更新日:2020/01/18
不労所得にも税金はかかる?不労所得の税金や対策について解説
最近では副業が当たり前になりつつあり、中には不労所得を得ようと努力している方や、実際に得ている方も多いのではないでしょうか。不労所得を考える上で、忘れてはいけないのが税金です。この記事では、そもそも不労所得には税金がかかるのか、いくらかかるのか、などについて解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
不労所得に税金はかかる?かからない?
普通に働いている会社員の人でも、副業や投資をするなどして不労所得を得ている人は意外に多いと思います。
不労所得にはどのような税金が掛かるのか、確定申告の仕方などわからないことがたくさんありますよね。
不労所得は課税対象となり、種類によって税率・税金のかかり方が違うため事前にしっかりと知識を身につけておくことが大切です。
今回は、不労所得について、
- 不労所得にも税金はかかる
- 不労所得の種類と税金の計算
- 不労所得の税金を減らすための対策
不労所得にも税金はかかる
給与所得以外で、不労働で収入を得ている人が近年増えています。
不労所得とは、副業や株などの投資・不動産収入などを言いますが、日本ではこれらの不労働で得た収入に対しても税金が発生するのです。
ここでは、
- 不労所得の種類によって税率や税金のかかり方が異なる
- サラリーマンの不労所得と確定申告
不労所得の種類によって税率や税金のかかり方が異なる
不労所得の種類には、
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 一時所得
- 雑所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 退職所得
給与所得の場合、一般的には雇用元が年末調整を行ってくれますので、税金を気にする必要はあまりないかもしれません。
ですが、不労所得の場合はご自身で方法を確認して確定申告を行い、税金を支払わなくてはいけませんので注意が必要です。
所得の種類さえきちんと把握できれば、確定申告もそこまで難しいものではありません。しかし、確定申告をし忘れると、追徴課税など科される可能性がありますので、十分に気を付けましょう。
参考:サラリーマンの不労所得と確定申告
企業から毎月お給料をもらっているサラリーマンは、副業などで得た収入が年間で20万円を超えた場合、確定申告をしなくてはいけません。
年間で20万円ですので、12ヶ月で割るとおよそ15,000円以上稼ぐと確定申告が必要になるということ。
ですが、少し難しい話になりますが、不労所得を得るために掛かった経費や費用は収入から差し引かれます。
つまり、
- 年間で得た不労所得・30万円
- 内、必要経費など・15万円
不労所得の種類と税金の計算
不労所得にはいろんな種類があり、それぞれに税金の計算方法も異なります。
ここでは、
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 一時所得(競馬や宝くじなど)
- 雑所得
- 譲渡所得(土地の売却など)
- 先物取引に係る雑所得等(FXなど)
①利子所得(預貯金の利子など)
利子所得とは、
- 預貯金の利子
- 公社債投資信託の収益の分配
- 公募公社債等運用投資信託の収益の分配
- 合同運用信託の収益の分配
- 公社債の利子
②配当所得(株の配当金など)
配当所得とは、
- 上場・非上場株式の配当
- 余剰金の配分
- 公社債投資信託や公募公社債等運用信託以外の分配金
配当所得は源泉徴収されますので、確定申告をしなくても問題ありません。しかし、株の取引に使う口座を「一般口座」か、「源泉徴収なしの特定口座」を指定した場合は確定申告が必要です。
また、それ以外にも、
- 申告不要制度
- 総合課税
- 申告分離課税
③不動産所得(家賃収入など)
不動産所得とは、
- 家賃収入(部屋の更新料も含まれる)
- 船舶や航空機の貸し付け
- 借地権などの不動産に付随する権利の貸し付け
- 賃貸物件としてのマンションやアパートを10部屋以上持っている
- 賃貸物件としての一軒家を5棟以上持っている
- 租税公課・固定資産税・不動産所得税など
- 損害保険料・火災保険料・地震保険料など
- 減価償却費
- 修繕費・壁紙や畳の張り替え費用、水回り・エアコンの修理費など
- 借入金利子
- 管理費・不動産や管理会社に支払う料金など
これらが当てはまります。
④事業所得
事業所得とは、
- 農業や小売業、不動産業やブログ・アフィリエイトなどのサービス業を営んでおり、その事業から得た収入のこと
⑤一時所得(競馬や宝くじなど)(20万以上かどうかが重要)
一時所得とは、
- 懸賞や福引に当たった時の賞金(宝くじなど)
- 競馬や競輪の払い戻し金
- 生命保険・損害保険契約に基づく一時金
- 毎月支払っていた保険料が「収入を得るために支出した金額」
- 満期になったときに受け取る一時金が「一時所得」
- 当たったレースの馬券購入費のみ「収入を得るために支出した金額」
- それまでに購入したハズレ馬券の購入費は含まれない
⑥雑所得
雑所得とは、
- 利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得の9つの所得に当てはまらない所得のこと
- 公的年金などの収入金額×一定の割合-公的年金等控除額=公的年金等の雑所得
⑦譲渡所得(土地の売却など)
譲渡所得とは、
- 特定の財産や権利を譲り渡すこと(有償・無償問わず)
- 宝石
- 美術品
- 著作権
- 土地や建物、借地権
- 株式や特定の公社債
⑧先物取引に係る雑所得等(FXなど)
公的年金等以外の雑所得とは、
- 先物取引やFX
- 仮想通貨
- 副業としての原稿料
- ネットオークションの売上
- 総収入費-必要経費=公的年金等以外の雑所得
不労所得の税金を減らすための対策
不労所得は、対策次第で税金を減らすことができます。
ですが、不労所得にはいろんな種類があるため、それぞれにあわせた対策を立てなくてはいけません。
ここでは、
- 不労所得の税金を減らすための対策とは?
- 最も効果的な方法は法人化である
種類によって効果的な対策は異なる
不労所得と一言で言いましても、不動産所得や雑所得など、いろんな種類があるためそれぞれ対策方法が異なります。
不動産所得の場合は、
- 必要経費はきちんと計上する
- 青色申告を行う
- 小規模事業共済に加入する
- 法人化を考える
- それぞれが別の口座をもつことで利益を分散させる
- 通信費や関連する書籍代などを必要経費として計上する
- 損失した場合もきちんと計上する
- マイホームの取り壊しであれば特別控除3,000万円が適用される
- 空き家の相続でも、一定要件を満たせば特別控除3,000万円が適用される
- 10年以上所有していれば軽減税率の特例がある
最も効果的な方法は法人化
例えば不動産投資をしている人の場合、安定した収入が得られることで事業規模の拡大が望めますよね。
こういった場合、法人化を検討してみるのも1つの節税対策になります。
個人に対する所得税などは、最大で55%まで税率が引き上がりますが、法人化すれば利益が800万円以上であれば原則33%の税率で済むのです。
そのため、不動産所得で800万円を超えているという人は、そのままにしておくのではなく法人化を検討したほうが良いでしょう。
また、それ以外にも法人化は損失した場合は繰越控除ができる、経費計上できる範囲が広がるなどのメリットがあります。
突然法人化するというのは、やり方もわからなければ不安の方が大きいかもしれません。そのため、不労所得の収入が大きくなってきた段階で、いろんな情報を集めておくことが大切です。
不労所得の税金や対策についてのまとめ
不労所得の種類や税金、節税対策についてなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 不労所得にも税金はかかり、種類によって税率などが異なってくる
- 不労所得の節税対策も、種類によってやり方が異なってくる
- 不労所得の確定申告のために、必要経費などは事前にまとめておいたほうが後々面倒にならずに済む
- 不労所得の収入が大きい場合、法人化したほうが良い