介護保険料控除の控除額計算はどうするの?わかりやすく解説します!

介護保険料等をコツコツ支払っていけば、税制上の優遇措置があります。介護保険料は生命保険料控除のなかで「介護医療保険料控除」枠に該当します。ただし、控除額を計算した上で申告する必要があります。いつ保険契約をしたかによっても計算方法が異なります。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険料控除の控除額計算を分かりやすく解説します

介護保険料等をコツコツ支払っていけば、税制上の優遇措置があります。介護保険料は生命保険料控除のなかで「介護医療保険料控除」枠に該当します。

介護保険料を支払っている申告は、事業所へ勤務する給与所得者の場合は年末調整時に、自営業・自由業の方の場合は確定申告時に行います。


これらの申告をしなければ控除の対象にはなりませんので、必ず決められた期間内に行いましょう。


今回は介護保険料控除の控除額計算について説明します。この記事を読めば、介護保険料控除の基本的知識と注意点がご理解頂けるはずです。




介護保険料控除の対象となる保険契約とは

介護医療保険料控除は、平成24年1月1日より適用されることになった新しい生命保険料控除制度です。

介護医療保険料控除が適用されるのは、介護保険料や医療保険料を支払い、疾病・身体障害等になった時に保険金が下りる保険商品です。具体的には次の保険が該当します。


  • 介護保障保険
  • 介護費用保険
  • 医療保険
  • 医療費用保険
  • がん保険 等

ただし、保険期間が5年未満で、いわゆる貯蓄保険や貯蓄共済のような保険、海外の生命保険会社と日本国外で締結した保険や、信用保険契約、傷害保険契約等は介護医療保険料控除の対象にはなりません。

介護保険料控除の控除額の計算方法

介護保険料控除の控除額には、旧契約の場合の計算方法と新契約の場合の計算方法に分かれ、それぞれ計算方法が異なります。

以下では、旧契約・新契約の計算方法をそれぞれ説明します。

介護保険料控除の旧契約の計算方法

旧契約とは、平成23年12月31日以前に契約締結をした保険が該当します。旧契約には「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」が該当します。

一見すると、介護に該当する控除枠が無いように思えますが、旧契約の場合の介護保障は「一般の生命保険料控除」に該当します。

介護保険料控除の新契約の計算方法

新契約とは、平成24年1月1日以降に契約締結をした保険が該当します。新契約「一般の生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」、「個人年金保険料控除」の3種類となっています。

介護保険が該当するのは前述した通り「介護医療保険料控除」です。

介護保険料控除の旧契約と新契約が混在するときの控除額の計算方法

計算方法で注意すべきなのは、旧契約は廃止されたわけではなく継続しており、満期になったり解約したりしない限り、控除の対象になります。

そのため、旧契約と新契約が混在する場合は、平成24年1月1日以降に契約した保険かどうかを確認してから控除額を計算しましょう。


つまり、現在申告する場合でも、平成23年12月31日以前の保険契約である「(旧)一般の生命保険料控除」と「(旧)個人年金保険料控除」の2種類と、平成24年1月1日以後の保険契約である「(新)一般の生命保険料控除」、「(新)介護医療保険料控除」、「(新)個人年金保険料控除」の3種類、合計5種類が生命保険料控除の対象になります。

介護保険料控除の控除限度額

介護医療保険料控除の控除額は、旧契約の場合も、新契約の場合も、介護保険料等の年間の払込金額によって異なります。

また、所得税・住民税もそれぞれ、介護保険料等の年間払込金額の区分、その控除額や算出方法は異なります。こちらでは、所得税および住民税の控除額の計算方法と控除限度額を説明します。


○旧契約(平成23年12月31日以前)


①所得税

  • 控除対象:一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除
  • 控除額:各5万円まで(控除限度額10万円)

旧契約IIIIIIIV
年間支払保険料25,000円以下25,000円超~50,000円以下50,000円超~10万円以下10万円超
控除額全額控除年間支払保険料×1/2+12,500円年間支払保険料×1/4+25,000円一律50,000円


②住民税

  • 控除対象:一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除
  • 控除額:各3万5,000円まで(控除限度額7万円)

旧契約IIIIIIIV
年間支払保険料15,000円以下15,000円超~40,000円以下40,000円超~70,000円以下70,000円超
控除額全額控除年間支払保険料×1/2+7,500円年間支払保険料×1/4+17,500円
一律35,000円

○新契約(平成24年1月1日以後)


①所得税

  • 控除対象:一般の生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除
  • 控除額:各4万円まで(控除限度額12万円)

新契約IIIIIIIV
年間支払保険料20,000円以下20,000円超~40,000円以下40,000円超~80,000円以下80,000円超
控除額全額控除年間支払保険料×1/2+10,000円年間支払保険料×1/4+20,000円一律40,000円

②住民税

  • 控除対象:一般の生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除
  • 控除額:各2万8,000円まで(控除限度額7万円)

新契約IIIIIIIV
年間支払保険料12,000円以下12,000円超~32,000円以下32,000円超~56,000円以下80,000円超
控除額全額控除年間支払保険料×1/2+6,000円年間支払保険料×1/4+14,000円一律28,000円


なお、年末調整・確定申告を行えば住民税の申告は不要です。

介護保険料控除のシュミレーション

こちらでは事例をあげ、前述した旧契約・新契約の表を参考に介護保険料控除を含めた生命保険料控除のシミュレーションをしてみます。

(事例)

  • 介護保険(平成28年4月1日に加入):年間支払保険料72,000円
  • がん保険(平成25年5月2日に加入):年間支払保険料14,400円
  • 生命保険(平成22年6月1日に加入):年間支払保険料120,000円

①介護保険→新契約:介護医療保険料控除


所得税の新契約の表(III)の区分に該当


年間支払保険料72,000円×1/4+20,000円=38,000円


②がん保険→新契約:介護医療保険料控除


所得税の新契約の表(I)の区分に該当


全額控除なので14,400円


③生命保険→旧契約:一般の生命保険料控除


所得税の旧契約の表(IV)の区分に該当


10万円超なので50,000円


介護医療保険料控除:①+②


38,000円+14,400円=52,400円


控除額は新契約なので52,400円→40,000円


一般の生命保険料控除:③


控除額は旧契約なので50,000円


そのため介護医療保険料控除+一般の生命保険料控除


40,000円+50,000円=90,000円


90,000円の生命保険料控除が受けられます。

保険料控除を簡単に計算できるツールもあります

計算がどうしても面倒という方には、各生命保険会社のホームページ等で「生命保険料控除額計算サポートツール」によって生命保険料控除額を計算することができます。

加入している生命保険会社より生命保険料控除証明書が届いたら、こちらで計算してみることをお勧めします。

まとめ

生命保険料控除の申告をするためには、給与所得者の場合は年末調整時に、①「給与所得者の保険料控除等申請書兼配偶者特別控除申告書」、②「生命保険料控除証明書」を勤務先の事業所に提出します。

一方、自営業・自由業の方の場合は、①「確定申告書」、②「生命保険料控除証明書」を確定申告の際に税務署へ提出します。


生命保険料控除証明書は、概ね生命保険会社から10月頃に送付されます。こちらも申告の際に必ず添付しなければいけませんので、失くさないように大切に保管しておきましょう。

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