更新日:2021/12/01
医療保険のがん特約とは?がん保険との違いやどっちがおすすめか解説
医療保険のがん特約とがん保険のどっちを選ぶべきか、迷う方は多いのではないでしょうか。両者のメリット・デメリットをふまえたうえで、自分に合った保険を選択する必要があります。医療保険のがん特約とがん保険の違いや特徴について、様々な観点から詳しく解説します。
内容をまとめると
- 医療保険のがん特約とがん保険には、保障対象や内容、保険料などに違いがある
- それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらがよいかは特徴に合わせた判断が必要
- 診断給付金の条件がよく、特約が付加できる終身タイプがおすすめ
- どちらに加入すべきか迷ったら、保険のプロに相談するとよい
- マネーキャリアでは保険のプロに無料オンライン相談できる
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 医療保険のがん特約とは?
- 医療保険のがん特約とがん保険の違いを比較
- 医療保険のがん特約の3つの特徴を解説
- 特徴①:医療保険の契約だけで済むため管理や把握がしやすい
- 特徴②:がん保険より保障内容の選択肢は少ない
- 特徴③:医療保険の解約と同時にがん特約も解約される
- がん保険の3つの特徴を解説
- 特徴①:医療保険のがん特約より保障内容が充実している
- 特徴②:入院給付金の支払日数に上限がないものが多い
- 特徴③:がん保険だけではがん以外の病気やケガに備えられない
- 医療保険のがん特約とがん保険はどっちが自分に向いている?
- 医療保険のがん特約がおすすめの人
- がん保険がおすすめの人
- 医療保険のがん特約とがん保険のどっちにするか迷ったら保険のプロに相談しよう
- 医療保険のがん特約やがん保険の必要性
- 医療保険のがん特約やがん保険を選ぶときのポイント
- 医療保険とがん保険に両方加入する場合は保障内容が重複しないよう注意
- 参考:医療保険とがん保険はどっちの方が加入率が高い?
- 医療保険のがん特約とがん保険の違いや特徴に関するまとめ
目次
医療保険のがん特約とは?
医療保険の「がん特約」とは、がんに対する保障を上乗せで保障するものです。
医療保険のなかには、基本保障に加えて「がん特約」をプラスできる商品があります。
医療保険は病気やケガによる入院・手術などを広くカバーするもので、がんも同じように保障を受けられます。
ただし、日本人の2人に1人(※)が一生のうちにかかる病気といわれ、経済的な負担が大きくなりがちな「がん」については、より手厚い保障を備えておきたい、と考える方は多いのではないでしょうか(※国立研究開発法人国立がん研究センター「がん統計」)。
医療保険のがん特約を付加することで、まとまった診断一時金を受け取れたり、がんによる通院に対する給付金を受け取れたりします。
この記事では、医療保険のがん特約について、詳しく解説していきます。
医療保険のがん特約とがん保険の違いを比較
がんに対する保険には、「がん保険」があります。
がんに対する保障をしっかり備えておきたい、と考えるとき、「医療保険のがん特約」と「がん保険」のどちらを選ぶべきか、迷う方は多いのではないでしょうか。
医療保険のがん特約とがん保険の主な違いを、以下にまとめました。
医療保険のがん特約 | がん保険 | |
---|---|---|
保障対象 | 病気やケガ&がん | がんのみ |
入院給付金 | がんを含む幅広い病気・ケガが対象 支払い限度日数の上限がある | がん入院に限る 支払い限度日数の上限はない |
がん診断給付金 | がん保険より少ないケースが多い | まとまった金額を受け取れる |
先進医療特約 | 先進医療を対象とするには特約の付加が必要 | がんの先進医療を保障 |
まず、大きな違いとしては、保障対象が挙げられます。
- 医療保険のがん特約:がん以外の病気やケガも対象
- がん保険:がんのみに特化
医療保険では、がんに限らず幅広い病気に対応できる一方、入院給付金には60日・120日・180日などの上限が設けられているケースが目立ちます。
もし長期の入院が必要となった場合は、限度日数を超えた分の保障は受けられません。
また、医師からがんと診断確定されたときに受け取れる「がん診断給付金」の金額も、がん保険と比較すると少額になる傾向があります。
医療保険のがん特約の3つの特徴を解説
医療保険のがん特約を検討するときは、そのメリット・デメリットについてしっかり押さえておきたいですよね。
医療保険のがん特約には、主に以下のような特徴があります。
- 特徴①:医療保険の契約だけで済むため管理や把握がしやすい
- 特徴②:がん保険より保障内容の選択肢は少ない
- 特徴③:医療保険の解約と同時にがん特約も解約される
それぞれの特徴について、詳しく解説します。
特徴①:医療保険の契約だけで済むため管理や把握がしやすい
医療保険のがん特約の1つ目の特徴は、「医療保険の契約だけで済むため管理や把握がしやすい」ことです。
医療保険とがん保険の両方に加入した場合、契約が2本になるため、さまざまな手間も増えてしまいます。
たとえば、医療保険ではがんを含めた病気に対する保障を備えているため、保障内容ががん保険と重複することがあります。
医療保険・がん保険の両方に加入する場合、それぞれの保険の保障内容について、しっかりと把握しておく必要があるでしょう。
また、契約が異なれば、給付金の申請手続きや契約変更手続きの際にも二重の手間がかかります。
一方、医療保険のがん特約であれば、主契約に特約をプラスするだけなので、新たに契約を増やさずに済みます。
シンプルに契約を管理・把握でき、あらゆる手続きもスムーズになる点は、医療保険のがん特約のメリットといえます。
特徴②:がん保険より保障内容の選択肢は少ない
2つ目の特徴は、「がん保険より保障内容の選択肢は少ない」ことです。
がん保険はがんに対する保障に特化しているぶん、保障内容や各種給付金の額を細かく設定できる商品がたくさんあります。
一方、医療保険のがん特約では、がんに対する保障が固定されがちです。
たとえば、がんと診断確定されたときに受け取れる「診断給付金」の金額を自由に選択できない・設定自体がない、などのケースが挙げられます。
また、抗がん剤治療などの特約を付加できないケースもあります。
保障内容や給付金の額を自由にカスタマイズしたい、という方にとっては、医療保険のがん特約は少し窮屈に感じてしまうかもしれません。
特徴③:医療保険の解約と同時にがん特約も解約される
医療保険のがん特約の特徴として押さえておきたいポイントの3つ目は、「医療保険の解約と同時にがん特約も解約される」ことです。
ライフステージごとに医療保険を見直していきたい、と考える方も多いかと思います。
そのなかで、ほかの医療保険商品への切り替えを検討することもあるでしょう。
もし医療保険を解約する場合、主契約である医療保険の解約にともなってがんに対する保障も終了するため、注意が必要です。
場合によっては、がん保険への加入を新たに検討しなければならないケースも出てきます。
将来的に医療保険を解約する可能性がある場合は、がん特約についても考慮する必要があることを覚えておくべきでしょう。
がん保険の3つの特徴を解説
医療保険のがん特約を調べるうちに、がん保険も気になってきた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、がん保険のメリット・デメリットとなる次の3点の特徴をご紹介します。
- 特徴①:医療保険のがん特約より保障内容が充実している
- 特徴②:入院給付金の支払日数に上限がないものが多い
- 特徴③:がん保険だけではがん以外の病気やケガに備えられない
がん保険を検討する際や、医療保険のがん特約と比較するときの参考にしてください。
特徴①:医療保険のがん特約より保障内容が充実している
がん保険の特徴の1つ目は、「医療保険のがん特約より保障内容が充実している」ことが挙げられます。
がん保険はがんに特化していることから、全体的に保障内容が充実しています。
たとえば「がん診断給付金」については、初期がんである「上皮内新生物」も保障の対象とする商品が多くあります。
がん治療を目的とする入院・通院・手術に対する給付金のほか、休職による収入減少に備えるタイプや、女性特有のがんを手厚くサポートするタイプなどのがん保険もあります。
また、特約を活用することで、先進医療や抗がん剤治療・放射線治療などに対する備えも用意できます。
あくまでも「特約」となる医療保険のがん特約に比べ、ニーズに合わせた手厚い保障をじゅうぶんに備えられる点は、がん保険の大きなメリットといえます。
特徴②:入院給付金の支払日数に上限がないものが多い
がん保険の特徴の2つ目は、「入院給付金の支払日数に上限がないものが多い」ことです。
医療保険の入院給付金には、基本的に60日・120日・180日などの支払限度日数が設けられています。
もし、がん治療で入院が長期化してしまったとしても、限度日数を超えた場合、保障は打ち切りとなってしまいます。
一方のがん保険でも、がん治療のために入院したとき、加入時に決めた入院日額に入院日数をかけた「がん入院給付金」が支払われます。
がん保険については、入院日数は基本的に無制限であることに加え、入院初日から保障対象となる商品が一般的です。
がんの治療に特化していることから、より手厚い保障が受けられるのです。
特徴③:がん保険だけではがん以外の病気やケガに備えられない
がん保険の特徴の3つ目は、「がん保険だけではがん以外の病気やケガに備えられない」ことが挙げられます。
がん保険とはその名のとおり「がん」に特化した保険であることから、そのほかの病気やケガのリスクに備えることはできません。
たとえば、日本人の死因の上位を占める「三大疾病」には、がんのほかに心疾患と脳血管疾患が挙げられますが、心疾患や脳血管疾患による入院の場合、がん保険で給付金を受け取ることはできません。
がん保険は、あくまでも「がん」に備えるための保険です。
幅広く病気のリスクに備えるためには、「医療保険」に加入することが重要になります。
医療保険のがん特約とがん保険はどっちが自分に向いている?
ここまで医療保険のがん特約とがん保険について解説してきましたが、「自分にはどっちが向いているのだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、医療保険のがん特約とがん保険で迷っている方に向けて、
- 医療保険のがん特約がおすすめの人
- がん保険がおすすめの人
ぜひ、自分に最適な保険を選ぶための参考にしてください。
医療保険のがん特約がおすすめの人
「医療保険のがん特約」がおすすめなのは、
- がん・その他の病気やケガに対する保障を同時に備えたい人
- 保険料を抑えたい人
がんは日本人にとって身近な病気のひとつといえますが、もちろんその他の病気にかかったり、ケガをしてしまったりするリスクも存在します。
がんを含めたさまざまな病気やケガのリスクに対して1つの契約で同時に備えられることは、医療保険のがん特約の大きな魅力です。
契約を1本にまとめることで管理がしやすくなるだけでなく、給付金の申請などの各種手続きもスムーズにおこなえます。
また、医療保険とがん保険を別々で契約するよりも、保険料を抑えやすいというメリットもあります。
手頃な保険料でがんのリスクにも備えたい、という方には、医療保険のがん特約がおすすめです。
がん保険がおすすめの人
一方、「がん保険」がおすすめなのは、
- がんに対して手厚い保障を備えたい人
- 身内にがん罹患者がいる人
がんは、年齢を重ねるほどその罹患率が高まる傾向があります。
身内にがん罹患者がいる場合は、特にがんに対する不安が大きくなりますよね。
がんに対してじゅうぶんに保障を備えておきたいという方には、がん保険がおすすめです。
がん治療のなかには、
- 陽子線治療
- 重粒子線治療
こうした先進医療にかかる技術料は公的医療保険の対象外となるため、全額自己負担(10割負担)です。
じゅうぶんな貯蓄がない場合、経済的な理由から、希望する治療方法を選択できないケースも考えられます。
その点、がん保険は経済面での負担を軽減できるため、がんに対して手厚い保障を備えたい方に向いています。
医療保険のがん特約とがん保険のどっちにするか迷ったら保険のプロに相談しよう
医療保険のがん特約・がん保険にはそれぞれの魅力があるため、どちらを選択すべきか決めかねてしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
将来に関わる可能性があることなので、その判断はとても難しいですよね。
ご自身の状況に合わせた最適な保険選びに迷ってしまったときは、保険のプロに相談してみましょう。
マネーキャリアであれば、保険の専門家に無料相談できます。
経験豊富なプロが、ご事情に合わせてアドバイスいたします。
オンライン相談に対応しているため、ご自宅など落ち着いた環境で保険のお悩みを相談できますよ。
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医療保険のがん特約やがん保険の必要性
「がんに対する特別な備えは必要なのかな?」と疑問に感じる方もいらっしゃるもしれません。
ここでは、具体的な数字データをもとに、がんに備える必要性をみていきたいと思います。
高齢化の影響もあり、がんの罹患率は1985年以降、増加を続けています(国立研究開発法人国立がん研究センター「がん統計」年次推移より)。
2018年に新たにがんと診断された数は、次のとおりです。
総数 | 98万856例 |
---|---|
男性 | 55万8,874例 |
女性 | 42万1,964例 |
(出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「最新がん統計」※総数には性別不詳も含む)
また、同統計によると、2018年時点における「日本人が一生のうちにがんと診断と受ける確率」は、次のように2人に1人の割合となっています。
男性 | 女性 |
---|---|
65.0% | 50.2% |
これらの数字から、がんは日本人にとって珍しい病気ではないことがわかります。
もしがんになってしまったとき、経済的な負担を減らす役割を果たすのが、医療保険のがん特約やがん保険です。
がん治療に対する研究は日々進んでいることから、今後新しい治療法が現れる可能性もあるでしょう。
しかし、たとえば高度な医療技術を用いた「先進医療」などは基本的に公的医療保険の対象にならず、全額自己負担となります。
医療保険のがん特約やがん保険を活用することで、経済面の負担を軽減し、治療の選択肢を広げられる可能性があります。
医療保険のがん特約やがん保険を選ぶときのポイント
医療保険のがん特約やがん保険は、次のポイントを押さえたものを選ぶことがおすすめです。
- 診断確定のみで診断給付金が出る
- 診断給付金支給の回数制限がない
- 終身タイプ
- 先進医療保障がある
- 女性特有のがんの保障がある(女性のみ)
診断給付金について、商品によっては「がんの治療にかかる入院」などが受け取りの条件となっているケースもあります。
医師による診断確定のみで診断給付金を受け取れる商品を選ぶことがおすすめです。
また、給付金の支給回数も、商品によって違いがあります。
回数制限がないタイプのものを選んでおくと安心でしょう。
また、終身タイプは、保険期間の定めがなく、一生涯保険料が変わらないため、将来に向けてがんに対する保障を備えたい方におすすめです。
基本的に技術料が全額自己負担となる「先進医療」に対する保障があると、高額な費用の負担を軽減できます。
また、女性の場合、女性特有の乳がん・子宮がん・卵巣がんへの保障をさらに手厚くした女性特約や女性向けがん保険を検討すると安心でしょう。
医療保険とがん保険に両方加入する場合は保障内容が重複しないよう注意
医療保険とがん保険の特徴を考慮した結果、その両方に加入するケースもありますよね。
- 医療保険のがん特約とがん保険
- 先進医療特約
- 女性疾病特約
参考:医療保険とがん保険はどっちの方が加入率が高い?
幅広い病気に備えられる医療保険と、がんに特化して備えられるがん保険。
世間一般の傾向として、医療保険とがん保険では、どちらの方が加入率が高いのでしょうか。
公益財団法人2018(平成30)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、それぞれの加入率は、次のとおりです。
医療保険 医療特約 | がん保険 がん特約 | |
---|---|---|
世帯 | 88.5% | 62.8% |
世帯主 | 82.5% | 55.3% |
配偶者 | 68.2% | 43.5% |
いずれの世帯員についても、医療保険・医療特約の加入率のほうが高い傾向にあります。
約9割の世帯が、なんらかの医療保険・医療特約に加入していることがわかります。
ただし、同調査の平成18年のがん保険・がん特約の加入率は
- 世帯:56.4%
- 世帯主:50.4%
- 配偶者:32.3%
それぞれの保険の特徴をふまえ、状況に合わせて必要な保障を用意しておきたいですね。
医療保険のがん特約とがん保険の違いや特徴に関するまとめ
今回は、医療保険のがん特約とがん保険の違いや特徴についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
両者には保障対象や保障内容、保険料、プラン設計の自由度などに違いがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらが自分に合っているのか、状況に合わせて判断することが大切です。
とはいっても、どっちを選ぶべきか、その判断に悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
また、両方に加入する場合、重複を避けて保障内容を検討することはなかなか大変です。
がんリスクへの備え方に迷ったときは、保険のプロにアドバイスをもらいましょう。
マネーキャリアでは、専門性の高い相談員が、保険のお悩みに親身に対応します。
納得いくまで何度でも無料で相談できる点も、嬉しいポイントです。
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