更新日:2018/09/13
自賠責保険の支払基準を解説!保険金はどれくらい受け取れる?
自賠責保険には明確な支払基準が法定されており、それに従い賠償金額が決定されます。自賠責保険は被害者の傷害・後遺障害・死亡を補償範囲としています。この支払基準は人に対する補償が対象です。そのため、車同士の衝突における自動車の損害や、物損事故には適用されません。
目次を使って気になるところから読みましょう!
自賠責保険における”支払基準”について詳しく解説
- 自賠責保険の傷害・後遺障害・死亡の保険金限度額について
- この3つのパターンのそれぞれの支払基準
- 自賠責保険以外に支払基準があるのか
自賠責保険の保険金限度額は大きく3種類
- ”傷害”による損害補償
- ”後遺障害”による損害補償
- ”死亡”による損害補償
”傷害”による損害補償
- 治療費:応急手当、診費、 入院、投薬、手術等の費用
- 看護料:(入院中の看護)12歳以下の子に近親者が付き添うケースが該当、(自宅看護又は通院看護)12歳以下の子に近親者が付き添ったケース、それ以外は医師が看護の必要性を認めたケースが該当
- 通院交通費:通院のために必要となった交通費
- 柔道整復等の費用:柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師の施術費用
- 諸雑費:入院中のいろいろな雑費
- 義肢等の費用:傷害により義肢、義眼、歯科補鉄、補聴器、松葉杖等の費用
- 診断書等の費用:医師の診断書、医療機関の診療報酬明細書等の発行費用
- 文書料:交通事故証明書、印鑑証明書、住民票等の発行手数料
- 休業損害:事故の傷害による収入の減少
- 慰謝料:事故による被害者の精神的・肉体的な苦痛に対する補償
”後遺障害”による損害補償
後遺障害とは、事故により受傷した傷害が治ったときに、身体に残された毀損状態のことを指します。
また、精神的な毀損(事故が原因となった精神障害)も補償の対象となります。
後遺障害による損害補償は上限が4,000万円(被害者1名)までとなります。
補償の内容としては次の通りです。
- 逸失利益:身体に残った障害が原因となる労働能力の減少で、将来発生することが予測される収入減
- 慰謝料等:事故による被害者の精神的・肉体的な苦痛に対する補償
”死亡”による損害補償
- 葬儀費:通夜の準備、祭壇の設置、火葬、墓石購入等の費用
- 逸失利益:被害者が亡くならなければ将来得たと予測される収入より、本人の生活費を控除した利益
- 慰謝料:被害者本人の慰謝料および遺族の慰謝料
自賠責保険の支払基準
傷害補償にかかる費用とそれぞれの支払基準
傷害補償は被害者1名あたり120万円(上限)となります。
自賠責におけるそれぞれの費用と支払基準は下表のとおりです。
支払いの対象 | 支払い基準 |
---|---|
治療費 | 必要かつ妥当な実費 |
看護料(※1) | 入院:1日4,100円 通院:1日2,050円 |
通院交通費 | 必要かつ妥当な実費 |
柔道整復等の費用 | 必要かつ妥当な実費 |
諸雑費 | 1日1,100円 |
義肢等の費用(※2) | 必要かつ妥当な実費 |
診断書等の費用 | 必要かつ妥当な実費 |
文書料 | 必要かつ妥当な実費 |
休業損害(※3) | 1日5,700円 |
慰謝料 | 1日4,200円 |
(※1)看護料に関して、更に収入減の立証をすると近親者19,000円、それ以外は各地域の家政婦料金を限度として実額が支払われます。
(※2)眼鏡の費用としては50,000円が限度となります。
(※3)休業損害に関して、更に収入減の立証をすると19,000円を限度として、その実額が支払われます。
後遺障害にかかる費用とそれぞれの支払基準
限度額/等級 | 介護1級 | 介護2級 |
---|---|---|
支払限度額 | 4,000万円 | 3,000万円 |
慰謝料 | 1,600万円 | 1,163万円 |
限度額/等級 | 第1級 | 第2級 | 第3級 | 第4級 | 第5級 | 第6級 |
---|---|---|---|---|---|---|
支払限度額 | 3,000万円 | 2,590万円 | 2,219万円 | 1,889万円 | 1,574万円 | 1,296万円 |
慰謝料 | 1,100万円 | 958万円 | 829万円 | 712万円 | 599万円 | 498万円 |
限度額/等級 | 第7級 | 第8級 | 第9級 | 第10級 | 第11級 | 第12級 | 第13級 | 第14級 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
支払限度額 | 1,051万円 | 819万円 | 616万円 | 461万円 | 331万円 | 224万円 | 139万円 | 75万円 |
慰謝料 | 409万円 | 324万円 | 245万円 | 187万円 | 135万円 | 93万円 | 57万円 | 32万円 |
限度額/等級 | 第13級 | 第14級 |
---|---|---|
支払限度額 | 139万円 | 75万円 |
慰謝料 | 57万円 | 32万円 |
死亡時にかかる費用とそれぞれの支払基準
支払いの対象 | 支払い基準 |
---|---|
葬儀費(※) | 60万円 |
逸失利益 | 必要かつ妥当な金額 |
慰謝料(被害者本人) | 350万円 |
慰謝料(遺族) | ・遺族請求者1名:550万円 ・遺族請求者2名:650万円 ・遺族請求者3名以上:750万円 ・被害者に被扶養者がいるとき:200万円加算 |
自賠責保険以外の支払基準は?
- 任意保険基準:任意保険会社の会社所定の基準で算定した賠償金額(示談金額)の支払基準です。自賠責保険よりは高く設定されています。
- 裁判所基準:任意保険会社の提示した金額に不満があり、最終的に裁判で争った場合、裁判所が判決で下す賠償金額の基準を指します。この基準は最も高く、任意保険基準よりも2倍以上の金額の開きになることもあります。
高すぎるバイク保険に加入していませんか?
バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。
自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。
ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?
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まとめ
- 自賠責保険における傷害・後遺障害・死亡の支払基準は上限額が明確に定められている。
- 請求費用によっては、立証することによって法定の金額よりも多く補償が受け取れる時もある
- 自賠責保険の支払基準以外にも、任意保険基準・裁判所基準がある