生活費を毎月15万円でやりくりするために必要なことを徹底解説

家のローンやら子供の教育費やらの支出があるから生活費を15万円だと足りない、これから子供が大きくなるからお金を節約したい、旦那が生活費を15万円しかくれないなど、悩みがあるのではないでしょうか。この記事では、生活費15万円でやりくりする方法を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生活費15万円で生活するにはどうすれば良い?


月の生活費が15万円と聞いてどう思うでしょうか。


1人暮らしの人は、なんとかなる、と思うかもしれません。

しかし子供のいる家庭の場合、難しいと感じる人が多いと思います。


実際、総務省の2019年度家計調査では、2人以上の世帯の生活費の月平均支出は、27万6,285円となっています。(住居費除く)


15万円でのやりくりは、かなり目標が高いことがわかります。


そこで今回は1人暮らしから5人家族まで、月15万円で生活するために

  • 世帯人数別の生活費内訳
  • 15万円でやりくりするための節約方法
  • 老後は月いくらで生活できるか

について解説していきたいと思います。


この記事を読めば、生活費を月15万円にするために、各支出をどのくらいに抑えれば実現可能なのか分かると思います。


ぜひ最後までご覧ください。

生活費15万円で生活するための支出内訳とは?家族人数別に解説

生活費15万円といっても、家族構成によって支出バランスは異なってきます。


そのため、総務省の家計調査から、各支出項目が「消費支出の何%を占めているか」を各世帯人数ごとに算出し、15万円でやりくりするための内訳を出してみました。


参考までに、ご家庭の支出と見比べてみて下さい。


ただし、家計調査における調査対象が、住宅費ゼロの持ち家の世帯、ローン払いの世帯・賃貸払いの世帯など住居費に大きくばらつきがあり、平均値が非常に低く参考にしづらいため、今回は住居費を抜いて算出しています。

また貯蓄額は支出ではないため、含まれておりません。


なお、支出項目のうち「交際・娯楽」には、小遣い・交際費・書籍・旅行・習い事代等が含まれ、「雑費」には仕送り・理美容代などが含まれるものとします。

一人暮らしの生活費15万円の内訳

まずはじめに一人暮らしの生活費内訳を見ていきましょう。

一人暮らしの場合は、家賃5万円と仮定し、10万円の生活費内訳を算出しています。

支出項目比率予算内訳
家賃50,000円
食料29%
29,000円
家事用品3%3,000円
通信5%5,000円
水道・光熱6%6,000円
保険・医療4%4,000円
交通・自動車13%13,000円
衣類5% 5,000円
交際・娯楽22%
22,000円
雑費13%
13,000円
合計100%150,000円

シェアハウスなどで家賃を抑える事ができれば、貯蓄ができるでしょう。


一人暮らしの場合、食費を比率でみると5人家族より多くなっています。

一人分をつくる自炊は非効率で、外食が多くなる傾向からでしょう。


交際費・娯楽費の費用も高いですね。

一人暮らしのときは、人付き合いや自己投資に特にお金がかかる時期です。

必要費用として多めに配分しておく必要があります。


一人暮らしの15万円生活は、贅沢は出来ないけれど、無理なく生活できる範囲ですね。

夫婦二人暮らしの生活費15万円の内訳

夫婦2人暮らしの生活においても、家賃5万円と仮定し、住居費を除く生活費10万円で算出しています。

支出項目 比率予算内訳
家賃50,000円
食料28%28,000円
家事用品4%4,000円
通信5%5,000円
水道・光熱8%8,000円
保険・医療3%
3,000円
交通・自動車10%10,000円
衣類5%5,000円
交際・娯楽
25%
25,000円
雑費12%
12,000円
合計100%150,000円

若い夫婦であれば、病気になるリスクも低く、会社員であれば「傷病手当」があるため、必要以上に保険をかける必要は無いでしょう。
 


不安があれば、月500円程度で健康保険適用外の先進医療のみを補償する保険もあります。


2人暮らしは、新婚であったり、これから子供をもつために貯蓄をしたいと考えている人も多いですよね。

目標の貯蓄金額を決めて、予算を立てましょう。


節約だけを意識すると、交際費・娯楽費を削りがちですが、自己投資や趣味等、互いの気持ちを尊重して配分するようにしましょう。

3人家族の生活費15万円の内訳

夫婦2人、子供1人の3人暮らしにおける、生活費15万円の内訳です。


3人暮らしからは住居費を除く15万円にて内訳を計算しています。


もし住居費を入れるならば、保険医療費より下の項目から捻出しなければなりません。


抑えられそうな費用ではありますが、最低限の保証と円滑な生活を維持するためには15万円+住居費は必要でしょう。 

支出項目 比率予算内訳
食料27% 40,500円
家事用品4% 6,000円
通信5%7,500円
水道・光熱8% 12,000円
教育4% 
6,000円
保険・医療5% 7,500円
交通・自動車11%
 16,500円
衣類4% 6,000円
交際・娯楽20%30,000円
雑費12%18,000円
合計 100%150,000円

教育費が追加されますが、子供が小さければ児童手当及び幼稚園・保育圏無償化により、教育費は少額に抑えることができるでしょう。


3人暮らしから自動車を保有する家庭が増えることから、自動車費が上がってきます。

地域差にもよりますね。

カーシェアリングなどを利用し、車を持たない選択をすれば、他の項目に費用が振り分けることができます。

4人家族の生活費15万円の内訳

夫婦2人、子供2人の4人暮らしにおける、生活費15万円の内訳です。


家計調査での4人暮らしの生活費合計は約32万円(住居費除く)。
15万円だと半分以下なので、全体的に大幅に支出を抑える必要ががあります。

比率にて計算すると以下の通りです。
支出項目比率予算内訳
食料26%
39,000円
家事用品4%6,000円
通信5%7,500円
水道・光熱7%10,500円
教育
9%
13,500円
保険・医療4%6,000円
交通・自動車13%19,500円
衣類4%6,000円
交際・娯楽19%28,500円
雑費9% 13,500円
合計 100%150,000円 

子供が増えているので3人暮らしと比較し、教育費は5%比率が上がります。


教育費の捻出のために、交際・娯楽費や雑費の比率を下げる必要があります。


また家族人数は増えていますが、食費や光熱費を3人暮らしのときより引き締めなければなりません。

5人家族の生活費15万円の内訳

夫婦2人、子供3人の5人暮らしにおける、生活費15万円の内訳です。

子供の数が多くなることで、徹底した節約が必要になるでしょう。
支出項目比率予算内訳
食料28%
42,000円
家事用品4%6,000円
通信5%7,500円
水道・光熱8%12,000円
教育10%
15,000円
保険・医療
4%6,000円
交通・自動車10%15,000円
衣類4%6,000円
交際・娯楽18%27,000円
雑費9%13,500円
合計 100%150,000円
子供の人数が多く、しばらくの間教育費は増える一方で減らすことは難しい項目です。

3人子供がいる場合、一番大きな子供の食費は大人同様にかかるようになるでしょう。
そのため食費の比率も年々上がります。

また家庭で2台だったスマホが3台~4台必要になってくるでしょう。
1台あたりの通信費を減らさないと、大幅にオーバーしてしまうでしょう。

車関連費用は、新しく車を購入することなどを控えれば抑えることが出来ます。

毎月の生活費を15万円に抑えるための項目別節約術とは?

15万円にするために各内訳を確認しましたが、突出している支出がわかりましたでしょうか。

各項目、世帯人数が増えるにつれ、かなり厳しい予算設定になると思います。
特に、以下の支出について予算オーバーしている家庭が多いのではないでしょうか。
  • 家賃
  • 通信費
  • 光熱費
  • 食費
まず、毎月必ずかかる固定費により支出が大きく変わります。

固定費削減の最大のメリットは、何かを我慢することなく普段どおりの生活で自然に節約できるということ。
家賃・通信費・光熱費を見直せば、簡単に大幅に節約できる可能性があります。

そして支出割合の多い、食費
支出が多くなる家計はどうしても食費のコントロールがうまく出来ていない傾向があります。

15万円までに抑えることができるよう、これらの項目の節約ポイントを確認しましょう。

家賃込みの生活費を15万円に抑えるには家賃を5万円程度にする

家賃はウェイトが非常に高い支出です。

15万円の中で家賃を賄うなら、3分の1である5万円までにするべきです。


家賃が5万円以上かかる場合、自由になるお金から補填しなければならなくなり、家賃の分だけ、欲しい物・したい事を我慢し、人付き合いも制限しなくてはなりません。


ボーナスで補填と考えているといつまでたっても貯蓄できず、赤字のスパイラルに入るでしょう。


賃貸住宅であれば、物を整理し、必要最低限の間取りに。

健康のためには駅から少し遠い方が良いものです。

必要以上の利便性を重視して高い家賃を払っているなら、引っ越しも検討してみましょう。


引っ越すなら礼金・仲介手数料・更新などのない、UR賃貸がおすすめです。

またガス代はプロパンガスより都市ガスの方が断然安いので、都市ガスの賃貸を中心に探すようにしましょう。

食費は生活費の中で割合が大きいので節約のチャンス

食費の割合は生活費の2割~3割を占めます。

少しでも食費を減らすコツをいくつかご紹介します。

  • お金を使わない日をつくる

コンビニで飲み物を買ってしまう人は、水筒にお茶をいれてもっていきましょう。

買い物に行かず冷蔵庫の食材でレシピ検索してみて下さい。余り物でも何品か作れるものです。トマトやレタスなどの野菜は庭やベランダで簡単に育てられます。

  • 外食を減らす

家族で外食すると1週間分の食材費に相当します。自炊が最も食費を削減する良い方法ですが、サボる日はお惣菜にしてみませんか?バイキングのようにお惣菜を選ぶのも楽しいですよ。 ご飯だけ炊いておけばOKです。

  • 食費を5週で割って管理

食費を月◯万と決めた後、5週で分割し1週間づつで管理しましょう。支出の状態がわかりやすくなります。余ったら外食と決めてもいいですね。

  • 肉・魚・米はふるさと納税の返礼品を使う

食費のうち、肉・魚・お米などは負担が大きいですよね。ふるさと納税の返礼品で普段の食材の還元率の高いものを選べば、実質2000円で、キロ単位の食品を受け取ることができ、食費を大幅に減らせます。寄付限度額を超えないよう利用しましょう。

格安SIMに乗り換えれば通信費が月に1万円安くなることも

昔のまま、大手キャリアで1万円くらい払っている人はいませんか。


価格競争が激しく価格が大幅に変わっており、プランを見直すだけでも月数千円以上安くなることがあります。


また格安SIMなら月額使用料がキャリアに比べ大幅に安く、家族で変えれば万単位で削減できる可能性があります。


格安SIMは、通話や通信はキャリア回線なので全く問題なく、使い始めると格安SIMであることを忘れるほど変わりないものです。また故障などもネットか電話対応で、店舗で何時間も待つよりスムーズです。


家のWi-Fiを使うなら通信GBは最低量で良いでしょう。

楽天モバイルは通信無制限で月2980円となっています。

かけ放題プランのある格安SIMもありますが、LINE通話をメインで使えばつける必要もありません。 


昨今、子供がスマホを持つ年齢も下がってきています。


月額料金だけでなく、年間台数計算すると大きい負担になりますので支出を見直す時には格安SIMを検討することをおすすめします。


この節約方法は生活費を6万円にしたいという方にもおすすめできる方法です。生活費6万円の場合の他の節約方法も参考になると思いますので是非読んでみてください。

水道光熱費は日々の積み重ねが大事

電気・都市ガスの小売全面自由化による契約会社の見直しはしましたか?

電気とガスのセット割引を売りにしているところもあります。

光熱費が予算よりもだいぶ上回っているな、という場合は、アンペア数の見直しをふくめて契約の切り替えも検討してみましょう。

また、水道・光熱費は日々の心がけによって差がでてくるものです。
こまめに電気を消すだけでなく、家族みんなで少しづつ気を配れば数字に表れてきますよ。
  • 冷蔵庫の設定を強から中に 
  • 白熱球はLED電球に
  • 圧力鍋を利用して時短料理
  • エアコンは一定温度で付け放しのほうが安い
  • 炊飯器の保温を切って冷蔵or冷凍庫へ
  • 洗濯機の乾燥機能は使わない。扇風機でも乾きます
  • 髪をカットするか速乾シャンプーでドライヤー時短
  • 電気代が安い時間帯に洗濯機や食洗機をまわす
  • 節水シャワーヘッドを使う
  • シャワーの時間短縮(1人5分/日で年間1万円以上変わるそうです。)
今日からできるものも多いですね。できることから始めて下さい。
習慣になれば苦にならないものばかりだと思います。

節約できたお金は、はっきり分かるようにすると、さらに頑張れますよ!

老後は1ヶ月の生活費15万円で生活できる?



平均寿命は年々長くなっており、長い老後生活があることが予想されます。


老後生活が年金だけでは苦しくなると報道されることも多く、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。 


では、実際の年金額と支出額の数字を比較してみましょう。


家計調査における平均消費支出は23万230円 (65歳以上2人以上世帯/住居費除く)


それに対し厚生年金の平均受給月額は、会社員・専業主婦夫婦の場合、約14万5,000円+約5万6,000円=約20万1,000円

(平成29年度実績・納付月数と収入により金額が変わります)


上記の場合では、3万円弱不足することがわかります。


大きく左右するのは、ローン残高や賃貸料などの住居費がかかるかどうかですが、仮に住居費が月6万円としたら、毎月約9万円不足します。


女性の平均寿命は現状87歳であり、65歳からの12年で試算すると、

9万円✕12ヶ月✕12年=1296万円


会社員と専業主婦の年金であれば、平均的な生活でも、1300万円位の貯蓄が必要ということになります。


地域によって差もあるでしょう。

また自営業夫婦の場合は不足金額が大きくさらに貯蓄が必要です。


また老後は介護費用の備えが必要です。介護費用の平均額は約421万円


加えて、持ち家の人はリフォーム費用も必要となるでしょう。


定年すると自由な時間が増えます。

そのぶん使えるお金も余裕があるほうが良いですね。


老後の生活費は月15万円で見積もるのではなく、平均以上の消費支出を参考に貯蓄するプランを立てる必要がありそうです。

生活費を15万円に抑えられないか専門家にライフプラン相談する

実際、15万円でやりくりするのは厳しい家庭が多いですよね。


節約のポイントは押さえているにも関わらず、予算オーバーしてしまう。

子供の教育費も予算内にはとても収まらない気がする。

老後にむけての貯蓄にも、不安が募る一方。


そのようなときは一度専門家に相談してみませんか?


ほけんROOMの「ライフプラン相談」なら、お金のプロが現在の生活費のやりくりから、今後の貯蓄計画まで無料で相談にのってくれます。


今悩んでいることを相談することで、ライフプランに合った貯蓄額や、その貯蓄額に向けた日々の生活費の予算の立て方・貯め方も分かるはずです。


1人で悩まず相談して、家計を明るくしていきましょう。

まとめ:毎月生活費15万円で生活する方法について

月の生活を15万円でやりくりする内訳を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 世帯別、1ヶ月15万円で生活するための項目別予算設定
  • 見直すべき節約ポイントは、「家賃」「食費」「通信費」「光熱費」
  • 会社員・専業主婦夫婦の老後には、1300万円以上の貯蓄が必要

でした。


生活には人により優先順位があり、理想の内訳通り、杓子定規に予算は決められません。


しかし貯蓄の目標を明確にして、家庭にあった予算を立て、家族で日々の意識と行動を変えていくこと。


これが生活費を抑えるポイントであり、お金が貯まる方法です。


ぜひ家族で頑張ってみてくださいね。


ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたいマネーライフに関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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