履行保証保険とは?基礎知識をわかりやすく解説【完全ガイド】

公共工事を受注した業者が工事を完了できないというリスクに備えて、発注者が負った損害をカバーするための「履行保証保険」があります。今回はその履行保証保険に関して、具体的に何を補償してくれるのか、また「履行ボンド」との違いなどについて取り上げます。

▼この記事を読むべき人

  • 請負業者賠償責任保険を検討している人
  • 履行ボンドとの違いを知りたい人
  • 請負業者賠償責任保険の内容を理解しておきたい人
  • いま加入している保険を見直したい人

内容をまとめると

  • 履行保証保険では工事受注者による契約不履行で発生した発注者の損害が補償される
  • 履行保証保険の保険期間は工事が完了するまでであり、必要に応じて保険期間は延長される
  • 履行保証保険に加入するためには「契約書」や「決算書」などの書類が必ず必要となる
  • 履行保証保険は「金銭的保証」のみであるのに対し、履行ボンドには「役務的保証」も含まれる
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目次を使って気になるところから読みましょう!

履行保証保険とは?


この記事をご覧のあなたは、履行補償保険(公共工事履行保証保険)について調べておられるでしょう。


世の中の契約はいわゆる口約束では成り立ちませんが、書類契約でも万が一契約が履行されなかったときのリスクに備えて対策したい、と誰もが考えるはずです。


そのリスクを補償してくれるのが「履行保証保険」なのですが、具体的にどのような保険なのか知らないという方も多いでしょう。


そこで今回は、

  • 履行保証保険では何が補償されるのか?
  • 履行保証保険の保険期間はどうなっている?
  • 履行保証保険に加入するために必要な書類は?
  • 「履行ボンド」との違いは?
以上の点を取り上げます。


この記事をご覧いただければ、履行保証保険がなぜ公共工事などに伴う契約に欠かせないものであるのかを理解できるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。

履行保証保険の補償内容は2種類!


さまざまな契約で交わされる契約書は契約を履行させるためのものですが、契約書は「契約が100%履行されることが保障してくれるもの」ではありません。


たとえば、公的機関が依頼した公共工事の受注者が実績があり信頼できるはずの業者だったとしても、何らかの理由で工事の完了が不能となるような事態はあり得ます。


今回紹介する「履行保証保険」は、そのように正式な契約を結んでいても受注側が委託業務を完了できなかった場合、損害額を保険会社より支払うことで発注側を守るための保険であり、受注者側は必ず加入することが求められます。


では、保険に加入していると具体的にどのような基準で補償が行われるのでしょうか。


それは、

  • 実額てん補契約
  • 実損てん補契約
この2つのうちどちらの契約かによって異なります。

この契約は土木建築工事だけでなく工事以外の売買契約も含まれていますが、この2つは具体的に何を表しているのでしょうか。

①実額てん補契約:工事費用をベースに保険金が支払われる

履行保証保険における補償方法の1つ目は、「実額てん補契約」です。


これはあらかじめ契約で賠償額を決めておき、その金額が発注した側(被保険者)に保険会社から支払われる(定額てん補方式)というものです。


官公庁などから公共工事などを業者に依頼する場合は主にこの契約が用いられますが、民間企業が発注する工事の場合は、工事費用が高額になるスケールの大きい工事の場合に契約が求められる場合が多いです。


この契約方法はあらかじめ工事内容や工事費用によって金額が決まっているため、契約不履行によってどれくらいの損害が出たかどうかに関わらず、一定の保険金額支払われることになります。

②実損てん補契約:実損費用をベースに保険金が支払われる

補償方法の2つ目は、「実損てん補契約」です。


これは賠償額が定額である「実額てん補契約」とは異なり、契約が不履行になったことによって発注者側に実際に発生した損害額が保険会社より支払われます。


あくまで例ですが、Aという業者がBから「7,000万円」で工事を請け負い、「5,000万円」分まで工事が完了していましたが、労働環境などを理由にA社から退職者が続出したため、残りの工事が行えなくなってしまいました。


この場合契約が不履行となり、残り「2,000万円」分の工事が終えられていない(=発注者は2,000万円の損害)ため、本来は保険に加入していたB社は2,000万円の支払いを受けなければなりませんが、B社は別の業者に工事の続きを「3,000万円」で発注しました。


その場合、発注者は実質「1,000万円」の損失を出したことになるので、その分が保険金額として支払われます。


これがいわゆる「実損てん補契約」の仕組みですが、無制限ではなく、保険契約における補償の上限額以上は支払われません。

保険期間は?工期が延長したら保険期間はどうなる?


一般的な保険と異なる性質を持つ企業向けの保険では、「生きているうちは補償」のような考え方ではないため、保険期間は少し特殊です。


では、履行保証保険では保険期間をどのように決めるのでしょうか。


基本的には、工事期間がそのまま保険期間となり、いわば工事の請負が締結された時点から、工事が完了して引き渡しを行った時点までとなります。


ただし、たとえば掛け捨て保険で「60歳まで」と保険期間を決めるように「◯月◯日以降は絶対に補償しません」としてしまうと、工期延長となった場合に対応できません。


そのためあくまで「工事が完了するまで」が保険期間となりますが、契約で定めた保険期間がある場合、保険の延長手続きが必要です。

加入の際に必要な書類と記載事項


ここで一度自動車保険のことをイメージしてみていただきたいのですが、それは加入者に対しての直接的なメリットだけでなく、損害を被った相手方を守るという役割も強いです。


同様に、今回の保険も発注者を守ることになるため、工事の受注者は契約を結ぶ際には必ず加入が求められます。


そして「契約を履行する」という意味では保険金を支払う側である保険会社も同様ですが、契約を締結するにあたってどのような情報を必要とするのでしょうか。


次は、工事の発注者が実際に保険に加入する際、どのような書類を保険会社に提出し、何を記載するのか、という点について説明します。

必要書類

履行保証保険の保険契約には、

  • 工事の名前や場所、内容や期間など詳細を説明するもの
  • 請負金額が記載されているもの
  • 発注者および受注者の名前や住所が記載されているもの
  • 契約の開始日および予定されている工事期間
これらの事項を証明する書類が必要です。


そのために具体的にどのような書類が必要なのかというと、

  • 工事の契約書
  • 工事経歴書
  • 決算書
  • 経審結果通知書
  • 保険証書(既契約)
  • その他会社についての資料
これらが保険契約に必要となります。

記載事項

それら必要書類にはどのようなことが記載されているのでしょうか。


記載される内容としては、

  • 工事の契約書:契約内容が記載
  • 工事経歴書:完了した工事や未完了の工事などを記載
  • 決算書:会社の財務状況貸借対照表損益計算書など)が記載
  • 経審結果通知書:経営状況や工事評価などを評価した公的機関の審査結果が記載
ぞれぞれ以上の事項に関して記載されます。


個人が自動車保険に加入する際、車両に関する詳細な書類が必要なように、工事の受注者側は保険会社に対して工事内容や会社の経営状態などが記載された書類の提出が必要です。


これらの書類は、保険における補償の上限額を決定するためにも必要です。

参考:「履行ボンド」との違いは?


公的機関から工事を受注した業者が、市民の暮らしに欠かせない道路や水道などの工事を完了できなかったらどうなるでしょうか。


リスクが現実となってしまっても、そもそも有事が発生しても途中でやめて良いような工事ではないため、お金で解決するだけでなく、今後の見通しとして新たな業者に工事が引き継がれなければなりません。


この点に関しては、工事請負契約に関する法律で定められているとおりです。


そのような、工事の発注者側が契約不履行に伴い必要とする保証を、

  1. 金銭的保証:発注者側が負った「金銭的」損害を賄うための保証
  2. 役務的保証:工事が完了されないという「役務的」損害を補うための保証
この2点に分類することができます。

実は、今回取り上げている「履行保証保険」で受けられるのは、1の「金銭的保証」のみです。

2の「役務的保証」はどうなるのかというと、「履行ボンド」という別の保険で補償されます。

履行ボンドは金銭と役務の両方が保証されるため、有事の場合は工事を完了するための手続きも保険会社が行ってくれます。

履行保証保険と履行ボンドの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

まとめ


今回は履行保証保険について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 履行保証保険では工事受注者による契約不履行で発生した発注者の損害が補償される
  • 履行保証保険の保険期間は工事が完了するまでであり、必要に応じて保険期間は延長される
  • 履行保証保険に加入するためには「契約書」や「決算書」などの書類が必ず必要となる
  • 履行保証保険は「金銭的保証」のみであるのに対し、履行ボンドには「役務的保証」も含まれ

以上の点です。


いわゆる「契約保証金」のような実費を支払う代わりに加入できる履行保証保険は、発注者と受注者双方にとって「重大なリスク回避ができる」いう確かなメリットがあります。


建設業で働いていない方でも、このような保険があることを知っておくことで、市民の暮らしを守るための工事が確実に完了されるための仕組みがあることを知り、安心できるでしょう。

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