火災保険で物置・ブロック塀・門・車庫の破損は補償されるの?

火災保険で物置・ブロック塀・門・車庫の破損は補償されるの?-サムネイル画像

火災保険で物置・塀・門・車庫の破損が補償されます。台風(風災)や他人の車によって物置やブロック塀が倒れた場合、物置・ブロック塀・門・車庫などの建物を補償対象にして火災保険に加入しておくと安心です。今回は、火災保険の補償対象に加え、物置・ブロック塀・門・車庫が破損した時に役立つ特約について解説します。

火災保険で物置・塀・門・車庫の破損は補償される?

近年、日本では、大きな被害を及ぼす台風が目立っています。

特に台風は夏場に発生し年間で約5〜6件上陸しています。

最近では2019年に発生した台風19号”令和元年房総半島台風”によって多大なる被害が出たのも記憶に新しいですよね。

被害総額はなんと505億円、住宅被害は千葉県の中でも7万棟を超えました。


もし台風(風災)によって物置やブロック塀・門・車庫が倒れたり壊れたり場合には火災保険の補償対象になると思いますか?

また他人の車によって物置やブロック塀・門・車庫が倒される場合も火災保険の補償対象になるのでしょうか?

逆に自分自身が他人に損害を与えてしまう場合もありますよね。


結論からお話ししますと、万が一台風や他人によって物置やブロック塀などが損害を受けた場合は、火災保険の補償対象になります。


今回は

  • 火災保険での物置、塀、門や車庫の補償内容
  • 役立つ特約の紹介
  • 保険金の請求方法
をポイントにまとめていきます。


この記事を読めばもし台風などで物置や塀に損害を受けても焦らずに対処できるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

火災保険で物置・塀・門・車庫の損害は補償される

火災保険で建物を対象に加入していると物置やブロック塀・門・車庫も補償対象となります。

ですがこれらが敷地内にあることが前提です。


また物置や車庫の延べ面積にも規定のサイズがありますので注意が必要です。

これは保険会社によって違いがあり、規定以上ですと追加で特約を選択する必要があります。


一般的に火災保険で建物を補償対象にしている場合は、物置や門なども補償対象になっていますが、ご自身で含むか含まないかは選択可能です。

もし忘れてしまったり分からない場合は保険会社に直接確認すると良いでしょう。

家財のみを補償対象にしている場合はもちろん補償対象にはなりませんので気をつけてください。

火災保険の補償対象は建物+家財

火災保険の対象は基本的に二種類にわかれています。

それは建物と家財に分けられており。加入内容はご自身で決められます。

住居が持ち家なのか?賃貸なのか?など条件が人それぞれですのでご自身にあった火災保険を選びましょう。


  • 建物のみを補償対象にする場合
  • 家財のみを補償対象にする場合
  • 建物と家財のみを補償対象にする場合

建物とは、建物自体とエアコンやビルトインタイプのクッキングヒーターなどの移動の難しい電化製品のことをさします。

建物には、今回お話する敷地内にある物置・ブロック塀・門・車庫が含まれます。


しかし、物置の延床面積が66㎡以上の場合、「屋外明記物件特約」をセットしていれば補償対象となる保険会社もあります。 


家財とは、建物内に冷蔵庫やテレビ、パソコンなどのある動かせる電化製品、衣類などがあります。

おすすめなのは建物と家財のどちらにも加入することです。

どちらも加入していれば台風などで物置が破損し中に入っているものも損害を受けた場合にどちらも補償対象となります。


他にもカーポート、フェンスこれらも敷地内に設置しているので被害を受けた場合、建物の補償対象となります。

しかし、カーポートは購入から年月が経ちすぎると補償が受けられない場合もありますので、注意が必要です。


また風災による被害を受け修理費用が20万円以上でないと保険がおりないという決まりもあります。

参考:火災保険の契約後に物置・塀・門・車庫を作った場合

注意していただきたいのは、火災保険加入後に新規で建てたものに関しては補償対象外になります!

もし火災保険契約後に物置・塀・門・車庫を作った場合には保険会社に相談しましょう。

契約時に決定した建物評価額とは違うので、新しく建てた分の補償を追加する必要があります。

また逆に物置などを撤去した場合はその分の保証を減らすと支払う保険料は安くなり

ます。

リフォームをした場合も一度保険会社に見直してもらうといいですよ。


火災保険などの保険は基本的に長期の契約になります。

被害を受けてから変更はできませんので注意をしてください。

現在と過去の状況が変わってしまうことは十分に考えられますので定期的に見直しをすると良いでしょう。

注意:地震による物置・塀・門・車庫の破損は補償対象外

地震が起きて物置・塀・門が破損してしまうことはよく考えられますよね。


この場合でも火災保険で補償対象になる。と思われがちですが、なんと補償対象外になってしまいます!


その理由は地震保険は建物の主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)が補償対象であって、

物置・塀・門などは主要構造部分ではないからです。


主要構造部とは、建築基準法施行令第1条第3号に記載のある構造耐力上で主要な部分のことを表しています。

なので物置や塀は、あくまでも主要部分の付属物として扱われます。

もし建物には損害がなく物置や塀などが損害が受けた場合には保険金が支払われません。

なかなか厳しい条件ですね。

地震保険の補償対象はあくまでも主要構造部とは、メインとなる建物ということは覚えておきましょう。


また被害を受けても経年劣化により被害が大きくなることが判明した場合も補償対象外となってしまいます。

なので、物置やカーポートなどは定期的に状態を確認したほうがいいでしょう。

なおカーポート下に車があり車が損害を受けた場合も火災保険の補償対象外となるので気をましょう。

火災保険で物置・塀・門・車庫の破損を補償した例

台風で物置が被害にあってしまった場合

もし台風によって物置が転倒してしまった時に補償されるのにはクリアしておくポイントがあります。

それは転倒防止工事をちゃんと施しているかということです。

転倒防止工事は補償を受けるときに必須となります。


また業者やメーカーに「設置が甘かったせいで倒れた。」などクレームを入れても無駄なこともお伝えして起きます。

それは台風などの自然災害による被害は免責事項となっているのが理由です。

いくら転倒防止工事をしていても業者などは補償してくれません。


台風でブロック塀が被害にあってしまった場合

台風では頑丈なブロック塀でさえもなぎ倒してしまう威力があります。

もし被害を受けてしまい修理をする場合に保険金を受け取るには、修理費用が20万円以上でなければいけません。

また免責額がある場合にはその額を引いた金額が支払われます。

例えば修理費が25万円で免責費金額が5万円だと20万円が支払われるということになります。

物置・塀・門・車庫の破損で火災保険の保険金はいくらおりる?



火災保険で物置・塀などが被害を受けた場合に支払われる保険金は建物評価額で決まります。

建物評価額は新築か中古なのか条件によって変わってきます。


新築の場合は建物の評価額=消費税額÷消費税率(0.08)で求めます。

中古の場合は建築年と建築価額がわかる場合はその数字に基づいて求めます。


建物評価額をちゃんと算出することで保険金の誤算を防げます。

また主に算出は保険会社が担当してくれます。


もし物置の評価額が30万円の場合には保険金額は同じ30万円となります。

基本的に火災保険は評価額によって定められるため。

この場合には30万円までの修理費が保険金で賄えるということです。


次に評価額が30万円の車庫が被害を受けたとします。

保険金の上限は30万円ですが免責額が5万円あったとすれば5万円は自己負担になるので、受け取れる保険金は25万円までとなります。

もし修理費が30万円以上の場合は自己負担の額が増えるということになります。

*免責金額は火災保険契約時にご自身で定められているものです。

覚えていない方は保険会社に問い合わせをして確認できます。

他人に物置・塀・門・車庫が壊された場合でも保険金がもらえる

被害を受けるのは天災によるものだけではありません。


例えば他人の車が塀に突入してきたり、門が壊されたりしてしまう場合もありますよね。

この場合にも保険金が支払われます。基本的にこの場合は自分の保険ではなく相手に損害賠償を請求することができます。


自動車で衝突された場合は相手の自動車保険から保険金を受け取ることができます。

その自動車保険のついて詳しく書かれた記事もご紹介しておきます。


もし加害者の相手がわからない、逃亡された当て逃げされた場合は火災保険の物体の落下・飛来・衝突の補償で保険金を受け取ることができます。

また相手に賠償能力がない場合もこのような対応をします。


そして相手から賠償金を受け取っている間に自分の火災保険で保険金を受け取ることは不可能なので注意してください。

他人の物置・塀・門・車庫を破損させた場合のおすすめ特約とは

もちろん被害を受けるだけではなく、ご自身が被害を加えてしまう場合だってあります。 
その場合にはどのようにすればいいでしょうか、そのようなときにオススメの特約をご紹介します。

個人賠償責任特約

個人賠償責任特約は、契約者自身やその家族の方が他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊してしまった時に備える保険です。

ですが自然災害によってケガを負わせてしまった場合は損害賠償責任は負いません。

ただ管理が不十分であった場合は個人損害賠償責任保険で補償を受けられます。



付属建物等一時金支払特約

付属建物等一時金支払特約とは、物置や塀などの付属建物等が、補償対象となる事故により損害を受けた時のみ役立つ特約です。
その損害の額が5万円以上となった場合に、1回の事故につき定額5万の円を付属建物等一時金として支払われるという内容です。 
保険会社によっては条件を満たしていればこの特約つけることができます。

物置・塀・門・車庫が破損した!火災保険の保険金請求方法とは

では被害を受けた場合に火災保険金請求までの流れを解説して行きます。

  1.  保険会社に連絡します。 
  2. 保険会社から必要書類が送付されます。

  3. 必要書類を記入し保険会社へ提出。 
  4. 保険会社による鑑定人の調査が行われます。 
  5. 保険金の審査が終了しましたら保険金が支払われます。 
注意したいのが保険金の請求期限です。 
こちらは保険法により保険金請求の時効は3年と定められています。 

損害を受けてから時間が経過してしまいすぎると、保険金の支払対象になる調査や支払うべき保険金の決定が困難となってしまうためです。 
ですので損害を受けて焦って請求をする必要もありませんが、3年は経たないうちに請求しましょう。 
もし請求する前に修理してしまった場合には、損害を証明できることができれば請求可能です。 
この時にも必要書類は必須なので大事に保管しておいてください。 

請求した保険金の支払いは支払い金額決定から約30日で支払われます。
 ですがケースによって30日よりも早く支払われたり、規模が大きいなど、審査が難航した場合には30日を過ぎてしまうこともあります。 
基本的には約30日以内には支払われるという認識でいいでしょう。 

まとめ:物置・塀・門・車庫の損害を火災保険で補償しよう

いかがでしたでしょうか。

物置・塀・門などの建物付属物が台風などの被害を受けた時に火災保険が適用されるのかまとめて行きました。

今回のポイントは

  • 火災保険で物置・塀などの建物付属物は補償対象となる
  • 保険契約内では物置・塀などは家財ではなく建物に含まれる
  • 保険金を受け取る時の注意点
  • 他人によって損害を食われられた場合の対処方法
  • 他人に損害を与えてしまった場合に役立つ特約
が大事なポイントです。

万が一被害を受けてしまっても焦らずに保険会社に相談しましょう。
また台風などの損害を受けても少しでも安心できるように火災保険の加入を考えてみてはいかがですか?
火災保険に長年加入されている方も定期的に保険を見直してみてくださいね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
他にも、ほけんROOMはみなさんのお役に立てる記事をご用意しております。
ぜひ違う記事も読んでみてください。

ランキング

  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  • 火災保険には入るべきか?加入率から見る必要性と未加入リスクを解説
  • 火災保険の加入は必要?火災保険の必要性と必要な特約を解説
  • 火災保険の見積もり・契約(加入)時の必要書類って?
  • 【料率改定】2021年に火災保険が再度値上げ!保険料の節約術とは?
  • 火災保険料の相場は?保険料の仕組みと保険料を抑える方法も解説
  • 賃貸住宅・賃貸アパートの火災保険の選び方とは?手順と注意点を解説
  • 雪害・雪災に火災保険が使える!保険金が支払われる条件とは?
  • 自然災害のために火災保険は必要!補償範囲を確認しよう!
  • 【必読】住宅が土砂崩れ被害にあった!火災保険は適用される?
  • 台風被害は火災保険で補償される? 対象範囲と請求のポイントを解説
  • 火災保険の風災・雪災・雹災補償の適用範囲は?ケースごとに解説!
  • 火山の噴火による家の被害は火災保険・地震保険で補償される?
  • 落雷による被害は火災保険で補償される?補償範囲と請求方法を紹介
  • 液状化・地盤沈下による家の傾きは火災保険・地震保険で補償される?
  • 津波の被害は火災保険で補償されない!地震保険の加入が必要!
  • 【簡単3分見積もり】火災保険/地震保険の一括見積もりはこちら
  •