「保険証を無くした!悪用されるか不安」を解決する悪用防止対策とは

保険証を無くした・落とした場合、保険証が悪用されるリスクがあります。携帯電話や、消費者金融・サラ金・闇金などからの借金の契約をされる可能性もあるので、いち早く警察に届けるようにしましょう。保険証の悪用防止対策として、身に覚えのない請求には応じない心構えが大切です。

保険証を無くした・落とした場合の保険証悪用防止策を紹介

保険証(健康保険証)は、1人につき1枚配布される身近なものです。


そして、病院などの医療機関を受診する際や身分証明書として使う、とても大切なものでもありますね。


ところで、その保険証をもしも失くしたり盗まれたりした場合どうなるか、考えたことはありますか?


この記事では

  • 保険証をなくした場合、悪用される可能性はあるか
  • 紛失した(盗難された)場合にするべき手続きとは
  • 万が一なくした保険証を悪用されたらどうすれば良いか
について詳しく解説します。


この記事を読めば、保険証をなくした場合に起こりうる危険とその対策について理解することができます。


ぜひ最後までご覧ください。

保険証の紛失による悪用の可能性は十分にある

身分証明書として有効なものといえば、まず確実なところとして運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどが挙げられます。


しかし、このいずれも持っていないという方もいらっしゃるでしょう。


そんな時、「氏名」「住所」「生年月日」などが記載されている保険証は強い味方となります。


保険証には顔写真が付いていませんが、リサイクル品の買取など比較的簡単な本人確認としては1枚で事足りる場合もありますし、保険証のみで不十分な場合でも、住民票など他の書類と組み合わせることで大抵は有効になります。


では仮に、保険証をなくして、悪用しようとする人の手に渡ってしまったらどうなるでしょうか。


併用する身分証明書類を入手あるいは偽造したうえで、携帯電話や、消費者金融・サラ金・闇金などからの借金の契約をされてしまうことも考えられます。


携帯電話は、振り込め詐欺のような犯罪に使われたとすれば更なる被害も起こり得ますね。


これは保険証に限ったことではありません。


現代、個人情報が記載されているものは極めて危険な悪用をされる可能性があることを、よく覚えておいてください。

保険証は写真やコピーでも悪用される危険がある

保険証は原本だけでなく、写真(写メ)コピーであっても悪用される場合があります。


インターネット上での本人確認として、免許証や保険証の写メがOKとなっているケースは意外と多いものです。


またインターネットでなく対面での本人確認においても、場面によってはコピーで通ることもあります。


紛失するなどして一旦手元からなくなってしまった保険証は、どこで写真やコピーを取られているか分かりません。


特に盗難の場合には、その後返ってきたとしても、写真などを取られている(=既に不正に利用される状況となっている)前提で対応することが望ましいでしょう。

保険証を失くした・落とした・盗まれた場合の悪用防止対策

では実際に保険証をなくしてしまった場合、悪用防止のためにはどのような方法をとれば良いのでしょうか。

なくしたのがクレジットカードなどであれば、発行元に連絡してカード自体を無効にしてもらうことができますが、保険証ではそれができません。

行うべき措置は、下記のとおりです
  1. 保険証をなくした旨を警察に届ける
  2. 保険証の発行元に、再発行を依頼する
  3. 個人信用情報機関に申告する

紛失した(盗難された)ことを証明できるように警察に届け出る

まずは警察署へ行き「遺失届出書」を作成することで、保険証の紛失・盗難を申告しましょう。


手続きが完了すると受理番号を教えてもらえますので、必ず保管しておいてください。


万が一保険証を悪用され身に覚えのない請求などがきた場合に、この受理番号を提示することで被害の証明になります。


なお有料(300円)にはなりますが、遺失届出証明を発行してもらうことも可能です。

勤務先や保険証の発行者(健康保険組合など)に届け出て再発行を依頼する

紛失を届け出た後には再発行依頼の手続きをしましょう。


保険証再発行をどこに依頼するかは、加入している健康保険の種類によって異なります。

保険の種類再発行依頼先
会社勤めで、社会保険(健康保険)に加入勤務先を通じて、協会けんぽ
退職後の任意継続管轄の協会けんぽ支部
国民健康保険市町村役場の担当課


なお、届け出後、新しい保険証が手元に届くまでには1週間ほどかかります。


この間にもしも病院を受診する際には一旦全額を負担し、後日保険適用分を払い戻しとなりますが、できれば最初から保険適用額で受診したいですよね。


こういった場合、会社勤めであれば所轄の年金事務所、国民健康保険であれば自治体の担当課窓口で「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらえます。


この証明書を病院窓口で提示することにより、保険適用額での受信が可能です。


また、再発行手続き後に紛失した保険証が見つかった場合は、古い保険証は発行元に返却し、新しい保険証を使用します。


この時あわせて、警察へ見つかった旨を報告しましょう。

個人信用情報機関の本人申告制度を利用する

個人信用情報機関とは、個人の信用情報を収集・管理する機関です。


クレジットカードやキャッシングの申し込みをする際には必ず、利用できるかどうかの「審査」がありますね。


信販会社などはこの審査に、個人信用情報機関の情報を参照しているのです。


逆に個人の側からは、本人確認書類を失くしてしまった場合などにその旨を申告することができます。


つまり、万が一保険証を手に入れた他人が勝手に借金などを申し込んだ場合、加盟会社が情報を参照すると「本人からの申し込みでない」ということが分かる仕組みです。


現在、日本には以下の3つの信用情報機関があり、それぞれの情報は独立していますので、保険証をなくした場合にはこの3社すべてに申告をする必要があります。


日本信用情報機構(JICC)

CIC

全国銀行個人信用情報センター

保険証を実際に悪用されてしまった場合の対応策

では、もしも保険証を悪用されてしまった時はどの様な行動を取るべきなのでしょうか。


その時の対応策をご紹介します。

  • 保険証悪用の旨を警察に伝える
  • 健康保険証を無くしても利用証の停止・保険証番号の変更は行えない
  • 身に覚えのない請求に応じる必要はない
この様な対応策があります。

この3つの対策方法について詳しく再説していきます。紛失してしまった時のために覚えておきたいポイントです。

保険証悪用の旨を警察に伝える

失くした保険証を悪用された事例としては、やはり借金関連が多いようです。


上記の「警察への届け出」「再発行依頼」「信用機関への申告」を行っていれば、後は、決して請求に応じず、警察へ被害を届け出ることのみです。


ある日突然、身に覚えのない請求書が届けば動揺してしまうのが普通ですが、自分が借金をしたのではないことを証明する手段は既に十分講じています。


慌てず、冷静に対処するようにしましょう。


同居する家族がいるのであれば、悪用による請求が届くかもしれないことをあらかじめ共有しておくと、もしもの時に驚かせなくて済むかもしれませんね。


警察への届けが済みましたら保険証の紛失を保険証発行元や勤務先に連絡してください。

健康保険証を無くしても利用証の停止・保険証番号の変更は行えない

クレジットカードを紛失してしまった時にはカード会社に連絡をして利用を停止し、カード番号を変更できますよね。しかし保険証を紛失した場合には、保険証の利用停止も番号の変更もできません。


クレジットカードを紛失すると不正にカードを利用され多額の請求などが考えられますが、保険証を一度紛失してしまうと様々なことに悪用されてしまいます。


そのため保険証の扱いには細心の注意を払うことが大切ですね。

身に覚えのない請求に応じる必要はない

もしも身に覚えのない請求書などが届いた場合にはその請求に応じる必要はありません。その理由は詐欺などの可能性が高いためです。


保険証が不正利用され勝手に名義を利用されてしまった時には、警察や国民生活センターなどに相談しましょう。


請求元に問い合わせると更にトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。また強引に支払いを命じられたとしても絶対に支払ってはいけません。そうなってしまった場合には慌てずに速やかに警察に相談してください。

保険証をなくした場合の保険証の再発行の方法

万が一、保険証をなくしてしまった場合の再発行の方法ですが、これは保険証の種類によって方法が違います。


健康保険証には以下の種類があります。

  • 社会保険・健康保険
  • 任意継続の健康保険
  • 国民健康保険
この保険証の再発行の方法に加えて、被扶養者が保険証を紛失した場合の再発行方法を解説していきます。

ご自身が加入している健康保険証を確認しておきましょう。

社会保険・健康保険に加入している場合は勤務先に行く

まず社会保険・健康保険に加入している場合は勤務先に伝えてください。


社会保険には大企業が単独または共同で運営する「組合管掌健康保険」と中小企業が加入する「協会けんぽ(全国健康保険協会)」があります。


これらの保険証の再発行は会社の事務所を通して行われます。そのため紛失した場合には会社にその旨を伝え必要書類を準備して提出しましょう。


その必要書類とは「健康保険被保険者証再交付申請書」、本人確認書類などです。


再発行にかかる手数料は組合管掌健康保険では500円〜2000円以上と加入している社会保険によって違いがあります。しかし協会けんぽでは再発行は無料でできます。また盗難によるもので警察に被害届を提出した場合には手数料が免除されるケースもありますので、確認してみましょう。


保険証の再発行を申請した場合会社を通して発行元へ連絡が行き、再発行が完了されたのち一旦会社へと送付されます。そのあとに被保険者へ渡されます。

任意継続で健康保険に加入している場合は発行元へ行く

退職した後に任意で健康保険に継続加入している場合にはご自身で発行元へ行く必要があります。


この場合の発行元とは勤めていた会社ではなく組合管掌健康保険や協会けんぽといった保険証を発行しているところです。


発行元へ必要書類を提出し再発行してもらいます。この時の必要書類は「健康保険被保険者証再交付申請書と本人確認書類です。


健康保険被保険者証再交付申請書の内容は被保険者証の内容は、被保険者証の

  • 記号と番号
  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 再発行が必要な対象者
  • 再発行の原因
などを記入します。

国民健康保険に加入している際は市町村役場へ行く

国民健康保険に加入している場合には市町村役場で再発行の手続きをします。基本的には窓口での対応ですが場所によっては郵送で申請ができるところもあります。


申請できるのは本人または住民票上同一世帯の家族に限られます。


もしその他の人に頼む場合には委任状が必要となります。また家族であっても住んでいる住所が違う場合には委任状が必要となりますので注意してください。


再発行に必要な書類は「本人確認書類」と「マイナンバーを確認できる書類」の2点です。


しかし自治体によっては他にも書類が必要な場合もありますので事前にホームページなどで確認しておくことをおすすめします。


基本的に再発行された保険証は郵送されます。しかし窓口で受け取ることも可能です。その場合には官公庁が発行する顔写真付きの身分証明書で本人確認ができれば保険証を受け取ることができます。

補足:被扶養者が保険証を紛失した場合の再発行は扶養者がする

被保険者が保険証を紛失した場合には扶養者が再発行をします。


発行方法は前項でご紹介した通りで必要書類は本人確認書類と健康保険被保険者証再交付申請書です。


また再発行後に紛失した健康保険証が見つかった場合には交付日の古いものを返却します。

参考:紛失による悪用リスクは保険証だけではない!免許証を紛失した場合

これまで保険証の紛失リスクをご紹介してきましたが悪用されるものは他にもあります。


そう、免許証です!


実際にどの様な被害を受けているのかご紹介します。

  • 銀行口座を開設される
  • クレジットカードを発行される
  • 携帯電話を契約される
この様な被害が想定されます。

免許証は身分証明書になりますので銀行やクレジットカードを発行、携帯電話だって契約できてしまいます。顔写真の確認があるからバレると思いがちですが、そこをうまく偽造するのが悪人です。その様な手口もあるので安心はしてられません。

また開設された銀行口座は振り込め詐欺などに利用され犯罪に巻き込まれる可能性だってあります。

クレジットカードは作成に審査期間を設けますので未然に防ぐこともできますが、即日発行のカードを作られてしまうと未然に防ぐことは難しいです。

まとめ:保険証を紛失した場合は悪用を防ぐためすぐに警察に届けよう

いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 保険証(健康保険証)をなくすと、他の本人確認書類との併用で借金などの悪用が可能となる
  • 保険証は写し(画像・コピーなど)であっても悪用されることがあると考えるべし
  • 保険証を落とす・盗まれるなどした場合、悪用防止のためにするべきことは「警察への届け出」「再発行依頼」「信用機関への申告」
  • 万が一、悪用されて身に覚えのない請求がきても、決して応じず警察へ相談
でした。

特に注意したいのは、保険証を財布に入れて持ち歩いている場合です。

保険証を常に携帯しているといざという時に便利なので、財布に入れているという方も多いのではないでしょうか。

しかし財布は出し入れする機会が多いため落とす確率も高く、またもっとも盗難のターゲットになりやすいものです。

さらに、ほんの少し車を離れる間、車内に置きっぱなしにして車上荒らしに遭う可能性もゼロとは言えませんね。

どのような保管方法であっても大切に扱うべきであることに変わりはありませんが、日頃から保険証を持ち歩いているという方は、それなりの対策をすることが必須であると覚えておいてください。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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