更新日:2022/06/19
台風による庭木への被害は火災保険で補償される?庭木の補償を解説
台風による庭木への被害は火災保険で補償されるの?補償してくれる特約って?と庭木被害でお困りの方は思うはず。実は、自然災害で自宅の庭木に損害が出た際、保険会社によって保険金がおりる場合とおりない場合があるのです。今回は、火災保険の庭木の補償について、保険会社ごとに比較して解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 【庭木の補償】台風による庭木への被害は火災保険で補償される?
- 火災保険が適用される場合とされない場合がある
- 火災保険で庭木の被害は補償される?保険会社ごとに補償範囲を比較
- 三井住友海上:庭木は「建物」の補償範囲内
- 東京海上日動・損保ジャパン日本興亜:補償範囲外
- 庭木の被害を特約で補償できる保険会社を紹介
- あいおいニッセイ同和損保:敷地内構築物修復費用特約
- セコム:敷地内構築物修復費用補償特約
- 火災保険で庭木の被害を補償!保険金の請求方法を解説
- 参考:庭木が倒れて隣家に損害を与えた場合
- 損害賠償責任が発生する恐れがある
- 個人賠償責任特約に加入しよう
- まとめ:火災保険で庭木被害を補償しよう
目次
【庭木の補償】台風による庭木への被害は火災保険で補償される?
テレビの台風や地震のニュースで、庭木が裂けたり倒れている光景を見たことはありませんか?大切に育ててきた庭木が被害にあったとして、現在の火災保険で補償が足りるのか不安になるでしょう。実は、火災保険の補償内容によっては、台風での損害に保険金がもらえない場合もあります。
この記事では、
- 庭木被害に火災保険料はおりるのか?
- 保険会社による補償内容の違い
- 庭木を対象とした保険や特約はあるのか?
- 実際に庭木が被害にあった場合の請求方法
- ご近所への被害対策と個人賠償損害特約の必要性
をご紹介します。
庭木の台風被害を心配されている方にとっては、自身の火災保険内容を見直し、万が一の事態に備えることが可能です。ぜひ最後までチェックしてみてください。
火災保険が適用される場合とされない場合がある
火災保険は火災以外でも適用されます。
補償内容にもよりますが、落雷・雨・雪・ひょうなどの自然災害から水漏れや放火など人災にまで保険金が出ることがあります。
そして火災保険では家屋を「建物」と「家財」に分類して損害を補償します。
「建物」は門や車庫など動けないもの、「家財」は衣服や家具等動かせるものを対象にしています。
庭木は動けないので「建物」扱いになります。ただし保険会社のプランによって適用される場合とされない場合があるのです。
自分の加入している火災保険の補償範囲を以下で確認しましょう。
火災保険で庭木の被害は補償される?保険会社ごとに補償範囲を比較
火災保険の補償範囲は保険会社ごとに異なるので、いざという時に保険金がもらえないという事態にならないよう、しっかりと補償内容は把握しておくことが大切です。
次項以降で火災保険の主要な
- 三井住友海上保険
- 東京海上日動
- 損保ジャパン日本興亜
について、庭木の損害を補償範囲としているのかどうか詳しく解説します。
三井住友海上:庭木は「建物」の補償範囲内
三井住友海上では庭木は「建物」として補償の対象になるようです。
ただ保険の開始日によってはおりない場合もあるようです。
建物も被害に遭い庭木が7日間以内に枯死してしまった場合のみ、保険金がおります。
植栽の場合素人が目視で「元からどれくらい劣化していたか?」を確認・証明するのが難しく、経年により劣化・倒木することも多いです。そのため7日間という制限が付いている免責となった、と推測されます。
詳しくは以下のリンクへ
東京海上日動・損保ジャパン日本興亜:補償範囲外
東京海上日動では、動物・植物等の生物は保険の対象となりません。
あくまで「建物の外側が損害を受けた時」に保険金がおりる仕組みとなっています。庭木は屋外ですから火災保険の対象外となります。
損保ジャパン日本興亜も庭木は補償の対象外となります。
また個人用火災保険では、地震・噴火またはそれらによる津波による被害は補償の対象外なので注意しましょう。
しかし、台風・竜巻による自然災害には対応しているので、この点も合わせて確認しておきましょう。
庭木の被害を特約で補償できる保険会社を紹介
「自分が加入している火災保険では、被害が補償されない」という方のために、特約で補償できる保険会社をご紹介します。
庭木を対象とした特約がある保険会社には、あいおいニッセイ同和損保とセコムがあります。いずれも火災保険に付帯して付けることができます。
どちらも植栽だけではなく、屋外の装置や建物が対象となりますので幅広く活用できます。
最近各地で大きな地震が起きていますから、火災保険と共に検討してみましょう。
あいおいニッセイ同和損保:敷地内構築物修復費用特約
あいおいニッセイ同和損保では敷地内構築物修復費用特約があり、被保険者の修復の費用を補償してくれます。
車止めやバリカー、タンク、外灯など屋外の装置も適応されます。
また同じく屋外にあるバルコニーや玄関ドアの修理費用を負担してくれる特約もあります。
「専用使用権付共用部分修理費用保障特約」という特約で、併せて入るとより安心でしょう。
セコム:敷地内構築物修復費用補償特約
セコムでも敷地内構築物修復費用補償特約という特約があります。
敷地内の構築物が事故などにより、被害に遭った際に補償を負担してくれる特約です。
ただし以下の条件に該当する必要があります。
- 同じ事故等により建物にも被害がある
- 破損・汚損障害等補償特約が付帯されている
- 7日間以内に枯死した場合
つまり、あくまで建物の被害の付帯という扱いです。
3は三井住友海上と同じ条件です。
次は家の木が倒れて近所に被害があった時と対処法です。
火災保険で庭木の被害を補償!保険金の請求方法を解説
万が一の事態に備えて、保険金の請求方法を把握しておきましょう。
保険金請求~支払までの流れは、
- 保険会社に被害にあった旨を連絡
- 保険会社から送付される書類に必要事項を記入し、必要書類を添付して返送
- 保険会社監査人による被害状況の確認・審査
- 保険金の入金
となります。
請求時の注意点としては、被害状況を正しく伝えるために、倒れた庭木は片付けず、そのままの状態で写真を撮影しましょう。
様々な角度から複数枚撮影しておくことが大切です。
また、保険金請求には時効があります。被害にあってから3年間が支払期間ですので、忘れずに保険金請求を出来るように、日ごろから補償内容を確認しておくと安心です。
参考:庭木が倒れて隣家に損害を与えた場合
「庭木が倒れ、隣の家の塀が崩れた!」
被災した時は自宅や家具等の修理費用がかかり、普段と違う不便な生活を強いられ経済的にも精神的にも負担がかかります。
そんな中で自宅の庭木が倒れ弁償となると、更に経済的負担が増しご近所との仲もギクシャクしてより不安になりますよね。
果たして、台風や落雷等不可抗力な自然災害でも弁償しなければならないのでしょうか?
損害を与えた時補償してくれる保険について詳しく見ていきましょう。
損害賠償責任が発生する恐れがある
民法では、植栽など土地の工作物により損害が生じた場合その保有者が賠償の責任を負うと定められています。
ただし「明らかに倒れそう」など、あらかじめ瑕疵がある場合に限られます。
そして植物は自然と老朽化しますから、「どの位自然災害で損壊したのか」が考慮されます。つまり近隣でどの位同様の被害があったかも判定の基準となります。
その結果損害賠償責任が発生した時は、被害額を弁償しなければならないようです。
次項は「そういう時のための保険はないの?」という方のために、便利な特約をご紹介します。
個人賠償責任特約に加入しよう
個人賠償責任特約とは、日常生活で他人にケガを負わせたり物を壊してしまった時に生じる損害賠償を補償してくれる保険です。
例
- 水道管が破裂して、下の階が水浸しになってしまった
- 子供がお店の皿を割ってしまった
- 自転車を運転中、歩行者にケガをさせてしまった
こういった時に保険が適用されます。
保険が適用されない例
- キャッチボールをしていたら、相手の顔面に当たってしまった
- 友人から借りた車で、事故を起こしてしまった
- 子供が喧嘩をして相手にケガを負わせた
保険会社が定める「免責」に当たる際は適用されません。例えば事故や自然災害、借り物や形の無い資産等が該当します。
契約した際に、約定を詳しく確認してみましょう。
本人に代わり被害者と交渉する、示談交渉サービスが付いているものもあります。
個人賠償責任特約は、火災保険の他に自動車や自転車保険の特約で加入できる保険会社も多いです。
そしてクレジットカードをお持ちの方は、カード会社を通して安く加入できる事があるのでカード会社に確認してみましょう。
個人賠償責任特約は、会社にもよりますが月に約150円前後と非常にお手ごろな掛け金が魅力です。
自転車事故や子供やペットが物を壊してしまった時など補償範囲も幅広く充実しています。
まずは、現在の火災保険に特約が付けられるかどうか調べてみましょう。
まとめ:火災保険で庭木被害を補償しよう
火災保険で庭木被害の補償が出来るのかどうか解説しました。
この記事のポイントは、
- 庭木の被害で保険金がおりるかどうかは加入している火災保険次第
- 火災保険は、三井住友海上のみ条件付きで庭木被害が補償される
- あいおいニッセイ同和損保とセコムの特約を活用しよう
- 隣の家に損害を与えた場合、弁償しなくてはならない
- 他者への損害を補償するため個人賠償責任特約への加入もおすすめ
しかし正しく各社の保険内容を理解し、場合によっては特約を付けることで自分だけではなくご近所への被害も補償できます。
災害時だけではなく、日常生活でも安心の個人賠償責任特約も検討してみましょう。
ほけんROOMでは他にも皆さまのための保険についての記事を多数掲載しておりますので、ぜひご覧ください。