家財保険の保険金額はいくらにすればいいの?保険金設定を徹底解説!

家財保険の保険金額はいくらにすればいいのでしょうか。保険金額によって保険料も変わってくるので、設定金額も考えてしまいますよね。そこで今回の記事では、家財保険の基本的な仕組みと補償内容、そして家財保険の保険金額を設定する際に気を付けることを解説していきます。

家財保険の保険金額設定はいくらにすればいい?

災害によって、お家の家具が損傷したときに補償されるのが家財保険です。


保険を契約する際に、保険金額をいくらに設定すれば十分な補償を持てるのか気になりますよね。


保険金額を重視する理由としては、保険料の相場が変わってくることが最も大きいです。


家計の負担を左右しかねないので、無理なく支払いができる保険料を定める必要があります。


家財保険の保険金額は、いくらぐらいが目安なのでしょうか。


この記事では、「家財保険の基本的な補償内容と保険金額設定の決め方」について


  • 家財保険の補償内容
  • 保険金設定と相場
  • 家財保険の建物構造
  • 保険料を安く抑える方法
  • 高額な家財は明記物件とする

の5点を解説していきます。

記事を読んでいただければ、家財保険の保険金額を決めるときに役立つと思うので、ぜひ最後までご覧ください。



家財保険についておさらい!

家財保険と聞いても、どのようなものなのかあまりピンときていない人がいるでしょう。


まず、家財保険とはどのような内容なのかおさらいをしていきたいと思います。


「火災保険」と語呂が似ているので、間違えがちな部分でもありますが、両者は似て異なるものです。


以下では、家財保険について


  • 家財保険とは
  • 基本的な補償内容
  • 補償の対象
  • 賃貸の場合の家財保険の補償

の4点を解説していきますので、しっかりとお勉強して覚えておきましょう。

家財保険とは

家財保険とは、火災保険のなかの「家財」を対象とする保険です。    


災害で損傷するのは建物のイメージがありますが、災害の程度によっては家の中にある家財も壊れてしまう可能性があるのです。


その際、家財に対する補償は家財保険が支払われます。


なお、家財保険は建物に対する補償とは別個で契約をすることが定められています。


火災保険は、


  • 建物のみ
  • 家財のみ
  • 建物+家財

のいずれかの方法で契約をすることとされているので、家財の補償をする場合は「家財のみ」か「建物+家財」の内容で契約をします。

家財保険の基本的な補償内容

家財保険の基本的な補償内容は、下記のとおりです。


  • 火災、落雷、破裂、爆発
  • 風災、雹災、雪災
  • 水濡れ
  • 盗難
  • 水災
  • 破損、汚損

続いて、それぞれの補償内容を見ていきましょう。

火災、落雷、破裂、爆発


家の燃焼や災害による落雷、物の破裂、爆発は不測の事態に値します。

これらの影響で、家屋が燃えてしまったり、家財が使用できなくなった場合には保険金が支払われます。

確率としては、火災保険の補償内容の中でも一番起こりやすいと考えられます。

風災、雹災、雪災


台風による突風や雹、雪災は、地域ごとに発生率が異なりますが、災害の危険性がある地域は毎年のように起こり得る事態です。

このような、風災、雹災、雪災によって、窓ガラスや家具が破損した場合に保険金が支払われます。

水濡れ


マンションに住んでいると、上階から水漏れが起きる可能性があります。

たとえば、洗濯機や風呂の損傷によって、意図せず水漏れを発生させられてしまい、家財が濡れてしまう事態が想定されます。

このような場合に、保険金で補償されます。

盗難


家に置いている家財や現金の盗難被害に遭うと、受ける損害が大きいですよね。

万が一盗難被害に遭った際には、火災保険で補償がされます。

盗難は、一戸建てや共同住宅の一階で発生しやすいです。

水災


水災は、河川や海に近い場所で発生する確率が高いです。

大雨や洪水による床上浸水で、家財が壊れてしまった場合に補償されます。

破損、汚損


机を家電にぶつけたことによる家電の破損や、飲み物をパソコンにこぼして汚損させた場合、復旧するためのお金がかかります。

火災保険では、破損、汚損した場合にも補償が下りるので安心してください。

家財保険の補償対象

家財保険では、どのような家財が補償対象となるのでしょうか。

具体的な補償範囲は、

  • 電化製品(冷蔵庫、洗濯機、テレビなど)
  • 家具(洋服ダンス、ベッドなど) 
  • 服飾品(洋服、アクセサリー、バッグなど)
  • 文具品
  • 洗面道具
  • 食料品
  • 書籍、CD、DVD、レジャー用品など
  • 仏壇、ひな人形
  • 自転車(敷地内に停めているものに限る)

 です。 

補償の対象範囲が広く、家にあるもののなかで生活に必要な物品が対象に含まれます。

加えて、これらに共通している点は、建物内にある持ち運びが可能なものであることです。

家財保険では、持ち運びができるものは損傷を負った際に補償ができます。

評価額を算出するときに役立つため、補償となるものを理解しておきましょう。

参考:賃貸の場合の家財保険は3つの補償がセットになっている

賃貸の場合は、取り扱いが少し異なります。


建物の火災保険自体は大家さんが加入をするものの、家財についてはご自身で加入をしなければなりません。


なお、賃貸の家財保険は下記の3つの補償がセットになっています。


  • 家財の補償
  • 借家人賠償責任補償
  • 個人賠償責任補償

家財の補償はそのままの意味ですが、あとの2つは聞きなれない単語だと思うので、詳しくご説明します。

まず、借家人賠償責任補償とは、あなたの過失で自室を燃やしてしまった場合に大家さんへ賠償をすることです。

万が一、部屋を燃焼させた場合は、数千万単位の賠償額が生じるため、一人ですべての補償を賄うことが難しいと思います。

また、個人賠償責任保険は、あなたの過失によって賃貸の住人に被害を与えてしまった際の補償です。

たとえば、下の階へ水漏れをさせてしまった場合に補償が受けられます。

家財保険の保険金設定と保険金相場の目安について

ここまでは、家財保険の内容と補償範囲を中心に解説してきました。


これを踏まえると、保険金の目安を想像しやすくなると思いますが、そもそも保険金額の相場はどのぐらいなのか気になりますよね。


家財保険の保険金は、評価額を基準に相場を決めていきます。


この評価額とは、


  • 再調達価格(新価)
  • 時価

の2種類あります。

さらに、評価額を決める方法として

  • 積算評価
  • 簡易評価

の2種類があり、それぞれ保険金額を決める大切な指標となります。

家財保険においては、評価額を再調達価格(新価)で定め、これを決める方法は簡易評価を用います。

それぞれどのような意味を持つのでしょうか。

下記で、再調達価格(新価)と簡易評価について詳しく説明をしていきます。

家財評価額は再調達価格(新価)を基準にする

家財評価額は、再調達価格(新価)を基準とします。


再調達価格(新価)とは、家の中の家財を現在の価格で新調すると考えた際に、必要になる金額のことです。


すでに使用している家財のなかには、購入当時と現在の金額が異なるものもあるでしょう。


これを現在の価格で考えると、家財の修理、購入時に必要な損害賠償額を得られることとなります。


再調達価格(新価)の対義語として、時価があります。


これは、家財の保険金請求時の価値を意味するので、現在の状態がそのまま保険金額の参考となる方法です。


時価で評価額を決めてしまうと、必要とされる損害賠償額で補てんすることが難しいので、火災保険を有効に活用することができなくなってしまいます。

家財評価額の目安として簡易評価法が用いられる

家財評価額の目安として用いられるのは、簡易評価法です。


これは、


  • 世帯主の年齢
  • 家族構成(人数)
  • 敷地面積

に基づいて、保険会社が金額を算出します。

下記では、損保ジャパンの簡易評価表を参考例としてご紹介します。

2名

大人のみ
3名
 大人2名

子ども1名 
4名

大人2名

子ども2名
5名

大人2名

子ども3名
独身世帯
25歳前後490万円580万円670万円760万円300万円
30歳前後700万円 790万円880万円970万円300万円
35歳前後920万円1,000万円1,090万円1,180万円300万円
40歳前後1,130万円1,220万円1,310万円1,390万円300万円
45歳前後1,340万円1,430万円1,520万円1,610万円300万円
50歳前後1,550万円1,640万円1,730万円1,820万円300万円

(縦列:家族構成/横行:世帯主の年齢)


上記の簡易評価表に当てはめて、評価額を決定していきます。

家財保険の保険料が大きく左右する建物構造

家財保険の保険料は、建物構造によって大きく異なります。


建物構造は、構造級別によって3つに区分されており、建物の柱に使われている材料によって種別が決まります。


つまり、どの建築方法で造られているかによって、保険料が変化するのです。


一般的には、燃焼しやすい材料が用いられていれば保険金を支払うリスクが高いため、保険料が高いことが予想されますよね。


下記では、保険料を左右する建物構造について詳しく説明していきます。

H構造

H構造に該当するものは、


  • 一般的な木造住宅
  • 耐火構造、マンション構造に該当しないもの

が含まれます。

木造住宅は、災害発生時に損害を負いやすいことから、他の構造よりも保険料が高く設定されています。

後ほどご説明するM構造とは、保険料が4倍近く差が出ることもあるのです。

木造住宅は日本古来の住宅形式で、和の雰囲気が人気を博しています。

しかし、災害が起こると損害を受けるリスクが大きいため、保険料が高くなることも併せて覚えておく必要があります。

T構造

T構造に該当するものは、


  • 一戸建て(コンクリート造、鉄骨造)
  • 準耐火建築物
  • 省令準耐火構造

です。

基本的に、コンクリートと鉄骨で造られている一戸建てであれば、T構造に分類されることを覚えておきましょう。

T構造は、コンクリートなどの燃えにくい材料で造られているため、燃焼しても燃えにくいとされています。

そのため、同じ一戸建ての木造住宅よりも保険料が低くなります。

ただし、木造住宅であっても省令準耐火構造であればT構造とみなされるため、保険料を抑えることができます。

M構造

M構造に該当するものは、


  • マンション、共同住宅(鉄筋コンクリート造)
  • 耐火建築物の共同住宅

です。

基本的に、共同住宅タイプの建築物はM構造に分類されます。

M構造は、他の2つの構造と比較すると一番保険料が安く設定されています。

これは、材料に鉄筋コンクリートと耐火建築物が使われているため、燃焼のリスクが低いとみなされているからです。

万が一家が燃えてしまっても、被害が広がりにくい建築物なので、保険料は低く抑えらえます。

参考①:家財保険の保険料を安く抑える方法

ここまで、建物構造によって保険料が異なることを説明させていただきました。


保険料を安く抑えるのであれば、鉄骨、コンクリートで造られた建築物に住むことが効果的であるとご理解いただけたでしょう。


これを踏まえて、ご参考までに家財保険の保険料については、どのように安く抑えるのかをご紹介します。


以下では、


  • 不要な補償を外す
  • 保険金を適切な金額で設定する

の2点をポイントとして挙げていくので、しっかりお勉強しておきましょう。

不要な補償を外す

家財保険は補償内容をカスタマイズできるため、不要な補償を外すと保険料を安く抑えることが可能です。


不動産会社に相談に行くと、家財保険商品に多くの補償を付けたプランを提案されることが多いと思います。


しかし、実際には居住地によって不要となる補償も含まれているため、必要なもののみを組み合わせた方がより適した内容となります。


たとえば、河川の近くに住んでいなければ水災のリスクが少ないため、補償も必要なくなりますよね。


このように、不要な補償を外すことで保険料を最低限に抑えられます。

適切に保険金を設定する

また、支払われる保険金額を適切に設定することも大切です。


保険金額を決める際に、補てんされる金額よりも上回って設定をする人がいると思います。


万が一のことを考えると、金額が不足してしまって十分な補償を受けられなくなったら嫌ですよね。


しかし、家財額を大幅に上回る設定をした場合でも、保険金が支払われるのは家財額までとされます。


そのため、上回った分は損をすることになりますし、保険料も多く払いすぎていることになるのでお金が無駄になってしまいます。

参考②高額な家財は明記物件として保険会社に申請しよう

家財保険の契約をしていても、高額な家財は「明記物件」として保険会社に申請をする必要があります。


これをしないことで、補償内容を制限されるか、補償の対象外となってしまうのです。


「明記物件」に該当するものは、下記のとおりです。


  • 貴金属、美術品、宝石、骨董品(いずれも30万円以上のもの)
  • 本などの原稿、設計書、図案、証書、帳簿など

なお、原稿などの書類は、保険会社によっては引き受けができない場合もあるのでご注意ください。

このような明記物件を申告するには、内容の確認書類を提出することになります。

具体的には、鑑定書や領収書が必要なので、申請前に用意をしておきましょう。

また、保険会社によっては明記物件を設定しないで補償額の上限を設けていることもあるので、事前に確認をしておくとスムーズに進みます。

まとめ:家財保険の保険金額は適切に設定しよう

家財保険の基本的な補償内容と保険金額設定の決め方について解説してきましたが、いかがでしたか。


今回の記事のポイントは、


  • 家財保険は、火災や水災、風災などで対象の家財が損傷を負った場合に補償を受けられる
  • 家財保険の保険金額は、簡易評価表をもとにした再調達価格(新価)で算出される
  • 保険料を安く抑えるには、不要な補償を外したり、保険金額の設定を適切にする方法がある

の3点です。

保険金額が過剰に上回ってしまうと、高すぎる保険料を支払わなくてはならないため適切ではありません。

家財が十分に補償される金額を把握して、過不足なく設定することを心がけましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

ランキング

  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  • 火災保険には入るべきか?加入率から見る必要性と未加入リスクを解説
  • 火災保険の加入は必要?火災保険の必要性と必要な特約を解説
  • 火災保険の見積もり・契約(加入)時の必要書類って?
  • 【料率改定】2021年に火災保険が再度値上げ!保険料の節約術とは?
  • 火災保険料の相場は?保険料の仕組みと保険料を抑える方法も解説
  • 賃貸住宅・賃貸アパートの火災保険の選び方とは?手順と注意点を解説
  • 雪害・雪災に火災保険が使える!保険金が支払われる条件とは?
  • 自然災害のために火災保険は必要!補償範囲を確認しよう!
  • 【必読】住宅が土砂崩れ被害にあった!火災保険は適用される?
  • 台風被害は火災保険で補償される? 対象範囲と請求のポイントを解説
  • 火災保険の風災・雪災・雹災補償の適用範囲は?ケースごとに解説!
  • 火山の噴火による家の被害は火災保険・地震保険で補償される?
  • 落雷による被害は火災保険で補償される?補償範囲と請求方法を紹介
  • 液状化・地盤沈下による家の傾きは火災保険・地震保険で補償される?
  • 津波の被害は火災保険で補償されない!地震保険の加入が必要!
  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  •