更新日:2020/04/27
当て逃げや台風でフェンスが破損した際に火災保険は適用できる?
当て逃げや台風など予期せぬことで自宅のフェンスが壊れてしまった際、いくつかの条件が揃えば火災保険の補償対象になることをご存知でしょうか?今回は、フェンスが破損してしまった際に火災保険が適用されるための条件や、補償金がおりるまでの流れを詳しく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 当て逃げや台風、雪でフェンスが破損した際に火災保険は適用できる?
- 条件が揃えばフェンスが破損したときに火災保険で補償される
- フェンスの破損が火災保険で補償されるための3つの条件
- 条件①:建物外が対象の火災保険に加入していること
- 条件②:火災保険の補償内容に該当する項目があること
- 条件③:免責金額を損害額が上回っていること
- 火災保険でフェンスが補償の対象にならない場合を紹介
- 経年劣化によるフェンスの破損の場合
- フェンス修理の前に、ちゃんと証拠写真をとっておくこと
- フェンス破損後、請求期限の3年を過ぎてしまっている
- そもそも、フェンスの修理費用ってどれくらいかかるの?
- フェンスが破損してから保険金がおりるまでの流れ
- リフォーム会社にフェンスの修理費用を見積ってもらう
- 保険会社に申請する
- 保険会社の鑑定後、問題がなければリフォーム会社に依頼する
- まとめ:建物外も対象の火災保険に加入して万が一に備えよう
目次
当て逃げや台風、雪でフェンスが破損した際に火災保険は適用できる?
「台風の大風でフェンスがゆがんでしまった!」
「車に当て逃げされてフェンスが破損してしまった!」
「雪害でフェンスが重みで壊れてしまった!」
このような経験はありませんか?
フェンスが破損した場合でも火災保険で補償してもらえると助かりますが、補償対象になっているのか疑問ですよね。
実は、火災保険は建物や家財だけでなく、フェンスなどの建物外のものでも補償の対象となることがあります。
しかし、補償を受けるためには一定の条件を満たさなければならないため、あらかじめしっかりと確認しておくことが大切です。
そこでここでは、
- フェンスが破損した場合に火災保険の補償を受けられる条件とは
- 火災保険の補償金がおりるまでの流れ
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、フェンスの破損も火災保険で補償されるのか、また満たすべき条件についてもお分かりいただけると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
条件が揃えばフェンスが破損したときに火災保険で補償される
火災保険というと、建物や家財にしか補償が適用されないと思われがちですが、実は建物の外にあるフェンスなども補償の対象となることがあります。
補償される範囲は、火災による事故の他にも風災、雪災、雹災による破損の場合も含まれます。
また、それらの自然災害だけでなく、車に当て逃げされて破損してしまったときなども補償されます。
しかし、フェンスなどの建物外のものが破損した場合は、無条件で補償の対象になるわけではなく、一定の条件を満たす必要があるため注意が必要です。
フェンスの破損が火災保険で補償されるための3つの条件
ご説明しましたように、フェンスの破損を火災保険で補償してもらうには、一定の条件を満たす必要があります。
主な条件は3つありますので、それぞれご紹介していきます。
補償を受けるために大切な条件となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
条件①:建物外が対象の火災保険に加入していること
火災保険でフェンスなどの建物外のものが破損した場合に、まず確認しなければならないのが、「火災保険の対象範囲」です。
火災保険は「建物」+「家財」という構成になっております。
そのため、家財のみを補償につけている場合は、フェンスは家財ではありませんので保険対象外になってしまいます。
火災保険では、基本的に建物本体の破損については補償の対象となっています。
しかし、フェンス、塀、門、建物に固定されているアンテナ、車庫や物置などの建物外のものについては、保険によっては補償対象外となっている場合があります。
建物外のものの破損で補償を受けるためには、補償の範囲内に含まれていることが条件となりますので、いざ破損を受けたときに慌てないように、現在の契約内容を確認しておきましょう。
条件②:火災保険の補償内容に該当する項目があること
フェンスなどの建物外のものが破損した場合には、さらに細かい条件を満たすことが求められます。
まず、火災や風災などの自然災害の場合は、以下の条件を満たす必要があります。
- 修理に要する工事費用が20万円を超えている
- 破損が災害によるものであることが認められる
- 風災と認められるには、最大瞬間風速が毎秒20m以上の風であること
このように、ただ単に「風でフェンスが壊れた」というだけでは補償されませんので注意が必要です。
そして、当て逃げの場合には、「物体の衝突」という状態であることがポイントになります。
火災保険は、火災や風災などだけでなく、「物体の落下、衝突」についても補償される場合が多いです。
そのため、フェンスに車を当て逃げされた場合も物体の衝突に該当し、火災保険の補償対象となります。
現在加入中の火災保険で物体の落下・衝突も補償となっているかどうか不安な方は、一度確認しておくと安心です。
条件③:免責金額を損害額が上回っていること
また、保険金を請求する上で確認しておかなければならないこととして、「免責金額」を設定しているかどうかがあります。
免責金額とは、破損の修理に要した費用のうち、自己負担する金額のことをいいます。
例えば、この免責金額を20万円と設定している場合に、25万円の修理費用がかかったとすると、
火災保険金=25万円-20万円=5万円
となり、5万円しか補償されないことになります。
また、条件②でもご説明したように、修理費用が20万円に満たない場合は、「自然災害20万円の壁」により、1円も補償されないことになってしまいます。
火災保険を契約するときは、保険料をできるだけ安くするために、免責金額を設けることが多いです。
しかし、火災保険金を受け取るためには、免責金額が破損の損害額がそれを上回っている必要があります。
火災保険でフェンスが補償の対象にならない場合を紹介
先ほどは、フェンス修理において火災保険の補償の対象のなる場合について説明しましたが、ここでは補償の対象外となる場合の例を紹介していきます。
先ほど説明した「補償範囲」や「補償内容」に該当していても補償の対象とならないこともありますので気を付けましょう。
経年劣化によるフェンスの破損の場合
「経年劣化」による破損は、補償の対象外です。
経年劣化とは、時間の経過によって雨や風、雪などの影響をうけて品質が低下していくことです。フェンスの場合、外にあるため天候等の様々な影響をうけて劣化して壊れやすくなっていきます。
そのような状態でフェンスが破損した場合、補償内容を満たしていても経年劣化による破損と判断された場合には火災保険では補償されません。
そのように判断されないためにも日々、メンテナンスを行っておくことが大切です。
フェンス修理の前に、ちゃんと証拠写真をとっておくこと
火災保険を使って修理する場合には、必ず修理前の状態の写真を残しておくことが重要です。
特にも、保険請求前に修理を行う場合には、1枚ではなくあらゆる角度から被害状況が詳しく分かる様に撮影し、修繕後の写真も一緒に残しておきましょう。
条件を満たしていても被害状況の把握が出来ない場合には補償を受けられない場合があります。
また、罹災証明書や修繕の見積書も被害の程度が分かる重要な証拠となりますので用意しておきましょう。
フェンス破損後、請求期限の3年を過ぎてしまっている
火災保険の請求には期限があります。
修繕の必要がある被害を受けてから3年が経過すると保険の請求が出来る権利がなくなりますので要注意です。
これは、保険法により定められていることですが保険会社によっては独自の請求期限は決められている場合もありますので確認しておきましょう。
この理由としては、時間が経過すると破損した理由の立証などが難しくなることが挙げられます。
フェンスが破損した場合、その欠片等で近くの家の車や家に傷つけてしまうこともあります。保険を請求する場合にも早いに越したことはありませんので出来る限り早めに対処するようにしましょう。
そもそも、フェンスの修理費用ってどれくらいかかるの?
フェンスの修理費用は、修理内容やフェンスの大きさや素材によっても異なります。そのため修理費用の相場は40万円から100万円ほどとかなり幅があります。
修理内容も、比較的安い塗装補修であれば5万円程度ですが交換となると撤去作業も伴うなうため高額となります。
しかし、災害や当て逃げの場合は一部または全て交換となる場合が多いと思われます。
フェンスの設置、修理における素材別の修理費用相場は以下の通りです。
素材 | 相場(10mあたり) |
---|---|
樹脂 | 28~48万円 |
木製 | 24~40万円 |
アルミ | 20~32万円 |
鋳物 | 16~24万円 |
ブロック | 18~20万円 |
スチール | 16~24万円 |
上記は10mあたりの金額になりますので場合によって金額に違いはあるもののフェンス修理にはある程度まとまった金額が必要になるということを覚えておきましょう。
フェンスが破損してから保険金がおりるまでの流れ
ここまで、フェンスなどの建物外のものが破損した場合に、補償されるための条件についてご説明してきました。
ここからは、実際に破損してしまってから火災保険金がおりるまでの流れについて確認していきましょう。
いざ申請するときに、あらかじめ手続き方法や流れが分かっていると安心です。
では、主な流れを3つに分けてご説明していきます。
リフォーム会社にフェンスの修理費用を見積ってもらう
保険会社に申請する前に、まずはリフォーム会社にフェンスの修理にどのくらいの費用がかかるのか見積りを出してもらいます。
その際、すでにご説明したように、フェンスの修理費用が20万円を超えること、被害を受けた原因が災害(火災や風災など)にあること、さらに風災と認められるためには最大瞬間風速が毎秒20mであるという条件を満たす必要があります。
また、見積もりを取る際には、複数の業者に依頼して相見積もりを取り、上記の条件を満たしつつもできるだけ安い予算で修理してもらえるところを選ぶといいでしょう。
保険会社に申請する
リフォーム会社に見積もりを取った結果、保険金請求の条件を満たすことができた場合、保険会社に連絡し、保険金の請求をしたい旨を相談します。
その際に注意すべき点として、「申請には期限がある」ということがあります。
災害の発生日から3年以内に保険金を請求しなければならないため、破損を受けた場合は速やかに申請までをすすめる必要があります。
申請の際は、保険会社に必要書類を確認し、保険金申請書とともに提出します。
保険会社の鑑定後、問題がなければリフォーム会社に依頼する
保険会社では、契約者から保険金請求の書類を受け取ると、第三者機関に調査を依頼します。
調査会社が破損現場を鑑定した結果、災害による損害であると認められた場合、保険会社で保険金額が決定されます。
保険金額確定後、リフォーム会社に正式に修理工事を依頼します。
保険金は、指定した口座に振り込まれますが、もし足りない場合は自己負担となることもあります。
まとめ:建物外も対象の火災保険に加入して万が一に備えよう
火災保険ではフェンスなどの建物外のものについても補償されるのかどうかについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回のこの記事のポイントは、
- 条件が揃えばフェンスの破損なども火災保険の補償対象になる
- 満たすべき条件は①建物外のものも保険の対象となっていること②火災保険の補償内容に該当する項目があること③損害額が免責金額よりも上回っていることの3つ
- 保険金を請求する場合は、まずリフォーム会社に見積もりを出してもらう
の3点です。
火災保険に加入している方の中には、補償対象となるのは建物や家財だけで建物外のものは含まれないと思っている方が少なくありません。
そのため、補償対象となっているにも関わらず、保険金の請求漏れとなってしまうことがあります。
せっかく保険料を支払っているのですから、必要な時に保険金をしっかりもらえるように、火災保険の補償範囲について改めて確認するとともに、補償されるための条件についても理解しておきましょう。
なお、ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。