更新日:2017/09/05
生命保険は中世ヨーロッパが始まり! 生命保険の成り立ちを解説
今の時代、多くの人が加入している生命保険。いざという時とても便利な制度ですが、どのような成り立ちなのかをご存じの方は少ないのではないでしょうか。実は、始まりはとても古いのです。生命保険の成り立ちを、順を追って解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
世界の生命保険の成り立ちの起源は中世ヨーロッパ
なんと、少なくとも500年以上も前です。
そのころの生命保険は今とそこまで大きくは違いませんでした。
中世からいまとさほど変わらない制度があったのです。
世界の生命保険の成り立ちの起源はどのようなものだったのでしょうか。
同業者組合「ギルド」の助け合いの精神から始まった
ギルドでは、だれかが生活に困ったときや、冠婚葬祭などのときのために、組合員でお金を積み立て、なにかあったときにそのお金を使っていました。
このことが、生命保険の成り立ちの起源だと言われています。
しかし、ギルドは貴族や階級の高い商人しか加入できなかったため、まだ今のように多くの人が使える制度ではありませんでした。
生命保険の成り立ちの一番最初は、同業者組合ギルドでの助け合いの制度だったのです。
加入年齢によって保険料に差をつける制度も始まった
しかし、年齢に関係なく一定の保険料だったため、加入者に死亡率が高い高齢者が多くなると、お金が払えなくなり、組合は成り立ちませんでした。
この問題を解決したのが天文学者であるエドモンド・ハレーです。
ハレーは、人間の寿命を統計化した「生命表」を作成しました。
生命表は、生命保険の成り立ちに大きな影響を与えました。
そして、生命表の統計から、死亡率に基づいて保険料を集める制度が始まったのです。
以上が、世界の生命保険の成り立ちです。
日本の生命保険の成り立ちの起源は福沢諭吉
福沢諭吉と生命保険にどのような関係があるのでしょうか。
日本での生命保険は、どのような成り立ちなのでしょうか。
ここからは、日本における生命保険の成り立ちを解説します。
福沢諭吉の著書「西洋旅案内」で保険が紹介された
このことがきっかけで、日本に生命保険という制度が広まっていきました。
西洋に比べると、日本の生命保険は成り立ちの起源からしてかなり遅れていることがわかります。
日本で一番初めの生命保険会社は明治生命(現:明治安田生命)
福沢諭吉の門下生の阿部泰蔵によって、日本で一番初めの生命保険会社である、有限明治生命保険会社(現:明治安田生命)が開業しました。
明治生命は、現存する最古の生命保険会社にもなっています。
その後、二番目に帝国生命(現:朝日生命)が、三番目には日本生命が次々と誕生します。
当時は「人の生死で金儲け」と批判を浴びることが多かった
この批判は、生命保険がどのようなものなのかが民衆に正しく理解されていなかったことを示しています。
日本の生命保険の成り立ちは、マイナスイメージからのスタートだったのです。
そのため、民衆に生命保険が普及するには時間がかかりました。
しかしその後、保険制度に対する理解は徐々に広まっていき、加入者も増えていきました。
現在、日本に40社以上の生命保険会社がある
しかし、昔は批判されていた生命保険会社ですが、高度経済成長期からバブル期にかけて多くの会社が生命保険事業に参入しました。
さらに、インターネットの普及で、保険に関する情報にかんたんにアクセスできるようになったり、ネット上で申し込める生命保険ができたりしたこともあり、現在、日本にはなんと40社以上の生命保険会社があります。
日本の生命保険業界の市場規模は世界第2位の規模
これは、アメリカに次いで世界第二位の規模です。
日本での保険の世帯加入率は89.2%に登るという調査結果もあり、日本は保険における先進国と言えるでしょう。
まとめ:生命保険の歴史・成り立ちについて
生命保険の歴史や成り立ちがわかっていただけたでしょうか。
現在の私達が使っている生命保険制度が中世ヨーロッパから始まった、というのはとてもすごいことですよね。
成り立ちを知ることは、物事を深く知るためには欠かせません。
生命保険は、お金を払って加入しているものですから、正しい知識を持っておきたいところです。