地震保険の割引は重複することはできるの?割引制度について解説

免震建築物割引、耐震等級割引、耐震診断割引、建築年割引の4つがある地震保険の割引制度。実は、この割引制度は重複して使用することができません。そのため、最も割引の大きい割引制度を利用することが重要になります。ここでは地震保険の割引制度の重複を中心に解説します。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

地震保険の割引制度は重複して利用できるの?

あなたは地震保険の割引制度は重複して利用できるかどうか調べているでしょう。


地震保険料を安くする方法は、割引制度の重複利用ができなくてもあります。


実は、割引制度と重複して、保険料を安くする方法があるのです。


地震保険に加入するなら、保険料が一番お得になる契約をしたいですね。


この記事では

  • 地震保険の割引制度は重複して利用できない
  • 地震保険にお得に加入するポイント
  • 地震保険に加入するときの注意点

について解説します。


この記事を読めば地震保険にお得に加入する方法が分かります。


最後まで読んで下さい。

地震保険の割引制度は重複して利用できない

地震保険は国が制度を決めて、民間保険会社が運営する方法を採っています。


先ず、割引制度の重複利用の可否の解説の前に、地震保険の保険料の算出方法を見てみましょう。


建物が所在する都道府県と建物構造によって決まる1年間の基本の保険料、それから該当する割引率を乗じた金額を減じ、契約期間に応じた長期係数を乗じて算出されます。

地震保険料=1年間の基本の保険料(1-割引率)x契約年数x長期係数

地震保険料の割引制度も国が決めていますので、保険会社による違いはなく、重複して利用することはできません。


この項では割引制度について解説します。

最も保険料が安くなる割引を利用しよう

保険料の割引制度は4種類ありますが、割引制度は重複して利用できませんので、該当する中で一番割引率の大きいものを利用しましょう。


下表に割引制度とその内容、割引率を簡単にまとめました。

割引制度内容割引率
建築年割引昭和56年6月1日以降に新築された建物10%
耐震等級割引所定の耐震等級を有している建物耐震等級1は10%
耐震等級2は30%
耐震等級3は50%
免震建築物割引所定の免震建築物である場合50%
耐震診断割引所定の耐震基準を満たす建物10%

それぞれについてもう少し詳しく解説します。


建築年割引は、建築基準法が改正された昭和56年6月1日以降に新築された建物なら、保険料は一律10%割引されますので、これはありがたいですね。


耐震等級割引は、建物が

  • 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定する日本住宅性能表示基準に定められた耐震等級 (構造躯体の倒壊等防止) 
  • 国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級 (構造躯体の倒壊等防止) の評価指針」に定められた耐震等級

のどちらかを有している場合、10%~50%割引となります。


免震建築物割引は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「免震建築物」である場合に50%割引となります。


耐震診断割引は、建物が昭和56年5月31日以前に建てられたものでも、

  • 耐震診断により改正建築基準法の耐震基準
  • 耐震改修の結果、改正建築基準法の耐震基準

のどちらを満たす場合、10%の割引となります。


割引制度が重複利用できない理由は、耐震性は力学的性質ですから1つ満たせば他も満たしてしまい、重複利用を認めると制度をゆがめてしまうからと考えられます。


説明が重複しますが割引制度は重複して利用できませんので、割引率の大きい耐震等級が3級ないし2級であるか、免震建築物であるかをまず調べてみるのがよいでしょう。

割引制度を利用するためには書類が必要

地震保険料の割引制度を利用するには、地震保険の契約会社に建物が割引制度に該当することを証明する書類を提出しなければなりません。

その代表的なものを下表にまとめました。
割引制度主な必要書類発行者
建築年割引

建物登記簿謄本・建物登記済権利書

建築確認書

売買契約書

法務局
指定確認検査機関等
宅地建物取引業者
耐震等級割引建設住宅性能評価書
耐震性能評価書
登録住性能評価機関等
免震建築物割引住宅性能評価書
認定通知書
適合証明書
登録住性能評価機関等
指定確認検査機関等
適合証明検査機関等
耐震診断割引耐震基準適合証明書
住宅耐震改修証明書
登録住宅性能評価機関等

割引制度を利用するための提出書類はこのほかにもいろいろありますので、詳しくは保険会社に遠い合わせ下さい。


発行者に○○機関等とあるのは、国土交通大臣や都道府県知事の認定を受けた検査機関などのことです。


表を少し詳しく解説します。


建築年割引は、建物が昭和56年6月1日以降に建築されたものであれば、10%の割引が受けられるのはありがたいです。


耐震等級割引は、

  • 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
  • 「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に基づく耐震等級

のどちらかを有している建物の場合、10%から50%の割引が受けられます。


免震建築物割引は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく免震建築物である場合、50%の割引が受けられます。


耐震診断割引は、昭和56年5月31日以前に建築された建物であっても

  • 耐震診断により昭和56年6月1日改正の建築基準法における耐震基準
  • 耐震改修の結果、昭和56年6月1日改正の建築基準法における耐震基準

のどちらかを満たしていれば、10%の割引が受けられます。

地震保険にお得に加入するポイント

地震保険の割引制度は重複して利用できませんでしたが、地震保険にお得に加入する方法はそれ意外にもありますので、それらをここで解説します。

長期の契約にする

地震保険の契約期間は1年から5年までの中から任意に選択でき、そこから延長する場合は契約を更新することになります。


保険料は1年契約がもっとも高く、5年契約の一括払いがもっと安くなり、具体的には1年契約の保険料に契約期間に応じた長期係数を乗じて算出します。


たとえば、保険金額1,000万円、鉄骨造建物、東京で保障期間1年の場合の年間保険料は25,000円であり、そのときの1年契約と長期契約の違いを下表にしまします。

期間1年ごとの更新
(円)
長期係数長期契約
(円)
1年25,0001.00
2年50,0001.9047,500
3年75,0002.8070,000
4年100,0003.7092,500
5年125,0004.60115,000

1年契約を5回繰り返したときの保険料合計は125,000円、一方、5年契約のときの保険料は115,000円となり、8%の違いが生じます。

見積もりを出して比較する

地震保険に加入するときは、火災保険とセットで加入しなければなりません。


地震保険の保険料は会社によって異なることはありませんが、火災保険料は補償内容が同じであっても会社によって違います。


火災保険や地震保険に新規に加入するとき、更新するとき、見直しをするときは、複数の保険会社から両者セットにして、見積もりを取り寄せて比較することが重要です。


その際、地震保険料も火災保険料も建物構造によって大きな差があり、イ構造
(主として鉄骨・コンクリート造建物等)が安く、ロ構造
(主として木造建物等)が高くなります。


ここで重要なことは、木造構造でもイ構造になるものがありますので、住宅販売会社や住宅建設会社に問い合わせて見積もりにしっかり反映してもらいましょう。


また、無駄な特約を減らし、セットの保険料を安くすることも可能で、たとえば、火災保険の特約である水災、盗難等を除くと保険料が安くなります。 


 マンションや高台の家であれば水災を被る可能性は少ないでしょうし、セキュリティが万全なマンションや家であれば盗難の可能性も非常にすくないでしょう。

保険料だけではなく保険金も考える

地震保険は火災保険と比べると、保険料が高く感じられますが、保険料を安くするために保険金を下げるのは考えものです。


保険のお得感は、保険料が安いということだけではなく、被災したときの保険金額が多いということも重要です。


地震保険の保険金は、火災保険の保険金の50%~30%の範囲と決められています。ただし上限があります。


5,000万円の建物に、下限である火災保険の30%の地震保険をかけていたときは、5,000万円の建物全壊に1,500万円しか受け取ることができません。


また、家財は意外に大きな金額になり、1例として家財の標準的な金額を示すと、世帯主35歳の大人2人、子供1人の家族であれば1,000万円です。


仮に、1,000万円の家財に地震保険300万円をかけたとして、家財が一部損の10%以上30%未満の損壊の場合、保険金の5%である15万円が支払われるだけとなります。


家財の3割近くが損害しても支払われる保険金額が15万円では、保険に入っていた恩恵が感じられません。


地震保険の保険金は火災保険の最大半分までしかないのは納得しがたいところですが、地震保険の保険金では不足する費用を火災保険の特約で補償する方法もあります。


 たとえば、火災保険の特約に「地震火災費用特約」や「地震危険等上乗せ特約」などを付加する方法です。


地震保険の保険金を増やすために、複数の保険会社で地震保険に重複して加入することも考えられますが、残念ながら重複して地震保険に加入することはできません。


余談になりますが、火災保険も複数の保険会社に重複加入しても、受け取ることのできる保険金は実損額までとなりますので、重複加入のメリットはありません。


それらを考慮して地震保険の保険金の設定をしましょう。

地震保険に加入するときの注意点

地震保険に加入するときの注意点をいくつか解説します。

  1. 公的支援も考える。
  2. 建物は頑丈でも、家財の損害や津波による損害がありえる。
  3. 地震保険や火災保険に加入したときは、税控除申告を忘れずに。

まず、被災したときの公的支援として、「被災者生活再建支援制度」があり、最大300万円の支援金が受けられますので、保険金設定の際にはそれも考慮しておきましょう。


さらに、地震は建物に大きな損害がなくても家財に大きな損害が生じることはありますので、建物の耐震性だけで地震保険への加入の要否を判断しないことも大切です。


また、海岸に近い地域では遠くの地震であっても津波による被害を被る可能性がありますので、地震保険の加入を検討する価値があります。


最後に、地震保険料や火災保険料は確定申告で保険料控除が利用できますので、細かいですが保険料を考えるとき、その一部が還付されることも頭に入れておきましょう。




まとめ:地震保険の割引制度は重複して利用できない

地震保険の割引制度について解説しましたが、いかがでしたか。


この記事の要点は

地震保険の割引制度は重複して利用できない。

保証期間を長期契約すれば保険料は安くなる。

火災保険と地震保険をセットで見積もりを出して保険料を比較する

でした。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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