ペット保険で去勢・避妊手術は補償される?必要性、費用の相場も解説

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ペット保険で去勢・避妊手術は補償対象かご存知ですか?犬猫やうさぎのオス・メスを生殖器系の病気から防ぐためには避妊手術が必要ですが、ペット保険で適応されたら有り難いですよね。今回はペット保険で去勢・避妊手術が適用されるのか、平均料金を解説します。

ペット保険で去勢・避妊手術は補償対象?手術の必要性とは

手術や入院、通院を補償してくれる、いざという時にとても頼りになるペット保険

「手術も補償されるからもちろん去勢・避妊手術も補償してもらえる」と思っている方はいませんか?

実は、ペット保険では去勢・避妊手術は補償されないのです。

そこで今回ほけんROOMでは、

  • ペット保険で去勢・避妊手術は補償されるのかどうか
  • 去勢・避妊手術の他にペット保険で補償対象外となる事項
  • 去勢・避妊手術の必要性、メリット・デメリット
  • ペットの去勢・避妊手術の値段相場
上記について詳しくご紹介していきます。

現在ペットと一緒に暮らしている方にも、これからペットをお迎え予定の方にも参考になる記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

ペット保険で去勢・避妊手術は補償されない!


避妊や生殖器系の病気予防のためにも、ペットをお迎えしたら考えておきたいのが避妊・去勢の手術。

手術になるので、それなりの金額がかかってきます。

そのため、ペット保険で補償されたらかなり助かりますよね。

ですが、手術が補償されるプランのペット保険でも、去勢や避妊の手術は補償されないということをご存じだったでしょうか?

そこでこの項目では

  • 全てのペット保険で予防目的の去勢・避妊手術は補償対象外!
  • ただし治療目的の場合、去勢・避妊手術も補償されることがある
上記を詳しく解説します。

全てのペット保険で予防目的の去勢・避妊手術は補償対象外!

結論から言いますと、全てのペット保険で原則として去勢・避妊手術は補償されません


ペット保険は健康なペットが怪我や病気になってしまった時に、その治療や通院、入院にかかった費用を補償するためのものです。


そのため、健康なペットに行う予防目的の手術はペット保険の保証対象外となり、全額自己負担で行うこととなります。

同じく、予防目的のワクチン接種なども補償の対象外です。


治療目的の場合のみ補償されると覚えておきましょう。


ただし、同じ去勢・避妊手術の場合でも補償の対象となる場合があります。


次で詳しくご紹介します。

ただし治療目的の場合、去勢・避妊手術も補償されることがある

ペット保険は健康なペットが怪我や病気になってしまった時のためのものです。


すなわち、生殖器官系や性ホルモン関係の病気の治療目的の場合は去勢・避妊手術もペット保険の補償の対象となります。


例えば、生殖器官系の疾患である

  • 精巣腫瘍
  • 精巣炎
  • 卵巣・子宮腫瘍
  • 子宮蓄膿症
  • 子宮水腫・粘液種
などの治療や

その他、性ホルモン関係の疾患である
  • 乳腺腫瘍
  • 前立腺肥大
  • 会陰ヘルニア
などの治療が去勢・避妊手術でも補償の対象になる場合が多いです。

あくまでも、ペット保険の補償の範囲は病気の治療の場合のみですので、上記で挙げた病気の予防目的や、望まない妊娠の予防、発情期の問題行動対策などは補償されません。

去勢・避妊手術の他にペット保険で補償対象外となるのは?


先ほどもご紹介した通り、ペット保険は健康なペットが怪我や病気になったときの治療費を補償するためのものです。


そのため、健康なペットが予防のために行う手術やワクチン健康診断などの医療費は補償されません。


その他、保険会社によって多少異なってきますが、以下のようなものは補償の対象外になる場合がほとんどです。

  • 契約者・被保険者の過失による怪我や病気など
  • 自然災害で生じた怪我や病気など
  • 既往症があるものや先天性異常など
  • 妊娠・出産に関わる費用(交配、妊娠、出産、早産、帝王切開、流産、人工流産など)
  • 乳歯遺残
  • 停留睾丸
  • 睫毛乱生
  • 涙やけ
  • 臍(サイ:へそ)ヘルニア、そけいヘルニアなど
  • 歯石取り
  • 肛門腺しぼり
  • 耳掃除
  • 爪切り(狼爪(ろうそう)の除去を含む)
  • 断耳、断尾
  • ワクチンで予防できる病気
  • マイクロチップの装着費用
  • 中国医学(鍼灸を除く)、ホメオパシー、酸素療法、理学療法(リハビリテーション)等代替療法、減感作療法など
  • 健康食品やる療法食
  • 持ち帰りのシャンプー、イヤークリーナーなど
  • 時間外診療費、往診料、文書作成料など
  • ペットホテル代
  • カウンセリング料、指導料など
  • 安楽死、遺体処置など
あくまでも、怪我や病気の治療にかかった費用がペット保険の補償の対象になることを覚えておきましょう。

去勢・避妊手術はいらない?必要性やメリット・デメリットを解説


近年では、日本で飼育されている犬の半数以上、猫の場合は約9割が去勢・避妊手術をおこなっているというデータもあります。

多くのペットが受けている去勢・避妊手術ですが、なぜ必要なのでしょうか?
文字通り、望まない妊娠を回避するためのものでもありますが、それ以外にも理由があります。

そこでこの項目では

  • 犬猫の去勢・避妊手術はなぜ必要なの?
  • ペットの去勢・避妊手術のメリット・デメリットとは?
上記について詳しく解説します。

犬猫の去勢・避妊手術はなぜ必要なの?

犬や猫の去勢・避妊手術は近年ではとても多くの飼い主さんが選択され、手術をおこなっています。


その理由は主に3つあげられます。


①望まない繁殖を避ける

正動物愛護管理法には動物の所有者(飼い主)は、動物がその命を終えるまで適切に飼養する終生飼養の責務があると明記されました。

もちろん、自分の飼育しているペットが子供を産んだ場合、その子供も責任を持って最後まで飼養しなければなりません。

犬や猫は一度に多くの赤ちゃんを産み、10年以上、ときには20年近く生きることもあります。
生まれた子供にも責任を持てなければ、妊娠や出産はさせるべきではありません。

そのために去勢や避妊手術が必要になってきます。

②発情期の問題行動の予防

動物にはそれぞれ繁殖に備えて、発情期というものが存在します。
その発情期になると、問題を起こしてしまう動物も。

例えば、犬のメスの場合は生理のような出血があったり、オスはイライラして指示を聞かなくなったり、遠吠えをするようになります。
また、不安を抱えて食欲がなくなってしまう場合もあります。

猫も大きな声で鳴いたり、スプレーと呼ばれているおしっこをかける行為を頻繁にするようになります。
脱走をすることも多くなり、それが原因で事故にあってしまうことも。

さらに、交尾ができない発情は大きなストレスとなり、精神的にも負担が大きくなります。
去勢・避妊手術をするとこのようなことを予防することもできます。

③病気の予防

動物は年齢を重ねると、生殖器系の病気のリスクが上がってきます。

乳腺腫瘍などは悪性の腫瘍のケースが多く、手術が必要になることも。
その他、子宮の中で細菌が繁殖して膿がたまる子宮蓄膿症乳腺炎精巣腫瘍精巣炎前立腺肥大などの病気は、去勢・避妊手術をおこなっていない場合、リスクが高くなることがわかっています。

去勢・避妊手術をすることで、このような病気の予防につながり、結果的にペットの健康と長寿にもつながります。

ペットの去勢・避妊手術のメリット・デメリットとは?

ペットの去勢・避妊の手術のメリットは、上記にもあげた

  • 望まない繁殖の防止
  • 発情期の問題行動の予防
  • 病気の予防
になります。

メリットがあればデメリットももちろん存在します。

去勢・避妊の手術のデメリットとしては以下のようなものがあります。

繁殖ができなくなる

当然ですが、去勢・避妊手術をしてしまうと元に戻すことはできません。
従って、将来愛犬や愛猫の子供がほしいと望んだとしても、繁殖をすることはできません。


肥満になりやすくなる

ホルモンバランスが崩れてしまったり、発情によるエネルギー消費をしなくなるため、去勢・避妊前と同じ食事量の場合、太ってしまうケースが多いです。

しっかり体調と体重を観察しながら、食事の量や種類を調整する必要があります。

尿漏れ

発生頻度としてはそこまで多くないですが、性ホルモンの分泌が減少が原因で尿漏れをおこしてしまう場合があります。

オスよりもメス、小型よりも大型の犬で見られるケースが多く、睡眠中やリラックスしている時に起こりやすくホルモン反応性尿失禁と呼ばれています。

ホルモン剤を用いた治療を行うことで、症状が緩和していきます。

全身麻酔による影響

去勢・避妊の手術は全身麻酔を使用して手術する場合がほとんどです。

若い健康な犬や猫はほぼ問題ありませんが、全身麻酔が100%安全とは言い切れません。
手術中、血圧や呼吸が極端に弱まってしまったり、手術後も体調の変化がある場合もあります。

手術後は、いつもよりもペットの体調の変化に気を配ってあげる必要があります。

このように、去勢・避妊手術にはメリットもあればデメリットもありますので、よく家族で考えてからご自身のペットに去勢・避妊の手術を施すかを決めることをおすすめします。

ペットの去勢・避妊手術の値段の相場は?


これまでペットの去勢・避妊手術の必要性やメリット、デメリットをご説明してきました。

また、手術費用はペット保険の補償の対象外だということも理解できたと思います。

では実際に手術をするにあたり、どれぐらいの費用がかかってくるのでしょうか。

そこでこの項目では

  1. 犬の去勢・避妊手術の場合
  2. 猫の去勢・避妊手術の場合
  3. うさぎ等その他の小動物の去勢・避妊手術の場合
上記の去勢・避妊手術の値段の相場をご紹介していきます。

①:犬の去勢・避妊手術の場合

犬の場合は犬種によってかなり大きさが変わってくるので、費用も変わってくることが多いです。


相場としては

  • 去勢手術:13,000円~25,000円程度 / 中央値:17,675円
  • 避妊手術:22,000円~30,000円程度 / 中央値:27,413円
となります。
※避妊手術は卵巣切除もしくは卵巣子宮切除


内訳としては

  • 全身麻酔
  • 手術
  • 注射
  • 術後内服薬
  • 術後抜糸処理
などの費用で、ここに診察代や手術前の身体検査・血液検査費、入院が必要になった場合は入院費も加算されます。

②:猫の去勢・避妊手術の場合

猫の場合も年齢や体重によって費用が変わってくることが多いです。


相場としては

  • 去勢手術:13,000円~25,000円程度 / 中央値:12,652円
  • 避妊手術:22,000円~30,000円程度 / 中央値:20,986円
となります。
※避妊手術は卵巣切除もしくは卵巣子宮切除

こちらも内訳は犬の場合と同様
  • 全身麻酔
  • 手術
  • 注射
  • 術後内服薬
  • 術後抜糸処理
などの費用で、ここに診察代や手術前の身体検査・血液検査費、入院が必要になった場合は入院費も加算されます。

③:うさぎ等その他の小動物の去勢・避妊手術の場合

小動物も去勢・避妊手術が必要なケースがあり、うさぎフェレットなどがその代表です。


うさぎ

うさぎのメスは子宮関係の病気になりやすいと知られていて、病気が発症してからでは年齢や体力面で手術が難しいため、若いうちの避妊手術が推奨されています。

また、オスの場合もメスほど頻度は高くないものの、精巣炎や精巣腫瘍の予防、問題行動の予防のため去勢をする飼い主が多いです。

手術の相場は以下になります。
  • 去勢手術:20000円~50000円
  • 避妊手術:30000円~50000円
幅が広いのは、この中に検査費用を含んでいる病院と含んでいない病院があるためです。

手術を予定している際は、かかりつけの病院で費用を確認するようにしましょう。

フェレット

以前はフェレットはペットショップで販売されるもののほとんどが避妊、去勢済み、臭腺除去済で販売されていました。

現在では未去勢・未避妊で販売されていることも多く、未避妊のフェレットは発情が持続的に起こり、貧血を引き起こしてしまうため、将来子供を作る予定がない場合は避妊手術が推奨されています。

手術の相場は以下になります。
  • 去勢手術:20000円~50000円
  • 避妊手術:30000円~50000円
エキゾチックアニマルは病院により費用が大きく異なる場合がありますので、事前の確認をするようにしましょう。

補足:自治体から去勢・避妊手術の補助金がおりる場合も

去勢・避妊手術はご紹介した通り、ペット保険の補償の対象外となりますが、1頭だけならまだしも、多頭飼いの場合はそれなりの金額になってきます。


実は、多くの自治体では犬や猫の去勢・避妊手術に対して補助金がおりる制度を設けています。


犬や猫は妊娠してしまった場合、多くの子どもを産んでしまいます。

なかには世話をできずにそのまま捨ててしまい、野犬や野良猫となってしまう場合もあり、処分の対象となってしまうことも。


そのような悲しい出来事にならないためにも、各自治体で条件は異なりますが不妊・去勢手術等推進事業をおこなっているのです。


多くの自治体が対象が飼い主のいない犬や猫ですが、自治体によっては飼い犬や飼い猫も対象で、1匹あたり2,000円〜6,000円前後の補助金がおりるところもあります。


ご自身の住んでいる市町村のサイトで確認できますので、一度確認してみるのもいいでしょう。

ペット保険の一括比較サービスを利用するのもおすすめ

近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。


ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。


しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。


MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較を行っております。


ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!

まとめ:ペット保険で予防目的の去勢・避妊手術は補償されない!

今回は、ペットの去勢・避妊手術についてご紹介してきました。


ポイントは

  • ペット保険で予防目的の去勢・避妊手術は補償されない
  • 治療目的の去勢・避妊手術はペット保険で補償されることもある
  • 去勢・避妊手術以外にも予防目的の手術やワクチンはペット保険の補償外
  • 去勢・避妊手術のメリットはとても大きいが、デメリットもある
  • 犬や猫の去勢・避妊手術は自治体の補助金が降りる場合もある
でした。

デメリットもある去勢・避妊手術ですが、どちらも愛犬や愛猫など家族の一員であるペットたちの健康を守っていく手助けになるものです。

これを機に検討してみてはいかがでしょうか。

またほけんROOMでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!

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