ペットよる破損・汚損は火災保険の補償対象になる?

実は、ペットによる破損・汚損について、火災保険の補償対象になる場合とならない場合があるのをご存知ですか。今回は、ペットによる火災保険の破損・汚損について、事例を用いて詳しく解説します。また、火災保険の破損・汚損補償が必要な人、保険会社ごとの補償範囲の違いも合わせて紹介します。

ペットによる破損・汚損は火災保険で補償される?

火災保険の補償の範囲は意外に広いことはご存知でも、具体的にどこまで補償されるのか調べているでしょう。


子供がボール遊びをしていて誤ってガラスを割ってしまったという場合は、火災保険で補償されます。


では、ペットが家の柱をガリガリした、ソファーをかじって破ってしまたという場合はどうでしょう、知りたいですよね。


実は、ペットのイタズラでも火災保険の対象となるケースとならないケースがあるんですね。


そこで、この記事ではペットによる破損・汚損と火災保険の関係についてに

  • ペットによる破損・汚損で火災保険の対象となる場合
  • ペットによる破損・汚損で火災保険の対象とならない場合
  • 火災保険に破損・汚損の補償をつけた方が良いか
  • 火災保険の保険金請求時の注意すること
を中心に解説します。

この記事を読んでいただければ、火災保険に加入する際の破損・汚損補償の必要性と注意点について正しい判断をすることができるようになります。

是非最後までご覧ください。

ペットによる破損・汚損で火災保険の補償対象になる場合

ペットがお家にいれば、どうしても部屋や家具が汚れたり傷つけられたりしますよね。


その傷を何とか保険で治すことはできないのでしょうか。


実は、火災保険をかける対象は建物か家財、あるいはその両方になるので、建物に火災保険をかけていれば、突発的な事故で建物が損壊したときは火災保険で補償されるのです。


さらに、家財にも火災保険をかけていれば、突発的な事故で家財が損壊したときには、これも火災保険で補償されます。


そこで、まずペットによる事故で火災保険の対象となる場合から見てみましょう。

ペットが他人に危害を加えた場合

ペットによる事故で大きなものには、ペットが散歩中などに他人に危害を与えることがあります。


ペットが他人に噛みついて、相手の人にケガをさせてしまった場合、相手から治療費などの損害賠償を求めれらることがあると思います。


このようなケースで相手側に非がなければ、飼い主の責任になり、飼い主に損害賠償責任が生じます。


ここで、火災保険の特約として個人賠償責任特約に加入していると、飼い主に賠償責任が生じた場合、それが突発的な事故であれば、個人賠償責任特約で補償されます。


したがって、今回の散歩中のケースは、火災保険の個人賠償責任特約で賠償責任を果たせます。

ペットによる破損・汚損で火災保険が適用された事例

では、もう少し小さい事故で火災保険が適用された事例を見てみましょう。


●事例1


かごの中で小鳥を飼っていて、いつも窓際にかごを置いている。ときどき外の猫が小鳥を隙あらばと狙っていた。窓を開けることもあるので、猫が居座るのは困り、窓を叩いて猫を追い払おうとしていると、強くたたきすぎて窓ガラスが割れてしまった。


この事例では不注意により窓ガラスを割ってしまったということで、修理代の全額が火災保険から下りました。


●事例2


賃貸のマンションに住んでいて、飼っている猫が水道の蛇口をひねって水道が出っ放しになった。そのせいで床にあふれた水が階下の部屋まで漏れて、家具などが損傷してしまった。階下の住人から損害賠償を請求された。


この事例では火災保険に個人賠償責任特約を付けていたので、その特約で損害額を払うことができました。

ペットによる破損・汚損で火災保険の補償対象にならない場合

火災保険で補償されたケースはレアケースなのでは?と思う方は多いでしょう。


確かに、もっと身近で日常よく起きるようなケースでは補償されるのかどうか知りたいですよね。


犬が家具の端をかじったケースや猫が床を傷つけたケースはよく見られますが、そのような場合はどうなるのでしょうか。


実は、火災保険の補償内容は「家または家具が破損・汚損した場合に補償します」と明記されていることが多いです。


しかし、その内容は日々の暮らしの中で起きる、不測かつ突発的な事故により生じた損害に限定されます。


以下ここではペットによる室内の破損・汚損について見てみましょう。

ペットによる室内の破損・汚損

火災保険で保険金が支払われない場合として保険会社がいくつか挙げていますが、その中でペットによる室内の破損・汚損に関係のある個所を見てみましょう。


たとえば、平常の使用または管理において通常生じ得る傷や汚れであって、その保険の対象が有する機能の喪失または低下を伴わない損害は補償の対象外になります。


具体的には、すり傷、かき傷、 塗料の剥がれ落ち、ゆがみ、たわみ、へこみその他外観上の損傷または汚損(落書きを含む)などが、補償外となります。


犬や猫を室内で飼っていて、家具の端をかじられたとか、床を傷つけられたとかは、不測かつ突発的な事故とは言えません。


したがって、傷はついたが、その機能の喪失または低下を伴うような傷ではないため、火災保険の対象とはならないでしょう。

ペットによる破損・汚損で火災保険が適用されなかった事例

ペットによる破損・損傷で保険金を申請したけれど、火災保険が適用されなかった例を紹介しましょう。


●事例1


飼っていた犬が雷にびっくりして暴れて、クロスをひっかいて、傷だらけになってしまった。保険会社に連絡すると、このケースは確かに突発的ではあるが、犬を室内で飼っている場合では床や壁、家具を傷つけられることは考えられることですと言われた。また、通常見られる擦り傷、かき傷、落書きの部類に入り、それぞれの機能の喪失や低下を伴うものではないため、保険金はお支払いできませんと言われた。


●事例2


もらってきた子犬が、伸び始めた歯がかゆいと木製椅子をかじって傷をつけた。保険会社に相談するとこのケースは通常見られることであり、不測かつ突発的な事故とは言えないために、保険金は払えないとのことだった。


以上からもわかるように、「不測かつ突発的な事故」に該当するかどうかが、火災保険の適用の可否に繋がるのです。

火災保険の破損・汚損補償をつける必要性が高い人とは

ペットによる破損・汚損が火災保険で補償される場合、されない場合を見てきたので、ここでは火災保険にこれら補償をつける必要性の高い人を考えてみましょう。


火災保険の破損・汚損補償つける必要性の高い人とは

  • ペットを飼っている人
  • 子供がいる人
  • 高価な家財を所有している人

です。


ペットは時に、飼い主の予想しない行動をとるものです。


例えば、自分の飼っているペットが雷にびっくりして暴れだし、家具が倒れてしまった場合を考えましょう。この場合、突発的な事故として火災保険で補償されることがあります。


また、子供の通常のイタズラや落書きなどによる破損・汚損は火災保険補償の対象にはなりませんが、花瓶に子供の肘が不意に当たって落ちて割れたような場合は火災保険の補償対象になる可能性があります。


さらに、高価な家財を自宅にたくさん保有している人は、家財が壊れた時の損害が大きいですね。そのような時に火災保険に加入していれば、保険金で損害が補償されるかもしれません。


思わぬ時に、火災保険が適用されることがあるので上記に当てはまる人は是非、火災保険の加入を検討してみてください。


ペットによる破損・汚損がおきた!火災保険の保険金請求時の注意点

ペットによる破損・汚損が起きたが、はたして保険金請求ができるのか不安になる方も多いと思います。

また、損害金額の全額が補償されるのか、それとも一部だけ補償されるのかも、大変気になるところですね。

保険金請求のときに注意すべき点として

  • 補償対象か分からないときは保険会社に聞く
  • 損害額が免責金額以上であること
  • 虚偽の申請でないこと
  • 故意の破損・汚損でないこと

のようなことが挙げられます。


以下で保険金請求時の注意点と免責金額について詳しく解説していきます。

火災保険の保険金の請求漏れに気をつける

火災保険に加入する目的は、火災や風水災などの災害から大切な財産を守ることです。


そのため、比較的損害額の低い破損事故については加入していることを忘れてしまっていたり、自費で修理してしまう人が多くいるようです。


破損補償に加入した際には、事故が起きた場合の保険金の請求漏れに注意しましょう。


破損・汚損事故がおきたときに、それが補償の対象となるか、ならないかは保険会社によっても判断が分かれます。


したがって、事故が起きた際には必ず保険会社に連絡し、補償される事故であれば必ず請求するようにしましょう。

保険金の免責金額に気をつける

破損事故によって建物や家財に損害がでた場合、保険金請求の際には自己負担しなければならない免責金額があることに注意しましょう。


破損事故にはほとんどの保険会社で免責金額が決められています。火災保険自体の免責金額を0円であっても、破損事故にはその免責金額は適用されません。


免責金額は、1万円、3万円、5万円が多く、損害額がこの免責金額以下であれば、保険金は支払われません。


そのため、保険金請求の際には免責金額がいくらか、損害額がいくらかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

補足:火災保険の補償範囲を各保険会社で比較

まず、損害保険各社の破損事故の補償について解説していきます。


各社ともに共通しているのは、補償の対象となる事故です。


すなわち、火災、落雷、破裂、爆発や風水害、さらには水濡れといった、火災以外の原因による事故で、不測かつ突発的に生じたものが補償の対象となっています。


いわば、日常生活を送っていくうえで起きる可能性のある偶然な事故によって保険の目的となる建物や家財に損害が生じた際の補償が対象となっているということです。


ただし、紛失置き忘れといった事故は補償されません。


また、単なる外観上の損傷や汚損にすぎず、その物の機能に支障がない場合には、建物と家財いずれも補償されません。


さらに、スマホやノートパソコンといった携帯式電子事務機器やペット植木類が被害にあった場合も、補償の対象にはなりません。


そのうえで、免責金額や保険金の支払い基準といった具体的な補償内容については各社ごとに異なっています。


ここでは、損保ジャパン日本興亜、東京海上日動、SBI損保の3社の補償内容を比較します。

損保ジャパン日本興亜

損保ジャパン日本興亜の個人用火災保険「THE すまいの保険」に付帯される破損の補償内容について解説します。


「THE すまいの保険」には6つの契約プランが用意されており、そのうち、破損事故を補償するのは、ベーシック1型ベーシック1型(水災なし)の2つのプランです。


他の契約プランでは破損事故は補償の対象となっていません。


また、ベーシック1型、ベーシック1型(水災なし)の2つのプランであっても、保険の目的が建物であるか、家財であるかによって補償される事故内容が異なります。


たとえば、掃除中にあやまって壁に掃除用具をぶつけてしまい、壁に穴が開いてしまった。この場合、建物を保険の目的としていなければ、破損の補償対象にはなりません。


一方で、テレビの配置変えをしていて、あやまってそのテレビを倒してしまい壊してしまった。この場合には、家財を保険の目的としていなければ補償されないのです。


さらに、火災保険に加入する際に決める免責金額についても、火災や水災といった他の補償とは違った扱いがされています。


「THE すまいの保険」の免責金額は、ベーシック1型、ベーシック1型(水災なし)の2つのプランの場合、次の5つに分けられています。

免責金額
0万円
1万円
3万円
5万円
10万円

通常、火災保険では契約時に決めた免責金額を保険金から差し引いて支払います。


破損事故の場合も、上記の表のうち、1万円以上を免責金額としている場合には、その金額が適用されます。


しかし、免責金額0万円としている場合、破損事故では免責金額は1万円となるのです。


理由は、たとえ加入する火災保険自体の免責金額を0円としていたとしても、破損事故にはその免責金額は適用されないためです。


「THE すまいの保険」での破損事故には1万円の自己負担がある、と覚えておきましょう。


なお、保険金は、再調達価額を基準として支払われます。


再調達価額とは、損害を受けた物と同じ価値を有する物を購入するために必要な費用のことです。


しかし、30万円以上の高価な貴金属類などで明記物件として申告している物については、経年劣化による価値の低下に応じた時価額基準で保険金が支払われることとなります。

東京海上日動

東京海上日動の個人型火災保険「トータルアシスト 住まいの保険」の破損事故の補償内容について解説します。


「トータルアシスト 住まいの保険」では、契約プランが充実タイプ、スタンダードタイプ、マンション向けタイプの3つに分かれています。


このうち、スタンダードタイプには破損事故の補償がありません。


そのため、テレビや窓ガラスなどに対する破損事故を補償するためには、充実タイプマンション向けタイプのいずれかのプランを選ぶ必要があります。


また、事故の際の免責金額は損保ジャパン日本興亜の「THE すまいの保険」とは異なっています。


「トータルアシスト 住まいの保険」の免責金額は次の通りです。

免責金額
0円
5000円
3万円
5万円

破損事故の場合、免責金額を5000円以上としている場合には、その金額に応じた免責金額となります。


しかし、免責金額を0円としている場合には、5000円が免責金額です。


また、破損事故の補償額に対しては1事故あたり、30万円もしくは50万円上限が設けられています。


すなわち、「トータルアシスト 住まいの保険」では、補償額が最高で50万円、免責金額は最も少なくて5000円となるのです。


なお、保険金の支払い基準は保険加入時の評価基準(再調達価額もしくは時価額)によって異なります。

SBI損保

SBI損保の火災保険「住まいの保険」にはパッケージ化されたプランはありません。


SBI損保の火災保険は、火災、落雷、破裂、爆発といった基本補償以外は、契約者が自由に選ぶことができる商品となっています。


そのため、破損補償も付帯するしないは契約者の意思に任せられています。


ただし、破損補償を付保する場合には、水濡れ等による補償も一緒に選択しなければならないとされています。


また、建物と家財の両方で火災保険を付保した場合には、家財のみに破損補償を付保することはできません。


この場合には、建物にも破損補償を付帯しなければならないのです。


この点、注意が必要です。


ただし、テレビの配置換え作業中にあやまって壁にテレビをぶつけてしまい、テレビと壁

の両方を傷つけてしまった場合などは、両方ともしっかりと補償されるので便利かもしれません。


なお、SBI損保の火災保険にも、免責金額が設定されており、保険金は損害額から免責金額を差し引いて支払われます。


その際、破損事故については、加入した火災保険自体の免責金額を0円とした契約であっても、免責金額は5000円となります。


なお、破損事故の保険金の支払い基準は、建物については再調達価額、家財については、再調達価額以下とされています。

まとめ:ペットによる破損・汚損が火災保険の補償対象になることがある

ペットによる破損・汚損が火災保険の補償対象になるかについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • ペットによる破損・汚損でも不測かつ突発的であれば補償の対象になる可能性がある
  • ペットによる通常の破損・汚損は補償対象外
  • ペットを飼っている人、子供がいる人は火災保険の破損・汚損補償を付けるのがおすすめ
  • ペットによる破損・汚損が補償の対象か分からないときは、保険会社に確認する
です。

破損事故に備えるための保険加入については、事前に家族構成や免責金額などをよく検討することをおすすめします。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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