独身男性・女性の老後資金は平均いくら必要?老後資金の貯め方も解説

独身男性・女性の方で将来が不安、老後資金が不安という方は多いでしょう。今回、独身一人暮らしの平均的な生活費をシミュレーションし、老後にかかる費用の目安から老後資金の貯め方も紹介します。悲惨な老後を送らないために、ゆとりある老後に必要な貯金額を把握しましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

独身の方必見!老後にかかる費用と老後資金の準備方法


「老後資金っていったいいくら必要なの?」

「老後資金てどうやって準備すればいいの?年金だけで大丈夫?」


と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?


今の日本では、年金だけでは生活費はまかなえないと言われてます。つまり、年金とは別に老後資金を準備しておく必要があります。


特に独身の方はパートナーや子供による金銭的な援助がないので、自分で老後の生活を考え、老後資金はいくら必要になるのかを計算する必要があります。


老後資金は既婚か未婚か、子どもはいるか、男性か女性かでも大きく変わってくるので自分は大体いくら必要になるのかを今から把握しておきましょう。


働いている今からできる老後の準備はたくさんあります。今から老後の生活の準備を進め、ゆとりのある老後を迎えましょう。


この記事では

  • 老後資金の必要額はいくら?
  • 年金はいくら受け取れる?
  • 老後資金の準備方法

について解説していきます。


特におひとりさまで老後の時間を過ごす方には重要な内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

独身男性・女性の老後にかかる費用平均!2000万円は必要?

独身男性、独身女性は年金でもらえるお金の他に必要な老後資金は2000万円と言われています。


2017年の総務省の「家計調査年報(家計収支編)」によると、

  • 65歳以上の無職の高齢単身者世帯の1ヶ月の平均支出は約15.5万円
  • 公的年金などの社会保障給付の平均は10.7万円
そのため毎月4.8万円の生活費を自分で補う必要があります。

独身男性の老後は約20年と言われており、毎月不足する生活費4.8万円×12ヵ月で、1年間で57.6万円、65歳からの20年では約1152万円かかります。

一方、独身女性の老後は25年と言われてるので必要な老後資金は、約1440万円となります。

これに加えて介護費用やお葬式代を考えると、配偶者に頼らずに安心した老後を迎えていくためには、合計で2000万円ほどの老後資金を用意することが必要となってきます。


独身の方が老後にかかる生活費

果たして独身の方が老後にかかる生活費ははどのくらいなのでしょうか?

項目金額
食費36,378円
住居18,268円
保険医療8,286円
光熱・水道13,109円
教養娯楽17,082円
交通費14,405円
被服及び履物
3,766円
その他支出50657円
合計161,995円

(参考:総務省統計局家計調査報告(家計収支編)2018年)


上の表でもわかるとおり、老後にかかる生活費は161995円という調査結果が出ています。 


これは想定できる最低限の生活費です。たとえば保険医療費を8286円としていますが、もし病気になって手術となれば、さらに高額な医療費がかかりますので生活費も上がってきます。


長生きした場合や医療費などを加味すると、さらに高額になってくる恐れもあるのです。

賃貸か持ち家で生活費は変化

上記の表で注意しなくてはいけないのが住居が持ち家の場合で計算されていることです。


つまり持ち家がなく、賃貸で老後の生活する方はさらに高額になります。 


独身の方が賃貸で老後を過ごす場合、 65歳以上の単身世帯の1カ月当たりの家賃は41,562円です。つまり月の生活費は200,636
円が必要となってきます。


シェアハウス場合でもの家賃と対して差がありません。


もし老人ホームといった施設に入るとなると、さらに高額になります。


つまり、賃貸の方は家賃分としてさらに約1000万円が必要となってくるので約3000万円を目安に老後資金を準備しておく必要があります。

独身女性は独身男性よりも平均余命が長いことも視野に入れる

老後資金は、長生きなほど高額になります。


老後に必要な資金を計算するには平均寿命を把握し、それを元に計算することが必要です。

 

老後の資金を計算するにあたって、独身女性は独身男性よりも平均寿命が長いことを忘れてはいけません。


 厚生労働省「平成30年簡易生命表」によると、65歳での平均余命は男性が19.70年、女性が24.50年とされています。


それぞれの老後とされる期間は男性が約20年、女性が約25年ということになります。


これを加味しながら計算することで、男女それぞれの必要な老後資金を割り出すことができます。


シングル女性は約25年分の老後資金が必要となるので、平均費用よりも高額になることも気をつけましょう。

「最低生活費」だけでなく、趣味の分の支出も視野に入れよう

老後を過ごす多くのシニアの方が、旅行やグルメを楽しんでいます。

旅行に対する1か月間の平均支出額は男性が2万4,000円、女性が2万7,000円と言われています。

またグルメに対する出費は、1カ月当たりの平均支出額は男性が1万7,000円、女性が1万1,000円と言われています。

このように、仕事をしている時はできなかったことに時間とお金を費やす方が多いのです。

また、シニアの方は高齢独身でいることに、前向きな方が多く老後の1人を楽しむと言う方も増えているようです。1人で趣味を満喫するとなると、やはり趣味の支出はさらに増えます。

もちろん先ほどの老後にかかる生活費は、最低生活費なのでこのような趣味の分の支出は入っていません。せっかく
時間ができたので趣味を楽しみたいのであれば、
老後の趣味の分まで視野に入れて老後資金を計算しましょう。

独身の方の老後の収入はいくら?


老後の主な収入は、国民年金厚生年金です。


国民年金は「基礎年金」とも呼ばれているもので20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入している年金を指します。保険料は定額で、支給額は加入期間によって異なります。


厚生年金とは国民年金に上乗せされて給付される年金を指し、正社員として働いていた人は納めている年金を指します。


これらを納めていた人が、納めていた期間によってもらえるのが年金です。


果たしてそれぞれ、いくら受け取れるのでしょうか?

国民年金と厚生年金はそれぞれいくら?

国民年金は平均受給月額は約5万円、厚生年金は約9万円です


国民年金ですが、前述にもあった通り、国民年金は納付期間によって受給額が異なります。


なので0歳から60歳までの40年間きっちり保険料を納めたのであれば、約6万5,000円を受け取ることができます。


こちらに加えて正社員として働いていた人が受け取れるのが、厚生年金です。厚生年金の平均受給月額は約9万円なので、計約14万円を受け取れることになります。


厚生年金において注意が必要なのが、年齢によって受給額が異なる点です。これは法律の改正が影響しており、年齢が高いほど高額の厚生年金を受け取れます。


一番少額だと60歳〜64歳で約8万5000円、一番高額だと85歳から89歳で約16万7000円となります。


また、今の日本は賦課(ふか)方式(今の現役世代が納めた保険料を、今の年金受給世代に老齢年金として支払う方式)なので、今働いている人たちがもらえる額は、高齢化の影響によって約2割減ると言われています。

公的年金は独身者の方が既婚者に比べて少ない?

公的年金は独身者の方が既婚者よりも少ないと言われています。


それは単純に、既婚者だと夫婦二人分の年金が入ってくるからです。つまり、夫婦二人だと助け合えるものが、独身だと何があっても一人で生計を立てないといけないということです。


公的年金が少ない分、独身の方は準備しておくべき老後資金の必要額が大きくなるでしょう。

将来が不安という独身の方におすすめな老後資金の準備方法

年金だけでは老後資金が足りないと言われている今、老後資金を今のうちから準備しておくことが大切です。


そんな老後のために今から老後のためにできる準備方法は次のようなものが挙げられます。

  • 節約をする
  • 急な病気に備えて保険に入る
  • 老後に向けて貯金する
  • 資産運用をする
このような準備は、働けなくなった後に始めても遅いのです。老後資金の準備は早くしておいて損はないでしょう。

そしてここでいう老後資金のための資産運用とはどのような方法があるのか、詳しくご説明します。

個人年金保険

個人年金保険とは、ライフプランにあわせて、確定年金・有期年金・終身年金の3種類から選択することができる保険です。


公的年金や企業年金では不足している分を個人で補うもので「私的保険」よも呼ばれます。


 個人年金保険とは保険料を納めることで、60歳や65歳といった一定の年齢から一定期間(5年、 10年など)もしくは一生涯にわたって毎年、一定額の年金が受け取れる貯蓄型の保険です。


これらは主に、外貨建てや株、債券で運用されているので、運用次第で大きく値上がりするものもあります。また、加入時は定期預金よりも利率が高いのも特徴です。


個人年金保険のメリットは

  • 所得控除が受けられる点
  • 確実にお金を貯蓄できる 
  • 預貯金よりも老後資金が増える可能性がある

という点です。


個人年金保険は制約が少なく、途中解約もできるので、老後資金を貯めたいけどまず何からしていいか分からないと言う方にオススメです。

iDeCo

iDeCoとは確定拠出年金のことを指します。


確定拠出年金とは60歳まで毎月積み立てたお金を、60歳以降に一時金や年金の形式で受け取ることが出来る制度です。


原則として60歳になるまで、引き出すことはできません。逆に言えば確実に老後資産を形成できます。


iDeCoを利用するメリットは

  • 積立金額すべて「所得控除」の対象で、所得税・住民税が節税
  • 運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」にななる
  • 受け取るとき「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象になる 
といった点にあります。

日本在住の20歳以上60歳未満の方であれば、始めることが可能で月額5000円の積み立て金から始めることができます。

お好きな金融機関で専用の口座を開設し、始めることができます。

つみたてNISA

つみたてNISAとは年間40万円までのつみたて投資が非課税で最大20年間投資をできる制度です。


少額投資をする人が長期投資することを目的としたもので、長期間非課税なので老後の必要額を補うことができ、老後に必要な貯金を増やすことができます。


日本に住んでる20歳以上の人は利用できますが、口座開設は2037年までとなるので注意が必要です。


つみたてNISAのメリットは

  • 少額から投資できる
  • 運用益が20年間非課税
  • つみたて資金はいつでも引き出せる

といったものが挙げられます。


こちらは国が推奨しているもので、金融庁が定めた基準を満たす投資信託のみ取引することができるので安心です。


お好きな証券会社から全ての金融機関から1人1口座のみ開設できます。

老後資金が不安な独身の方は、FPにライフプラン相談がおすすめ


ここまでご説明致しましたが、

「本当に大丈夫かな…?」

「今からでも本当に間に合うの…?」

と思う方もいらっしゃると思います。


特に独身の男性、女性の方は、老後資金を確保できなかったらと思うと怖いですよね。


そういった方はまず、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをオススメします。


FPにライフプラン相談すると、将来のマネープランや保険の見直しをすることができるので、今からできる老後資金の準備をプロの目線でアドバイスをしてくれます。


マネーキャリア相談では、経験豊富なFPが数多く揃っているので、ライフプラン相談や保険相談に乗ってくれます。


また、現在オンライン相談も実施しているので自宅から出なくていいので、安心して気軽に相談できます。


まとめ:独身の方は特に老後の備えを万全に!

今回は老後資金とその準備方法について、特に独身の方にフォーカスしてご説明しました。いかがでしたか?


今回の記事のポイントは

  • 老後資金は2000万必要
  • 働いているうちからできる老後の準備はたくさんある
  • 老後資金の準備方法は個人年金保険、iDeCo、つみたてNISA
  • 不安な方はFPに相談

です。


これからさらに年金の受給額が減ると言われている今、老後の備えは万全にしなくてはいけません。


特に独身の方は、貧困な老後生活を迎えないためにも対策をしておきましょう。今からコツコツ準備しておけばゆとりのある老後が迎えられます。


周囲の方やFPに相談しながら、明るい老後を迎えましょう。

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