一人暮らしの生活費はどのくらい?毎月の費用を年齢別に解説

総務省統計局の家計調査によると一人暮らしの生活費は1ヶ月約16万円です。一人暮らしの生活費16万円の内訳にはどのようなものがあるのでしょうか。今回の記事では、一人暮らしにかかる費用を年齢別に紹介し、生活費を抑える方法や節約術を解説します。

一人暮らしの生活費はどのくらいかかる?

私たちの人生の至るところに現れる、一人暮らしのきっかけ。進学、社会人デビュー、実家からの自立……そこで避けて通れないのが、お金の心配です。


今回は、

  • 世代別・ライフスタイル別の一人暮らしにかかるお金の目安
  • 一人暮らしの費用を抑える方法 

をまとめました。


いくらあれば、一人で暮らしていけるのか。実家暮らしが長かった方や無職の方、仕送りなしの大学生なら、特に気がかりではないでしょうか。


給料日前の貧乏に毎月悩む、一人暮らしの社会人の方もいます。節約の余地はないのか、一度自分の生活を、見直してみませんか?


本記事を読めば、生活費の不安が解消し、単身ライフを満喫することのできるきっかけとなると思うので、是非最後までご覧ください。


一人暮らしの生活費平均は約16万円!毎月の出費項目とは

国が調査した、一人暮らしで毎月かかる生活費の平均が、こちらです。

費目金額何の費用?
食費44,263円一人暮らしだと、外食やお惣菜に頼ることも多くなりがち。
住居費20,854円
賃貸マンションやアパートの家賃。
持ち家で一人暮らしをしている人の、家の修繕費も含みます。
水道光熱費11,652円水道・電気・ガス代。
寒いエリアでストーブを使う人は、冬の灯油代もかかります。
家具

日用品費
5,443円トイレットペーパーやゴミ袋などの、日用品や消耗品
被服費
5,985円服や下着、靴。社会人だと、スーツやワイシャツのクリーニング代も。
保険医療費7,712円病院代や薬代、コンタクトレンズ代など。
通信交通費
21,068円・電車やバス代
・スマホの利用料金やネット代
・車のガソリン代
教養娯楽費19,426円本や音楽、スポーツ用品、習い事の月謝など、趣味全般にかかるお金
その他27,359円・女性なら、化粧品や美容室のお金も必須
・貯蓄や保険の加入も忘れずに。
合計163,762円

「家計調査報告〔家計収支編〕2019年(令和元年)平均結果の概要」より

一人暮らしなら最低いくら必要?

一人暮らしに毎月かかる費用合計が、163,762円というのは、あくまでも平均です。

どんな単身ライフを送りたいかで、必要な生活費の金額は変わります。 

目指せミニマリスト。無駄遣いしない、シンプルライフ:12万円
  • 荷物は少なめ。家賃3.5万円の小さな1Kの部屋で十分
  • 買い物は最低限に。食費は月2万
  • 健康のためにも自転車移動。通信交通費は月5千円
  • 新しい服を買うのは、年に数回。月あたりの被服費は2〜3千円
  • 本やCDも持たないので、教養娯楽費は月3千円程度
趣味命!お金を使うところ、使わないところを厳選ライフ:19万円
  • アイドルオタクで、ライブやグッズ代の教養娯楽費に月5万
  • 遠征のための交通費・月2万も削れない!
  • オタク活動費捻出のため、家賃1.5万円の古い社宅住まいで我慢
  • 自炊中心で、食費を月2.5万に節約
恋も、仕事も、美容も、全力な女性に。余裕たっぷりライフ:27万円
  • 駅近の新築1DKの家賃は、月10万
  • グルメ大好き。外食やお取り寄せで、食費月6万
  • 自分磨きを怠らない。ジムや英会話通いで、教養娯楽費は月3万
  • 服も、コスメも、エステも、合コンも…被服費やその他出費が、月4万

一人暮らしの生活費平均は実際どのくらい?年齢別に紹介

一人暮らしで毎月かかる費用の、全体の平均は16万でした。ただし、人によって必要な額は変わります。


では、世代ごとに必要な差はあるのでしょうか?


先ほどの家計調査報告の年齢別データおよび、家賃については住宅・土地統計調査を参考に、年代別に必要となる、おおよその生活費を算出してみました。


一人暮らしは、学生や若者がするものというイメージがありますが、そうともいえません。


単身赴任が決まり、40代で始めて一人暮らしをするお父さんもいます。障害者雇用を利用して、働きながら自立を目指す方も増えています。熟年離婚で、想定外だった一人暮らし生活の現実に驚く方も。


一人暮らしにいくらかかるかを知っておくことは、どの世代の人にも役立ちます。


一人暮らし準備中の方は、自分がどんな一人暮らしを送れそうか、シュミレーションしてみましょう。

20代の一人暮らしの生活費

はじめての一人暮らしが多い20代。


費目金額
食費4万3千円
住居費4万9千円
水道光熱費7千円
家具・日用品費4千円
被服費8千円
保険医療費5千円
通信交通費2万7千円
教養娯楽費2万円
その他2万4千円
合計18万8千円
先ほどの一人暮らしの生活費平均と比べ、住居費が高めです。都内や都市部だと、これよりさらに高く、地方だともう少し安くなります。

この後ご紹介する、「都道府県別の家賃表」も参考にしてください。

家賃以外は全体として、平均もしくはそれより少し安いぐらいの金額です。

20代の生活費平均こそが、一人暮らしに本当に最低限の額、と考えることもできます。

30代の一人暮らしの生活費

20代よりお給料も増え、生活レベルが上がります。


費目金額
食費 4万4千円
住居費5万6千円
水道光熱費9千円
家具・日用品費5千円
被服費8千円
保険医療費6千円
通信交通費2万8千円
教養娯楽費2万1千円
その他3万円
合計20万7千円
住居費も上がりました。若い頃より収入が増えた分だけ、住む家のグレードを上げる余裕が出てきます。

趣味や旅行に、使えるお金も増えてきます。

一方で、「その他」の交際費も増えるのが30代以降。仕事のお付き合いや、冠婚葬祭にかかる出費が、若いときに比べて増えます。働き盛り世代ということで、家事サービスを利用する層も。

40代の一人暮らしの生活費

ひとりひとりの生き方が多様化してくるのが、40代です。


費目金額
食費4万4千円
住居費5万6千円
水道光熱費1万1千円
家具・日用品費5千円
被服費7千円
保険医療費7千円
通信交通費2万9千円
教養娯楽費2万1千円
その他3万7千円
合計21万7千円
住居費の水準は、30代と変わりません。ただし、30代後半から40代以降にかけて、賃貸ではなく、持ち家での一人暮らしが多くなってきます。

一生独身を見据えて、マイホーム購入も視野に入ってくるのがこの世代です。高齢になった親の住宅に、代わりに住む人も。

また、若い頃に比べ、保険医療費の占める割合も徐々に上がってきます。

「その他」の支出で40代以降の世代に特に多いのが、タバコ代健康に気を遣いながら暮らすことが、大切です。

50代の一人暮らしの生活費

50代ともなると、一人暮らしはもうすっかりプロという方も。


費目金額
食費4万4千円
住居費5万4千円
 水道光熱費1万1千円
家具・日用品費5千円
被服費7千円
保険医療費7千円
通信交通費2万9千円
教養娯楽費2万1千円
その他3万7千円
合計21万5千円

50代になったからといって、他の世代より、生活費が大幅に増えることはありません。食費の平均は、実は全世代でほぼ同じぐらいなのです。


ただし、支出の中身は変わります。親の介護費用など、自分の生活以外にお金を使うことが増えてきます。


60代以降の年金生活をどう暮らすかも、視野に入ってくる世代です。「働いていて、収入があるから」といって、むやみに生活水準を上げすぎるのも考えもの。


老後も維持し続けられるような生活スタイルを、意識しながら暮らすことも重要です。

高齢者の一人暮らしの生活費

一生シングルを選ぶ人や、熟年離婚の増加により、高齢者の一人暮らしも増えています。

こちらは、高齢・無職の単身世帯の生活費の平均です。

費目金額
食費3万6千円
住居費1万3千円
水道光熱費1万3千円
家具・日用品費6千円
被服費4千円
保険医療費8千円
通信交通費1万3千円
教養娯楽費1万7千円
その他3万円
合計14万円

「家計調査報告〔家計収支編〕2019年(令和元年)平均結果の概要」より


一人暮らしをする高齢者のほとんどが、年金暮らしです。60代以降は、現役世代に比べ、どうしてもつつましい暮らしになります。


大半の方が、持ち家に住み、住居費を抑えています。


高齢の一人暮らしでは、身近に頼れる家族もおらず、日常生活や病気の際に困ることも。困ったときは、高齢者・障害者向けの福祉サービスを利用することになり、そこにもお金がかかります。

大学生の一人暮らしの生活費

大学生は、教科書など、学生ならではの出費があります。

学生生活調査の結果を基に、一人暮らし大学生のリアルな生活費を算出しました。

費目金額備考
食費2万3千円おやつなどは除く
住居・光熱費3万9千円
保険衛生費3千円
娯楽・し好費1万3千円
その他の日常費1万4千円被服費や携帯代
修学費4千円教科書代など
課外活動費3千円部活・サークルの費用
通学費2千円交通費
合計10万1千円

この他、半期ごとの授業料がかかります。仕送りなしだと、奨学金を借りながらなんとか、という額ですね。


この表では、住居・光熱費がセットになっています。学生向けのマンションやシェアハウスには、家賃に水道光熱費が含まれているところもあります。節約したい学生さんは、検討に入れてみてください。

一人暮らしの生活費を節約する方法とは?

ここまで、一人暮らしにかかるお金について説明してきましたが、いかがでしたか?余裕だと思った方もいれば、厳しいと感じた方もいると思います。

仕送りなしの貧乏学生や、給料の安い新社会人にとって、生活費の節約は死活問題です。

だからといって、必要最低限で暮らす、ミニマリストのような生き方もハイレベル。人間だれしも、大切な趣味や、どうしても減らせない出費があります。

一度の節約で効果が大きい方法と、日々の地道な努力でできる方法、両方をご紹介します。

一人暮らしなら家賃を抑えるのが最優先

一人暮らしの生活費のうち、一番金額が大きいのが、家賃です。金額が大きい分、節約で得られる効果も絶大。家賃が1万円安い部屋を選ぶだけで、月1万、年間12万もの節約になります。


家賃の安い部屋を探すポイントは、以下の3つです。

  1. 場所
  2. 築年数
  3. 部屋の広さや設備

場所最寄り駅からの距離が遠いほど、家賃は下がります。また、快速や急行が停まる駅周辺も、家賃相場が高い傾向に。住みたいエリアの一駅隣に、安くていい物件があるかもしれません。


築年数古い部屋は、新築よりも安く住めます。建物は古くても、部屋の中はリフォーム済みという物件も増えていますので、狙い目です。


部屋の広さや設備:同じ間取りでも、部屋の面積が狭い方が家賃が安いです。また、バス・トイレ別、独立洗面台、室内洗濯機置き場といった設備面の条件を外すと、安い物件が見つかります。


家探しでは、この3つのうち、妥協できそうなポイントをどれか決めましょう。

一人暮らしの食費は健康バランスを意識して節約

家賃の次に節約の余地があるのが、食費です。ただし、減らしすぎには注意。不規則な食生活は、病気や肥満の元です。


栄養バランスの良い節約生活の基本は、”外食より自炊”です。


しかし、料理に慣れていない一人暮らしの方は、意気込んで食材を買い込んでも、余らせて逆に無駄になることも。最初は、”安い食材に、栄養をちょい足し”からはじめましょう。


ごはんに、卵や納豆をかける。これだけでも、タンパク質やビタミンが補えます。味付けのサバ缶も、種類豊富でおすすめです。特売のラーメンに、コンビニのカット野菜を足して一緒に茹でるだけでも、立派な自炊です。


普段の買い物は、コンビニよりスーパーを優先に。食材もお惣菜も、スーパーの方が安いです。


また、買い物に行くときは、買う物を決めてから行きましょう。なんとなくお店をウロウロしていると、お菓子やアイスが目に止まり、つい……なんてことも。

水道光熱費も節約すれば生活費をさらに減らせる

水道代

洗濯は、週に1〜2度まとめて行いましょう。食器洗いは、つけ置きで汚れを落としてから1日分をまとめて洗う方が、水や洗剤の使用量が少なく済みます。節水機能付きのお風呂のシャワーヘッドを使う方法もあります。


電気代 

炊飯ジャーの保温機能は、待機電力を消費します。ごはんはまとめて炊いて冷凍し、食べる分だけチンします。


家電の消費電力も、要チェックです。暖房器具は、小さなヒーターより、最新型のエアコンの方が安い場合もあります。冷房は、クーラーと扇風機の併用で、設定温度を下げすぎないように。


ガス代

給湯器の設定温度は、季節によって下げましょう。夏場は、37〜38℃のお湯でも大丈夫です。


調理は、ガスよりも電気の方が安く済みます。お湯は、電気ケトルで必要なときだけ沸かし、レンジ調理も活用しましょう。レンジだけでできる簡単料理のレシピは、キッチンが狭くて、自炊が難しい人にもぴったりです。


また、プロパンガスは、都市ガスに比べて料金が割高です。物件探しの際は、都市ガスやオール電化の物件を選ぶとベストです。

参考①:一人暮らしをする際に役立つ都道府県別の家賃表

全国の主要都道府県の、一人暮らし向け物件の家賃相場の一覧です。
物件の条件は、以下です。
  • 各都道府県の、県庁所在地にある
  • 駅から徒歩10分
  • 間取り:1K・1DK
都道府県家賃相場
(単位:万)
県庁所在地
北海道3.71
札幌市
青森3.39青森市
宮城4.21仙台市
栃木3.49宇都宮市
埼玉5.55さいたま市
千葉4.41千葉市
神奈川6.95横浜市
東京(都内)8.0123区平均
新潟4.22新潟市
静岡4.43静岡市
愛知5.2名古屋市
京都4.86京都市
大阪7.31大阪市
兵庫5.51神戸市
広島4.86広島市
香川3.62高松市
高知3.61高知市
福岡4.55福岡市
佐賀3.54佐賀市
鹿児島3.53鹿児島市
長崎3.99長崎市
熊本3.13福岡市

全宅連の賃料相場(2020年6月22日現在)より


沖縄については、上記の相場に掲載がないのですが、SUUMOの独自調査によると、那覇市で約4.3万とされています。沖縄は移住人気もあり、物件の種類や単身者のライフスタイルも様々です。


関東は全体的に高めで、特に都内は突出しています。都内への通勤圏内である、埼玉や神奈川も、人気です。宇都宮でやっと、3万円台というところです。


関東以外でも、仙台・新潟・大阪・広島・福岡といった全国各エリアの大都市は、やはり相場が高めです。


しかし、札幌や、四国の主要都市である香川は、主要都市の割には家賃が安めです。そして全国の中でも特に安いのが、熊本。


家賃が安い地域は、物価も安い傾向にあります。暮らし方次第では、都会にはない、のびのびとした生活が楽しめます。

参考②:生活費を抑えるために専門家にライフプラン相談する

FP(ファイナンシャル・プランナー)のライフプラン相談は、家族がいる人向けだと思っていませんか?

若い人や単身世帯こそ、将来のマネープランを、しっかり意識して暮らすことが大切です。家族がいないからこそ、お金の面でなにを重視すればいいか分からない、という悩みもあります。

一人暮らしのときに、しっかりお金の計画を立てていなかったツケが、結婚後や老後の生活に回ってくることもあります。

ほけんROOMのFPなら、無料で、しかもオンライン相談が可能です。プロに頼むような余裕がない人でも、気軽に利用できます。どれぐらいのお金で、どんな暮らしができるかの、具体的なシュミレーションにも役立ちます。

まとめ:一人暮らしの生活費について

本記事では、一人暮らしにかかるお金について、検証してきました。

この記事のポイントは
  • 一人暮らしにかかる平均の生活費は、16万〜18万。
  • 個人のライフスタイル次第で、一人暮らしの費用や中身は大幅に変わる。
  • 一人暮らしの節約のポイントは、家賃・食費・光熱費。
これから一人暮らしをする人も、いま一人暮らし中の人も、お金の不安は、無事晴れそうですか?

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