更新日:2018/05/14
収入保障保険の保険金は一時金(一括)で受け取れるの?税金は?
収入保障保険の保険金は、年金方式で受け取るだけでなく、一時金(一括)で受け取ることもできます。そこで今回は、収入保障保険の保険金を一時金(一括)で受け取る場合に課税される税金の種類や、知っておくべきことについて、わかりやすくまとめています。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 収入保障保険の一時金(一括)で受け取るときの税金について
- 収入保障保険の一時金を受け取り時に課税される税金の種類の違い
- 契約者と受け取り人が同一、被保険者が異なると”所得税”
- 契約者と被保険者が同一、受取人が異なると”相続税”
- 契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なると”贈与税”
- 収入保障保険の一時金は”相続税”として受け取ると節税効果が大きい
- 死亡保険金の場合、控除額が一番大きい
- さらに、一般的な相続税の基礎控除が適用できる
- 収入保障保険を一時金として受け取るときに知っておくべきこと
- 年金方式より一時金のほうが受け取る金額が少ない
- 一時金は全額受け取ることもでき、一部だけというのも可能
- まとめ
目次
収入保障保険の一時金(一括)で受け取るときの税金について
実は、収入保障保険の保険金は、月々一定金額を年金のように受け取る方法だけでなく、一時金(一括)で受け取る方法も選択できる場合があります。
それでは、収入保障保険の保険金を一時金(一括)で受け取る場合には、どのような税金が課せられるのでしょうか。
今回は、収入保障保険の保険金を受け取る時に課税される税金について解説していきます。
収入保障保険の一時金を受け取り時に課税される税金の種類の違い
どのような種類の税金が課税されるのか、ケース別にご紹介していきます。
契約者と受け取り人が同一、被保険者が異なると”所得税”
具体的には以下のような場合に、所得税が課税されます。
- 契約者:夫 被保険者:妻 保険金受け取り人:夫
- 契約者:妻 被保険者:夫 受け取り人:妻
保険金の受け取り人が、他に所得を得ていない場合には、一時金(一括)で受け取った保険金のみが所得税の対象となりますが、他に所得を得ている場合には、それらの所得と合わせて所得税の課税の対象となります。
また、遺族年金は非課税です。
契約者と被保険者が同一、受取人が異なると”相続税”
具体的には以下のような場合に、相続税が課税されます。
- 契約者:夫 被保険者:夫 保険金の受け取り人:妻
- 契約者:妻 被保険者:妻 保険金の受け取り人:子供
ただし、保険金の受け取る人が被保険者の相続人である場合には、「500万円×法定相続人数分」の金額は、生命保険金控除金額として差し引くことができるため、非課税となります。
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なると”贈与税”
具体的には以下のような場合に、贈与税が課税されます。
- 契約者:夫 被保険者:妻 保険金の受け取り人:子供
- 契約者:妻 被保険者:夫 保険金の受け取り人:子供
贈与税が課税される場合の課税対象額は、一時金(一括)で受け取った保険金の額から110万円を控除した額になります。
収入保障保険の一時金は”相続税”として受け取ると節税効果が大きい
所得税、相続税、贈与税がそれぞれ課税されますが、これら3種類の税金の中で、最も節税効果が大きいのは、相続税として受け取る場合です。
なぜ相続税として受け取ると節税効果が大きくなるのか、ご説明していきます。
死亡保険金の場合、控除額が一番大きい
死亡保険金の場合には、相続税として受け取る方法が、控除額が一番大きくなります。
各税金ごとに課税対象額を比較すると以下の通りです。
- 所得税の課税対象額:(保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2
- 相続税の課税対象額:保険金-(500万円×法定相続人数分)
- 贈与税の課税対象額:保険金-110万円
上記を見比べると、相続税の控除額が一番大きいことがわかります。
課税の対象となる額が少なくなるため、節税効果が高くなるのです。
さらに、一般的な相続税の基礎控除が適用できる
相続税には、以下の基礎控除があります。
- 3,000万円+600万円×法定相続人数
保険金を含めた遺産の金額(非課税金額や債務控除額を差し引いた後の金額)が基礎控除の範囲内であれば、相続税はかからないのです。
収入保障保険を一時金として受け取るときに知っておくべきこと
収入保障保険の保険金を一時金(一括)で受け取る場合には、税金が課税されることをご紹介しましたが、税金の種類以外にも、知っておくべきことがあります。
そこで続いては、収入保障保険の保険金を一時金(一括)で受け取る場合に、知っておくべきことをご紹介していきます。
年金方式より一時金のほうが受け取る金額が少ない
例えば、年金方式で受け取った場合には、「毎月10万円×25年間=3,000万円」受け取れる場合であっても、一時金(一括)で受け取ると、2,500万円しか受け取ることができないという場合があります。
なぜ、保険金を一時金(一括)で受け取ると、年金方式で受け取るよりも、受け取ることができる保険金の総額が少なくなってしまうのでしょうか。
それは、保険会社が、払い込まれて据え置きしている保険料を運用しているためです。
保険会社に預かってもらっている資産は運用してもらうことができますが、一時金(一括)で受け取ってしまうと、それ以降の運用利益は見込めません。
そのため、一時金(一括)で受け取ると、保険金総額が少なくなってしまうのです。
一時金は全額受け取ることもでき、一部だけというのも可能
しかし、死亡整理資金としてまとまった資金が要る場合に、どうしても一時金(一括)で受け取りたいという方もいるでしょう。
そういった方に検討してほしいのが、一部だけを一時金(一括)で受け取る方法です。
まとまった資金が必要であっても、受け取る一時金を一部だけにしておけば、残っている保険金を年金方式で受け取ることも可能です。
受け取り保険金の総額を減らしたくないという方は、保険金の一部だけを一時金(一括)で受け取る方法も検討してみましょう。
まとめ
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- 保険金に課税される税金の種類は、契約者と被保険者、保険金の受け取り人の関係により異なる
- 保険金に課税される税金の種類は、所得税、相続税、贈与税の3種類
- 保険金に課税される税金のうち、相続税が最も節税効果が高い
- 保険金の受け取り方式は、年金方式より一時金のほうが受け取る金額が少なくなる
- 保険金は、一部だけ一時金で受け取るというのも可能
いかがでしたか。
収入保障保険の保険金を一時金(一括)で受け取る場合には、税金の種類に注意が必要です。
また、年金方式で受け取るよりも受け取ることができる保険金の総額も少なくなってしまうため、受け取り方式は慎重に検討する必要があるでしょう。