更新日:2022/07/14
ペットによる破損・汚損は火災保険の補償対象?事例や必要性を解説!
ペットによる破損・汚損は、火災保険の補償対象になる場合とならない場合があるのをご存じですか?本記事では、事例を用いて詳しく解説した上で、破損・汚損補償が必要な人の特徴や保険会社ごとの補償範囲の違いも合わせて紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 原因によってはペットによる破損・汚損も補償対象
- ペットが原因で火災になってしまった場合
- ペットが他人や他人の所有物に損害を与えてしまった場合
- ペットによる破損・汚損で火災保険が適用された事例
- ペットによる日常的な破損・汚損は火災保険の補償対象にはならない
- ペットによる破損・汚損で火災保険が適用されなかった事例
- 火災保険の破損・汚損補償をつける必要性が高い人とは
- ペットによる破損・汚損がおきた!火災保険の保険金請求時の4つの注意点
- 補償対象か分からないときは保険会社に聞く
- 損害額が免責金額以上かを確認する
- 虚偽の申請でない
- 故意の破損・汚損でない
- まとめ:ペットによる破損・汚損が火災保険の補償対象になることがある
目次
原因によってはペットによる破損・汚損も補償対象
通常であれば、ペットによる破損・破損は火災保険の補償対象にはなりません。
火災保険は、あくまでも「予測できない突発的な損害を受けてしまった場合に補償される」ものだからです。
しかし、原因によっては補償される場合があります。
また、火災保険の個人賠償責任特約をつけることによって補償される場合もあります。
ペットが原因で火災になってしまった場合
ペットが原因で火災になってしまった場合は、故意でなければ火災保険で補償される可能性があります。
製品評価技術基盤機構(NITE)によれば、実際にペットや小動物、害虫などにより火災が発生した事例が報告されています。
- 猫がガスコンロやIH調理器などのスイッチに触れて点火し、製品やその周辺が焼損
- 犬が床に置かれている電化製品の電源コードを噛んでショートし火災が発生
- 猫がファックスに尿をかけて内部でトラッキングが発生して火災が発生
(参考:製品評価技術基盤機構(NITE)『身近な動物が思わぬ火災事故を引き起こします~ペットだけでなく、ネズミやゴキブリなどにも気を付けて~』 )
ペットが他人や他人の所有物に損害を与えてしまった場合
ペットが他人や他人の所有物に損害を与えてしまった場合、火災保険の個人賠償責任特約を契約していれば、補償対象となる可能性があります。
たとえば、犬が吠えたり飛びかかったりして驚いた人が転倒して怪我をしてしまったり、散歩中に通行人のバッグを奪い噛んでボロボロにしてしまったなどのケースが考えられます。
このような場合は、飼い主に賠償責任が生じるため、個人賠償責任特約が適用されます。
ペットによる破損・汚損で火災保険が適用された事例
ほかにも、ペットによる破損・汚損で火災保険が適用された事例や体験談をご紹介します。
似ている事例だとしても必ずしも補償されるとは限りませんが、参考にしてみてください。
●事例1
かごの中で小鳥を飼っていて、いつも窓際にかごを置いている。
ときどき外の猫が小鳥を隙あらばと狙っていた。窓を開けることもあるので、猫が居座るのは困り、窓を叩いて猫を追い払おうとしていると、強くたたきすぎて窓ガラスが割れてしまった。
この事例では不注意により窓ガラスを割ってしまったということで、修理代の全額が火災保険から下りました。
●事例2
賃貸のマンションに住んでいて、飼っている猫が水道の蛇口をひねって水道が出っ放しになった。
そのせいで床にあふれた水が階下の部屋まで漏れて、家具などが損傷してしまった。
階下の住人から損害賠償を請求された。
この事例では火災保険に個人賠償責任特約を付けていたので、その特約で損害額を払うことができました。
ペットによる日常的な破損・汚損は火災保険の補償対象にはならない
ペットが家にいると、どうしても家の壁や床が汚れたり、家具家電が壊されてしまうこともありますよね。
残念ながら、火災保険では日常的なペットの破損や汚損は補償の対象にはなりません。
火災保険は、あくまでも予測できない突発的な損害を受けてしまった場合に補償されるからです。
具体的には、すり傷、かき傷、 塗料の剥がれ落ち、ゆがみ、たわみ、へこみその他外観上の損傷または汚損(落書きを含む)などは、補償外です。
ペットに家具の端をかじられたり、床を傷つけられたりするのは、想定内であり不測かつ突発的な事故とは言えません。
ペットによる破損・汚損で火災保険が適用されなかった事例
ペットによる破損・汚損で保険金を申請したけれど、火災保険が適用されなかった例を紹介します。
「不測かつ突発的な事故」に該当するかどうかが、火災保険適用の可否に繋がります。
補償対象になるか不安であれば、保険会社に確認しましょう。
●事例1
飼っていた犬が雷にびっくりして暴れて、クロスをひっかいて、傷だらけになってしまった。保険会社に連絡すると、このケースは確かに突発的ではあるが、犬を室内で飼っている場合では床や壁、家具を傷つけられることは考えられることですと言われた。
また、通常見られる擦り傷、かき傷、落書きの部類に入り、それぞれの機能の喪失や低下を伴うものではないため、保険金はお支払いできませんと言われた。
●事例2
もらってきた子犬が、伸び始めた歯がかゆいと木製椅子をかじって傷をつけた。保険会社に相談するとこのケースは通常見られることであり、不測かつ突発的な事故とは言えないために、保険金は払えないとのことだった。
以上からもわかるように、「不測かつ突発的な事故」に該当するかどうかが、火災保険の適用の可否に繋がるのです。
火災保険の破損・汚損補償をつける必要性が高い人とは
そもそも、火災保険の補償内容には「破損・汚損」が基本的に含まれている場合と含まれていない場合があります。
「破損・汚損」を加える必要性の高い人の特徴を3つあげてみました。
- ペットを飼っている人
- 子供がいる人
- 高価な家財を所有している人
です。
ペットは時に、飼い主の予想しない行動をとるものです。
例えば、ペットが雷にびっくりして暴れだし家具が倒れてしまった場合、家財を補償対象にしていれば、突発的な事故として火災保険で補償されることがあります。
また、子供の通常のイタズラや落書きなどによる破損・汚損は火災保険補償の対象にはなりませんが、花瓶に子供の肘が不意に当たって落ちて割れたような場合は火災保険の補償対象になる可能性があります。
さらに、高価な家財を自宅にたくさん保有している人は、家財が壊れた時の損害が大きいですね。
そのような時に火災保険に加入していれば、保険金で損害が補償されるかもしれません。
思わぬ時に、火災保険が適用されることがあるので、上記に当てはまる人は火災保険の加入を検討してみてください。
ペットによる破損・汚損がおきた!火災保険の保険金請求時の4つの注意点
- 補償対象か分からないときは保険会社に聞く
- 損害額が免責金額以上かを確認する
- 虚偽の申請でない
- 故意の破損・汚損でない
補償対象か分からないときは保険会社に聞く
補償対象かわからないときは、保険会社に問い合わせしてみましょう。
事故の内容や保険会社によって判断が異なる場合があります。
SNSや口コミ情報を鵜呑みにせず、問い合わせてみることが大切です。
どの保険会社も、メールや電話などの問い合わせ窓口を設置しており、迅速に対応してくれます。
また、加入していることを忘れてしまっていたり、自費で修理してしまったりする人が多くいるようです。
火災保険は、火災のみならず住宅に起こる様々な損害を補償する保険ですので、事故が起きた際には必ず保険会社に連絡し、補償される事故であれば必ず請求するようにしましょう。
損害額が免責金額以上かを確認する
破損事故によって建物や家財に損害がでた場合、保険金請求の際には自己負担しなければならない免責金額があることに注意しましょう。
破損事故にはほとんどの保険会社で免責金額が決められています。
火災保険自体の免責金額が0円であっても、破損事故にはその免責金額は適用されません。
免責金額は、1万円、3万円、5万円が多く、損害額がこの免責金額以下であれば、保険金は支払われません。
そのため、保険金請求の際には免責金額がいくらか、損害額がいくらかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
虚偽の申請でない
保険金を請求する際に、虚偽の申請や水増し請求をしてはいけません。
- 本来補償の対象ではない経年劣化を台風や事故に偽って申請
- 工務店やリフォーム業者からの見積書をわざと大きめの金額にしてもらい水増し請求
などが挙げられます。
また、火災保険の保険金請求は保障内容の把握、損害箇所の発見や申請書類の記入が難しく火災保険申請サポート業者にサポートを依頼する場合もありますが、その業者が悪徳業者だった、という被害もあります。
これらはすべて詐欺行為にあたりますので、正確な申請を心がけ、虚偽申請を提案してきたり訪問営業で強引に契約を勧めてくるような業者には注意しましょう。
故意の破損・汚損でない
故意の破損・汚損は補償されません。
火災保険は、あくまでも「予測できない突発的な損害を受けてしまった場合に補償される」ものだからです。
故意ではないにしろ、コンロの火をつけたまま離れてしまった、布団で寝タバコをしたなどの重大な過失にも保険金はおりません。
まとめ:ペットによる破損・汚損が火災保険の補償対象になることがある
ペットによる破損・汚損が火災保険の補償対象になるかについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは、
- ペットによる破損・汚損でも不測かつ突発的であれば補償の対象になる可能性がある
- ペットによる通常の破損・汚損は補償対象外
- ペットを飼っている人、子供がいる人は火災保険の破損・汚損補償を付けるのがおすすめ
- ペットによる破損・汚損が補償の対象か分からないときは、保険会社に確認する