する際の参考にしてくださいね。
帝王切開のメリット
帝王切開のデメリット
帝王切開にかかる費用は60万円程度
現在、自然分娩にかかる平均費用は50,5759円で、約50万円となっています。(参考:公益社団法人 国民健康保険中央会)
帝王切開の場合には、手術に約20万円かかりますが、健康保険の対象となるため、手術費用の自己負担額は3割になり、自己負担額は約6万円です。
他にも検診費や差額ベッド代などがプラスされ、帝王切開にかかる費用は合計60万円程度です。
また、出産前はマタニティグッズ、産後はベビー用品やお祝い返しなど、出産前後は様々なものにお金が必要になります。
予想以上に費用がかさんでしまった!ということはよくあるので、長期的に見て出産・育児にどの程度のお金が必要なのか計算しておくことをおすすめします。
帝王切開にかかる費用について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
また、帝王切開の費用を安く抑えるために以下の制度を知っておきましょう。
- 高額療養費制度
- 医療費控除
- 出産育児一時金
- 女性保険
これらについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
【帝王切開に不安を抱える方へ】先輩ママの体験談&アドバイス
30代女性
不安だった帝王切開
私は逆子が戻らず、帝王切開で出産しました。 それまでは、フリースタイルでの出産に憧れて産院を探し、マタニティスクールにも通い、張り切っていましたが、逆子と分かり帝王切開になるかもと医師から告げられた時には、思わず大泣きしてしまいました。ショックだったのです。。 そんな私に医師は「赤ちゃんは生まれる時から個性があるんだよ。それに、将来お腹の傷跡をお風呂で見せたら、出産のお話をしてあげられるんじゃないかな」と、話しかけてくれました。それは、本当に優しい救いの言葉でした。 思い通りに事は運ぶと思っていた出産でしたが、そんなものじゃないんだと痛感しました。 妊娠糖尿病にもなり、いろいろありました。予定日の前の週に破水して産院へ行き、急きょ帝王切開となりましたが、無事に我が子を産むことができ、幸せで、本当に奇跡を感じました。 ただ、術中に麻酔があまり効かなかったので、痛みが大きかったです。体質などが影響したのでしょうか。。 それと、帝王切開の場合、赤ちゃんが頭から出るのか、足から出るのか。。自分の体に起こったことなのに、手術はカバーの向こう側で、下半身麻酔なのであまりよく分らなかったことが、今でもモヤっとしています。 今度、産院に伺いにいこうかなとも思っているので(今更で迷惑な人間ですね)、帝王切開の時に(普通分娩でもですが)何か質問があれば、遠慮せずにとことん質問したほうが良いのだと思います。 「出産」とひとくくりに言っても、皆さんそれぞれのドラマがあります。それを痛感しました。 夫と周りの助けを得ながら、大切に子育てしております。
(参考:帝王切開ナビ)
30代女性
今回も帝王切開で出産します
私は、5年前に帝王切開で出産しました。 あの時は、不安だらけで何も考えることが出来ないまま、出産したと思います。。。 生まれてきてくれた赤ちゃんを見たら、不安よりも幸せの実感の方が大きかったです(笑)今、娘は5歳でお腹の中に赤ちゃんが居る事を理解して楽しみに待っててくれているみたいです。 1月末に予定帝王切開で出産予定です。 帝王切開は、家族の助けが何よりも大事だと思っています。ウチの場合、心配事といったら、私が入院している間の娘の食事の事ぐらいです(笑) 帝王切開と言われて、不安にならないで下さいね。
(参考:帝王切開ナビ)
帝王切開の入院で必要なもの10選!
- 産褥ショーツ
- 産褥パッド
- 腹部保護帯
- ワンピースタイプのパジャマ
- 傷跡ケア用のテープ
- 汗拭きシート
- 授乳用クッション
- ペットボトル用ストロー
- S字フック
- 延長コード
帝王切開に関するQ&A集
①産後のお腹の状態はどんな感じ?
妊娠中にお腹の皮膚が伸びるため、すぐには戻らずたるんだ状態がしばらくは続きます。
腹帯を使うことで、お腹が固定され動きやすくなるので腹帯の使用がおすすめです。
また産褥体操をベッドの上で行い、腹筋を鍛えるのも効果的です。
②帝王切開では悪露が長引く?
悪露とは産後に出血が続くことです。
胎盤や卵膜がはがれたところや傷口から血液が出て粘液と混ざったもので、月経に似ています。
自然分娩では通常、産後から1か月程度続きますが、帝王切開の場合は長引く傾向にあります。
2か月程度なら心配ありませんが、あまりにも長引くようなら医師に相談しましょう。
③帝王切開では赤ちゃんにすぐ会える?
局所麻酔を使用した場合は、お母さんに意識があるので、赤ちゃんに問題がなければ出産してすぐ赤ちゃんに会えます。
全身麻酔を使用した場合には、お母さんの意識が戻ってから赤ちゃんに会えます。
手術が縫合まですべて完了し、赤ちゃんの心拍などの確認が終わってからは、赤ちゃんと触れ合うことができます。
赤ちゃんに会えるかどうかは、帝王切開、自然分娩関わらず赤ちゃんの状態によります。
また、病院によって考え方も異なるため、通院している病院で医師に聞いてみましょう。
まとめ:帝王切開はリスク軽減のために必要となることも!
ここまで帝王切開がどのような場合に必要になるのか、について解説してきましたが、いかがでしたか?
この記事のポイントは
- 帝王切開は、お母さんや赤ちゃんにリスクがある際に必要!
- 帝王切開には1時間程度かかる
- 帝王切開にはメリットもデメリットもある
- 帝王切開にかかる費用は約60万円
お母さんと赤ちゃんの安全のために、帝王切開での出産になることもあるので、心の準備をしておきましょう。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
これから赤ちゃんをむかえる方は、自然分娩で出産できるのか、帝王切開が必要になるのか不安に思うでしょう。
出産はほとんどが自然分娩で行われ、帝王切開は稀なケースだと考える方もいらっしゃると思います。
しかし、現在日本では出産の約25%が帝王切開での出産です。
高齢出産が増加しリスクの高い出産が増えたことや、医療技術の進歩により帝王切開の危険性が減ったことで帝王切開の件数は増加しています。
帝王切開は今や珍しいものではありません。
自然分娩を予定されている方も帝王切開になる場合に備えて準備をするべきではないでしょうか?
そこで、この記事では
- どんな場合に帝王切開が必要になるのか
- 実際に帝王切開をするときの流れ
- 帝王切開にかかるコスト
- 入院する際に役立つアイテム
について解説します。この記事を読んでいただけたら、帝王切開への不安を少しでも減らすことができると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
ほけんROOMでは他にも保険や妊娠・出産に関する記事が数多くあるので興味のある方はぜひご覧ください。