交通事故で自賠責保険ではなく健康保険は利用できるのか?併用は?

交通事故で自賠責保険ではなく健康保険は利用することも可能なことを知っていますか?ただし併用はできません。診療の種類から自賠責保険ではなく健康保険を使うメリットやデメリットを紹介し、実際に交通事故で健康保険を使用請求するときの手続きの仕方まで詳しく解説します。

交通事故のときには自賠責保険ではなく、健康保険は利用できないのか?

交通事故のときに自賠責保険ではなはなく健康保険を使って治療を受けたいと思う方もいるでしょう。


交通事故では健康保険は使えないと思っている方が多くいるようですが、実際はそうではありません。適用可能です。


実はさらに自賠責保険ではなく健康保険を使う方がメリットが大きい場合もあります。


そこでこの記事では、「自賠責保険ではなく健康保険を使う方法」について


  • 交通事故のときにも健康保険は利用できる
  • 交通事故で健康保険の使用を請求するときの手続きとは
  • 交通事故のときに健康保険を使うメリットとは
  • 健康保険で整骨院を受診すると対象にならない場合とは
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、交通事故の際健康保険を使用する方法やメリットについて詳しく理解することができます。

ぜひ最後までご覧ください。


交通事故のときに自賠責保険でなく健康保険を利用できる

交通事故に遭いケガの治療を行う場合、色々な保険を使う場合があり保険会社や病院から色々なことを言われて混乱される方もいるのではないでしょうか。


交通事故で健康保険が使えないとなると、高額な治療費を自費で立て替えなければならず、負担は大きいものです。


交通事故で健康保険を使用することはできないと誤解されている方が多いのですが、実際には自賠責保険ではなく健康保険を利用することができます。


ただし交通事故の中でも、無免許運転や飲酒運転のもの、仕事中や通勤中のものには適用できないと定められています。


無免運転などの犯罪行為により法令違反をしたものには保険給付をうけられないというのは当然ですよね。


また仕事中や通勤中などが適用外な理由はこの場合、労災保険が優先されるからです。

自由診療のほうが多額の請求ができる?健康保険の適用を拒否する病院

まず、病院での治療は保険診療と自由診療に分かれています。


保険診療とは、ケガや病気で治療が必要になった時に備えて加入しているのが健康保険です。保険診療を利用すれば実際の治療の3割程度の負担で済みます。


自由診療とは、 保険を使わずに受ける診療のことで、10割すべてを負担する必要があります。


先述した通り交通事故の場合、保険診療が可能です。


しかし病院によっては健康保険の利用を拒否する病院もあります。


なぜなら、自由診療の場合、高額な治療方法を選択でき治療費を全額自賠責保険に請求することができるからです。


このため、病院は多額の請求ができる可能性のある自由診療にしたいと考えるのです。


また保険診療の場合、保険範囲内の治療に限られ高度な治療などが難しくなるケースもあり、充実した治療ができるという理由で健康保険の適用を拒否する病院もあります。

健康保険を使用する意思をはっきりと伝えることが大切である

病院で健康保険の使用を断られた場合どうすればいいのでしょうか?


健康保険を使用することは法律上・制度上ともになんら問題はありません。


全国健康保険協会のホームページにも、交通事故でも健康保険を使って治療を受けることができると記載されています。


そのため遠慮せず堂々と健康保険の利用を交渉してみてください。


しっかりと説明すると病院側も理解してくれる場合もあります。


そしてそれでも病院側の意見が変わらない場合は、病院を変えることもできます。


基本的に交通事故の治療に健康保険の利用ができないという制度はありません。


あくまでも病院独自のスタンスなので、その病院にこだわる必要はなく他の病院を探しましょう。

自賠責保険と健康保険の併用はできない

自賠責保険と健康保険の併用はできません。


よって相手の自賠責保険で支払ってもらう、または自身の健康保険で支払うのかのどちらかになります。


交通事故では過失割合は違うものの、双方に過失のある場合がほとんどです。


100%相手に過失がある場合でもない限り健康保険を使用して診察するほうがいいでしょう。

自賠責保険から健康保険への切り替え!既に治療を受けた分はどうなる?

交通事故で健康保険を使用できるにも関わらず、使用できないと誤解していてすでに治療を受けている方もいるかと思います。


そんな方は途中から自賠責保険から健康保険に切り替えをすることが可能です。


そしてすでに自由診療で治療を受けた場合は、払い戻ししてくれます。


自由診療として支払い済の金額−保険診療の際の本人負担額=払い戻し・返金


具体的に交通事故で健康保険の使用を請求するときの手続き

つぎに具体的に交通事故で健康保険の使用を請求するときの手続きについて説明します。


手続きは


  • 治療期間への申し入れ
  • 加入中の健康保険機関への届け出


以上の2カ所への連絡が必要になります。


治療機関への申し入れの届出、または健康保険の機関への届出をする

病院など治療機関への申し入れは、健康保険証の提示と健康保険を使用しての治療を希望する旨をしっかりと伝えましょう。


前述した通り、治療機関の中には交通事故で健康保険の使用を拒否する場合もありますので、明確に意思を伝える必要があります。

健康保険を利用するなら、第三者行為による傷病届を提出しよう

そして、健康保険を利用するなら第三者行為による疾病届を提出しましょう。


本来交通事故でのケガの治療費は加害者が負担するのが原則です。


つまり交通事故でも健康保険は使えますが、この場合は本来負担すべき加害者に立て替えた治療費を請求することになります。


このために保険機関は交通事故の状況や加害者の情報を把握する必要があり、この届出が必要になります。


第三者行為による傷病届け意外の必要書類は、負傷原因報告書・事故発生状況報告書・損害賠償金納付確約書念書・同意書・念書・交通事故証明書などです。

交通事故のときに健康保険を使うメリットは?

交通事故の場合、被害者が健康保険を使うのにはどんなメリットがあるのでしょうか?


自賠責保険ではなく健康保険を使ったほうがいいメリットを3つ紹介します。

治療費の自己負担分が多くの場合、2~3割となる

まず第一に、健康保険を使うと治療費の自己負担額が2〜3割と少なくてすみます。


最終的に加害者に支払ってもらえるとはいえど、毎回の治療費の支払いは大変です。


そんな場合も保険を使うことにより少ない負担額で済むことは大きなメリットといえます。

自賠責保険の傷害のによる上限120万円の保険金を有効に使うことができる

自賠責保険の傷害による補償額は上限120万円と決まっています。


この金額は治療費だけでなく、通院費、通院慰謝料などを含んだ金額の上限です。


このため、自由診療で高額な治療費を支払うより健康保険の利用するほうが、自賠責保険の枠を使わずにすみます。


その分、入通院慰謝料に充てることができるので、結果的に被害者が受け取る保険金が上がる可能性があります。

過失相殺の影響を受けづらい

交通事故で被害者にも過失割合がある場合は損害賠償を請求するとき、過失相殺が行われます。


例えば自由診療の場合、治療費10割に対して過失相殺が行われます。


しかし保険診療では被害者の負担額3割に対して過失相殺が行われます。


つまり保険診療の方が過失相殺による影響を受けづらい、被害者に支払われる保険金額が増えるということです。

交通事故のときに健康保険を使うデメリットは?

交通事故で自賠責保険ではなく健康保険を使用するメリットについて紹介してきました。


では交通事故の場合とりあえず健康保険を使ったほうがいいのでしょうか?


調べてみると交通事故で健康保険を使わないほうがいいい場合もあることがわかりました。


次に、知っておきたい健康保険を使うデメリットについてご説明します。

健康保険を使用すると本人負担分で治療機関の窓口で支払を求められる場合がある

交通事故に遭った場合、治療費は加害者の保険会社から支払われ、被害者は窓口で支払う必要がありません。


しかし健康保険を使用した場合、加害者の任意保険の加入の有無にかかわらず、本人負担分の遅払いを窓口で求められる事が多くなります。


これは健康保険の本人負担分を保険会社が治療機関に直接支払う内容のレセプトの作成が難しいという理由によるようです。

健康保険には適用される治療の範囲があり、自費診療となる治療もある

健康保険を使って治療を受けると、使用できる薬品の種類やリハビリの回数などに制約があり、治療の幅が狭まるというデメリットがあります。


自分の受けたい治療ができない場合があるということです。


たとえば、交通事故で派が折れてしまった場合、健康保険を使用するとインプラント治療は行えません。


差し歯もあまり見た目のいいものにはできないそうです。


しかし、交通事故によるケガの治療で自由診療でなければできない治療はほとんど無い、とする文献も発表されており、治療の幅が狭まるので自由診療が必ずしもいいというものではありません。

健康保険を使うとレセプト開示の手間が掛かる場合がある

後遺障害の申請をする際に治療中の診療報酬明細書(レセプト)を提出する必要があります。


自由診療の場合、レセプトは被害者または治療費を払う相手の保険会社に直接渡してもらうことができます。


しかし保険診療の場合、治療機関は治療費を支払ってもらう必要があるためレセプトを保険機関に提出します。


そのため被害者がレセプトを取得するには、保険機関にレセプトの開示請求をする必要があります。


レセプトの開示請求は時間がかかることが多く、後遺障害申請に時間がかかってしまう場合があります。

健康保険で整骨院を受診すると対象にならない場合もある

基本的には整骨院は病院ではないので治療はできません。

整骨院で健康保険の適用となるのは骨折・脱臼・打撲・ねんざ、肉離れなどの場合です。

しかし健康保険でかかれない場合もあるので注意が必要です。

かかれない場合とは、数年前のケガや事故の後遺症など、医療機関と重複して受診している場合、医療機関で治療すべきケガに起因する痛みの場合などです。

そして整骨院に通院するには、整形外科などの病院の医師から整骨院でへの通院が必要という正当な理由がなければ治療費を支払ってもらえない場合もあります。

高すぎるバイク保険に加入していませんか?

バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。


自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。


ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?


実は、バイク保険は少し条件を見直すだけで年間の保険料が1万円近く安くなることがあるのです。


ただ、自分で多くの保険会社で見積もりをして比較するのは大変ですよね。


そんな時は一括比較サービスを利用してみましょう。一括比較サービスであれば、一度の入力で多くの保険会社の見積もりを取ってくれます。


しかも何度利用しても無料です。一度利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

交通事故のとき自賠責保険ではなく健康保険を使う方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回この記事のポイントは、

  • 自賠責保険と健康保険の併用はできない。
  • 自賠責保険から健康保険への切り替えも可能。すでに治療を受けた分は払い戻しできる。
  • 交通事故で自賠責保険ではなく健康保険の使用を請求するときは治療機関への申し入れと第三者行為による傷病届を提出する。
  • 自賠責保険ではなく健康保険を使うメリットは、治療費の負担が安いことと自賠責の上限120万円を有効に使えること、過失相殺の影響を受けづらいこと。
  • 自賠責保険ではなく健康保険を使うデメリットは、窓口で本人負担する必要があること、適用される治療範囲が限られること、レセプト開示に手間がかかる場合があること。
です。

交通事故でも健康保険を使用できることを理解し、しっかりと使用のメリットとデメリットを把握したうえで、健康保険を使うのか使わないのか判断できるようになりましょう。

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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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