火災保険の破損・汚損の対象になるケースとは?必要性についても解説

火災保険の破損・汚損の対象になるケースをご存知でしょうか。実は、スマホの破損・汚損は、補償されないことが多いです。この記事では、火災保険の破損補償の対象になるケースを各保険会社ごとに比較、破損補償の必要性と注意点、免責金額について解説します。

火災保険の破損・汚損の対象になる事例は?

火災保険で破損や汚損の被害はどこまで補償されるのか。


このページをご覧になっている方はそのような疑問をお持ちになっていることでしょう。


破損、汚損と一括りに言っても、単なるかすり傷程度にすぎないものから、壁に穴が開いてしまったような大きなものまで様々です。


これらの損害すべてが補償の対象となるのかどうか、火災保険に加入する側としては大いに関心があると思います。


たとえば、支払われる保険金は少額でも、自分のお金で直さずにすむことを考えると、ちょっとしたお得感を味わうことができるからです。


一方で、冒頭で述べた補償範囲だけではなく、火災保険には付き物の免責金額についても、どのようになっているのか気になるところでしょう。


そこで、この記事では「火災保険の破損、汚損の対象となるケース」について、

  • 各保険会社ごとの補償内容の比較
  • 火災保険における破損、汚損の補償の必要性と注意点
  • 免責金額の注意点
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、火災保険に加入する際の破損、汚損補償の必要性と注意点について正しい判断をすることができるようになります。

是非最後までご覧ください。

各保険会社の補償を比較

まず、損害保険各社の破損事故の補償について解説していきます。


各社ともに共通しているのは、補償の対象となる事故です。


すなわち、火災、落雷、破裂、爆発や風水害、さらには水濡れといった、本来火災保険で補償される以外の原因による事故で、不測かつ突発的に生じたものが補償の対象となっています。


いわば、日常生活を送っていくうえで起きる可能性のある偶然な事故によって保険の目的となる建物や家財に損害が生じた際の補償が対象となっているわけです。


ただし、紛失置き忘れといった事故は補償されません。


また、単なる外観上の損傷や汚損にすぎず、その物の機能に支障がない場合には、建物と家財いずれも補償されません。


さらに、スマホやノートパソコンといった携帯式電子事務機器やペット植木類が被害にあった場合も、補償の対象にはなりません。


そのうえで、免責金額や保険金の支払い基準といった具体的な補償内容については各社ごとに異なっています。


ここでは、損保ジャパン日本興亜、東京海上日動、SBI損保の3社の補償内容を比較します。

損保ジャパン日本興亜

損保ジャパン日本興亜の個人用火災保険「THE すまいの保険」に付帯される破損の補償内容について解説します。


「THE すまいの保険」には6つの契約プランが用意されており、そのうち、破損事故を補償するのは、ベーシック1型ベーシック1型(水災なし)の2つのプランです。


他の契約プランでは破損事故は補償の対象となっていません。


また、ベーシック1型、ベーシック1型(水災なし)の2つのプランであっても、保険の目的が建物であるか、家財であるかによって補償される事故内容が異なります。


たとえば、掃除中にあやまって壁に掃除用具をぶつけてしまい、壁に穴が開いてしまった、といった事故の場合、建物を保険の目的としていなければ、破損の補償対象にはなりません。


一方で、テレビの配置変えをしていて、あやまってそのテレビを倒してしまい壊してしまった、といった事故の場合には、家財を保険の目的としていなければ補償されないのです。


さらに、火災保険に加入する際に決める免責金額についても、火災や水災といった他の補償とは違った扱いがされています。


「THE すまいの保険」の免責金額は、ベーシック1型、ベーシック1型(水災なし)の2つのプランの場合、次の5つに分けられています。

免責金額
0万円
1万円
3万円
5万円
10万円

通常、火災保険では契約時に決めた免責金額を保険金から差し引いて支払います。


破損事故の場合も、上記の表のうち、1万円以上を免責金額としている場合には、その金額が適用されます。


しかし、免責金額0万円としている場合、破損事故では免責金額は1万円となるのです。


理由は、たとえ加入する火災保険自体の免責金額を0円としていたとしても、破損事故にはその免責金額は適用されないためです。


「THE すまいの保険」での破損事故には1万円の自己負担がある、と覚えておきましょう。


なお、保険金は、再調達価額を基準として支払われます。


再調達価額とは、損害を受けた物と同じ価値を有する物を購入するために必要な費用のことです。


しかし、30万円以上の高価な貴金属類などで明記物件として申告している物については、経年劣化による価値の低下に応じた時価額基準で保険金が支払われることとなります。

東京海上日動

東京海上日動の個人型火災保険「トータルアシスト 住まいの保険」の破損事故の補償内容について解説します。


「トータルアシスト 住まいの保険」では、契約プランが充実タイプ、スタンダードタイプ、マンション向けタイプの3つに分かれています。


このうち、スタンダードタイプには破損事故の補償がありません。


そのため、テレビや窓ガラスなどに対する破損事故を補償するためには、充実タイプマンション向けタイプのいずれかのプランを選ぶ必要があります。


また、事故の際の免責金額は損保ジャパン日本興亜の「THE すまいの保険」とは異なっています。


「トータルアシスト 住まいの保険」の免責金額は次の通りです。

免責金額
0円
5000円
3万円
5万円

破損事故の場合、免責金額を5000円以上としている場合には、その金額に応じた免責金額となります。


しかし、免責金額を0円としている場合には、5000円が免責金額です。


また、破損事故の補償額に対しては1事故あたり、30万円もしくは50万円上限が設けられています。


すなわち、「トータルアシスト 住まいの保険」では、補償額が最高で50万円、免責金額は最も少なくて5000円となるのです。


なお、保険金の支払い基準は保険加入時の評価基準(再調達価額もしくは時価額)によって異なります。

SBI損保

SBI損保の火災保険「住まいの保険」にはパッケージ化されたプランはありません。


SBI損保の火災保険は、火災、落雷、破裂、爆発といった基本補償以外は、契約者が自由に選ぶことができる商品となっています。


そのため、破損補償も付帯するしないは契約者の意思に任せられています。


ただし、破損補償を付保する場合には、水濡れ等による補償も一緒に選択しなければならないとされています。


また、建物と家財の両方で火災保険を付保した場合には、家財のみに破損補償を付保することはできません。


この場合には、建物にも破損補償を付帯しなければならないのです。


この点、注意が必要です。


ただし、テレビの配置換え作業中にあやまって壁にテレビをぶつけてしまい、テレビと壁

の両方を傷つけてしまった場合などは、両方ともしっかりと補償されるので便利かもしれません。


なお、SBI損保の火災保険にも、免責金額が設定されており、保険金は損害額から免責金額を差し引いて支払われます。


その際、破損事故については、加入した火災保険自体の免責金額を0円とした契約であっても、免責金額は5000円となります。


なお、破損事故の保険金の支払い基準は、建物については再調達価額、家財については、再調達価額以下とされています。

火災保険の破損補償の必要性と注意点

火災保険の破損補償は、日常生活のなかでうっかりして、建物や家財にキズをつけてしまった場合に必要となる補償です。


ここでは、破損補償の必要性と注意点について、次の2点に分けて解説します。

  • 子供やペットのいる家庭では破損補償が必要
  • 破損補償の請求漏れに注意

子供・ペットのいる家庭は特に必要!

子供やペットのいる家庭では、破損補償は特に必要といえるでしょう。


代表的な事例として、子供の投げたボールがテレビに当たり、テレビが壊れてしまった、とか、ペットの猫が高価な花瓶を倒してしまい、花瓶が割れた、などがあげられます。


ペットについていえば、飼い犬が高価なソファの上で粗相をしてしまい、その部分がシミとなって残ってしまった場合に保険金が降りて助かった、といった話もあります。


その他にも、子供同士のケンカによって壁が傷ついたり家具が破損したりなどの事例は多く、子供やペットがいる家庭では、破損事故への備えは必須かもしれません。


先述した通り、すべての事故で補償がされるわけではありませんが、子供やペットのいる家庭では加入しておいてはない保険といえるでしょう。

請求漏れに気をつける

破損補償に加入した際には、事故が起きた場合の、保険金の請求漏れに注意しましょう。


火災保険に加入する目的は、火災や風水災などの災害から大切な財産を守ることです。


そのため、比較的損害額の低い破損事故については加入していることを忘れてしまっていたり、自費で修理してしまう人が多くいるようです。


しかし、保険料を支払って補償を買っているわけですから、請求しないのはもったいないというもの。


事故が起きた際には保険会社に連絡し、補償される事故であれば請求するようにしましょう。

補足:免責金額に気をつけよう!

破損事故によって建物や家財に損害がでた場合、保険金請求の際には自己負担しなければならない分があることに注意しましょう。  


先述した通り、破損事故にはほとんどの保険会社で免責金額が決められています。


たとえ加入する火災保険自体の免責金額を0円としていたとしても、破損事故にはその免責金額は適用されません。


破損事故については、火災保険自体の免責金額と関係なく、5000円ないし1万円の免責金額が定められているからです。


場合によっては、支払われる保険金よりも免責金額のほうが多いケースもあります。


そのため、破損事故の際に保険金を請求する場合には免責金額がいくらになるかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

まとめ:火災保険の破損・汚損の対象になるケース

火災保険の破損、汚損の対象となるケースとその注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 補償の対象となるケースは、保険会社が違っても基本的に同じ
  • 免責金額や支払われる保険金の限度額、さらには加入の条件は保険会社ごとに異なる
  • 子供やペットがいる家庭では破損事故へ備えるために、加入する必要性が高い
  • 保険金請求の際には、免責金額に注意
です。

破損事故に備えるための保険加入については、事前に家族構成や免責金額などを、よく検討することをおすすめします。

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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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