【FP解説】保険相談・保険見直しが必要な理由とは?保険相談の注意点も!

生命保険は販売経路の多様化が進み、保険ショップやネット販売、金融機関窓口からの加入も増加しています。保険会社の競争も激化、商品の多様化も進んでいます。加入者にとって選択肢が増え、商品選びが容易になったという利点を活かし、適正な保険相談、保険見直しを行うために理解しておきたいポイントについて考察致しました。

この記事の執筆者
眞野 潔
保険相談に強いCFPです。保険会社勤務30年の経験とFP専門知識を活かしたお役に立つアドバイスをお約束します。

多くの方が保険に詳しくない現状

生命保険は約9割の人が加入し、年間で約38万円の保険料を支払っています。これはあくまで平均ですが、多くの家庭で家計支出項目としては大きなウエイトを占めていることは間違いありません。


そして、生命保険文化センターの「平成28年度生活保障に関する調査」によると、自分自身の保険に関する知識がどの程度かを尋ねたところ、「詳しくない」が7割強となっていることが報告されています。


多数の人々が大きな掛金を支払いながら、その保険の内容には詳しくないということがわかります。


多数の保険ショップも登場し、複数の商品から合理的に商品を選んで加入するというスタイルが定着しつつある中でも、加入者の7割強が「保険に詳しくない」とすれば、「保険相談」の必要性とその品質の向上が一層求められているということではないのでしょうか。


そういった観点で改めて保険相談業務のポイントについて整理します。

保険相談・保険見直しの必要性

安心できる基準(保障額)を見つける

生命保険は「万一の死亡や入院・治療の場合に、自身や家族の経済的負担から生活を守ってくれるもの」ですが、必要保障額を算出することなく保険に加入すれば、本当に安心して良いのかがわからないということになってしまいます。保険の見直しにおいては、先ずは公的保障制度について説明し、保障額を算出することから始めましょう。


万一の死亡の場合、遺族年金(基礎年金)と遺族厚生年金という公的保障制度の支給額の上乗せとして、今後の家族の生活に必要となる金額(必要保障額)を決めて下さい。


医療保険では、高額療養費制度や厚生年金の傷病手当金などの給付額やその他の公的助成制度を確認し、支出を補う預貯金の備えなども考慮して必要は保障を決めましょう。


公的保障制度からの給付を知ることで、その上乗せとして自分にいくらの保障があれば安心なのかという「安心できる基準(保障額)」をはっきりさせることが基本です。


保険募集人は保険商品の特徴や詳細の比較検討によるセールスをする前に、公的保障制度をしっかりと説明できることが資質として求められます。加入者サイドに立てば、そのような説明が十分出来ない募集人からは加入すべきではありません。

複数商品から選択する

生命保険の保険料は、基本的には死差(死亡率)・費差(経費率)・利差(運用利率)をベースとして計算されるので、各社で大きな差はないという見方もありますが、各社は経費率や運用力も違い、価格の安さでも競争しています。複数社の商品の中から選択すれば割安な商品も見つかるかもしれません。


勿論、保障が大事なので単に掛金が安いということでなく、商品の種類や保障内容の範囲などを整理して、コストパフォーマンスの良い商品を選択するという視点が大事です。




保険相談の必要性は、保険加入に際して、


  1. 安心できる基準を見つけること
  2. 複数商品から選択すること


という2つ重要な要素をプロセス化していることにあります。

保険相談・保険見直しのメリット

最新の商品情報の入手

生命保険の加入経路の54%が生命保険会社の営業職員からの加入となっています。ネット・通販での加入や保険代理店からの加入も増加傾向ですが、やはり1社専属の営業職員からの加入が半数以上です。


参考:平成30年度生命保険に関する全国実態調査【生命保険文化センター】


保険会社各社は、貯蓄系商品、外貨建て保険、定期保険、医療保険などに強みや特徴がありますので、1社のみの情報だけでなく、各社の新しいタイプの保障や保険商品の情報を幅広く入手することで気に入った商品が見つかるかもしれません。

セカンドオピニオンの気づき

現在加入の生命保険の加入経路が生保会社営業職員の場合、募集人との関係性などで加入経路を変えることは心情的に抵抗がある場合もあるでしょう。


しかし、ここで考えて頂きたいのが、医療の世界で当たり前に行われているセカンドオピニオンです。自身の治療に関しては様々な治療手段を検討した上で、自ら治療方針を決めることが普通に行われています。


保険の世界でも同じです。別の視点から提案を受けることで選択肢を広げることは大事です。自身の保険加入の考え方の新しい気づきがあるかもしれません。

保険相談・保険見直しの注意点

最後に、保険見直しにあたって注意すべき点について考えましょう。

商品説明について

保険会社の営業職員は一社専属であり、自社商品については詳細の商品説明が可能ですが、他社商品の説明はできません。公平・中立な立場の相談相手としては要件を欠くことにも留意が必要です。


加入者は商品のメリットとデメリットを理解するには、複数の募集人から説明を聞く必要があります。手間がかかるかもしれませんが、大事なご自身の保障であり、しっかりと説明を受けましょう。 

乗合代理店での商品選択

複数商品を取扱う乗合保険代理店の募集人から商品説明を受ける場合には、複数商品の比較検討が可能になりますので、複数商品のメリデメをしっかりと説明してもらいましょう。


ここで留意すべき点は、提案商品を勧められた場合の推奨理由です。保険代理店の募集人も販売目標を持っており、自社や自分の事情で提案商品を選定することも無いとは言えません。 


しっかりと説明を求め、勧められるままではなく、自分自身で良いと考える商品を選択しましょう。



保険相談・保険見直しのまとめ

保険募集を行う募集人が顧客本位の原則に沿って誠実で公平中立な情報提供や商品説明を行い、加入者サイドが大切な自身と家族を守る生命保険の大切さを理解してベストチョイスができるよう慎重に検討することで、最適な保険選びが実現するのだと思います。


生命保険文化センターの調査において、「詳しくない」の比率が下がり、「詳しい」の比率が上がるために、生保業界の関係者は一層の努力が必要と言えるのではないのでしょうか。

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