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養老保険はもう安心の保険ではない?元本割れのリスクを説明します

貯蓄性に優れた安心な金融商品であったはずの養老保険ですが、低金利が続く現在、その魅力は失われつつあります。かえって元本割れするケースも多くなってしまったのです。養老保険における元本割れのリスクを、具体例をもとに解説します。

養老保険はもはや「安心」の金融商品ではない?元本割れのリスクについて

貯蓄性生命保険として知られる養老保険。バブル期の前後は予定利率が5.0%を超えるものもあり、貯蓄性が高いことが最大の魅力でした。

過去には「無事満期を迎えると、必ず保険料払込総額以上の満期金を受け取ることができる」という安心感があった養老保険。



しかし今は超低金利時代。養老保険も「安心」の金融商品ではなくなりました。満期で受け取る満期金よりも、保険料払込総額のほうが多くなってしまう「元本割れ」するケースが多くなってきたのです。



もはや安心とは言えない養老保険の、元本割れのリスクについて解説します。



そもそも養老保険とはどんな生命保険なのか

養老保険とは、契約期間中に被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われ、無事に満期を迎えた場合に満期保険金を受け取ることのできる保険のことをいいます。


万が一のときの保障はもちろん、満期のときに満期保険金を受け取ることのできる楽しみがあることが特徴です。満期保険金の受取時期を50代や60代に設定することで、満期保険金を老後の資金として活用することができます。 

養老保険はもはや「お得」な生命保険ではない

養老保険は、満期のときに支払った保険料の総額より多い満期金を受け取ることができる「お得」な保険のイメージがありますが、そうとは言えません。

実際に養老保険の保険料を試算するとわかりますが、満期で受け取ることのできる金額と支払う保険料総額を比べると、保険料総額のほうが多くなってしまうケースも多くあります。


その理由と、養老保険に加入した場合の具体例を説明します。



昔に比べ予定利率は大きく下がっている

予定利率とは、契約者に対して約束する運用利回りのことです。


生命保険会社は、契約者から預かった保険料を運用しています。その運用によって得られる利益を予想して、予め保険料を割り引いています。その時の利率を「予定利率」といいます。

この予定利率が、現在大きく下がってしまっています。



バブル期前後の昭和55年から平成4年ごろまでは予定利率が5%を超えていました。その後徐々に予定利率は下がり、平成30年1月現在、0.85%(日本生命保険)にまで落ち込んでいます。


つまり、現在は過去に比べて保険料が高くなってしまったため、受け取る満期金に対して保険料総額のほうが高くなってしまう(元本割れする)可能性がでてきたのです



このように、現在のように低い予定利率では、貯蓄性が長所である養老保険はあまり魅力的な商品とは言えません。そのため、生命保険会社の中には養老保険をはじめとする貯蓄性の高い保険商品の販売を中止しているところもあるほどです。



逆に、バブル期前後の予定利率は5.0%を超えることがほとんどですので、その時期に加入した養老保険は貯蓄性がとても高い保険です。

5.0%には届かなくても、平成12年以前の養老保険は今に比べて予定利率が高く「お宝保険」とも呼ばれています。


よく考えずに養老保険に加入すると元本割れすることも

貯蓄性を求めて養老保険に加入しても、予定利率が低いため、満期金より支払った保険料の方が多くなってしまう(元本割れする)危険性があります。

【具体例】

30歳の男性が死亡保険金(=満期保険金)500万円、60歳満期の養老保険に加入した場合(オリックス生命)


月払保険料:14,585円

保険料払込総額:5,250,600円

返戻率:95.2%


このように、満期金よりも払い込んだ保険料の方が多くなり、元本割れするケースが多くあります。


保険期間が短いと、元本割れする可能性が高くなる

一般的には、保険期間が短い(満期までの期間が短い)方が返戻率が低く元本割れしやすくなります。さきほどの具体例と同じ条件で、保険期間を10年にして試算してみました。


30歳の男性が死亡保険金(=満期保険金)500万円、10年満期の養老保険に加入した場合(オリックス生命) 


月払保険料:44,845円

保険料払込総額5,381,400円

返戻率:92.9%



保険金額が低いと、元本割れする可能性が高くなる

同じように、保険金額(死亡保障)が低い方が返戻率が低く、元本割れしやすくなります。


30歳の男性が死亡保険金(=満期保険金)300万円、30年満期の養老保険に加入した場合(オリックス生命) 


月払保険料:8,958円

保険料払込総額3,224,880円

返戻率 93.0%



3つの例を比べると、保険期間が短く、保険金額が低い契約内容のものが最も元本割れしやすいことがわかります。少しでも元本割れのリスクを減らすために、養老保険に加入する際は「保険期間」と「保険金額」にも注意しましょう。

特約は元本割れの原因?

一般的に、養老保険にも特約を付加することができます。特約とは、主契約に付け加えて保障を充実させる保障のことです。例として、定期保険特約や災害割増特約、疾病入院特約などがあげられます。


特約を付加すると、死亡保障を増やしたり、入院・手術に関する保障が生まれたりする反面、特約を付加した分だけ保険料が高くなってしまいます。



保険料が高くなると、満期のときに受け取る金額より支払った保険料の方が多くなってしまう(元本割れする)可能性があります。つまり、特約を付加することが元本割れの原因のひとつになるのです。

養老保険は予定利率が低く、特約一つで損をすることも

予定利率が低い現在、特約を付加せずに養老保険に加入した場合でも元本割れするケースがあります。そのうえに特約を付加すること、支払う保険料がさらに高くなってしまい、損をしてしまいます。


【特約の保険料の例】

30歳の男性が死亡保険金(=満期保険金)500万円、60歳満期の養老保険に加入した場合(かんぽ生命)


月払保険料 15,300円


この養老保険に無配当災害割増特約(500万円)と無配当総合医療特約 I 型(7,500円)を付加した場合


月払保険料 17,850円


このように、月額にして2,550円、保険料総額にして918,000円もの差が生まれます。

元本割れのリスクを背負ってまで特約をつける必要性は薄い

養老保険のよいところは、なんといっても貯蓄性です。返戻率が下がったり、ましてや元本割れするリスクを背負ってまで、特約を付加する必要はないでしょう。


また、養老保険に特約を付加しても、満期後は保障が消滅してしまうというデメリットがあります。死亡保障や入院・手術に関する保障を手厚くしたい場合、養老保険に特約を付加するのではなく、別の医療終身保険への加入を検討することも手段の一つです。


まとめ

最後にもう一度まとめます。

  • 養老保険の予定利率は下がっており、昔のような「お宝保険」ではありません。
  • 「保険期間が短い」ほど元本割れするリスクが高くなります。
  • 「保険金額が低い」ほど元本割れするリスクが高くなります。
  • 養老保険に特約を付加すると、その分保険料が上がってしまうため、返戻率が下がってしまい元本割れするリスクが高くなります。


低金利がつづく現在、養老保険の魅力は薄れつつあります。無事に満期を迎えたとしても元本割れする可能性があることに加え、途中解約による元本割れのリスクも考えられるためです。



長期にわたる保険期間中に、保険料の支払いが困難になったり資金が必要になったりすることもあるかもしれません。そんなときに保険を解約してしまうと元本割れしてしまいます。


貯蓄代わりとして養老保険を選ぶ場合は元本割れのさまざまなリスクを頭に入れて、無理のない範囲で加入するようにしましょう。  


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