マイルド貧困ってなに?一度陥ったら抜け出せない貧困の恐怖

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マイルド貧困とは、年収200〜300万円の人を指す言葉です。一度陥るとなかなか抜け出せない恐ろしさを持つマイルド貧困には、一体どのような特徴があるのでしょうか。本記事ではマイルド貧困について、特徴や事例を中心に解説します。




▼この記事を読んで欲しい人

  • マイルド貧困とは何か知りたい人
  • 年収300万円以下の人
  • マイルド貧困から抜け出したい人


▼この記事を読んでわかること

  • マイルド貧困とは何か
  • マイルド貧困の生活・貯蓄
  • マイルド貧困の事例
  • マイルド貧困から抜け出すには何が必要か

内容をまとめると

  • マイルド貧困の定義は年収200〜300万円
  • マイルド貧困の人は、趣味や娯楽にも多少のお金が使えるが、将来に希望が持てない人が多い
  • 相対的貧困とは、その国の生活水準や文化水準に対して、生活が困窮している人
  • アンダークラスとは、低賃金で不安定な仕事に就いている貧困層
  • 男女合算では15.2%がマイルド貧困に該当
  • 女性の方がマイルド貧困の割合が高い
  • マイルド貧困でも単身者なら月1万円くらいの貯金ができる!
  • 結婚して子供がいる場合は生活費を切り詰めたり手当や控除を利用する
  • 優秀な人ほどマイルド貧困に陥る危険性がある!
  • マイルド貧困から抜け出すには生活費の見直しが重要
  • 生活費の見直しならマネーキャリアがおすすめ!
  • マネーキャリアなら予約から面談までオンラインだから、スマホひとつで利用可能

マイルド貧困とは?マイルド貧困に定義される年収は200~300万円!


マイルド貧困とは、生活保護を受けるほど生活は困窮しておらず、好きなことに多少のお金はかけられるが、ギリギリの生活を強いられて将来に希望の持てない層のことです。


早稲田大学の橋本健二教授が説く階級である


  • 資本家階級
  • 新中間階級
  • 労働者階級
  • アンダークラス


をもとに、「ダイヤモンドオンライン」が新たに「労働者階級」と「アンダークラス」の間にマイルド貧困を定義しました。


マイルド貧困の年収のおおよその目安は200万円〜300万円です。


生活できないほど困窮している場合は生活保護などの公的救済制度が受けられます。


しかしある程度の収入があるマイルド貧困は、ちょうど公的救済制度が受けられない層です。


公的救済制度が受けられないため、現状を打破できるだけの時間もお金もありません。


そのためアンダークラスと同様に、一度マイルド貧困に陥ると、なかなか抜け出せないという特徴があります。


マイルド貧困の主な原因は、非正規労働問題とフリーランスの不安定収入層の増加です。


厚生労働省の「『非正規雇用』の現状と課題」によると、平成元年時点での非正規雇用者数は817万人で、労働者全体の19.1%でした。


しかし平成29年時点では非正規雇用者数が2,036万人で、労働者全体の37.3%を占めています。


以上のように、非正規雇用者の数は約30年の間に倍以上に増えているのです。


また、厚生労働省の「フリーランス白書」では、独立後に収入が減り、不安定になったと回答した人の割合が高くなっています。


このような点から、近年はマイルド貧困の増加が問題となっています。

マイルド貧困を理解するために知っておくべき用語


一言に「貧困層」と言っても、マイルド貧困をはじめ、様々な層が存在します。


そのため、マイルド貧困の性質を理解する際は、同時にこれらの用語も知っておくことが大切です。


本章では貧困層の中から、相対的貧困アンダークラスに関してそれぞれ解説します。

①相対的貧困

相対的貧困とは、その国の生活水準や文化水準に対して、生活が困窮している人を指します。


OECDの基準では貧困線を下回っている人が該当します。


貧困線とは、その国の全人口の等価可処分所得の中央値の半分とされ、厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、2018年時点での貧困線は127万円、相対的貧困率は15.4%です。


相対的貧困に陥ると、多くの人が当たり前のように送れているはずの、標準的な生活が送れません。


生活がままならず飢えで苦しんだり、医療も満足に受けられなくなったりします。


日本における0歳〜17歳の子供の相対的貧困率は、OECD加盟34ヶ国の中でも10番目に高く、平均を超えている状況です。


また、子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯に関しては、加盟国の中で最も相対的貧困率が高くなっています。


このような家庭で育った子供は、家庭環境や教育水準を理由に、将来的に相対的貧困に陥る可能性が高いとされています。


このような世代を超えた貧困の連鎖が起こりやすい点が、相対的貧困の特徴です。

②アンダークラス

アンダークラスとは、低賃金で不安定な仕事に就いている貧困層のことです。


アンダークラスの平均年収は186万円で、日本には約930万人存在するとされています。


2025年には1,000万人を突破する見込みです。


アンダークラスにパート主婦は含まれません。


かつての非正規労働者における割合は、パート主婦の方が多い傾向にありました。


しかし現在はパート主婦の割合が5割を切り、アンダークラスが主流となっています。


アンダークラスはギリギリの生活を強いられるゆえに余裕がなく、結婚や出産・子育てが難しいという特徴があります。  


2015年時点でのアンダークラスにおける未婚率は以下の通りです。


未婚率
男性66.4%
女性56.1%


この未婚率は、正規労働者階級のおよそ倍の数値となっています。


近年の日本は少子化が問題となっていますが、アンダークラスのように結婚などの将来に対し不安を抱えている人が多い状況では、より深刻化が進む一方でしょう。


しかし自力でアンダークラスから脱却するのは非常に難しく、脱却のためには正規雇用との格差是正や最低賃金の引き上げが欠かせません。

年収200~300万円ってどんな生活?貯金はいくら?


マイルド貧困の人は、どのような生活を送っているのでしょうか。


実は、単身者であれば「貧困」というほど生活に困窮はしていません。


趣味や娯楽にお金が費やせますし、わずかですが貯蓄もできます。


しかし家族が増えるにつれ支出が増えるため、生活費を切り詰める必要が生じます。


そのため、マイルド貧困に陥っている人の多くは、将来に対し希望が持てません。


本章ではそんなマイルド貧困層にあたる年収200〜300万円の人はどのくらいいるのか、またその生活費の内訳を解説します。

年収200~300万円の人はどれくらいいる?

マイルド貧困に該当する年収200〜300万円の人は、日本国内にどのくらいいるのでしょうか。


国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果」もとに、年収別労働人口の割合を見てみましょう。


300万円以下200万円以下100万円以下
男女合算15.2%13.7%8.1%
男性11.0%6.6%3.3%
女性21.0%23.8%15.0%


以上のように、男女合算では15.2%がマイルド貧困にあたり、200万円以下と100万円以下も合わせた貧困層は37%です。


男女で比較した場合、女性の方が貧困率が高いことがわかります。


理由としては女性の方が非正規労働者が多いことが挙げられます。


この調査ではパート主婦なども含まれているため、必ずしもマイルド貧困であるとは限りません。


しかし、男女平等参画局「男女共同参画白書 平成30年版」によれば、非正規労働を行っている理由を「正規の職員・従業員の仕事がないから」と答えた人の数は、男性134万人、女性139万人と、女性の方がやや高いのが現状です。


また、給与の男女格差も完全には解消されていません。


したがって、女性の方がマイルド貧困に陥りやすい社会構造となっているといえます。

生活費の内訳

年収300万円の人の生活費は、どのような内訳になっているのでしょうか。


実は年収300万円であっても、無理なく生活できている人は多いです。


特に単身者であれば、少しの節約をすれば趣味や娯楽に使うこともできます。


それでは単身者の場合の生活費の内訳を見てみましょう。


収入支出
給与200,000円-
家賃-70,000円
食費-30,000円
外食費-15,000円
水道光熱費-10,000円
通信費-10,000円
日用品-3,000円
被服・理容費-10,000円
医療費-1,000円
保険料-10,000円
貯蓄-10,000円
趣味・娯楽-10,000円
交通費-5,000円
その他-10,000円
合計200,000円199,000円


以上のように、趣味や娯楽に使った上で、月に1万円の貯蓄をする余裕もあります。


しかし、結婚したり子供ができたりすると状況は変わります。


夫婦2人家庭の場合は、専業主婦にならずフルタイムやパートタイムで働けば、月2〜3万円ほどの貯蓄もしつつ無理なく生活できるでしょう。


しかし、子供が生まれると教育費などもかかることから、生活費を大幅に見直す必要があります。


例えば通信費を削ったり、各種手当てや控除を利用したりしてください。


節約をして様々な制度を利用すれば、貯蓄も行いつつ無理のない生活ができるでしょう。


ただし、決して贅沢はできません。

優秀な人ほど危険!?マイルド貧困になった人の事例


マイルド貧困は、必ずしも教育や子供時代の生活環境が原因でなるわけではありません。


実は優秀な人ほど、陥ってしまう危険性を抱えているのです。


本章では優秀な人がマイルド貧困に陥った事例を3つご紹介します。

事例①意識高い系でマイルド貧困になった男性

最初に、意識高い系でマイルド貧困になった30代男性の事例をご紹介します。


かつては大手IT企業でマネージャー職に就き、年収700万円を稼いでいたという男性。


会社員時代は多くのセミナーや異業種交流会を渡り歩き、意識を高めてきました。


そんな中、会社での経験を生かし起業をするために、3年前にこの大手IT企業を退職します。


最初は前職の上司から仕事をもらいつつフリーランスで仕事を始め、2年前に起業を果たしました。


しかし、当初思い描いていた通りの経営状況にはなっていないのが現状です。


現在は月の売上50万円に対し生活費は10万円。


それも、法人ではなく個人で請負った仕事で、なんとか食いつないでいる状況です。


勝負に出なくてはと考えているものの、今の事業に自信が持てずにいます。


「意識高い系でないとダメ」な風潮の強いIT業界。


そんな風潮の中で、この男性は意識を高めることばかりに注力してしまいました。


その結果、目の前の本来やるべきことが疎かになり、独立こそ全てと焦ってしまったことが、このマイルド貧困へとつながりました。


これこそが意識高い系の人が陥りやすい罠なのです。


今も意識高い系の人々の言葉に踊らされ、マイルド貧困になる社長が生まれ続けています。

事例②有名国公立大学卒でマイルド貧困になった男性

次に、有名国立大学卒でマイルド貧困になった30代男性の事例をご紹介します。


男性は有名国立大学を卒業後、様々なアルバイトを転々とし、キャラクター関連ショップでアルバイトとして働き始めました。


時給は900円からスタートし、現在は1,200円です。


手取りは18万円ほどで、家賃12万円の部屋で彼女と同棲をしています。


毎月1〜2万円を趣味のカードゲームに使っていますが、そろそろ彼女との結婚を考えたい時期。


そのためにも正社員登用をされたいとは考えつつも、具体的なビジョンは考えられていません。


現在の収入でも生活が困窮するわけでもなく、趣味にも多少のお金が使えます。


アルバイトという不安定さや、結婚に対しては不安を感じつつも、将来のことは「考えても意味がない」と真剣に考えるのは避けている状況。


正しくマイルド貧困の実態です。


有名国立大学卒ということで、周りは大手企業や公務員として働いている友人が多くいます。


しかしこの男性は、「自分は自分」と今の状況を無理に打開しようという気持ちがありません。


有名国立大学卒というエリートのレールから、一度でも外れたら抜け出すことが困難なのが、マイルド貧困の恐ろしさです。

事例③キャリアウーマンからマイルド貧困になった女性

最後に、キャリアウーマンからマイルド貧困になった40代女性の事例をご紹介します。


会社員時代は営業課長職に就き、年収600万円を稼ぐキャリアウーマンでした。


しかし夫の経営する飲食店が経営難で、その補填をしているため貯蓄は400万円程度しかありません。


そんな中で夫が急死したことをきっかけに、マイルド貧困へと陥ることになります。


夫の死亡保険金は従業員への補償や店舗の原状回復費用でほとんど消え、残ったのはわずかな貯蓄と介護が必要な義母のみ。


徘徊や転倒などの危険があるため義母から目が離せないことから、介護を理由に泣く泣くキャリアを捨てることを決断します。


わずかな貯蓄は生活費と介護関連費用で消えていったため、非正規労働として働き始めました。


昼はデイサービスを利用しながら仕事をして、夜は義母の介護。


いつ終わるかわからない介護生活と、かさみ続ける介護費用に、将来への不安は募るばかりです。


今は自宅介護ができていても、いずれ要介護度が進めば施設への入居も考える必要があります。


施設への入居費用を稼ぐためにも、今は非正規労働を繰り返す日々。


40代というまだ先が長い人生の中で、人間として、女性としての幸せを諦めきれずにいますが、介護と仕事に追われなかなか前向きに過ごせないのが現状です。

自分はマイルド貧困?抜け出したいならまずは地道に生活費の見直しが重要!


事例で挙げた人は特別リスクのある選択を選んで失敗しているだけで、自分には関係ないようなイメージを持っていませんか?


しかし、一般的な家庭の人でも年収300万円以下であれば既に陥っていますし、いつ誰が陥るかわかりません。


そんなマイルド貧困から抜け出すにはどうしたら良いのでしょうか。


起業?スキルを身につける?それとも港区女子になって玉の輿を狙う?


このような考えを持つ前に、まずは生活費の見直しから始めてみましょう。


マイルド貧困は贅沢さえしなければ無理なく生活ができます。


そのため、生活費を見直して地道に貯蓄や保険の積立などを行っていけば、将来的には余裕を持って生活ができるはずです。


一発逆転を狙ってリスクの高い方法を取ると、マイルド貧困から抜け出せないどころか、より生活が困窮するかもしれません。


マイルド貧困を抜け出すためには、一発逆転ではなく現実を俯瞰した地道な努力が重要です。


しかし自分で生活費を見直しても、どこを改善したら良いか判断するのは難しいですよね。


そのため、生活費の見直しをする際は、ファイナンシャルプランナーを始めとしたお金のプロへの相談がおすすめです。


ファイナンシャルプランナーは、収支や資産などの情報をもとに問題点や改善点を見つけ、その人に合った方法でのマネープランの作成や、保険の提案などを行います。


生活費の見直しをする際は、ぜひファイナンシャルプランナーなどのお金のプロに相談してみましょう。


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マイルド貧困でお悩みの人は、お気軽にマネーキャリアへご相談ください。

マイルド貧困に関するまとめ


マイルド貧困に関して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


困窮することなく暮らしている人からすると、「貧困」はどこか他人事に感じることでしょう。


しかしマイルド貧困は誰もが陥る可能性を持っています。


マイルド貧困にあたる層の人は、生活がギリギリのため将来に対しては悲観的です。


しかし、贅沢をしなければ趣味や娯楽にもお金が使えるため、一度ハマるとなかなか抜け出せない恐ろしさがあります。


優秀な人であってもマイルド貧困になるリスクは抱えており、決して油断はできません。


マイルド貧困から抜け出すためには、まず生活費の見直しから行いましょう。


決して起業や港区女子で玉の輿など、一発逆転を狙ってはいけません。


地道な努力こそが、マイルド貧困脱却への近道です。


生活費の見直しを行う際は、ファイナンシャルプランナーなどのお金のプロへの相談がおすすめです。


客観的な立場から生活費の無駄や問題点を探し出し、貯蓄や保険の積立などで将来に向けた資産形成をしましょう。


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マイルド貧困脱却のための生活費の見直しは、ぜひマネーキャリアにご相談ください。

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