持病がある人の生命保険、加入する前に確認すべき大切なこととは?

持病がある人でも加入できる生命保険が話題になっていますが、加入する前に確認しておくべき大切な事項があります。また、加入するときの告知事項にも注意が必要です。そこでここでは、持病がある人が加入する生命保険について、確認しておくべきことを解説していきます。

持病があっても入れる生命保険は注意が必要!

持病や既往症などがある人は、これまでに一般の生命保険への加入を断られた経験をしている場合もあることでしょう。 

しかし、持病や既往症の経験があるからこそ、医療保険や死亡保険などの生命保険の必要性を強く感じているのではないでしょうか。


 そんな中、一般の生命保険に加入できない人にとって、持病などがある人でも加入が可能な生命保険が販売されています。これは、持病などがある人にとっては、ありがたい存在になりますね。


ただし、健康な人が加入する生命保険とは違い、持病などがある人が加入できる可能性のある生命保険には、注意も必要です。


では、こうした生命保険と持病がある人が加入できる可能性のある生命保険とは、何が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。



持病があっても大丈夫な生命保険(引受基準緩和型や無選択型など)は保険料が高い

持病や既往症などがあっても加入が可能な生命保険というのは、健康な人が加入する生命保険よりも、保険料が高いというデメリットがあります。


これは、生命保険の公平性の原則によるものです。


たとえば、健康な人と余命宣告を受けている人が、保険金や保険料が全く同じというのは、公平性に欠けてしまいます。それは、確率的に余命宣告を受けている人の方が、早く保険金を受け取る可能性があるからです。


こうした公平性を保つために生命保険は、健康な人と同様の条件で加入ができないようになっているのです。


つまり、持病があっても加入可能な生命保険は、健康な人よりも多くの保険料を支払うことで、公平性を保つ必要があるわけです。そのため、保険料が高くなってしまうのです。


そして保険料は、健康な人が加入する生命保険に比べると、1.5~2倍程度高くなります。


こうした、持病があっても加入できる可能性のある保険には、いくつかの種類があります。


  • 引受基準緩和型・限定告知型
  • 無告知型・無選択型

では、それぞれについて確認してみましょう。


引受基準緩和型・限定告知型

引受基準緩和型・限定告知型の生命保険というのは、保険に加入するときに必要な健康告知の項目が、一般の生命保険のよりも少なくなっているものです。


告知内容については保険会社ごとに異なりますが、イメージとしては次のような項目を告知する場合が多いようです。


  • 3カ月以内に入院・手術・検査のいずれかを勧められたことがあるか。また、入院中ではないか。
  • 3カ月以内に、がん・慢性肝炎・肝硬変で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けていないか。
  • 過去2年以内に、病気やケガで入院したことや、手術を受けたことがあるか。
  • 過去5年以内に、がんで入院や手術を受けたことがないか。
これはあくまでもイメージですので、実際の告知とは異なりますが、このように告知する項目が少ないのが特徴なのです。

そのため、持病や既往症があっても、一般的な生命保険に比べると加入しやすくなっているのです。


また、保険料が高くなるのはもちろんのことですが、保障内容が落ちるといったこともあります。


ただし、引受基準緩和型・限定告知型の場合には、持病の悪化や既往症の再発などについても保障がされるといった特徴があります。


持病を持っている人にとっては、こうしたリスクをカバーできる引受基準緩和型・限定告知型の保障は心強いですね。


無告知型・無選択型

無告知型・無選択型の生命保険とは、一般的な生命保険や、基準緩和型・限定告知型のように健康告知が必要のないのが特徴となっています。

つまり、健康状態が悪かったり、持病を持っているなどの健康状態によって加入を断られるといったことがないということになります。


しかし、無告知型・無選択型については、基準緩和型・限定告知型のものよりも、さらに保険料は割高となってしまいます。


また、保障の内容についても、持病などについては保障がされないなどといった多くの条件がつきます。


検討するのであれば、基準緩和型や限定告知型の生命保険の方が、保障内容は安心できるものとなりますので、無告知型・無選択型は最後の手段として、加入を考えるのが良いでしょう。


加入から1年以内は保障が半分になります

持病があっても加入が可能な引受基準緩和型・限定告知型の生命保険は、先にもお伝えしたように、持病や既往症の再発などの保障もされます。

しかし、加入から1年以内については、持病以外の保障であっても保障内容は半分となります。つまり、満額の保障は得られないということですので、こちらも注意が必要です。


こうした条件については、持病や既往症などの再発リスクがあるために設けられているのです。


また、無告知型・無選択型の場合には、さらに厳しい条件がつくことがほとんどです。


しかし、健康な人が加入する生命保険に加入できないという状況なのであれば、こうした条件が付いても加入する意味はあると言えるでしょう。


持病があっても、通常の生命保険を検討してみましょう

持病や既往症がある場合には、通常の生命保険には加入できないと思っていないでしょうか?実は、通常の生命保険に加入できる可能性もあるのです。


すでに、ひとつの保険会社に加入を断られた場合であっても、違う保険会社に申し込みをしたところ、診査が通ったという事例もあります。


そのため、持病のある人でも加入が可能な生命保険を検討する前に、まずは通常の生命保険の加入を検討してみましょう。


ただし、通常の生命保険に加入する場合には、持病や既往症の状態によって条件付きになる可能性はあります。


たとえば、次のような条件が付くことがあります。


  • 部位不担保・疾病不担保
  • 保険料割増
  • 保険金削減

部位不担保や疾病不担保については、身体の一部、または特定の病気については保障の対象外とする条件です。


また、危険度の高さによって、保険料が割り増しになったり、保険金が一定金額以上は加入できないなどの条件が付くこともあります。


持病や既往症についての保障は必要がないという場合には、持病があっても加入できる可能性のある生命保険よりも、保険料が割安となりますので、おすすめになります。


加入時に告知で聞かれる主な内容とは?

では、通常の生命保険に加入するときの健康告知の主な内容についてみていきましょう。

  • 最近3カ月以内の医師の診察・治療・投薬を受けていないか
  • 過去5年間に手術や7日以上にわたる医師の診察・治療・投薬を受けていないか
  • がんと診断されたことはないか(上皮内がんも含む)
  • 過去2年以内の健康診断・人間ドックの結果
  • 高度障害・身体障害・介護の状態ではないか
  • 妊娠していないか

最近3ヵ月以内の医師の診察・治療・投薬、また過去5年間の7日以上の診察・治療・投薬については、たとえ風邪でであっても、記入する必要があります。

病院には1日しか行っていなくても、7日分の薬をもらったのであれば、記入しなければなりません。

ただしこれは、病院にかかったことがあることを記入します。たとえば、同じ風邪でも、市販薬を使用したというのは医師からの投薬には含まれませんので、記入する必要はありません。


また、がんについては、一度でもがんと診断されたことがある場合には、必ず記入をする必要があります。これは初期がんと言われる上皮内がんであったとしても、記入しなければなりません。


会社や市区町村で健康診断を受けている人については、その結果も記入しましょう。たとえば、要再検査・要精密検査・要治療などの異常を指摘された場合には、その旨も記入しましょう。


女性だけの告知として、妊娠の有無についても記入が必要です。

生命保険の審査に通りやすくなる告知書の書き方

生命保険に加入するときの健康状態についての告知は、先にお伝えしたような内容となっていることがほとんどです。

健康状態の告知は、告知書と言われる用紙に過去と現在の病気やケガなどの情報を記入していきます。


持病や既往症がある人は、該当する項目もあることでしょう。しかし、ありのままを正確に描くことが大切になります。


この告知書の書き方によって、生命保険に加入できるかどうかの診査の結果が大きく変わってきてしまうからです。


面倒だからと言って簡単に記入してしまうと、保険会社は情報の少なさから最悪の状況を判断して、診査に通らない可能性も出てきてしまいます。


では、生命保険の診査に通りやすくなる告知書の書き方について、詳しく見ていきましょう。

情報は丁寧かつ正確に!しっかり書かないことで不利になることがあります

告知書に書かれている項目に、ひとつでも該当する場合には、その情報を詳しく丁寧に書くことが大切です。

持病や既往症がある場合、不利になるのではないかと思ってしまいますが、逆に持病や既往症がある場合ほど、治療の状況や現在の状態などを詳しく書くほうが良いのです。


保険会社は告知書の情報をもとにして診査を行います。そのため、持病や既往症などの情報が不足していると、その病気などによる状態の最悪の場合を想定して診査が行われてしまうことになります。


つまり、今は症状が安定している、状況は良くなっているといったことについて情報がないと、その病気の再発の恐れがあるのではないか、状態が安定していないのではないかと判断してしまうのです。


たとえば、服用している薬があれば、その薬名を書くことで強い薬を服用しているわけではないのだから、それほど悪い状態ではないという判断をしてもらえます。


また、数値などについても記入しておけば、症状が安定しているのだということも伝わりますね。


手術を受けたことがある場合も、手術の術式によって結果が異なることもあるため、記入しておくのが良いのです。


特に自分にとって有利になることは、詳しい情報を丁寧に書いておくことで、診査にも有利となる可能性があることになりますので、正直に正確に詳しく記入するようにしましょう。

健康診断書や診断書など、不要な書類も併せて提出することで有利になることも

一般的に一定の保障範囲内の生命保険の場合、告知書の提出だけで診査がされます。この場合には、健康診断書や医師の診断書は提出しなくても大丈夫です。

しかし、持病や既往症などがある人の場合には、健康診断書や医師の診断書などを提出することで、現在の健康状態が良いということが判断できます。


必要がなくても、健康診断書や医師の診断書の提出はすることができます。提出をすることで、告知書だけでは診査に通らない場合でも、追加の情報があることで診査に通る可能性が出てくることもあるのです。


健康診断の場合には、数値が安定している、他に異常がないなどの判断ができます。


また、病気などが完治している場合には、医師の診断書で完治していることを証明してもらえば、審査にはかなり有利となるでしょう。

審査結果が悪くても、追加資料の提出などで再査定してもらえることがあります

もし、告知書だけで審査に通らなかった、厳しい条件が付いてしまったなど、審査結果が悪かった場合でも、追加の資料を提出することで再審査してもらえることもあります。

再審査を行ってもらえることになった場合には、健康診断書や医師の診断書を再提出して、完治している、または数値が安定しているなどのことが証明できれば、審査に通過することができたり、厳しい条件が緩和されたりすることもあります。

告知義務違反には注意しましょう

何度も繰り返しますが、生命保険に加入するときの健康告知については、正確に正直に告知をしなければなりません。

これを告知義務と言います。


保険会社は、告知された健康状態によって、生命保険の契約をしても大丈夫なのかどうかを判断します。正確に告知をしてもらえなければ、生命保険の公平性の原則が崩れてしまう可能性があるからです。


そのため、生命保険に加入する場合には、健康状態を嘘偽りなく告知しなければならないのです。


持病や既往症がある人などは、生命保険に加入するために、出来ればネガティブな情報は伝えたくないものですね。正直に告知をしてしまうと、生命保険に加入できないのではないかと考えてしまうかもしれません。


しかし、持病や既往症などがあるにもかかわらず、隠して告知をしなかった場合には、告知義務違反となってしまうのです。


では、告知義務違反をすると、どのようなペナルティがあるのでしょうか。


持病を隠していることがばれたら、ペナルティがあります

告知義務違反をして、持病や既往症などを隠して生命保険の契約をした時に、告知義務違反をしたことが発覚すると、最悪の場合、保険契約が無効になってしまいます。

告知義務違反をして、給付金や保険金を受け取った場合でも、発覚した後に受け取った給付金や保険金の返金をしなければならなくなります。


また、告知義務違反が故意的で、また悪質な場合には、重大な問題として保険契約の解除だけでは済まない場合もあるのです。


これくらいなら大丈夫だろう、といった安易な考えで、正確な告知をしなかった場合には、こうしたペナルティが課せられてしまいます。


持病や既往症など、状態が悪くなったり、再発したりして、再度病院にかかり入院や手術などを行った場合に、入院給付金や手術給付金の請求をすることになりますね。


その時には、医師の診断書が必要となることがほとんどです。この医師の診断書によって告知義務違反が発覚してしまうことがあるのです。


もちろん、それ以外の理由による場合もあります。


告知義務違反は、絶対にしてはならないことです。告知書は、正確に正直に記入することが重要です。


ただし、告知書に書いてあることについてだけ告知すれば良いですので、告知書に書いていないことをわざわざ告知する必要はありません。


また、保険会社の営業職員などの伝えてあるから大丈夫と思ってはいけません。告知は営業職員に伝えても、告知したことにはなりません。


告知は告知書などに、自身で記入することが必要です。


さらに、中には告知義務違反を促すような営業の人もいる可能性があります。しかし、これは重大な問題となりますので、鵜のみにしないようにしてください。

まとめ

持病や既往症がある人が生命保険に加入するときには、まず通常の生命保険の加入を検討してみましょう。持病や既往症の内容や状態によっては、無条件で加入できる場合もあります。

また、部位不担保や保険料割増などの条件が付く場合もありますが、通常の生命保険への加入ができる可能性もあります。一度、保険会社の担当に相談してみるのが良いでしょう。


通常の生命保険への加入が難しい場合には、引受基準緩和型・限定告知型などの持病があっても加入できる可能性がある保険への加入がおすすめです。


保険料が高く設定してあるものがほとんどですが、生命保険に加入したい人にとっては、こうした保険は心強いですね。


もちろん無告知型・無選択型の保険もありますが、こちらは最終手段として考えると良いでしょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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