自賠責保険の調査事務所とは?保険金の受け取りまでの過程!

自賠責損害調査事務所は、交通事故の当事者が保険金請求を保険会社等へ行った場合、事故発生状況の確認や自賠責保険の支払対象の可否、事故当事者等の障害の程度を慎重に調査する組織です。調査事務所は地区本部に統括され、その本部を束ねるのが損害保険料率算出機構となります。

自賠責保険の調査事務所は何をするところ?

ご自分が交通事故の被害者になった時、加害者の加入している損害保険会社から自賠責保険の保険金が下りることになります。

損害保険会社が最終的に保険金額を決定することになりますが、被害者となった本人や家族からすれば満足のいく保険金額を受け取りたいものですよね。

しかし、損害保険会社が保険金請求の受付から調査、そして最終的な保険金額の決定まで、全て行っているわけではないことをご存じでしょうか。

調査は基本的に「自賠責損害調査事務所」という組織が行うことになります。

そこで今回は、「自賠責保険の調査事務所の役割」について
  • 交通事故による保険金請求の流れ
  • 自賠責損害調査事務所の役割とは
  • 事故当事者が直接、調査事務所へ申請する場合
以上のことを中心に解説していきます。 

この記事を読んでいただければ、自賠責損害調査事務所の役割と、交通事故にかかわる申請の際の注意点について知ることに役立つと思います。 

ぜひ最後までご覧ください。 

自賠責損害調査事務所は交通事故による損害査定を行う

被害者に支払う自賠責保険の保険金額は、加害者が加入する損害保険会社または共済が最終的に決定することになります。

ただし、損害保険会社または共済が、請求書類の受理、事故等の調査、保険金等の最終決定などの全業務範囲を一括で行うわけではありません。 

請求者の保険金請求から、損害保険会社または共済より保険金が支払われるまでの流れを説明します。 
  1. 請求者が必要書類を収集・記載し、加害者が加入する損害保険会社または共済へ提出
  2. 損害保険会社または共済は、提出された書類を受け取り書類をチェック
  3. 損害保険会社または共済は自賠責損害調査事務所へその書類を送付
  4. 自賠責損害調査事務所は、事故発生状況・自賠責保険の支払対象の可否、事故当事者等の障害の程度を慎重に調査
  5. 自賠責損害調査事務所は損害査定を行い、損害保険会社または共済へ報告
  6.  損害保険会社または共済は損害査定を基に保険金額を決定、請求者へ保険金を支払う
保険金請求の受理から保険金額決定までの期間は、およそ1ヶ月を要することになります。

なおJA共済に関しては共済自身で、調査から保険金額の最終的な決定まで行います。


こちらでは、交通事故の被害者や加害者の請求から調査開始までを解説します。

交通事故の被害者や加害者の請求は保険会社が窓口となる

自賠責保険の請求では、
  • 加害者が損害保険会社等へ保険金請求を行う場合なら15条請求(自動車損害賠償保障法第15条)
  • 加害者が損害保険会社等へ保険金請求を行う場合なら16条請求(同法16条)
と呼ばれています。


保険金請求は、いずれの請求でも加害者側の損害保険会社または共済が窓口となります。

請求に必要な書類は15条請求(加害者)および16条請求(被害者)共に、ほぼ同じ書類である場合が多いです。

こちらでは、交通事故(傷害)の本請求のケースを例に、必要となる書類を取り上げます。

[必要書類]
  • 自賠責保険支払請求書:保険金の請求書です。
  • 交通事故証明書:自動車安全運転センターから取得します。
  • 事故発生状況報告書:損害保険会または共済から取得します。
  • 医師の診断書:医師から記載してもらいます。
  • 診療報酬明細書:医療機関から取得します。
  • 印鑑証明書:ご自分の住む市区町村から取得します。
  • 加害者の賠償済み領収証:加害者のみ取得する必要があります。
事故のケースによっては追加の書類を請求される場合があります。

上記の書類を損害保険会社または共済へ提出します。

自賠責損害調査事務所は公正かつ中立の立場で調査をする

損害保険会社または共済が前述した書類を受け取り、不備等をチェックして今度は自賠責損害調査事務所に送付します。


送付された書類を参考に、自賠責損害調査事務所の調査が開始しされます。

この調査は被害者側または加害者側のどちらかへ有利に偏らないよう、公正かつ中立に行われることになります。

なお、日本全国の自賠責損害調査事務所を統括するのは「損害保険料率算出機構」です。

この組織は「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて設立された団体です。

自賠責損害調査事務所は全国にある!

自賠責損害調査事務所は全国に存在し、保険金請求等にかかわる交通事故の調査を行っています。


こちらでは、自賠責損害調査事務所の組織および役割を説明します。

地区本部は7ヶ所、自賠責損害調査事務所は54ヶ所ある

自賠責損害調査事務所の本部は、北日本本部・首都圏本部・関越本部・中部本部・近畿本部・中四国本部・九州本部の7ヶ所があります。
  1. 北日本本部:宮城県仙台市に設置されています。北海道および宮城・福島・山形・岩手・青森・秋田の8事務所を統括します。
  2. 首都圏本部:東京都千代田区に設置されています。東京・神奈川・千葉の6事務所を統括します。
  3. 関越本部:埼玉県さいたま市に設置されています。埼玉・茨城・栃木・新潟・長野・山梨の7事務所を統括します。
  4. 中部本部:愛知県名古屋市に設置されています。愛知・岐阜・三重・静岡・石川・富山・福井の8事務所を統括します。
  5. 近畿本部:大阪府大阪市に設置されています。大阪・和歌山・奈良・滋賀・京都・兵庫の7事務所を統括します。
  6. 中四国本部:広島県広島市に設置されています。広島・岡山・山口・鳥取・香川・徳島・高知・愛媛の9事務所を統括します。
  7. 九州本部:福岡県福岡市に設置されています。福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄の9事務所を統括します。

地区本部では、調査事務所での認定が困難な案件を担当する

一般の交通事故の場合、調査を担当するのは各都道府県に設置された自賠責損害調査事務所となります。


ただし次のような場合には、自賠責損害調査事務所の上部機関である地区本部または損害保険料率算出機構で、審査が行われることになります。
  • 調査過程で被害者の方に重大な過失のあったことが判明した
  • 自賠責保険から保険金が下りない、または保険金減額の可能性がある
  • 後遺障害の等級認定が難しく、かなり慎重な審査が要求される場合

被害者が直接、調査事務所へ申請することもある

自賠責損害調査事務所は基本的に、損害保険料率算出機構の会員となっている損害保険会社や共済からの依頼を受けて調査を開始します。


しかし以下のように事故当事者が直接、調査事務所へ申請するケースもあります。

後遺障害の認定の際、調査事務所への申請や職員との面談をすることも

後遺障害とは被害者がいくら治療を行っても、現在の状態からはとても良くならない場合を指します。

こちらは別途慰謝料の対象となります。


被害者が後遺障害を申請する場合なら、後遺障害となった箇所を写真撮影し証拠として添付することになります。

申請の場合は直接、自賠責損害調査事務所へ申請しても保険会社等を通して申請しても構いません。

申請の後は、自賠責損害調査事務所からご自分へ、直接または保険会社等を通して面談をしたい旨の連絡がくることもあります。

面談は調査事務所の職員が行います。
面談は30分程度を目安にしておいた方が良いでしょう。

被害者とはいえ感情的にならず、状態を明瞭に話すことを心がけましょう。

必要書類の手配や手続きが不安な場合は弁護士へ依頼することもできる

事故当事者が、保険会社に書類を提出するにしても、誰しも医学的な書類や公的な書類の収集を日常的に行っているわけではありません。


そのため、必要書類の収集に四苦八苦し、請求書の作成にも手間取ることでしょう。

そんな時には、法律の専門家である弁護士に依頼することも良い方法です。

弁護士にいろいろな手続きを代理・代行してもらうことで、書類の不備や書類の記載間違い等も無くスムーズな申請が期待できます。

高すぎるバイク保険に加入していませんか?

バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。


自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。


ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?


実は、バイク保険は少し条件を見直すだけで年間の保険料が1万円近く安くなることがあるのです。


ただ、自分で多くの保険会社で見積もりをして比較するのは大変ですよね。


そんな時は一括比較サービスを利用してみましょう。一括比較サービスであれば、一度の入力で多くの保険会社の見積もりを取ってくれます。


しかも何度利用しても無料です。一度利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

自賠責保険の調査事務所の役割について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

今回の記事のポイントは

  • 交通事故の被害者や加害者が保険金請求を申請するのは、保険会社等が窓口となり、調査は自賠責損害調査事務所が行う
  • 損害保険料率算出機構を頂点に、地区本部、自賠責損害調査事務所が設置されている
  • 申請は、基本的に保険会社等を通して行うが、事故当事者は直接調査事務所への申請や、当該事務所の職員と面談をすることもある
でした。

交通事故を起こすと加害者も被害者も、焦ってしまったり、感情的になったりすることが多々あります。

当事者が速やかに保険金を受け取るためには、慎重かつ冷静に手続きを進める必要があります。

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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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