更新日:2022/03/11
時短勤務はいつまで可能?フルタイムに戻すタイミングや取得期間とは
時短勤務は、育児の場合は子供の3歳の誕生日の前日まで、介護の場合は取得した日から連続する3年以上の期間まで取得することができます。時短勤務を取得するためには条件があります。育児による時短勤務の平均期間は子供の年齢が3歳未満までとなっています。取得条件や取得期間を確認しましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 時短勤務はいつまで可能?フルタイムに戻すタイミングとは
- 時短勤務とは?メリットとデメリットを徹底解説
- 時短勤務を取得できるケースや条件
- 時短勤務できる会社はどのくらいあるのか
- 参考:時短勤務が適用対象外になる条件
- 時短勤務が可能な期間をケースごとに解説
- 育児の場合:子供の3歳の誕生日の前日まで
- 介護の場合:取得した日から連続する3年以上の期間(上限なし)
- 病気の場合:法律では決められていない
- 注意:会社が独自のルールを設けている場合がある
- 必要があれば時短勤務を延長できる可能性がある
- 育児による時短勤務の平均期間はどのくらい?
- 参考:公務員の育児短時間勤務
- 時短勤務からフルタイムに戻すタイミング
- 時短勤務の給与の計算式
- 時短勤務の場合残業はつく?
- 参考:時短勤務の場合の有給の日数
- まとめ:時短勤務には条件がある!自分にあった働き方をしよう
目次
時短勤務はいつまで可能?フルタイムに戻すタイミングとは
この記事をご覧のあなたは「短時間勤務制度(時短勤務)」について詳しく知りたいと思っておられることでしょう。
「働き方改革」が進む現代の日本において、様々な環境にいる人が「会社に合わせる」のではなく「自分に合った働き方」ができる社会づくりが推し進められています。
しかし短時間勤務は一長一短であるとも言われており、ただ単に仕事時間を短くするだけで生産性が上がらないのでは?と言われることもあります。
そこで今回はこの「時短勤務」について、
- 時短勤務におけるメリットとデメリットとは?
- 時短勤務が可能な期間(条件)はいつまで?
- 育児目的による時短勤務の平均期間はどれくらい?
- 時短勤務からフルタイム勤務に戻す方法とは?
時短勤務とは?メリットとデメリットを徹底解説
多くの企業で、フルタイム勤務(週休二日)で仕事する場合、
- 1日あたりの勤務時間:8時間
- 1週間あたりの勤務時間:40時間
- 身体的・精神的に余裕ができる
- 趣味に充てられる時間が増える
- 勤務時間が減るので給料が少なくなる
- 時間内に仕事が終わらなくなる、生産性が下がる
時短勤務を取得できるケースや条件
何らかの理由で仕事時間を減らしたい、と考えている方は多いかもしれません。
しかし、実は短時間勤務制度においては時短勤務を行える条件が決まっています。
時短勤務が行える条件とは、
- 働きながら3歳未満の子供を育てている
- 1日の所定労働時間が6時間以下でない
- 日雇い労働者でない
- 開始期間前から育児休業を取得していない
- 労使協定により適用除外されていない
- 雇用期間が1年未満でない
- 1週間の所定労働時間が2日以下でない
- 時短勤務を実施するのが困難と認められる仕事ではない
時短勤務できる会社はどのくらいあるのか
今挙げた時短勤務における適用条件を考えてみると、時短勤務の条件自体はそこまで厳しくはないので、比較的誰でも取得できるのでは、と思われるかもしれません。
では実際に、時短勤務が可能となっている会社はどのくらいあるのでしょうか。
厚生労働省の統計によると、短時間勤務制度が導入されている会社は全体の65.1%となっており、未だ3~4割の会社では時短勤務ができない、という現状があります。
近年では時短勤務に対する理解も深まってきたように見えますが、まだ半数近い会社においては十分に育児のための時短制度が導入されていないのです。
また、会社の就業規則には含まれているものの、会社の中の立場や世間体を気にしてなかなか長期間の取得をするのが難しい、と考えている方もいるので、取れたとしてもいつまでも時短勤務のままではいられません。
さらに時短勤務が広まっていくためには、「働く時間が短い=怠けている」というようなマイナスイメージを、会社側が時短勤務を推奨することによって積極的に減らしていくような姿勢が求められるでしょう。
参考:時短勤務が適用対象外になる条件
では、時短勤務が適応対象外になる条件とはどのような場合なのでしょうか。
時短勤務が対象外となる条件は下記の通りです。
- 雇用期間が1年未満の場合
- 1週間の所定労働日数が2日以下の場合
- 業務の性質や実施体制から時短勤務をすることが困難な業務の場合
時短勤務が可能な期間をケースごとに解説
時短勤務は、主に育児および介護で仕事以外の時間を必要とする方のために設けられている制度です。
会社によって時短勤務が可能な期間がいつまでか異なる、という点はすでに取り上げた通りですが、具体的にどのような場合にいつまで可能となっているのでしょうか。
下記では
- 育児の場合:子供の3歳の誕生日の前日まで
- 介護の場合:取得した日から連続する3年以上の期間(上限なし)
- 病気の場合:法律では決められていない
- 必要があれば時短勤務を延長できる可能性がある
育児の場合:子供の3歳の誕生日の前日まで
育児のために時間が必要な人は、可能な場合は時短勤務を選択することができます。
では、いつまでの期間に時短勤務が可能なのでしょうか。
時短勤務が可能な会社においては、裁定でも「子どもが3歳になるまで」勤務時間を減らして仕事が可能です。
正確には、子供が3歳になる誕生日の前日までの3年間において時短勤務が可能となります。
この「子供」に当たるのは実の子供だけでなく、特別養子縁組の監護期間中の子供や養子縁組里親に委託されている子供など、親子関係に「準じる」と認められる子供の場合も適用となります。
子どもを育てるにあたって最も手がかかるとされる時期において、子供と一緒に過ごす時間を増やせるのは時短勤務における大きなメリットとなります。
フルタイム勤務における1日の所定労働時間は8時間となるのが普通ですが、時短勤務においては1日の所定労働時間を6時間に短縮することができます。
介護の場合:取得した日から連続する3年以上の期間(上限なし)
育児だけでなく、家族を介護する必要のある人も時短勤務を選択することができます。
時短勤務ができる期間はいつまでかというと、時短勤務の利用開始日から3年間であり、2回以上利用することが可能です。
この期間中であっても基本的に会社側が残業自体を禁止することはできませんが、時間外労働の制限も共に申請されている場合、残業が制限されたり、免除されます。
どちらにしても、家族の介護を行うために短時間勤務を行っている従業員が、時間外労働を強制させられることはあってはならない、と言えるでしょう。
さらに介護における時短勤務は介護休業とも併用することが可能であり、短時間勤務期間の途中で介護休業を取得することもできます。
ちなみに、この介護・育児による時短勤務どちらであっても、女性だけでなく男性も取得することができます。
病気の場合:法律では決められていない
会社で働く方の中には、育児や介護が必要な人だけでなく、病気により長時間働くことが難しい場合であっても、時短勤務を認めてほしいと思われる方も少なくないでしょう。
では、労働者の体調または病気により時短勤務を行うのは可能なのでしょうか。
これは実際、勤務している会社の規約に依存しています。
なぜなら、法律では病気を理由とする短時間勤務に関する規定が存在しないからです。本来長期治療が必要な場合は時短ではなく治療による休暇となる場合が多いのも原因でしょう。
ただしこれは時短勤務が不可能というわけではなく、会社側が病気による時短を認めている場合は、労働者の労働時間を調整してあげることは可能です。
この点に関しては方で定められておらず裁定の権利が会社側にある分、交渉が難しい場合も少なくありませんが、認められる場合があるということも覚えておきましょう。
注意:会社が独自のルールを設けている場合がある
今まで取り上げた「短時間勤務」においては、それを実践する会社は法の規定に則っている必要があります。
ただし、現状として短時間勤務において会社独自のルールを設けている場合もあり、いつまでか決まっていなくても、短時間勤務を実践している会社すべてが一律に同じルールとは言えません。
また、短時間勤務を行っていても時間外労働に関する申請をしていない場合は「残業させる」ことは違法ではありません。
そもそも、冒頭で取り上げたように未だに3割~4割の会社が短時間勤務を認めていないということもあり、育児や介護を行っているのにも関わらずこの恩恵を受けられていない方も存在します。
さらに、
- 育児休業
- フレックスタイム制度
- 在宅勤務(テレワーク)
- 事業所内保育施設の設置
必要があれば時短勤務を延長できる可能性がある
基本的に3歳まで時短勤務が可能ですが、ある方は子供が3歳になっても時短勤務を続けたいと思われるかもしれません。
では、時短勤務を延長することは可能なのでしょうか。
法的に定められているのは「子供が3歳まで」なのですが、実際は会社側の判断によって「子供が3歳以降」であっても時短勤務を認めることが可能です。
これは子供を育てる親を支援するために、会社が努力義務として求められていることでもあります。
すでに「子供が3歳以降」である場合も時短勤務を認めている会社はいくつもありますが、短時間勤務制度を導入している会社において、その全てで延長が認められるわけではないことは注意が必要です。
育児による時短勤務の平均期間はどのくらい?
様々な働き方が認められる社会となりつつある昨今ですが、実際に短時間勤務制度を導入している会社においては、どのくらいの期間において時短勤務を認めているのでしょうか。
短時間勤務制度を導入している会社が全体の65.1%というのは、すでに紹介した通りです。
さらにそれらの会社の中でいつまで時短勤務が可能なのかという点で見ると、53.8%の会社が「子供の年齢が3歳未満」までとなっています。
これは会社が必ずしも「子供が3歳になってからの時短勤務を認めていない」という意味ではありませんが、実際は子供が3歳以上であっても短時間勤務を行っている方はそこまで多くない、ということも意味しています。
当然ながら仕事の内容によっては「時短勤務自体が難しい」場合もあるという点を考えると仕方がないことかもしれませんが、前例が乏しいという現状もあります。
会社で責任を担う方たちが子育てや介護の大変さについてさらに理解しようと努めることで、従業員がその「前例を作りやすくなる」環境づくりをしていくことが、今後は求められていくでしょう。
参考:公務員の育児短時間勤務
ここまでは、主に会社員における短時間勤務制度について取り上げてきました。
実は、会社員だけでなく公務員として働いている方も時短勤務を行うことができます。
たとえば、
- 1週間の勤務時間を20時間以下にする(1日4時間程度)
- 1週間の勤務時間を25時間以下にする(1日5時間程度)
- 1週間の勤務日数を3日とする(1週間で24時間)
- 1週間の勤務日数を2日半とする(1週間で20時間)
公務員として働いている方でも「前例を作ること」は大切であり、時短勤務を行いやすい職場づくりをしていくことが求められます。
時短勤務からフルタイムに戻すタイミング
育児や介護の役目を果たしながら仕事を行うことは決して簡単ではありません。
それでも子育てや介護にある程度の余裕ができたり、もっと給料を稼ぐために時短勤務からフルタイムでの仕事に戻したい、という場合もあるでしょう。
しかし、ただ単に「今の状態でも大丈夫なのだからフルタイムにしても大丈夫だ」とたかをくくっていると、予想以上に心身に負担がかかるかもしれません。
収入が増える反面、時短勤務の頃よりも子供と過ごす時間を取りづらくなる、という問題点も考える必要があります。
時短勤務からフルタイム勤務に戻すことを考える際には、
- どのくらい収入が増えるか?
- フルタイム勤務にすると収入以外にどんなメリットがあるか?
- フルタイム勤務に戻すことによって、子育てが疎かにならないだろうか?
- またすぐに時短勤務に戻したくならないだろうか?
- 時短勤務はいつまで適用されるのか
時短勤務の給与の計算式
時短勤務になると、気になるのは給与がどの程度減ってしまうのかということろが気になるのではないでしょうか。
一例をあげるのでご自身に当てはめて計算してみてください。
月収24万円の方が8時間勤務から6時間勤務に時短勤務になる場合
24万円×6/8(時間)=18万円
ここから更に、社会保険料や所得税、住民税などが控除されることになります。
少なくなるように感じますが、控除される社会保険料なども少なくなります。これは、給与額に見合った社会保険料が定められているので、給与額が下がると随時改定という手続きが行われるためです。
社会保険料が少なくなれば、自ずと将来の年金の積み立て分も減ってしまいます。しかし、フルタイム勤務の通りに積み立てたとする特例みなし措置もあるので、心配な方は職場に申請することを忘れないようにしましょう。
時短勤務の場合残業はつく?
時短勤務の場合には、残業代はつくのでしょうか。
そこで今回は
- みなし残業
- 法定外残業
- 法廷内残業
参考:時短勤務の場合の有給の日数
時短勤務の場合の有給の日数はどのくらいあるのでしょうか。
有給休暇とは、入社してから半年後に、8割以上出勤した従業員に付与されます。それ以降は1年ごとに付与日数が増えて、最大で20日付与されます。
産休や育休の場合、その期間は出勤しておりませんが、出勤したものとみなされるので勤続年数を積み上げて考えましょう。
子育てや介護をしていると、突然休暇が必要な場合もあります。有給休暇が何日あるのかもしっかり確認しておきましょう。
まとめ:時短勤務には条件がある!自分にあった働き方をしよう
今回は、時短勤務(短時間勤務制度)はいつまで可能なのかをテーマにして様々な点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 時短勤務は「子育て」・「介護」と仕事を両立させるための良い手段である
- 時短勤務では、子供が3歳になる前日までが適用範囲だが、延長も可能
- 多数の方が「子供が3際になるまで」という期間中に時短勤務を行っている
- 時短勤務からフルタイム勤務に戻すことは可能