更新日:2022/01/31
給付型奨学金を利用するための年収基準とよくある疑問を解決!
返済義務のない給付型の奨学金。利用できるのであればぜひとも申し込みたいですよね。今回はそんな魅力的な奨学金制度についての解説をしていきます。年収はいくらまで大丈夫なのか?そもそも利用できる基準はなんなのか?よくある質問なども解説していきます。
- 大学進学したいけれど家計が苦しい人
- 大学在学中に家計が苦しくなった人
- 給付型奨学金の審査基準が知りたい人
- 返済義務のない給付型奨学金制度
- 給付型奨学金の審査基準
- 給付型奨学金の柔軟性
目次を使って気になるところから読みましょう!
給付型奨学金の家計基準
給付型奨学金を利用するにはご家庭内での収入と資産のそれぞれの金額が基準値を下回っていることが必要です。
給付型奨学金の会計基準には収入基準と資産基準があります。
まずはそれぞれの基準値を確認していきましょう。
収入基準については収入別に3つの区分に分かれます。
- 第1区分…ご家族全員が市町村民税所得割が非課税
- 第2区分…ご家族全員の支給額算定基準額(※)の合計が100円以上25,600円未満
- 第3区分…ご家族全員の支給額算定基準額(※)の合計が25,600円以上51,300円未満
課税標準額と調整控除額についてはマイナポータルで調べることができますので、マイナンバーカードをお持ちの方はぜひ確認してみてください。
資金基準については申込日時点でのご家庭内の資産額が合計で2,000万円未満であることが必要です。またひとり親のご家庭で親御さんのみ収入がある場合は1,250万円未満でなければなりません。
その他の給付型奨学金を利用する際の審査条件
①成績
- 高校の全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上
- 専修学校の高等課程の生徒はこの評価と同じ学修成績
②保証人の有無
貸与型奨学金は卒業後に返済義務がありますので保証人が必要になります。
しかし今回紹介している給付型奨学金については返済義務がないので保証人は必要ありません。
保証人には連帯保証人と保証人の2種類があります。
- 連帯保証人とは奨学金を学生本人と一緒に返済する義務を負う人のこと。
- 保証人とは学生本人と連帯保証人が奨学金返済ができない場合に代わりになって返済する人のこと。
つまり保証人とは返済義務がある場合に必要になってきます。
そもそも給付型奨学金を利用する対象は経済的に余裕のない方になっていますので、その点を考慮して返済義務のない制度となっています。
③募集人数の条件
ここまでは給付型奨学金を利用する際の審査基準を確認してきました。
最後に募集人数について説明させていただきます。
学費を用意する余裕のないご家庭の学生であり、大学などへの進学に対する意欲が認められた方のみが利用することができるこちらの制度ですが、募集人数が少ないと元も子もありません。
ですので給付型奨学金の審査基準を満たした方は全員が利用可能になっています。
学びたい気持ちを最優先に考えて募集人数の制限も設けずに受け入れている制度なのです。
アルバイトの稼ぎすぎに注意!本人の収入も含まれる?
親御さんの収入だけなくお子さんもアルバイトで収入を得ているご家庭も少なくはないかと思います。
学生のうちからアルバイトをして労働に対する賃金を稼ぐことは、将来、社会に出て活躍するうえでもいい経験になるかと思います。
ただし、お子さん本人が得た収入もしっかりとご家庭の収入に含まれるため注意が必要です。
収入基準でも確認した通りご家族全員の年収と資産の合計金額で判断されるためです。
ここで気を付けていただきたいことはご家族全員の収入が最大でも378万円(※)を超えないようにしていただくことです。
※4人世帯で申込者本人と給与所得者の親1人と無職の親1人と中学生の場合の年収目安です。
例としてひとり親のご家庭でお子さんと2人暮らしの場合で確認してみましょう。
2人世帯で申込者本人と親1人の場合の年収目安は373万円です。
親御さんがパート勤めで週5日間を1日8時間労働で時給1,500円で働いているとして計算すると以下の月収になります。
8時間×時給1,500円=日給12,000円×5日間×4週間=月収240,000円
12カ月を掛けて年収として計算すると年間288万円稼いでいることになります。
例のようなご家庭の年収目安である373万円から288万円を引くと残り85万円になります。
言い換えるとお子さんの稼いでいい年収が85万円ということです。
85万円と聞いてみてどうでしょう。
12カ月で割って月収として計算すると月収約7万円と言えます。
お子さんがアルバイト勤めで土日のみ出勤して1日6時間労働で時給1,500円で働いているとして計算すると以下の月収になります。
6時間×時給1,500円=日給9,000円×2日間×4週間=月収72,000円
お子さんの稼いでいい月収が約70,000円なので月収72,000円稼いでしまうと月々2,000円ずつ超える計算になります。
お休みの日にしっかり働いてしまうと簡単に超えてしまう金額かと思います。
ご家庭の負担を減らしたいがために頑張りすぎてしまい逆に利用できるはずだった制度を利用できなくなっては意味がなくなってしまうのでご家族全員の年収の把握はしておきましょう。
給付型奨学金に関するよくある質問
基本的な給付型奨学金の審査基準は確認できましたでしょうか。
ここからは給付型奨学金に関するよくある質問について説明していきます。
- 所得が基準を超えていたらどうなの?
- 年金は収入になるのかな?
- 急に必要になったけど申し込めるのかな?
こんな疑問について確認していきましょう。
①所得が基準を超えてたら絶対利用できない?
②遺族年金や障害年金も家計基準に含まれる?
③家計急変などで急に給付型奨学金が必要になっても申請できる?
- 生計維持者の一方または両方が死亡した場合
- 生計維持者の一方または両方が事故か病気により半年以上、就労困難な場合
- 生計維持者の一方または両方が自らの意志ではなく失職した場合
- 生計維持者が災害にあって、生計維持者の一方または両方が生死不明、行方不明、就労困難などにより世帯収入が多く減った場合
給付型奨学金に関するまとめ
今回は給付型奨学金の審査基準などについてご紹介しました。
- 世帯収入が378万円を超えないご家庭の方
- 学びたい気持ちがしっかりとある方
- 上記2点に当てはまる全員の方