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【FP監修】相続税対策における生命保険のメリット・デメリット

生命保険は相続税対策としても人気です。理由としては「非課税枠の利用」「受取人の指定可」「現金化」などがありますが、一方で注意点もあります。お金のプロのFPの方は、相続税対策として生命保険を活用することをどう思っているのか、回答していただきました。

アンケートにご協力いただいたFPの方々(50音順、敬称略)

ファイナンシャルプランナー
下澤 純子
保険営業歴20年。現在は生命保険営業専門のコンサルタントで、保険営業さんを対象に、営業のやり方、集客の仕方を教えています。著書『働く女性がしたたかにしなやかに生き抜く仕事術』『成績のいい人はモテる人』。7月発売予定『身の丈セミナー講師入門(仮)』

FPアンケート「相続税対策として生命保険は役立つのか」

今回の記事では、現役のファイナンシャルプランナー(FP)の9名の方にアンケートを受けていただき、その回答を元に記事を作成しています。 
「相続税対策のためにも生命保険に加入した方が良い」ということを聞いたことがあるかもしれません。

なぜ相続税対策として生命保険が役立つのか、またデメリットはないのか、さらに相続税対策をするならどういった生命保険に加入すれば良いのかと、数多くの疑問があるかと思います。


FPの方も、相続税対策として生命保険の相談を受けることが多いようです。


では、まずは相続税対策における生命保険のメリット・デメリットを紹介します。

相続税対策における生命保険のメリット

相続税対策における生命保険のメリットとしては、主に3つあります。 

  1. 法定相続人1人当たりにつき、500万円の非課税枠を利用できる
  2. 死亡保険金の受取人を指定できる
  3. すぐに現金として受け取ることができる

それぞれについて見ていきましょう。

法定相続人1人当たりにつき、500万円の非課税枠を利用できる

1つ目のメリットは、法定相続人1人当たりにつき、500万円の非課税枠を利用できるということです。


法定相続人とは、相続する上での優先順位の高い人のことです。


配偶者がいれば、配偶者は自動的に法定相続人となります。


そして、次に優先順位の高いのは、子供です。そして、父母、その次に兄弟となっています。


例えば、夫婦と子供二人の家族の場合に夫が亡くなると、法定相続人は、妻と子供二人となります。


このとき、生命保険の非課税枠は、法定相続人(3人)* 500万円 = 1500万円まで相続税が控除されることになります。

死亡保険金の受取人を指定できる

相続のようなお金が絡む問題は揉めやすいです。  

相続争いで、弁護士が出てくるといったケースも少なくありません。


生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産なので、そのような相続争いになる心配がないのです。


すぐに現金として受け取ることができる

亡くなると、その亡くなった人の銀行口座は凍結します。

そのため、銀行口座にお金がある場合は、すぐにお金を受け取れないのです。


また不動産として持っている場合も、すぐには現金化できません。


しかし、保険金であれば、書類が揃い次第、お金を受け取ることができます


また先ほども説明したように、受取人固有の財産となるので、相続争いによって受け取れる時期が延びる心配もありません。

相続税対策における生命保険の注意点

ここまで、生命保険の相続税対策におけるメリットを話してきましたが、もちろん注意点もあります。

以下で紹介するように、FPの方のなかにも、この注意点に警鐘を鳴らしている方がいましたので、しっかりとチェックしましょう。

90歳など高齢で加入すると保険料が非常に高い

相続税対策といって、90歳など高齢から加入すると、保険料が非常に高くなってしまいます。

この場合、さらに長生きすると、保険料の負担が増え、相続税対策として意味のないものになるリスクもあります。


長生きリスクも考慮し、一時払いをする方法も人気ですが、その分だけの保険料を一括で支払うことのできるお金が必要です。


ただし、逆に言えば、加入の条件によっては死亡保険金額が支払った保険料を大幅に上回る可能性もあります。


また、相続放棄を行った人は相続人としての扱いを受けられないや、保険会社の破綻リスクもあることも知っておきましょう。

相続税の基礎控除の金額も知っておこう

生命保険とは関係なく、相続税には基礎控除があります。

これはその基礎控除の分は、相続税がかからないということです。

相続税の基礎控除の計算は、3000万+(相続人の人数×600万)

例えば、相続人数が3人の場合は、3000万+(3人×600万) = 4800万円となります。


資産が4800万円以下であれば、相続税はそもそもかかりませんので、生命保険の非課税枠のメリットはありません。


相続するお金がかなり多いような資産家であれば、相続税の基礎控除額を大きく上回ってしまうので、生命保険に加入し非課税枠を利用することで、相続税がかかる金額を減らすことができます。


さきほども説明したように、生命保険を相続税対策として利用するメリットは、非課税枠以外にもありますので、決して相続税対策としての生命保険を否定するものではありませんが、この2つの注意点についても知っておきましょう。


では、FPの方たちの回答を見てみましょう。

各FPのコメントはほとんど原文のまま掲載しています。ぜひ参考にして見てください。(敬称略) 

FPの方たちの「相続税対策としての生命保険」のアンケート結果!


相続税対策として生命保険に加入することについての、アンケート結果がこちらになります。



  • 良い方法だという意見:9人中7人
  • 問題ありという意見:9人中1人
  • ケースバイケースという意見:9人中1人

では、具体的にFPの方のコメントを見ていきましょう。

良い方法だという意見

  • 相続対策で生命保険に入るのは、資産家には有効でしょう。

    保険料を支払うことで現金資産を減らすこともできます。

    保険金は受取人固有の資産として認められているので、財産をどうしても残したい人がいる場合、その人を受取人にして保険をかければ確実に資産を渡すことができるでしょう。

    相続人を1人に絞りたいときは1人にだけ生命保険を残して、他の相続人に遺留分を支払うための保険金として利用することができます。

    (拝野 洋子)



  • 相続対策で生命保険を利用するのはとてもいい方法です。
     
    生命保険でできる相続対策は大きく分けると2つあります。

    1つは、相続税という税金を少なく、または掛からなくすることができるのです。
    非課税枠の500万円を利用することができます。

    また、死亡保険金を年金で受け取ることで、その年に一度に大きな死亡保険金が入らないようにすることもできます。 

    もう1つ相続対策に関して、生命保険を利用することでの大きなメリットがあります。

    それは、加入時に受取人を決められるということです。

    どうしても起こってしまいがちな相続問題、生命保険の死亡保険金の受取人を指定することで、無用な争いを回避できるかもしれません。

    財産の受取人と受取り額を指定できるのは、生命保険だけかもしれません。

    (下澤 純子)

  • 相続対策として生命保険を利用すると、死亡保険金に非課税枠(500万円×法定相続人の人数)が発生するので、相続税を抑えることができます。

    また、銀行預金や不動産などの相続では遺産分割協議など手続きを終えないと相続財産を受け取ることができませんが、生命保険の場合は受取人になっている人が比較的早く保険金を受け取ることができ、このお金を相続税の納税に充てることもできます。

    相続税には基礎控除がありますが、それを超えた財産があり、相続税が発生しそうな場合は、生命保険を相続税対策に利用することもありだと思います。

    (前佛 朋子)

  • お金には名前がつけられず、相続時にもめることもある。

     生命保険であれば、保険金の受取人を指定できるので、託したい人にお金を残すことができ、もめることがない。

     また、死亡保険金には、500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額がある。

    (正田 きよ子)

  • 非課税枠の活用預金ならバッチリ相続税の課税対象ですが、保険金には非課税枠があるからです。

    死亡時に預貯金として存在する場合は、バッチリ相続税の課税対象となりますが、保険金には相続人1人につき500万円の非課税枠があります。

     相続税がかかる人であれば、検討してもよいでしょう。

    相続が視野に入った人であればよいのですが、若い人の場合はそこまで考える必要はありません。

    (横川 由理)

  • すぐに現金化でき、生命保険の非課税枠があるため。

    被相続人が亡くなると、銀行口座が凍結してしまうため、現金が必要になった時に困る。

    保険金は、書類が整えば受け取るこ事ができるので流動的である。

    また、保険金受取人を指定できるため代償分割時にも役立つ。

    相続税の点から見ても有利であるので、活用すべきだと思う。

    (冨士野 喜子)

  • 生命保険には生命保険だけに認められている非課税枠があり、現金で相続するより相続税を抑えることができます。

    そして、生命保険は保険金受取人を指定することができるので、遺したい人に確実に遺すことができます。

    加入の条件によっては死亡保険金額が支払った保険料を大幅に上回るので、ある意味、効率の良い資産運用にもなります。

    (松浦 建二)

問題ありという意見

  • 法定相続人1人当たり500万円の非課税枠で割に合わない。

    相続対策として生命保険を活用する際には、死亡保険金としての役割しかないでしょう。

    死亡保険金はみなし相続財産になり、相続放棄を行った人は相続人としての扱いを受けられないため、非課税枠の適用がない。

    相続対策で生命保険に加入する加入者も年齢が高く、保険料も高いので、ムダと考える。

    (鳥海 光夫)

ケースバイケースという意見

  • 相続に関しては状況により様々ですので良し悪しを事前に決めつけない方が良いと思います。

    保険を活用する主な目的は
    1.節税
    2.手軽に特定の相続人に遺産を相続させることが可能 だといえます。

    こうした目的にかなうなら相続対策として前向きに検討してもよいかもしれません。

    しかし、長寿リスク、保険会社固有のリスク等、相続以外のリスクもあり、あくまで慎重に検討すべきでしょう。

    (林 健太郎)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事をまとめると、相続税対策における生命保険のメリットは、


  • 法定相続人1人当たりにつき、500万円の非課税枠を利用できる
  • すぐに現金として受け取ることができる
  • 死亡保険金の受取人を指定できる

であり、有効というFPの方たちの意見が多くありました。


ただし、


  • 保険料が高いこと、長いリスク、保険会社の破綻リスクなど
  • 相続税の基礎控除の金額分は相続税はそもそもかからない

という注意点もあることも知っておきましょう。

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