生命保険ALL

生命保険の必要性

生命保険の選び方

生命保険の見直し

【FP監修】必要性から考える20代・30代の専業主婦の保険の選び方

夫婦の保険について考える際、忘れられがちなのが専業主婦である妻の保険です。そもそも専業主婦に保険は必要なのかという点でも、FPでも意見が分かれるようです。この記事ではこの点について、現役FPの意見を参考に考えていきます。

アンケートにご協力いただいたFPの方々(50音順、敬称略)

ファイナンシャルプランナー
下澤 純子
保険営業歴20年。現在は生命保険営業専門のコンサルタントで、保険営業さんを対象に、営業のやり方、集客の仕方を教えています。著書『働く女性がしたたかにしなやかに生き抜く仕事術』『成績のいい人はモテる人』。7月発売予定『身の丈セミナー講師入門(仮)』

FPアンケート【20代から30代の専業主婦にとっておすすめな保険とは?】

今回の記事では、現役のファイナンシャルプランナー(FP)の9名の方にアンケートを受けていただき、その回答を元に記事を作成しています。
夫婦の保険について考える際、どうしても一家の大黒柱である夫の保険が中心となります。

特に妻が専業主婦で収入がない場合には、妻の保険は忘れられがちです。


そもそも専業主婦にとって保険は必要なのかという点でも、FPの意見が分かれるようです。


専業主婦にとって保険は必要なのかということについて、それぞれのFPの意見を参考に考えてみましょう。




専業主婦の保険の選び方

FPの多くから聞かれたのは、保険よりも貯蓄を重視するべきだという意見です。

また保険に加入する場合には、万一に備える生命保険よりも医療保険の必要性のほうが高いという意見も多く聞かれました。


まずは専業主婦にとっての保険の必要性について考え、なぜ専業主婦にとって保険よりも貯蓄が大切なのかについて、より詳しくみていくことにしましょう。

専業主婦にとっての生命保険の必要性

まずは生命保険に加入する目的から考えていきます。

生命保険に加入する目的は、保険の対象者(被保険者)が亡くなった場合に、被保険者の「収入」によって支えられていた家族の生活を守ることです。 


働いて得た「収入」で家計を支えていた一家の大黒柱の夫が亡くなった場合、妻が専業主婦であれば、その家庭にとっての収入は遺族年金だけとなってしまいます。


このとき遺族年金だけでは不足してしまう「収入」を補填することが生命保険の役割なのです。


つまり「収入」のない専業主婦が、「収入」の補填を目的とする生命保険に加入する必要性は低いということになるのです。


一方で、専業主婦にも生命保険は必要だとする考え方もあります。


例えば、妻の担っていた家事や子育てといった家庭における役割を金銭的に換算し、家事サポートなどを負担なく利用できる程度の保障は必要だという考え方です。


確かに家事に不慣れな夫が、いきなり1人ですべての家事をこなすとなれば負担が大きいかもしれません。


しかし死別に限らず、男手一つで子供を育てているシングルファーザーは多くいますし、子どもがいなければ自分のことぐらいはなんとかなるようにも思えます。


保険料を払うのは夫であり、妻が亡くなったときに保険金を受け取るのも夫です。


保険料を払ってでも保険で備えたほうが安心だというのであれば、それも選択肢でしょう。


とはいえ、やはり必要性は低いといえるでしょう(特に子どものいない場合)。


そのほか、葬儀費用は収入の有無に関わらず必要となる費用であることから、もしものとき備えて葬儀費用程度の生命保険に加入しておくという考え方もあります。

専業主婦にとっての医療保険・がん保険の必要性

続いて医療保険やがん保険についても、加入する目的から考えてみます。

医療保険やがん保険に加入する目的は、保険の対象者(被保険者)が入院したり手術を受けた場合に、その治療費などに備えることです。


そのほかにも働けない間の「収入減少」や付き添う家族の交通費や治療に伴う雑費などに備えることなども目的といえるでしょう。


「収入減少」以外の部分は、専業主婦であっても夫と同じように備える必要がありそうです。


20代・30代ではこれからの妊娠・出産に備えるため、すでに子どもがいれば家事ができなくなることで生じる負担に備えるために、医療保険への加入を検討する余地があるといった意見がFPにもみられました。


専業主婦にとっては、生命保険よりも医療保険(がん保険)の必要性のほうが高いといえるでしょう。

妻名義の保険も夫の生命保険料控除の対象となる

すでにご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、専業主婦の妻が保険に加入する場合、妻名義の保険の保険料も夫の生命保険料控除の対象となるということは知っておいて損はないでしょう。


その年に支払った生命保険料は、年末調整や確定申告することで生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税が安くなります。


専業主婦で収入がないから控除対象となる所得もないだろう。


そう思って妻名義の保険は生命保険料控除の申請をしていなかった方は、今年からでも申請すれば税金が安くなるはずです。


専業主婦には保険よりもまずは貯蓄が大切

ここまで専業主婦にとっての保険の必要性についてみてきましたが、FPに共通していたのは「専業主婦には保険よりもまずは貯蓄が大切」という意見です。

保険は起きる可能性は低いものの、起こってしまうと経済的な負担が大きなリスクに備えるためのものです。


専業主婦である妻が亡くなった場合の経済的な負担は、一家の大黒柱である夫が亡くなった場合に比べれば小さくなるでしょう。


また医療保険で備えるリスクは、生命保険で備えるリスクに比べれば小さいといえます。


つまり専業主婦が保険によって備えるべきリスクはそれほど大きくないということがいえます。


また、経済的なリスクに備える方法は保険に限らず、貯蓄によっても備えることはできます。


保険はなにもなければ基本的にそれまでですが、貯蓄であればなにもなければ自由に使えるお金が残ります


いわば貯蓄は最強の「保険」なのです。

専業主婦も加入できるようになったiDeCoで、貯蓄と節税

専業主婦が貯蓄をする上で、おすすめの方法がiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

2017年の制度改正によって、専業主婦でもiDeCoに加入することができるようになっています。


このiDeCoは、定期的に拠出する掛金で定期預金や投資信託などを購入していき、60歳以降にそれまでの積立金と運用益を受け取る仕組みです。


iDeCoにより貯蓄を行うメリットは、掛金が全額所得控除対象であり、運用益も非課税となるなど節税効果が高いという点です。


ただし専業主婦の場合には所得控除対象となる所得がないため、掛金に対する節税メリットはありません。


とはいえ運用益が非課税となるだけでも、節税効果は高く利用価値は十分あります。


ただiDeCoでの貯蓄は基本的に老後資金に備えるものであり、原則60歳以降にしか受け取れません


20代・30代では、これから教育資金や住宅資金なども必要となってくるため、それらのバランスを考えて利用しなければなりません。


そこでまず教育資金や住宅資金として必要お金をiDeCo以外の商品で貯蓄・運用し、老後資金に回せるお金についてはiDeCoに拠出します。


夫婦でiDeCoを利用するのであれば、まずは所得があり節税効果をフルに受けられる夫の利用を優先しましょう。


iDeCoの掛金には上限があるので、夫の枠を使い切った上で余力があれば、妻のiDeCoも活用していくというのがよいでしょう。

各FPのコメントはほとんど原文のまま掲載しています。ぜひ参考にして見てください。(敬称略) 

FPの方たちの「20代から30代の専業主婦の保険」のアンケート結果!

子どものいる場合の専業主婦のアンケート結果は以下のようになりました。



  • 定期預金:9人中5人
  • iDeCo:9人中3人
  • 終身医療保険:9人中3人
  • 終身保険:9人中2人
  • 定期保険:9人中2人
  • 定期医療保険:9人中2人
  • 終身がん保険:9人中2人
  • 定期がん保険:9人中1人
  • 個人年金保険:9人中1人
  • 共済:9人中1人(注)


(注)表の中に、「共済:9人中1人」となっていますが、これは別回答の自由欄として受け取ったものです。もし共済がはじめから選択肢にあれば、もっと票が集まっていたと考えられるので、注意しましょう。(共済は掛け金が安いケースが多いので、専業主婦に人気な商品の一つです。)


子供のいない場合の専業主婦のアンケート結果は以下のようになりました。




  • 定期預金:9人中4人
  • iDeCo:9人中3人
  • 終身保険:9人中3人
  • 終身医療保険:9人中3人
  • 定期保険:9人中2人
  • 定期医療保険:9人中2人
  • 終身がん保険:9人中1人
  • 定期がん保険:9人中1人
  • 個人年金保険:9人中1人
  • 夫の考え方次第:9人中1人

定期預金やiDeCoなどでの貯蓄に加えて、節税効果も含め医療保険の必要性は高い

では、定期預金やiDeCoなどでの貯蓄や医療保険を選んだFPの方たちの意見を紹介します。


  • 子供がいる場合もいない場合も、既婚なら妊娠のリスクがあるので医療保険はおすすめです。

    3000円の保障で医療保険に入っておくと帝王切開や切迫早産などに備えられるでしょう。

    正常分娩でも給付金の出るタイプのミニ保険もあります。

    妊娠してから医療保険に入っても出産に関しての給付金はでません。

    夫の医療保険料控除を使うこともでき、節税につながります。

    運用利率は低いのですが、個人年金保険に入っておくと、保険料を夫の個人年金保険料控除を使うことができます。

    貯金は普段から捻出し、万一のため??に備えた方がいいでしょう。

    (拝野 洋子) 

  • 子供の有無に関わらず、働いていない専業主婦が病気になり入院した際には家計への負担がずっしりと重くなる。

    負担を軽減する意味でも、割安感がある定期医療保険に加入しておくのがよい。

    専業主婦は、配偶者(夫)の健康保険制度をうまく利用できるケースがあるので、1日当たりの保険金の設定額に留意したい。 

    (鳥海 光夫)

  • 子供がいても子供がいなくても、病気になったことを考えると、医療保険の加入を考えても良いかもしれません。

    子供がいない場合は、自分の葬式代程度のお金を準備することを考え、子供がいる場合は、自分に万が一があったときに子供の生活が困らないようにすることを考え、保険料が一定の終身保険の加入は考えても良いかもしれません。

    (前佛 朋子)

  • 子供がいない場合は、生活費は配偶者が担っている専業主婦の場合、万一の場合の死亡保障の必要性は低いと思う。

    保険は、今後の妊娠に備えて医療保険への加入があればよいのではないかと思う。

    余裕があれば、預金などで保険に入るよりもお金を貯めるほうに注力した方がよいと思う。

    子供がいる場合は、万一の場合、お子様の世話をしながら配偶者が今までどおり働くのは難しい。

    そのため、専業主婦であっても、万一の場合に遺族が家事サポートなどを負担なく利用できる程度の死亡保障が必要だと思う。

    (正田 きよ子)

  • 子供のいない場合は、定期医療や定期がん保険は世帯主の収入が十分あるなら不要と考えます。

    iDeCoは無収入の方には所得控除のメリットはありませんが利益非課税、一時払いの退職所得控除等のメリットがありますので主婦でも検討の余地があります。

    子供のいる場合は、収入がなければキャッシュフローの収入に影響しませんので死亡保障は不要です。

    定期医療、定期がんは世帯主の収入や貯蓄額に依存しています。

    iDeCoに関しては専業主婦でも一定のメリットがあると考えます。

    (林 健太郎)

  • 子供に関係なく、専業主婦こそ、保険は必要。

    会社員の場合は、傷病手当金など健康保険の給付があるが、専業主婦には公的な社会保障が全くない。

    主婦が入院をした場合は、家事において支障が出てくる。

    経済的に、保険料を捻出できない場合は、共済等の月々が安価で色んな保障が確保できる保険を選んでも良い。

     独身時の貯蓄がある場合は、保険料を前納すれば、毎月の支払がないので、家計としては楽。

    (冨士野 喜子)

定期預金やiDeCoの貯蓄以外であれば、定期保険のみでも良いという意見もありました。


  • 専業主婦が行っている家事を外注すると、夫の収入より多くなるかもしれません。

    専業主婦の死亡であったとしても、生活が一段落するまで500万円程度(家庭によって異なる)の定期保険で乗り切りましょう。

    この際、契約者が妻となることが重要です。家事負担分の定期保険を選んでください。

    収入がないため貯蓄を行うのは難しいとは思いますが、できる範囲で貯蓄を増やしましょう。

    (横川 由理)

夫の考え方次第という意見もありました


  • 専業主婦であれば加入する保険の保険料は夫が払うことになるでしょうから、夫の考え方も尊重したいです。

    妻が万が一の時には夫は独身に戻り、妻が病気やケガをした時にはおそらく夫が治療費等を払います。

    経済的な備えが必要かどうか、保険にどのくらい頼るかどうかを確認した上でお勧めが決まると思います。

    その際、将来子供を産む予定(希望)があるかないかも確認しておきたいです。

    子供のいる場合は、多くの事例を見ると医療保険が最優先ですが、備えとしては他の保険もあった方が安心はできます。

    教育費や老後の備え等の貯蓄については勿論した方が良いですが、妻の保険を使うのが良いかどうかは夫の考え方次第というのもあり、ケースバイケースです。

    (松浦 建二)

子供のいない夫婦の生命保険の必要性について、面白い意見もありました

  • 子供がいないということで、保障も必要ないように思われがちな家庭の形です。

    保障といったところでは、万一のことがあっても、入院されても、ご主人の収入の範囲内でカバーできるのであれば必要ないのかもしれません。

    心配なのは、ご主人が亡くなったときに、ご主人のご両親が生存されていた場合です。

    ご主人のご両親にも法定相続分があります。

    お子様がいらっしゃれば、ご主人さまに万一のことがあった場合、お子さんと2分の1ずつの相続分となりますが、お子様がいない場合、財産の3分の1はご両親に受け取る権利があります。

    今は、ご両親との仲は悪くなくてもご主人が亡くなったらどうなるか分かりません。

    ご主人がいる上でご両親との仲が保たれている場合も多いようです。 

    言い方は悪いですが、ご両親が生きていると思われる時までの定期の死亡保険をご主人の保険で準備し、受け取った奥様からご両親へ、という流れにすると自然です。

    これは奥様自身の保険の話ではありませんが、お子様のいない家庭の大きなリスクでもあります。

    (下澤 純子)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

FPの意見としては、専業主婦には保険よりも貯蓄のほうが大切という意見が多くみられました。  


とりあえず保険に入っておけばいいというものではなく、必要性から優先順位を考えることが大切なのですね。


保険ROOMには、他にも読んでおいていただきたい記事がたくさんあるので、ぜひご覧ください。

ランキング

  • 保険の見直しで生命保険にするか共済にするかで悩んでいる方に
  • 理解できていますか?生命保険と県民共済の違いや共通点をおさらい
  • 生命保険の約款には何が書かれている?特に注意すべきことは?
  • 生命保険は中世ヨーロッパが始まり! 生命保険の成り立ちを解説
  • 分かりにくい、とても面倒、だけど重要な生命保険の主契約の見直し方
  • 今更聞けないけれども、必ず知っておきたい生命保険の特約の全情報
  • 生命保険(医療保険)に入院保障は必要?入院給付金についても解説!
  • 10年満期の生命保険で100万円受け取るのは、お得なの?損なの?
  • 生命保険の終身型と掛け捨て型を相場から見る、自分に合った保険選び
  • 生命保険の貯蓄型は老後に有利?貯蓄型生命保険で賢く資産形成しよう
  • 低解約返戻金型の生命保険を最大限活用すると、こんなにお得!
  • 生命保険料を毎月払いと前納って何が違う?メリットやデメリットは?
  • 残高証明書は生命保険会社に請求しなければ発行してもらえません
  • あなたは大丈夫?無駄のない生命保険の入り方を生活スタイル別に解説